TAMAISM

旅の記録、宿泊先や行程とか

会津東山温泉 向瀧 有形登録文化財第1号の温泉宿に泊まってきた Part 2/2

【訪問日:2020年12月19日~20日】

会津の味を楽しむ

温泉に入り、中庭の雪景色を眺め、そして部屋で夕食をいただく。

この向瀧の玄関をくぐった時点から今に至るまで、すべての時間が愛おしい。楽しい時間ほど早く過ぎるとはよく言いますが、もう夕食の時間になっているなんて嘘じゃないか、と思えるほど時間の進みが早いです。それだけ居心地がいい空間ということか。

気を取り直して、この「水仙」の間での夕食ということで、献立を一気にご紹介。

f:id:offtama:20201221193748j:plain
夕食の献立

f:id:offtama:20201221193728j:plain
会津の地物を活かした食事

f:id:offtama:20201221193732j:plain
雪国に鯉のたたき

f:id:offtama:20201221193737j:plain
インターネットから予約すると特典があります。今回は熱燗×2を注文しましたが、これが結構量があってお得すぎました。

f:id:offtama:20201221193742j:plain
会津藩直伝 鯉の甘煮

f:id:offtama:20201221193752j:plain
会津伝統の汁 こづゆ

f:id:offtama:20201221193757j:plain
福島酵母和牛の姫ステーキ

f:id:offtama:20201221193802j:plain
体内燃焼 ごんぼ湯(ごぼうを揚げたもので、つゆに漬けていただく)

f:id:offtama:20201221193806j:plain
会津地鶏のあぶり汁

f:id:offtama:20201221193815j:plain
夕焼け雪山ボッコ芋

f:id:offtama:20201221193811j:plain
〆はご飯(こしひかり)と汁物(小松菜と焼き豆腐のお味噌汁)

夕食は豪華さを感じさせつつも、会津の地物をふんだんに使用した素朴な味わいのものばかり。

特に、鯉の甘煮は岐阜県南部でも同じ名前の料理はありますが、味がまったく違うのは興味深かった。甘さはあまり感じず、味付けも個人的には濃くはないので非常に食べやすい印象でした。

というか、全体的に味付けは薄くて自分好みでしたね。自分は普段から調味料をあまりかけないので、料理の素材そのものの美味しさを味わえたのは嬉しい限りです。〆のご飯+味噌汁の組み合わせがその点では飛び抜けていて、米どころとしての会津の素晴らしさが十二分に感じられました。当然のようにおかわりをし、すでに献立の終盤なのにさらにおかずが欲しくなってくる始末。熱燗のキリッとした味も加わり、炬燵に入りながらの夕食は最高以外の何物でもなかったな…。

f:id:offtama:20201221193823j:plain
夕食後も熱燗をちびちび飲む

f:id:offtama:20201221193828j:plain
雪ろうそくの点灯が終わった中庭の静けさ

f:id:offtama:20201221193834j:plain
夕食後は仲居さんがお布団を敷きに来てくれます

夕食後は部屋にお布団が敷かれ、気分的にも満腹度合い的にももうあとは寝るだけという状態。時間はまだ19時を過ぎたくらいとかそのあたりなのに、すでに眠くなっているのは日常では考えられません。

平日だったら眠くなるのは23時とかそのあたりなので、如何に日常生活では精神が張り詰めているかが分かりますね。今日みたいに「旅」をしているときには労働とかのしがらみから開放されて心ゆくままに発散できるわけで、早い時間に眠くなるのはもう仕方ない。

逆に言うと、自分は定期的に旅の時間を摂取することが重要であるとも言えます。こういう場を意識的に設けないと、労働ばかりでは気が滅入ってしまう。やはり人生に旅は必要。

話を戻すと、夕食後は再度温泉に入りに行きました。

眠すぎて浴槽に浸かっている途中で寝そうになったりもしたけど、個人的にはまだ起きていて、宿の夜という時間帯を有意義に過ごしたい。誰も居ない廊下と温泉の温度差も、夜の闇に溶けかかっている中庭の風景も、もっともっと楽しみたい。

こんな風に名残惜しく感じるのは、良い宿である証とも言えますね。

翌朝

むくり。

いつもとは違って、宿で迎える朝は格別の一言。すっきりとした気分で起きることができました。

f:id:offtama:20201221193838j:plain

f:id:offtama:20201221193844j:plain

昨晩めちゃくちゃ早い時間に寝たこともあり、この日に目が覚めたのは早朝の6時。もちろんこの時間に起きたのは理由があって、誰も居ない浅風呂を満喫したかったからです。

誰も居ない…というと深夜に入るという選択肢もあるけど、すでに述べたように夜は早い時間に眠くなるのが常なので、どっちかというと朝早くに起きて入りに行くほうが個人的には楽。

朝風呂によって目覚めもよくなるのでなおさらです。

f:id:offtama:20201221193907j:plain
貸切家族風呂へ

冬の朝に布団から出るという試練を突破した者のみ経験することができる、朝の温泉。

今日一日を過ごすにあたって「朝」という時間は大切なものですが、これほどいい湯加減に浸れるのだから今日もいい日になるのは間違いない。

f:id:offtama:20201221193911j:plain
登録有形文化財第07-0001号~0004号であることを示す展示

f:id:offtama:20201221193938j:plain

f:id:offtama:20201221193942j:plain

f:id:offtama:20201221193919j:plain

f:id:offtama:20201221193923j:plain
夜の間の積雪により、昨晩よりも追加で10cmほど積もっていました

貸切家族風呂から「きつね湯」までに移動するまでの、ほんのわずかな距離の間でさえも冬を感じずにはいられない。

窓の外には白銀の世界が広がっていて、さっきまで布団に中にいたせいで忘れかけていた季節感をぐっと引き戻してくれる。身体を刺すような寒さに加えて、視覚的にも季節を味わえるのは非常に良い。

思えば、昨年は暖冬の影響であまり雪を見る機会がありませんでした。それとは打って変わって今年は寒波が襲来しており、しかも雪国に居るものだから自動的に雪を見ることができるというわけです。

やはり冬といえば雪。自身にとって馴染みが薄い雪という存在を身近に感じられただけでも、今回福島を訪れて良かったと思います。

f:id:offtama:20201221193927j:plain

f:id:offtama:20201221193932j:plain

f:id:offtama:20201221193956j:plain

f:id:offtama:20201221193946j:plain
貸切状態の「きつね湯」

f:id:offtama:20201221193952j:plain

連続の温泉タイムによって、身体の隅々まで温泉の熱が浸透していく。

しかし、ここまで他の宿泊客に会わないのもなかなか珍しい気がするな。昨夜の雪ろうそくの時でさえも同時に居たのはせいぜい3人くらいで、温泉に限っては言わずもがな。今朝も自分以外に入る人は皆無だし、もしかして自分の行動パターンは一般人のそれではないのかもしれないと思えてきた。

f:id:offtama:20201221193915j:plain
「きつね湯」の前にある大理石の洗面台

f:id:offtama:20201221194000j:plain

f:id:offtama:20201221194005j:plain
地元ではまず見ることができないレベルの立派な氷柱

f:id:offtama:20201221194010j:plain
部屋に戻った後は二度寝をキメる

f:id:offtama:20201221194014j:plain
天井を見上げているだけで眠くなってくる…。

その後は部屋に戻って二度寝したり、また中庭を眺めに行ったりと活動的な時間が続く。

朝早くからこれだけ動くことは旅以外ではなかなか無いことだけど、ただ布団で寝ているだけよりは何倍も良い。旅先の宿で過ごす時間は本当にあっという間すぎて、できるだけ記憶に残るような滞在をしたいものです。

f:id:offtama:20201221194022j:plain
ごきげんな朝食だ

f:id:offtama:20201221194027j:plain

f:id:offtama:20201221194035j:plain

f:id:offtama:20201221194041j:plain

f:id:offtama:20201221194031j:plain
至極当然のように空になったおひつ

朝食の時間は朝8時。

昨夜に布団を敷きに来てくれたときと同様に、朝食の少し前になると仲居さんが布団を片してくれます。

朝食は所謂「旅館の朝ごはん」を体現したような落ち着いた献立で、どれをとってみても美味しさで溢れている。どのおかずもご飯に合いすぎることもあって、二人して追加のおひつを内線で注文するほどでした。

そりゃね、この献立でごはんをおかわりしないなんてことはありえないわけで、もっと言うとおかず一品でごはん一杯を完食するくらいに美味しかったです。

そして、朝食が終わればもうチェックアウトの時間。いくらなんでも早すぎるのでは…。

もう少しゆっくりしていたい気持ちはもちろんあったものの、今日はこれから岐阜まで帰らないといけないので出立の時間も連動して早くせざるをえません。遠方に旅するときには移動手段がネックになりますが、昨日今日ともうお腹いっぱいになるくらいには会津を満喫できたので良しとしましょう。

f:id:offtama:20201221194047j:plain

GOTOの地域クーポン券は、例によって日本酒に消えました。

だって会津若松自体がお酒で有名なところだし、向瀧オリジナルの日本酒が販売しているとなればもう買うしかない。実は昨晩の夕食時、特典で付いてきた熱燗だけでもう十分酔ってしまったので、地酒を追加で味わえないまま食事が終わってしまったのが心残りでした。なので、せめて自宅で飲みたいとおもって購入した次第です(言い訳)。

f:id:offtama:20201221193818j:plain
向瀧さん、お世話になりました

f:id:offtama:20201221194053j:plain

f:id:offtama:20201221194059j:plain

f:id:offtama:20201221194103j:plain

そんなこんなで、向瀧での一夜は本当に一瞬で過ぎ去りました。

思い返してみれば、宿に着いたときからその雰囲気に呑まれるくらいに向瀧は魅力に溢れていた宿でした。外観や内装はもちろんこと、客室の造りや温泉の素敵さ、果てには雪の中に広がる中庭など、建物の素晴らしさに加えて「冬の会津」というシチュエーションが実に良かった。

今回は冬に訪れたに過ぎませんが、どの季節に訪れても心を惹かれる宿であることは間違いありません。もし次回訪問することがあれば、違う季節、そして違う部屋に宿泊して、また忘れられない時間を過ごしてみたいものです。

おわり。