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旅の記録、宿泊先や行程とか

栃尾又温泉 自在館 宿泊記 山奥の旅館で万病に効くぬる湯を味わってきた Part 2/2

ぬる湯に浸かる

一通り館内を散策し終わったため、ひとまず夕食の時間まで霊泉「おくの湯」に入りに行くことにします。

この日の貸切湯を予約していない場合、男性だとここしか入ることができないので必然的に人が集中しますが、そうでなくても自在館の温泉はぬる湯が特徴的なのはすでに述べたとおり。とにかく長湯をする人ばかりなので、どのタイミングで言っても空いているということはなかったです。

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旧館1階に降りてからサンダルで霊泉へ

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旧館側を眺める

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霊泉の玄関を入って右側が「うえの湯」、左奥が「おくの湯」です

霊泉「うえの湯」「おくの湯」がある棟は旧館から行くことができますが、完全に別に別れているため一旦サンダルに履き替える必要がありました。

ちなみに本館から行く場合は渡り廊下を経由して旧館2階から行くことができるほか、本館1階で履き替えてそのまま向かうこともできます。積雪量がとんでもない状況だったら前者の方がおすすめですが、これからの季節だとどっちでもいいかも。

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うえの湯。今日の時間帯は女湯です。

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おくの湯。今日の時間帯は男湯です。

そのまま左奥に進んで「おくの湯」へ。

大浴場「霊泉の湯」-新潟の源泉かけ流し温泉・秘湯の宿|栃尾又温泉自在館【公式】

  • 泉質名:単純放射能泉(低張性アルカリ性温泉)
  • 適応症:高尿酸血症、関節リウマチ、強直性脊椎炎、自律神経不安定症、健康増進
  • 湧出温度:約36℃
  • pH値:8.6(アルカリ性)

前述の通り、大浴場である霊泉は栃尾又温泉3宿の共同浴場でもあり、源泉温度はすべて約36℃と体温に近い温度になっています。これにじっくりと浸かることで身体の緊張がほぐれていき、心も身体もリラックスできるというわけです。

温泉に入っているとすぐに体温があがってしまって、長湯がなかなかできない自分にとってはまさに最適とも言える環境。これを目当てに今回の宿泊を決めたようなものなので、初っ端の温泉にも関わらずゆったりできました。順番としてはまずぬる湯になるべく長く浸かり、最後に「上がり湯」と呼ばれる熱い湯でさっと温まって出るのが基本的な流れです。


「おくの湯」は浴槽が3つあり、正面の浴槽が端が傾斜しているので寝転がって入ることが可能。右側の浴槽は広めで、左側の浴槽が上がり湯になっていました。

ぬる湯は無色透明ですが「万病の湯」と呼ばれるほどに効能があり、ラドンが新陳代謝を促して肉体的に若返ることも可能みたい。

で、肝心の長湯はできたのか?という話ですが、それはもう長湯できました。何しろ体温と同じくらいの温度なので「温泉に入っている」という感覚がまるでなく、柔らかい液体の中に入っているという不思議な感覚。それでいて自分の体温は上昇していかないため、長湯どころか湯から上がるタイミングを見失ってしまうという状況でした。普通の温泉だったら身体が十分温まったのでそろそろ上がるか…となるところ、ここではそれがないわけです。

そんなぬる湯なのだから、やることは主に以下の2つ。

  1. 寝る。
  2. 読書をする。

特に温泉に浸かりながら寝ている人が多く、ここに限らず他の霊泉でも寝ている人を見なかったことがありませんでした。でもこれは当然と思えるくらいで、あの環境にずっといると身体が自動的に寝る体制になっていくんですよね。寝るのにちょうどいい温度、という感じ。

あとは、紙の本を持ち込んで読んでいる人も少数ですがいらっしゃいました(ちなみに、電子機器は持込禁止)。温度が温度なので蒸気で紙がふやけるということもなく、他の温泉だったら難しいような「温泉に入りながら読書」ということが簡単にできてしまう。実に素敵な空間だ。

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旧館へ戻る

そんなこんなで、40分ほど浸かってから部屋へ戻りました。温泉に入ってる最中に汗をかかないってこんなにも快適なんだ…と思わざるを得ない。

それでいて、部屋に戻った後はなんか身体がずっしりとしたような感覚がありました。どうやらこの温泉に入ることによって何かしらの効果が現れたようです。

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そして部屋に戻ってくると"試練"が待っていた。

いやまあそりゃね、知ってましたよ。鄙びた宿に泊まって部屋にガムテープが置いているということは、部屋に虫が出るということ。ましてや今の季節は春で、ここは隙間だらけの旧館だ。出現しないわけがない。

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自分は慣れているんでいいですけど、慣れてない人だったらかなり厳しいと思う…かな。

もっとも、今回の滞在中はPart 1で述べた処置のかいもあって、出現したのは一匹だけでした。寝ている間は出なかったので安眠できたし、春になったばかりという時期も案外良かったのかも。

とにかく、これからの季節に山の中の宿に泊まるという場合は、遅かれ早かれ遭遇することになるのは間違いないので覚悟しておくのが良さげです。旧館はそこそこいましたけど、本館の方はもしかしたら少なかったりするのかもしれません。たぶん。

夕食

さて、気を取り直して夕食へ向かいます。

夕食会場である本館1階へ向かう道中の様子を確認したところ、本館に泊まっている人については食事は部屋出しのようです。これに対して、我々旧館に泊まっている人(妙な仲間意識)については本館1階の食堂でいただく形になっているみたい。

ただ、はっきりとした事は言えなくて、初めて顔を見るような人も食堂に来てました。

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食堂に向かう道中で窓から眺めた景色

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本館にはエレベータがあるので、各部屋への食事の運搬も楽な様子

食堂では部屋ごとにテーブルが別れていて、コロナ対策は万全でした。

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今回の夕食は基本的な「一汁四菜」に、イワナの塩焼きとニジマスの造りを加えた一汁六菜コースにしました

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イワナの塩焼き。もちろん焼き立てです

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ニジマスの造り

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五目ハンバーグ

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ネット予約時に追加できる鴨鍋も注文しました

夕食の献立は、もう見た目からして胃に優しい+美味しいのが確定しているような一汁六菜コース。

少食の人向けには通常の一汁四菜コースもあり、自分のお腹具合に応じてコースを選ぶことができます。さらにはオプションで鴨鍋等も追加できるため、食べたい量や好みに合わせて自由に決めることが可能。

自在館では、"温泉入浴とあわせて健康に還る湯治食を目指し、野菜、肉、魚、それぞれバランスよく、郷土料理に組み込むことを心がけている"そうで、塩分や油分が多かったり、味が濃かったりするのもはありませんでした。

素朴…。そう、これは実に素朴な味だ。

温泉によって整えられた身体に違和感なく染み込んでいくようなあっさりとした料理が揃っていて、箸を動かす手が止まらなかったのは言うまでもない。

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お酒も色々あります

お酒の種類については日本酒以外にワイン等もあり、日本酒だと地元の「八海山」や「緑川」があります。お酒については持込可能らしいのですが、今回は地酒を堪能したいということで、八海山と緑川をそれぞれ一合ずつ注文しました。

郷土料理を基にした料理を楽しみつつ、地酒を口に運んでいく。健康的な食事を味わえる喜びに感謝しつつ、思い返してみれば温泉、食事、そして建物と、自在館を構成する要素の一つ一つがとても素晴らしいものに思えてくる。

これが現代の湯治の正しい在り方だと自分は思うし、自在館はそれが実現できる旅館だ。そんなことを思いながら、いつの間にか日本酒二合を完飲していた。

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〆は魚沼産コシヒカリとお吸い物

そして、最後の最後にはこれぞ新潟県!といえる要素が待ち構えている。

自在館で出されているお米は全て魚沼産コシヒカリ。米どころとして有名すぎる土地の白米が美味しくないわけがなく、さっきまでの満腹感が嘘みたいに、まるで無限に米を食べられるんじゃないか、ってくらいに米が美味い。

自分が旅先で求めているのは、まさにこれなんですよね。

その土地ならではのものを味わう。その土地にしかないものを楽しむ。こういう経験を繰り返していくことによって、全国各地に「自分が好きな土地」が増えていく。それは同時に自分の中の世界を広げていくことに繋がるし、自分はそういう経験を今後もやっていきたい。

昼寝を挟みつつ貸切湯へ

夕食を終えた時点で、時間は19時くらい。

普通の宿だったらもう床につくところですが、貸切湯を予約しているのでまだまだ寝るのは早い。

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1階ロビーの本棚で無限に本読んでました

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過去の自在館の写真もあります

部屋に戻っても特にやることがないので、適当に散策を続けたり、本棚から本を拝借して読んだりしてました。

すでに夕食の時間は終わっているし、他の宿泊客は貸切湯に入る以外は部屋で過ごしているようなので人通りもまばら。窓の外からは川の流れの音しか聞こえてこず、自分がいま旅館に泊まっているということを忘れるくらいには静かだ。

それにしても、なにもない時間帯に本を読むのはかなりおすすめです。

結構あっという間に時間が過ぎていく上に、そのまま他の本も続けて読んでしまったりするのでいい意味で退屈しないで済む。山間部の宿に泊まっているという環境ではなおさらですね。

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最初に入った貸切湯「たぬきの湯」

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今更ですが、館内の至るところにあるたぬきとうさぎのイラストが可愛いです

20時台になったので、まず最初の貸切湯である「たぬきの湯」に入浴。

貸切湯はどれも加温されており、霊泉よりは当然温度は熱め。ただし熱すぎるということはなく、自分にとっては体感でちょうどいいくらいでした。

貸切湯の名前の割にはかなり広く、グループであっても問題なく入れそうですね。

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夜の旧館は暗い

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外へ出て歩いてみる

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自在館の夜

「たぬきの湯」から上がった後はそのまま外へ出て、しばらく歩いてみた。

新潟はまだまだ残雪が残っており、写真を見る限るだと夜や朝はまだまだ冷え込むと思われがちだけど、全然そんなことはなかったです。加温された貸切湯を上がったばかりということを考慮しても明らかに暖かい。薄い作務衣一枚でいてもそこまで寒さを感じませんでした。

この時期の新潟はもう普通に軽装で行動できるレベルということがわかったので、今後の旅支度に活かしていきたい。

で、次の貸切湯までの時間は部屋に戻って寝てました。そろそろかなり眠くなってきたし、無理に起きておくよりはおとなしく睡眠をとったほうがいい。

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深夜0時前に入りに行った「うさぎの湯」

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そして0時前に起きて、2つ目の貸切湯である「うさぎの湯」へ。一度睡眠をとった影響で酒の酔いが完全に抜け、気分的にはすっきりした状態で入ることができました。

その後は翌朝に入る貸切湯に備え、部屋に戻って本格的に就寝。かなり遅い時間に部屋に出入りしているので申し訳ないと思いつつも、これが旧館の形式なのである意味仕方ない。

というか、昔の人ってこれが普通だったんですよね。旅館に泊まった際って熟睡できてたんだろうか?

翌朝も温泉三昧

翌朝は4時に目を覚まし、眠たい目をこすりつつも貸切湯へ向かいます。

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最後の貸切湯「うけづの湯」

うけづの湯は自在館の温泉の中で唯一の露天風呂で、屋根もついているので多少の雨なら問題なさげです。

川を挟んで向こう側に見える山の上には月が見えて、日中に入るのとはまた違った趣きがあるのがいいですね。朝一で冷たい身体を起こすという意味でも、今日一発目に貸切湯に入って正解でした。

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その後はそのままの勢いで、男湯に切り替わったばかりの「うえの湯」に入りに行きました。

うえの湯は浴槽がかなり広く、多少大勢が入ったところで自分の「まったりパーソナルスペース」は普通に確保できます。ここでじっと漂いながらぬる湯に浸かっていると途端に眠くなってしまい、そのまま1時間ほど目をつむってました。まあ朝早かったし眠たいのは眠たいわけで、それを温泉の中で寝ることができるというのはありがたい。

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「したの湯」へは本館1階から長い階段を下っていったところにある

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階段はそこそこ長いので、温泉から出て部屋に帰るときが少々つらいかも?

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そして、休憩もそこそこに最後の霊泉である「したの湯」へ向かいました。

なぜかと言うと、このまま部屋に戻って横になると朝食の時間まで寝落ちすることが確定しているので、まだ身体が起きている状態で温泉をはしごしておくのがいいと判断。

自在館は川のほとりの崖の上に建っているのですが、「したの湯」はその川の流れのほとりにあります。したがって結構な階段を下っていく必要があり、行きはいいものの帰りが大変かもしれません。特に、温泉に入って脱力している中で部屋まで戻るのは疲れるかも。

しかし、立地が立地なだけに温泉に入るシチュエーションとしては申し分なく、朝日に照らされつつある谷間で川の音を聞きながら湯に浸かることができるというのはもう最高でした。広さもこじんまりとしていて居心地がよく、早朝なのでまだ人は数人だけなので雰囲気を壊すということもない。

ぬる湯なので寝る人が多いということはすでに書いた通りですが、自分以外に人がいる状態で寝るのはなかなか難しいもの。ですが向こうもそれを分かっているので、持ちつ持たれつで静寂を保ちつつ浸かる暗黙のルールみたいなものが感じられました。なので、ワイワイ言いながら入る温泉とはまた味が異なりますね。今更ですけど。

朝食

したの湯から上がった後は、7時40分からの朝食をいただきに食堂へ。

流石に他の大部分の宿泊客もこの日の行動を開始したようで、朝食時間の少し前くらいからは玄関ロビーの人通りが多くなってました。

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相変わらず米が美味すぎる件

朝食にはホッケをはじめ、納豆や卵、海苔など旅館ならではの料理が並ぶ。

どれもが強力なおかずとして作用する一方で、メインとなる米がもう戦力として十二分すぎるのだからおかわりしてしまうのも無理はない。朝起きてからの温泉のはしごによって失った栄養分をここでしっかり補給する。

こうしてみると、お腹が空くような行動をわざわざ自分でしておいてからそれを補うようにがっつりと朝食を頂いていて、なんかマッチポンプ感がある。でもそんなことは特に問題ない。ここは温泉旅館なのだから。

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その後はちょっと不足した睡眠を自室でとり、眠気を覚ましてから自在館を後にしました。

自在館のチェックアウトは11時までと比較的長く、朝食を頂いた後でも温泉を長く味わうことができます。このあたりも湯治スタイルを重視した配慮が見て取れて、とにかく温泉に入りまくってほしい、という旅館側の意図が感じられて良いですね。もちろん、自室で二度寝、三度寝を心ゆくまで堪能するのもアリ。思い思いの時間を過ごせるだけの自由さがここにはあるということです。

おわりに

そんなこんなで、自在館での二日間はあっという間に終了。

温泉に効能を求める場合、長い期間滞在する湯治が必要になってきます。その一方で、忙しい現代人は短い期間しか休めない…というケースがほとんどなのもまた事実。そういう制限されたシチュエーションの中で、自在館は「現代の湯治」を味わえるだけの環境があります。しかもただ味わえるだけではなくて、高度に満足感を得られるという意味でも大好きになりました。

ご紹介した温泉や食事、そして建物。ぬる湯で長湯をしたい、という欲求を満たしたいのなら、ぜひ自在館に宿泊してみるのをおすすめします。

良い宿でした!

女性に人気のプチ湯治・秘湯の人気旅館|栃尾又温泉 自在館【公式】