TAMAISM

旅の記録、宿泊先や行程とか

法師温泉 長寿館 明治8年創業 秘湯の一軒宿に泊まってきた Part 2/2

いつか泊まってみたいと長年思っていた温泉旅館。夢が叶いました。

【訪問日:2020年11月27日~28日】

夕食はすき焼き

Part 1では、法師温泉に到着してから館内散策を経て温泉を満喫したところまででしたね。

この日は全く運動していないにも関わらず、温泉に連続で入ったこともあってすでに空腹状態。というか普段はあまりお腹が空かない体質なのに、遠征の時になると途端に食欲が増すのはなぜなのだろうか。もしかして、日常とは異なる体験をしているからエネルギーの消費が激しいとか。

気を取り直して、夕食会場に向かいます。部屋の種類によっては部屋食もあるようですが、今回泊まった本館の場合は食事所に集まる形式のようですね。

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調理する前からすでに美味しいことが確定

で、夕食の内容についてですが。

見ての通り、夕食のメインは上州牛のすき焼きです。

え?こんなに豪華で本当にいいんですかって話なんですけど、実は今回の温泉旅行の設定として、「温泉に入って、ゆっくりしたい、どうせ食べるなら、群馬の食材を食べたい。」と予め決めていました。予約先を調べていく過程で、楽天トラベルにその思いを叶えてくれるプランがあったため、これ幸いと速攻で予約したというわけです。

せっかく中部地方から群馬まで移動してきたのだから、地元のものをいただきたいところですよね。

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このすき焼きがそれはもう絶品でして、二人して歓喜に包まれてました。

よく考えてみるとこれは当然のことで、あれだけ雰囲気のいい建物×温泉を満喫したあとにこれですからね。夕食単体でも幸せすぎるのに、法師温泉を訪れてからの体験の素敵さも合わせっているので絶頂感が休まるところを知らない。いや、ここまで幸福感が持続する体験はなかなかできるものではありません。

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せっかくなので法師温泉オリジナルの日本酒(秋月)もセットで注文し、酒を片手に夕食を満喫してました。

それにしても、品数が非常に多い上にすき焼きを同時進行でいただいているものだから両手が非常に忙しい。酒を飲みつつご飯や焼き物、酢の物を口へ運び、すき焼きの肉に火が通ってきたので卵につけて…とあちこちに気を配らなければなりません。「忙」と書くと大抵碌なことがありませんが、今回に限ってはむしろ忙しいのが嬉しい。嬉しすぎて酒がついつい進んでしまう。

ようやく全ての献立をいただいたころには、満腹になったお腹と途方も無い充足感が残りました。

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食事も終わったことだし、あとはもう寝るだけ…なんですけど、夕食の内容が質・量ともに濃すぎたこともあり、クールダウンも兼ねて夜の散策兼温泉をキメることにします。

まずは、夕食後に入ろうと決めていた玉城乃湯へ入りに行きました。ここは内風呂と露天風呂があって、内風呂については仕切りがない広めの湯船が特徴的でした。洗い場は6箇所ほどあるので人数が多い場合でも問題ないようです(逆に長寿乃湯は洗い場が2箇所しかない)。

ひとしきり内風呂を楽しんだ後に露天風呂へ移動。

すでに時間帯は夕方から夜に移っており、気温の低さはかなりのもの。しかし温泉の温かさは変わらないわけで、その寒暖差がむしろ心地よさを増しているように思えてくる。たまに露天風呂から出て近くの岩の上に腰掛けたりすると、たしかに寒いのは寒いけど温かさが持続している影響でそこまで寒くない。

必然的に露天風呂に入る→ちょっと端の方へ出て休む→寒くなる→露天風呂(ryというループが完成してしまって、長風呂が捗ります。内風呂のみだと身体を冷やす手段がないので、個人的には露天風呂の存在は非常にありがたく思えました。加えて、どの宿泊客もまだ夕食を楽しんでいるようで、この玉城乃湯は自分たちだけの貸切状態という素晴らしさ。

「食事の時間帯に入りに行く」というのは温泉旅館へ泊まる際のセオリーみたいなものですが、ここまで上手くハマってくれるとは想像外に嬉しい。この時間帯だと宿泊客しか入りに来ないとはいえ、まったりと温泉を楽しみたい場合はこのような工夫も必要ですね。

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この後はもう一度温泉に入るため、再度屋外に出てみたりして冬の寒さを全身で味わっていく。

これも、宿泊して複数回温泉に入れるからこその所業なわけですよね。例えば日帰りで訪れて1回しか温泉に入らないのであれば、せっかく温まった身体をわざわざ冷やすような真似はしません。寒くなったらまた温泉に行けばいい。そんな単純な思考ができるのも宿泊ならではの魅力。

屋外の寒さと温泉の温かさの"差"が気持ちよさを何倍にも引き立ててくれるとすれば、1泊2日間でこのループを何回でも味わうことができる。やはり温泉は宿泊して味わうのがおすすめです。

で、ひとしきり寒くなったあとは法師乃湯に入りに行きましたが、さっきの玉城乃湯と同様にこちらもなんと貸切状態でした。法師乃湯を一人で独占できるなんて…運が良すぎて近日中に何か起こりそうな感じがしてしまうレベル。

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いい感じにぽかぽかになってくれたので、そのままの勢いで布団に潜り込みました。

今日は何から何まで良いことしかない1日だったな、とか考えてたらいつの間にか寝ていた。旅先での寝付きの良さは、たぶんストレスを微塵も感じてないからだと思う。

翌日は雪

物音一つしない中で自然と目が覚める。

時間は朝の6時。夕食は8時からなので、およそ2時間ほど余裕があることになる。となれば、もちろん朝風呂ですよね。

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音から察するに今日の天気は雨…かと思いきや、雨6割・雪4割という感じの天気でした。

わかりにくいけどたしかに雪が降っている。気持ち肌寒く感じることもあり、どうやら今朝は一段と冷え込んでいるようだ。

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それにしても静かすぎる。

昨日の日中、宿泊客がチェックインを済ませて館内を散策しているときの賑やかさが嘘のように、今朝の法師温泉は静寂が支配している。季節は冬、それに現在進行系で雪とくれば、森閑とする様子も冴え渡っているというもの。

個人的には、朝の時間帯を散策するのが結構好きです。旅館に限らず、旅先での散策もどちらかというと朝にするほうが好き。もちろん迷惑がかからないようにこっそりとやってますが、その場所の1日が始まる前~始まっていく様子を味わうのが好きなんですよね。朝日が徐々に顔を出して辺りを次第に照らしていくみたいな感じで、段々と視界内の風景に動きが出てくるのを眺めているだけで満足できる。

帳場の人が館内をチェックしはじめたり、起きてきた宿泊客が朝風呂へ行くのを横目で見たりしながら窓越しに外を眺める。この落ち着いた時間の過ごし方が堪らない。

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法師温泉は登録有形文化財です

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温泉分析検定書

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法師温泉を訪れた文豪たち。左端が川端康成

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法師温泉五代目当主の岡村隆造さんが亡くなられたときの新聞記事。同氏は「日本秘湯を守る会」の初代会長も務められた。

まずは法師乃湯で朝風呂を決め、部屋に戻ろうとしたときに本館ロビー前の展示品が目に止まった。

これらの展示品を眺めていると、法師温泉が辿ってきた歴史を思わずにはいられません。宿の成り立ちや経営、温泉の成分、訪れた人々…年月とともに時代は移り変わっていく一方で、この旅館は今も変わらず様々な人に愛されている。今回宿泊して一夜を過ごしてみて、誰がいうともなくそれが伝わってきました。

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そして気がつけば朝食の時間。

献立は湯豆腐や温泉卵、味噌汁や焼き魚など定番なものが中心で、素朴な味わいが旅館の朝に似合う。そうしてしんみりと味噌汁をすすっていると、今朝までの至高の時間が夢のように思えてきた。あれだけの濃密な体験をして、そしてもう宿を去らねばならなくなっている。楽しい時間は本当に過ぎるのが早い。

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GOTO地域クーポンで法師温泉オリジナル日本酒「秋月」買いました。

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朝食後は思い残すことのないようにまたしても温泉に入りに行き、雨と雪が交じるなか法師温泉を後にしました。

うん。また泊まりに来よう。

心からそう思えるほど法師温泉は良い旅館だったし、日常を忘れてただ温泉に没頭したいという気分になれる。この1泊2日間の出来事は生涯忘れられないだろう。

おわりに

いつか泊まってみたいと思っていた法師温泉。

機会に恵まれてついに投宿と相成ったわけですが、ここまで期待を遥かに上回ってくるとは思ってもみませんでした。有名過ぎるほど有名どころだし、期待値としてはかなり上の方に設定していたつもりでしたが…それを安々と飛び越えてくるほどの満足感が得られました。

建物、温泉、雰囲気、食事…すべてにおいて隙がなく、「温泉でまったり過ごしたい」という人には自信を持っておすすめできる宿です。私もこの記事を書いている途中ですらまた行きたくなってきたし、目を閉じるだけであの湯の気持ちよさが蘇ってくる。

また行きたいな。