TAMAISM

旅の記録とか、舞台訪問とか。(旧 OFFTAMA)

【日奈久温泉 金波楼】熊本県最古の温泉地に泊まってきた Part 2/2 (@熊本県八代市)

中庭へ

自分が泊まる部屋周りの散策は一通り済んだため、温泉に行くついでに中庭の散策をすることにしました。

ここで今更なんですが、自分は旅館に泊まる際は一刻も早く浴衣に着替える派です。単に動きやすくなるというだけではなくて、旅館といえば浴衣というイメージが強い。浴衣を着ることによって気分が切り替わると言うか、自分はいま旅館に滞在しているんだという実感が湧きやすくなる感じがするからです。これが私服のままだとなかなかそういう気持ちになれなくて、「ほんの一瞬だけ旅館を訪れている」という思いになってしまう。

旅館で過ごす時間を精神的な意味で開放されたものにするためにも、やはり旅館についたらまず最初に浴衣に着替えるのが正解。といっても、夕食会場に向かったときには他の宿泊客は私服のままの人が結構いました。自分は少数派なのだろうか。

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2階の廊下

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どこを切り取っても絵になる

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2階の廊下からの景色。奥に見えるのは旅館裏側にある駐車場

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中庭はかなり広いです

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1階の廊下から見た中庭

金波楼の中庭は建物の裏手にあって、普通に正面玄関側から眺めただけでは見ることができません。

しかし、宿泊しないと見れないのかというとそうでもなくて、同じく建物裏手にある広い駐車場から歩いて行くことが可能です。日帰り温泉客もここに車を停めることになるらしく、つまり温泉に入るついでに建物や中庭の見学もできるわけですね。

中庭は非常によく手入れされていて、背後にある木造建築との相性は抜群の一言。日帰り/宿泊を問わずに温泉に行こうとする場合は必然的に左手方向に中庭が見える形になるため、誰もがその存在感を感じることができるようになっています。

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温泉入り口

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温泉入り口手前には、タイル張りの洗面所がある

ところで、金波楼の廊下はどこも長いのが特徴です。

建物自体が大きいのでそれは当然といえば当然なんですが、廊下が長いことによって建物の広さをうまく表現している。例えば、これが曲がり角が非常に多い廊下だと統一感も感じられないし、移動もなんか面倒になってしまうところじゃないでしょうか。

そこへいくと、金波楼の廊下はとにかく一直線なんですよね。なので構造がわかりやすい上に、廊下の側面にある窓から見える景色もどことなく広く思えてくる。これは旅館の敷地を贅沢に使った構造とも言えるし、ここまで直線が多いと空間的な閉塞感をあまり感じません。

こういうの、なんか好きですね。

昔の建物ならではの造りというか、横方向への人の移動が快適になるように設計されているような気がする。

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温泉は内湯と露天があります

で、温泉についてはこんな感じ。

内湯のほかにこじんまりとした露天があって、内湯の方は浴槽の下から湯が吹き出てくるタイプでした。ちなみに男湯の露天の方は3階部分からちょっと見えますが、女湯の方は見えないように覆いがしてあります。

いずれにしても、広々+青々とした中庭の植物を眺めながら温泉に浸かるのは実に気持ちがいい。何かしらの風景が見えるお風呂もいいものですが、丹念に手入れされた庭を見ながらのお風呂も乙なものです。

夕食

そんな感じで適当に温泉に入りつつ、自室に戻って畳の上に寝っ転がったりして過ごす。

泊まる部屋が畳敷きだと、無意味に横になって畳の感触を味わったりできるのが良いですよね。お布団が敷かれるのを待たずして横になってしまうあたり、自分の性格が根本的にだらけモードなのがわかります。

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夕食

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今夜の献立

ゴロゴロしていたらいつの間にか夕食の時間になってたため、1階の温泉の隣にある食事会場へ。

食事会場は完全に個室になっており、いわゆる大広間といった一箇所でいただくスタイルではありません。その分ひと目を気にせずに食事を楽しめるというわけで、自分にとってはありがたい。

ちなみにですが、食事のときは給仕の方がご飯をついでくれたり、お茶をついでくれたりとお世話してくれます。普通の宿だったら自分でやるのが普通なところ、金波楼はこのあたりもサービスがいいですね。

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夕食はいわゆる会席料理で、がっつり食べると言うよりかは個人的には「酒を飲む」のが前提という内容でした。どの品も酒に合うものばかりで、そっちがそうくるならこっちも酒を注文して応戦するが?という感じ。

味付けも料理によって薄いものや濃いものがあり、結論から言うと酒が進んで仕方なかったです。一品一品が丁寧に作られているのが伝わってきて、酒の進みもさることながら食の進みもすごかった。

特に、最後の「鯛の煮付け」が出てくるタイミングでは、給仕の方が「これにはやはり白米が合いますよね…すぐ持ってきます!」とご飯を持ってきてくれて、煮付けの味の濃さとご飯の旨さが合体しておかわりがマッハでした。

という、終わってみれば幸せな夕食だったというのが率直な感想です。

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夕食から戻ってくると布団が敷かれていた

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食後は再度温泉に入った後、夜の散策へ

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その後は最後お風呂に入りに行き、湯上がりで身体が温まったところで下駄に履き替えて夜の散策にでかけました。

ところで、春になって夜の気温もやっとちょうどよくなってきてくれて、散策が捗りますよね。冬だったらこの時間に外へ出るにはなかなかの気合がいるし、逆に夏だと夜でも暑くてやはり外出したくない。やっぱり春は色んな意味で歩き回るのにいい季節だ。

夜の日奈久温泉街はもう静かすぎて、自分の他に出歩いている人がほぼいませんでした。金波楼だけでなく他の旅館に宿泊している人も同様に、この時間帯になると旅館内で過ごすのが一般的なもの。

でも、あえて夜に出歩くことでその町の「夜」を味わうことができる。これはその土地で一泊しないとできないことで、日中との雰囲気の差を味わうにはこのタイミングをおいて他にない。せっかく日奈久温泉に泊まっているのだから、館内で過ごす時間の他にも自分の時間を作りたいところだ。

宿泊地の夜を歩くなんて普通の人ならやらないことかもしれないけど、こういう散策こそが自分がやりたいこと。良い時間が過ごせました。

翌朝

夜の散策を終え、自室に戻って布団に潜り込んで気がついたら朝になってました。

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朝起きて自室から中庭方面を眺める

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朝食

朝食は、日奈久名物のちくわを含めた堅実な内容。

おかずに事欠かないとはまさにこのことで、この日の走行距離に関係なしにご飯をおかわりしてました。美味しいからおかわりをする。実に単純なことだ。

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窓から差し込む朝日を眩しく感じつつ、身支度を済ませて金波楼を後にする。

まだ宿泊客は自室でのんびりとしているみたいで、この時間から動き出す人間は自分ひとりの様子。日奈久の朝はとても澄んでいて、眠さよりも今日一日を満喫できそうな予感の方が上回ってくる。比較的朝早い時間に行動を開始するのも悪くない…。

こんな感じで、金波楼での一夜は終了。

金波楼の方々には最後まで丁寧にしていただいて、伝統のある旅館の中でも特に接客が素晴らしかったと思います。あの規模の旅館を昔ながらの姿で維持しているのはとても大変だと思いますが、長いこと続いていってほしい旅館だと感じました。

おわり。