毎年この時期に行われる春の高山祭を見に行ってきました。
結果的には雨の影響で祭の一部の行事が中止になりましたが、満開の桜と合わせて楽しむことができました。どちらかというと花見がメインです。
春の高山祭とは
高山といえば春・秋に催される高山祭が有名です。
春の高山祭は「山王祭」とよばれ、秋の「八幡祭」と合わせて多くの人が訪れます。山王祭は旧高山城下町南半分の氏神様である日枝神社(山王様)の例祭です。
毎年4月14日・15日、祭の舞台となる安川通りの南側・上町には、「山王祭」の屋台組の宝である屋台12台が登場します。各屋台についての説明はこちら▶春の高山祭屋台
祭の主な行事としては、御巡幸(祭行列)、屋台曳き揃え、からくり奉納、夜祭があります。
特にからくり奉納はあたり一帯を埋め尽くすほど人が殺到するため、近くで見たいのであれば1時間前くらいから場所取りをする必要があります。
パンフレットはこちら▶平成30年春の高山祭パンフレット
満開の臥龍桜
今年は全国的に桜の開花が早く、今回訪問時の高山の開花状況はいったいどうなるのか気になっていました。
結果的には満開の桜が出迎えてくれたのでとても嬉しい。
ただ、天気予報ではこの土日は雨が降るとの予報だったので、花見を満喫するために金曜日から高山入りしています。
まず訪れたのは飛騨一宮にある臥龍公園。
もちろん臥龍桜を見るためです。
臥龍桜は推定樹齢1100年以上の江戸彼岸桜で、この枝幹が龍が臥した姿に似ていることからそう呼ばれています。
高さ20m・目通り周囲7.3m、南北30mに枝を広げる大樹で国指定の天然記念物になっています。
「氷菓」アニメ最終話で登場したこともあり、個人的にも思い入れが深い場所。この日は天気も最高で、しかも満開という素晴らしいシチュエーションでした。
「氷菓」では4月3日に開催される生きびな祭りの日に満開になっていましたが、実際にはそれよりも二週間ほど待たないと満開の臥龍桜は見ることができません。
訪れたのは早朝で、ニホンカモシカが人目も気にせず草を食べてました。
人慣れしてるっぽい。
飛騨一ノ宮駅前の通りの桜も見頃でした。
桜や紅葉は訪れる日が一週間違っても見頃を過ぎてしまっていたりするので、今回は本当に運が良かったです。
高山市街の桜
今日は一日中晴れの予報。
中橋をスタートして宮川沿いに桜を眺めにぶらぶら歩いてみました。
山王祭の前日ということで、すでに多くの外国人観光客が街中を歩いています。みんな桜に夢中のようです。
結局斐太高校まで歩いていった中で、アクセスの良さもあってか中橋付近で桜の撮影をしている人が一番多かったです。
弥生橋の上流側。春の陽気が心地よい。
本日の宿
高山祭の日は高山中の宿が満室になるといっても過言ではありません。
なので半年くらい前から予約必須ですが、あえてキャンセル待ちを狙うのも手だと思います。今回のように当日の天気が悪いとかだとキャンセルが増えるかもしれないし。
以前お世話になったゲストハウスが1月に正式オープンしていました。
設備はこれから充実させていくとのことで、中橋まで歩いて2分くらいの好立地にあります。
斐太高校
いったん宿に荷物をおいて身軽になってから再度散策へ。
いったん斐太高校まで行き、市街に戻りながら桜を見ることにしました。
今日は平日なので普通に中で授業やってます。撮影中生徒と鉢合わせすると色々困るので、授業等で屋外に生徒がいないであろう昼休みの時間を狙って訪問。
若干見頃は過ぎていましたが素晴らしい眺め。
今更ですが氷菓のキービジュアルカットも撮影しました。
ビジュアルの桜の色はピンク寄りで、実際には白っぽい感じです。
花見は続く
斐太高校から南下していきます。
宮川緑地公園の桜。
ここではビニールシートを広げてプチ宴会みたいなことをしている方が数名いました。
まとまって桜が咲いているので花見には最適な場所です。
不動橋付近までくると人も少なく、自分一人で思う存分花見ができます。
岐阜アニメの展示@EaTown
市本町にある飲食施設「EaTown飛騨高山」に県ゆかりのアニメを紹介する展示スペースを設けられたということで見に行きました。
すでに放送が始まっている春アニメ「ひそねとまそたん」の展示もあります。
これの舞台訪問もやってみたいところですが、岐阜基地が舞台なので航空祭のときくらいしか中に入れなさそう。各務原の町並みもいずれ登場するのでしょうか?
15時くらいに遅めの昼食をとりました。バンドスさんのカレーはやっぱ美味しい。
江名子川~飛騨護國神社周辺はどちらかというと外国人観光客が多いです。
古い町並みからは離れていますが絶好の桜スポットです。
明日神事が行われる日枝神社を下見。
中橋に戻ってきました。
撮影してる途中も駅方面から続々と観光客が押し寄せてきてました。
日が落ちる寸前のそらのグラデーションが好き。
その後は適当に夕食を済ませて宿に戻りました。
高山に来る度に今回は飛騨牛を食べるぞと心に決めているものの、いざ来ると値段の高さに引いてしまい結局簡単な食事で済ますことが多いです。私が富豪だったらこんなことはないのに。
夜は不動橋で星空軌跡を撮影しました。
不動橋と桜と星をいっぺんに撮ろうとするとこのアングル以外は厳しいです。川の反対側にも桜はありますが、撮影の向きが市街地側なので灯りが多く、車もしょっちゅう通るのでその光が入ってしまいます。こちら側はそこまで車が通らないのでまだましという感じ。
あと、街中にある橋なので深夜でも歩行者や自転車で通る人はいます。橋を横切る感じに移動された場合は比較明合成したときにそこまで影響がないけど、奥行方向に動かれると長い間撮影に反映されるので難しいところです。
今回も、河川敷を歩く人がいないことを祈ってました。インターバル撮影は最初に設定したらあとは放置するだけです。こちら側にできることはなにもないのでカメラの近くで酒飲みながら花見をしてました。
北極星を中心にぐるぐる星が回るように撮影したのは完全に偶然です。明合成したときに気づきました。
この時期しか撮影できないシチュエーションなだけに、雲がひとつもなかったのは非常に運が良かったといえます。あまり風もない状況だったのはナイス。
撮影対象が木なので風が吹くと枝が揺れてしまい、それを合成すると枝がブレブレになってしまいます。なので本気で撮影する人は「星の軌跡写真」と「手前の風景写真」の二種類撮影し、あとで風景部分だけマスク処理をして合成するらしいです。
山王祭初日
山王祭当日は夕方から雨の予報。朝方から雲が出てきたようで、空は真っ白です。
さっそく神事を見に日枝神社へ。
この後、本堂の中で色々神事をやっていました。
中には入れないので賽銭箱付近から覗いてました。
屋台曳き揃え
本日は、日枝神社から中橋へ向かう大通りで屋台曳き揃えが行われています。
屋台を見てまず驚くのはその大きさ。
縦方向に大きい割に車輪の間隔が狭いです。重心とかどうなってるのかな。かなり前後方向に倒れやすそうな形をしてますが、そこはちゃんと考えられているのでしょう。
祭の屋台は各町内の屋台蔵(高山市内にある白壁の土蔵のような建物)に保管されています。祭以外の時はこの屋台蔵で大切に保管され、祭の際は屋台蔵から引き出される形となります。
雨が降るとそもそも屋台蔵から屋台が出てこないため、当日の天気は非常に重要です。
からくり奉納
特に近くで見なくてもいいかなと思ってたので、からくり奉納が行われる陣屋前広場には時間ギリギリに行きました。
この写真で人の多さが分かっていただけるかと思います。
広場周辺は歩く隙間もないくらい人でいっぱいです。
山王祭のからくり奉納は三番叟、龍神台、石橋台の計三台行われ、一番の見所は龍神台。童子が置いた壺から龍神が出て舞うというものです。
完全初見で行ったので写真でよく見るあの人形はどこにいるのかと不思議に思っていたのが、まさかそこから出てくるのかという感じ。
からくり奉納は午前と午後の2回あって、私が行った午後の部では天気が崩れてきた影響で奉納時間の前倒しや屋台の説明の省略がありました。臨機応変な対応に感謝です。
疲れたのでカフェで休憩。
屋台蔵へ帰る屋台
からくり奉納が終わった時点で天気はかなり怪しくなってきました。
降り出す前に屋台を屋台蔵まで移動しなければなりません。
屋台が方向転換すると地面にこのような車輪の跡がつきます。
これはこの日しか見れない貴重なものですね。
なんとか本降りになる前に各屋台を移動し終えたものの、ここで夜に行われる夜祭は中止とアナウンスがありました。
例年、春は天気が崩れやすいため山王祭のどちらかの日は雨が降るそうです。まあしょうがない。
雨に濡れる桜もいいものだ。
山王祭二日目
二日目は朝から雨が降っていたのが、御神幸の時間くらいになると止みました。
屋台は相変わらず屋台蔵に展示という形のままです。
御神幸とは闘鶏楽や裃姿の警固など伝統装束を着た総勢数百人の祭行列のことで、山王祭の両日行われます。
初日に日枝神社を出発して町内を練り歩き、お旅所で神輿は一泊。今日のその帰りの行列で、神輿はお旅所を出て神社へ還るという形です。
奥に見えるのが神輿。
御神幸行列の最後尾では観光客が一緒にぞろぞろと歩いており、自分もその中に加わりました。
鬼さん。
帰る寸前に屋台を出しているのを見かけました。昼からは天気も回復して屋台曳き揃えやからくり奉納も無事行われたそうです。よかった!
天気は少し残念でしたが、花見もできたしからくり奉納も見れたしで大満足です。
おしまい。