【湯沢~南魚沼~八海神社~栃尾又温泉】ロードバイクで八海山の麓を走る春の新潟残雪ライド

この週末はあまり遠出する気にもなれず、近場の新潟に行くことにしました。新潟に行った理由は何を隠そう温泉で、以前から気になっていた温泉旅館・自在館に行くのが主な目的です。

ただ、いつものことだけど、ただ単に宿に直行するというのは味気なさすぎてちょっとやりたくない。

旅館に至るまでの道程や景色をゆっくり眺めながら向かうのが自分のスタイルで、「散策」と「宿泊」のどちらか片方だけでなく、両方楽しむのが旅の良さだと自分は思っている。

もくじ

この時期って寒いんじゃ?

その日の朝に適当に走るルートを決めてから、越後湯沢駅からスタート。

目に入ってくる風景のあちこちにはすでに残雪が見えていて、この写真だけ切り取るとめちゃくちゃ寒いように思えてくるかもしれない。まあ、新潟といえば極寒なことで有名だし、世間的に春とは言ってもまだまだ寒さがこたえる場所なのではと自分も思ってました。

ところが、それがまるで嘘みたいに暖かい。

自分がいつも着ているジャージ+インナーという組み合わせで走っていると実に適温で、立ち止まってて風が吹けば少し冷えるかなといった程度。ロードバイクで走りながら散策をしていくという状況では、もう本当に快適でした。

あちこちには除雪車が

ところで、越後湯沢といえばウインタースポーツで有名な町。

シーズンも終わりに差し掛かっているこの時期でも、湯沢にはまだスノボやスキーをする人が大勢訪れているようです。しかし、時間が時間なのでまだその人影はまばらといったところで、町が完全に起き出す前に北へ進むことにしました。

早朝に行動するのは何よりも眠いのが嫌だけど、個人的にはとても好き。

人が少なくてなんか開放感があるし、犬の散歩をしている人がいたりして「1日が徐々に始まっていく感」が直に感じられるからだ。特にこういう観光地では日中との雰囲気の差がより顕著に現れていて、この町でいま活発に動いているのは自分だけではないかと錯覚してしまう。

手前には雪に包まれた平野、そしてはるか奥には山々がそびえている。実にわかりやすい地形だ。

湯沢~南魚沼~魚沼あたりの地形はとてもわかり易くて、平野部(魚野川周辺)を挟むこむように東西に山々がそびえている。なので南北に移動するのは高低差も少なくて容易な一方で、東西に動くのはちょっと大変でした。

従って、普通に走っていても常に視界内に雪をかぶった山が登場してきてとても迫力があるし、その手前の平野部にも残雪があるというのが実に素敵でした。

塩沢宿 牧之通り

そのまま南魚沼を北上し、中心部にある塩沢宿牧之通りに到着。

ここは江戸時代に江戸と越後を結ぶ三国街道沿いの宿場町として栄えた地であり、これらの町並みはその宿場町を再現したものだそうです。通りを中心にして左右に店が立ち並ぶ風景は圧巻の一言で、その町並みの向こう側に雪山が見えるシチュエーションがまた堪らない。

残雪以外にも、ロードバイクを走らせるにつれて「ここが雪国である」ということを語りかけてくる存在は多いです。

例えば道路上の消雪パイプが代表的なものですが、それ以外にも道路の凹凸が多いのが実に雪国感があるなと思いました。なんか東北地方などの道路って、西の方と比べると陥没が多いんですよね。やっぱり、雪の影響で温暖な地方よりも道路がダメージを受けやすいのが現れてそうな感じ。

あとは、家屋についても雪国仕様になっているのがひと目でわかります。

簡単に言うと、1階部分が物置や車庫で、2階3階部分が居住部分になっている3階建ての家々がほとんどでした。積雪量が多い場合は生活スペースが1階部分にあると出入りすることすら困難になるわけで、それを避けるためにもこういう構造が合理的ということです。

よく考えてみたらこの春の時期ですらここまで雪が残っているし、厳冬期だと想像を絶するほどの雪が降ってそう。

青々とした空、白く染まる平野部とは対称的に「動」で溢れていたのが、雪解け水で増水した川の流れでした。しかも濁っているような色ではなく、とても美しい碧色だったので思わず立ち止まってしまった。

思うに、春の訪れというのは誰かに教えてもらうものではないということ。

こうやって各地を旅していると、その地で出会う風景の至るところで季節を感じられる。今回だったら残雪だったり雪解け水だったり、残雪があるのに気温が暖かかったり。春の訪れと聞いてパッと思いつくのはなんといっても桜ですが、こんな風に静かに、でも確かに感じられる"春"に出会えたのはとても嬉しいです。

今回ふと思い立って新潟を訪れてみて、本当に良かったと思う。

八海山麓の神社で

気がつけば今日泊まる自在館までもうそこまで距離がないことに気がつく。

このまま直接向かってもいいけど、どうせならとさっきから目に入ってくる白い山々、あの八海山の麓まで行ってみたくなってきた。八海山と言えば霊山として昔から崇められていた山で、越後駒ヶ岳、中ノ岳と合わせて越後三山を形成するほどの名山だ。

時間に余裕があるのならどんどん寄り道をするのが自分の流儀。寄り道どころかそっちが主体になることも多いけど、決められた道を走る必要がないのが旅の良いところじゃないかと思う。ロードバイクの特性を最大限に活かして、気になったところを見つけたらそっちの方角に進んでみる。行程も行き先も自由気ままだ。

その都度ストップして散策をするので当然ながら巡航速度は落ちてしまうけど、そんなものは関係ない。自分がロードバイクでやりたいことは旅そのものであって、速度を競うことではないのだから。

八海山の登山口の一つ、六日町八海山スキー場方面を目指す

八海山に近づくにつれて道は徐々に斜度が出てきて、道すがらの風景は段々畑が目立ってくる。

言うまでもないけど山の麓は傾斜地になっていて、その地形に適応した生活が営まれているのがこうして直接感じられるのが面白いと思いました。ロードバイクの遅い速度で移動していくと、地形の小さな移り変わりもダイレクトに走りに影響してくるわけだし。

これが、例えば車での移動だったらあっという間すぎてその微妙な差を感じ取れないと思うし、そういう意味でも自分はロードバイクでの移動が好きです。

田畑のど真ん中にぽつんとある社の雰囲気が好き
当然のように立ち寄ってみます

田んぼの上に積もった雪が溶け、用水路に流れ込んでいく。水の流れる音は心地よい。

今回は麓を目指すだけでしたが、雪が完全に溶けたら八海山の登山もやってみたいと思ってます。

なんせここまで近くに来ているのに、装備的に登ることができないのは辛いものがある。夏山だったら多少は登れそうだし、今年はできれば東日本の登山もやってみたいと思っているので、良い機会かもしれません。

その登山口周辺に良さげな神社があったので、休憩も兼ねて訪れてみることにしました。

八海神社への入り口

それがこの八海神社

看板にある通り霊峰八海山には登山口が3箇所あって、それぞれに里宮があるようです。ここ城内口の神社は八海神社で、他の2箇所も含めて火祭りと呼ばれるお祭りもやっているみたい。

里宮とは「山上の奥宮に対し、山麓の村里にある社殿。遥拝所として参拝者の便宜のため設けられた」存在で、つまりここにお参りすれば八海山にお参りしたのと同じになる仕組み。

個人的には「雪に埋もれている神社」というもの自体がとても新鮮だったため、神社特有の静けさと相まってより一層長居したくなるというか、そんな気分になりました。

単純に八海山が気になるからあっちの方に行ってみるかと軽い気持ちで走ってきた結果、自分好みな神社に出会う。こんな感じで予め調べてきたわけではなく、現地で突然遭遇する存在は印象に残りやすいです。

そもそも私が作る行程全体が道中どういう展開になるか想定していないものだし、やはり下調べしすぎない行程が自分は好きだ。

水の流れが気になる

八海神社周辺の雰囲気がとにかく良すぎるので、もう少し長居してみることに。

八海神社の周りには何もないかというとそんなことはなく、すぐそこにある六日町八海山スキー場の利用客が主に泊まると思われるペンションが多かったです。というか現在進行系でこれから滑りに行こうとしている人もちらほらいて、山の麓ならではの光景を見ることができました。

目の前には八海山が

雪解けの水量がとてつもなかったです

ちなみに神社のすぐ近くには川が流れていたのですが、さっき平野部で見たとおり水量がとにかく多い。

規模でいうと濁流ともいえるくらいには激しかった一方で、やはり色は澄んでいる。地形的に八海山方面に源流があって、そこの雪が水となってここまで流れてきたんだろうと思います。そしてこのまま流れに乗って魚野川までたどり着き、最終的には信濃川に合流すると。

こうやって水の流れの行き着く先のことを考えると、なんだか果てしない気がしてくる。

地図上で見るとよく分かるけど、水の移動範囲は本当に広い。今回入ったのはその流域のほんの一部だけだったことを考慮すると、改めて日本における川の大きさをまじまじと感じてしまった。

除雪車の前で記念撮影
今日走り始めたの場所は、たぶん向こうに見える山の麓くらい
八海山を振り返って
道端には、春の来訪を知らせるつくしがたくさん咲いていた

こうして春が訪れたことを知るには、思い切って外へ出てみるのが一番だと思う。

家の中に引きこもっているだけだとニュース等でしかそれを実感できないし、外出して五感や身体全体で季節を味わうのが自分の性に合っている。しかもロードバイクで風を感じながらだと、春ならではの風の温かさをより強く味わえたりするし、一応運動にもなるしで一石二鳥。

今回の行程ではあえて桜がまだ咲いてない地方を訪れてみましたが、結果的には大成功でした。むしろこの時期にピンポイントで訪れてよかったと思えるレベル。

自在館へ

そんな感じでまったりしていたところ、そろそろいい感じの時間になってきたので宿に向かいます。

国道17号から国道352号へ
そのまま走っていくと温泉地帯に突入する
自在館の看板
山菜の販売所

国道352号の道すがらでは、奥只見湖へつながる奥只見シルバーラインの入り口を発見。

ここを走っていった先にある檜枝岐村や尾瀬も個人的には興味あるので、もう少し暖かくなったら走ってみるつもりです。なんでも会津駒ヶ岳を眺めながらのライドができるっぽいし、あと尾瀬も行ってみたいところなので。

この国道352号はこのまま東へ進むと福島県まで続いているようですが、どうやらこの時期は冬期通行止めになってるみたいです。ちょっと調べた限りでは、解除されるのは6月末頃の様子。となると再訪するのは夏くらいかな。

栃尾又温泉に到着

自在館へは、国道352号から県道299号へと進んで少し走ったところにあります。

福島県方面はなかなかの上りが続くようですが、ここまでだったらさっきの平野部からほぼ平地続きなのでアクセスも楽々でした。走っている最中で八海山(さっきとは裏側)も見れたし、道としては八海山をぐるっと半周するように移動してきた形になります。

自在館に宿泊する

栃尾又温泉 自在館の宿泊記録は、別記事でまとめています。

自在館で過ごす時間は最高に充実したものになって、旅館を発つのが名残惜しくなるほどでした。

温泉の場所が多いために入浴人数がある程度分散されていたこともあって、比較的自分のペースを保ったままで温泉を満喫できる環境だったのはなお良かったです。浴槽が一つしかなくてすし詰め状態で入るのはちょっと避けたいところだし、有名どころなのでそこを心配してましたが、杞憂に終わりました。

輪行で帰路へ

最後まで快晴すぎる

最後は最寄り駅まで走ってから帰路につきました。

これだけ濃い日程にも関わらず、過ごした2日間は通常の週末の土日というのがにわかには信じがたい。逆に言えば、2日あれば大抵の場所には行くことができる上に、宿泊も込みで肉体と精神の休息まで可能になってしまうということ。

そう考えると、時間がないというのは単なる言い訳にすぎなくて、よく行程を考えればどうにでもなるということが再認識できた。これからもあれこれ考える前にまず行動してみるスタイルでいきたい。

こんな感じで、今年度も全国各地を散策しに訪れたいと思ってます。

おしまい。


本ブログ、tamaism.com にお越しいただきありがとうございます。主にロードバイク旅の行程や鄙びた旅館への宿泊記録を書いています。「役に立った」と思われましたら、ブックマーク・シェアをしていただければ嬉しいです。

過去に泊まった旅館の記事はこちらからどうぞ。

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