TAMAISM

旅の記録とか、舞台訪問とか。(旧 OFFTAMA)

瀬戸大橋のたもとを走る倉敷~下津井ライド (@岡山県倉敷市)

瀬戸内を走る

前回の島根ライドで山陰を走ってきたので、じゃあ今回は対となる山陽を走ってくるか、と安直な気持ちで実行に移してきました。

結果から書くと、今回の行程では地元である岡山県を含めた瀬戸内海沿岸地方を3日かけてあれこれ回ることができ、その上ライドだけではなく宿泊の方も、非常に充実したものになりました。

訪れた場所をざっと上げてみると以下のとおりです。

  • ライド:倉敷~下津井~笠岡(今回の記事)
  • ライド:笠岡~真鍋島~北木島
  • 宿泊:天野屋旅館@岡山県北木島
  • 宿泊:一楽旅館@広島県広島市
  • ライド:とびしま海道~大崎上島~竹原

なので、これからしばらくの間、これらの訪問先について記事を書きたいと思ってます。

ただし、いつものようにPart ○/○の形で区切ってしまうとちょっと分かりにくくなってしまうことが予想されたので、1記事ごとに別枠として書く方針にしました。宿泊記録については、いつもと同じように別記事で書きます。よろしければお付き合いください。

というわけで早速出発。

美観地区

今回の旅の主な目的は、瀬戸内海の特徴である多島美を存分に味わうこと。陸続きでロードバイクのまま渡ることができる島も、そうでない島も含めて穏やかな海を味わいたい…という思いから行程を決めました。

1日目である今日の宿は、岡山県の笠岡諸島の一つである北木島にある天野屋旅館。そこへ向かうフェリーの時間を考慮すると、午前中に陸の方で時間が取れそうだったので、せっかくなので倉敷から笠岡まで走ってきました。

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倉敷駅からスタートし、まずは岡山県屈指の観光スポットでもある美観地区に到着。

美観地区には江戸時代から明治時代の古い町並みが残っており、白い屋敷や美しい濠、それに柳並木など風情のある風景が広がっています。景観だけでなく大原美術館や博物館など中に入って楽しむ系のスポットも多いため、そのアクセスの良さも相まってとても人気が高い(らしい)地域です。

しかし、朝早い時間帯(6時)ということもあって人通りは皆無。たまに見かける人は完全に地元の人で、特に用事があるというわけでもなく、朝の散歩に出かけているみたいです。自分がやってるのも散歩みたいなものなので、まあ同じかと。

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実はこの美観地区の範囲、結構狭いです。

特に濠周辺の長さはそんなになくて、それよりも入り組んだ町並みの方を散策するのがおすすめ。このアングルの反対側は普通に近代的な町が広がっているので所見だと面食らうかもしれんけど、お店自体の数は非常に多いのでそっちをまわる方が楽しめます。

ただ、こんな状況下なので営業している店もそんなにない…のかもしれません。店というと対面販売形式をとらざるをえないので対処も難しくなってくるし、そういう店が多く集まっているのでかなり厳しいんじゃないかなと思います。

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その後は美観地区を後にして、岡山県民なら誰もが訪れるであろう鷲羽山ハイランドを横目に見ながら瀬戸大橋方面へと移動。岡山県の南側はとにかく平地が多くて走りやすいのですが、鷲羽山ハイランド周辺はそこそこ坂道が多いです。

しかし、何気ない道を走っていく中でも「岡山を走っている」という感覚が強いのはなぜなんだろう。

景観が特殊というわけでもないし、すぐ横を走っていく車のマナーが気になるというわけでもない。やっぱり地元なので、自動的に身体が覚えてたりするのかもしれません。

下津井

そんなこんなで、瀬戸大橋の根本部分に広がる下津井にやってきました。

下津井は児島半島の南端にある港町で、江戸時代から明治時代には北前船の停泊地として栄えてきました。交通の要所としての側面が強かった町は瀬戸大橋の開通とともに漁業の町へとシフトしていき、今では旧道沿いに本瓦葺きの屋根や、土蔵などの町並みが残っています。

こう書くと、町の成り立ちとしては先程訪れた美観地区と似たところがありますね。あちらも江戸時代を中心に運送で栄えていたところを、技術の進歩によって次第に別の産業が大部分を占めるようになっている。

ただ、これらに共通しているのは、時代が経つに連れて文化的な要素を積極的に保存していくような流れになっていること。通常ならば当時の町並みというものは新しいものに置き換わっていくものの、ちゃんと「保存」してくれているのが良い。もちろん費用的にも運営的にも生半な取り組みではないのですけど、そのおかげで現代でもこんな素敵な町並みを歩けるというのはありがたいです。

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私が思う下津井の魅力は、なんといっても町並みと瀬戸大橋の対比が強調されている風景だと思います。

ちょっとした高台に上ってみるとそれがよく分かる。眼下には海に面した静かな港町が広がっている一方で、ちょっと視線を上げてみればとてつもない大きさを誇る橋が対岸に向かって伸びている。今回通ったルートでは、瀬戸大橋の下をくぐるような形になっていたことからその"巨大さ"をまざまざと見せつけられたし、その橋と下津井の町並みを交互に見つめていると、同じ風景の中に2つの時代の流れが混在しているような気がしてきた。

片方は江戸時代から続く海の街で、片方は昭和63年に開通した本州四国連絡橋の児島・坂出ルート。時代が変われば景観も変わるとよく言われますが、ここまで時代の差を痛感できる場所もなかなか無いのではないだろうか。

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思えば、本州から四国へ、あるいはその反対方向へ移動しようとしたときには、瀬戸大橋以外を通ることがないんですよね。

かつて船の往来がメインだった頃には必然的に船の移動しか選択肢になかったわけで、そうなると船着き場や港が発展していくのは自然の理。しかし船から車へ、航路から橋へと移動手段が移り変わっていけば港が必要とされる機会も少なくなって、今では大部分の移動路の片隅に下津井は位置している。

そんな下津井の町並みをロードバイクで流していくと、なんだかどことなく寂しい気持ちになってしまった。でも町から人が居なくなってしまったわけではなくて、たしかに下津井は今もここにある。

なんだか湿っぽい話になってしまったけど、ここは瀬戸大橋のスケール感を味わいたいという場合には間違いなくおすすめできるスポットです。瀬戸大橋の真下に行ける機会なんてあまりないし、下から上を見上げてみるのがとても楽しい。

そんなわけで、岡山県をロードバイクで走る際には、ぜひ行き先の候補地の一つに入れてみてはいかがでしょうか。岡山県自体が非常に走りやすいですし、瀬戸内といえば広島が有名だけど岡山も良いですよ、と地元民としては声を大にして言いたい。

おしまい。