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【十和田湖~奥入瀬渓流】ロードバイクで夏の十和田湖周辺を走ってきた Part 2/2

奥入瀬の清水

いま、自分が到着したのは十和田湖の東端。湖という見渡す限りの水からはここで距離をおき、一転して躍動感を感じさせる奥入瀬渓流へと突入する。

十和田湖から流れ出る奥入瀬川、その十和田湖畔の子ノ口から焼山までの約14.5kmの区間を奥入瀬渓流といい、言わずもがなですが青森を代表する景勝地として知られています。

標高的にはここからしばらくはずっと下りになり、渓流沿いに気持ちのいいダウンヒルが続く。奥入瀬渓流を走るルートとしては下流から or 上流(十和田湖側)からという2通りあるけど、個人的には後者をおすすめしておきます。

なぜかというと、水の流れと同じ方向に進んでいくので一体感が半端ではないからです。加えて夏の木漏れ日の中をそこそこのスピードに乗って駆け抜けていくことになり、逆方向からの上りでは味わえない爽快感がある。

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具体的に言うと、こんな最高の景色を横目に見ながら走ることができちゃいます。

左右も横も見渡す限りの美しい木々の緑色が占めており、かと思えば緩急に富んだ奥入瀬川の水の流れがそれに彩りを加えている。夏というだけで木々=緑がセットになっていることは頭で考えなくても理解できるものの、まさかここまで息を呑むような綺麗さだとは思っていませんでした。

日光が直にあたっているところ、そうでないところ。日向と影の部分の光の当たり具合でそれらの葉の緑加減が絶妙に変化していき、この中に佇んでいるだけで心が洗われるような感覚になる。

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雄々しい流れを実感できる銚子大滝

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とんでもない水量

しかし、単純に緩やかな流れがずっと続くかと言うとそういうわけではない。

奥入瀬渓流沿いの地形は、火山の影響による堆積物によって迫力のあるものになっており、所々で大きな高低差を生んでいます。それによって随所でが形成されていて、しかもそれらのすぐ目の前にまで行くことが可能。渓流を歩道や車道から眺めるだけというのもいいですが、適度な水しぶきを受けることで全身で奥入瀬を感じられる…気がする。

特にこの銚子大滝は本流にある唯一の滝で、かつ奥入瀬渓流最大の大きさを誇っています。落差は約7mもあって、その迫力は見事の一言。川幅が広いせいか滝のボリュームも大きくなっていて見ごたえがありました。

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基本的に渓流沿いには木道が整備されており、歩いて散策できる

ところで、奥入瀬渓流を散策する際の移動手段としては自転車がまさに最適でした。

というのも、奥入瀬渓流沿いの車道は路駐禁止と路駐OKの場所が交互に出現する一帯となっていて、どちらかというと路駐禁止のところがほとんどなんです。なので気になった場所があったとしても気軽に駐車できない上に、そこそこ交通量も多いのでスピードを落として走るのも難しい。

たとえバイクでも車よりはマシ程度で、スペースの取らなさや視野の広さを加味すると自転車による移動が本当に一番です。

常日頃から景色メインの散策なら自転車がもっとも適していると思っている中で、この奥入瀬渓流沿いではそれが顕著に現れていました。

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それにしても、ここでは自然の雄大さが実によく感じられる。

交通量の多さによって文明の存在は確かに感じられる一方で、それを補って有り余るほどの山の原風景が360°広がっている。色彩に幅があって動きが少ない木々と、それとは逆に様々な動きや音を楽しませてくれる川の流れ。

川面と車道の高低差もほとんど無かったり、階段を下る必要がある程度に差異があったりと新鮮な風景が目に飛び込んでくる。自然というのものはどの一角を切り取っても同じものがなく、かといって同じところに留まって一点だけを見つめていても飽きることがない。視界の情報だけでなく、音や匂いも合わさって自分が青森の山中にいることをひしひしと感じさせてくれる。

話は変わりますが、よくリラクゼーション効果とかなんとかで川が流れる音のBGMがあるじゃないですか。

あれは音だけしかないぶん、風景については自分で想像するしかなくてちょっと物足りない部分がある。でもここでは音以外の要素もダイレクトに自分の中に飛び込んでくるようで、さながら情報過多で頭がパンクしてしまうレベル。魅力的以外のなにものでもない。

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その後は寄り道ばっかりしながら下流へと流れていき、途中にあった滝も見つつ時間は過ぎていった。

滝周辺は登山道のようにごつごつした地形になってますが、ビンディングシューズでも特に困ることはなかったです。それよりも緑×水×苔という組み合わせがとにかく心地よすぎて、つい時間を忘れて先へ先へと進んでしまう。

あ、奥入瀬渓流自体の標高はそこまで高くなくて、夏の気温を考えると暑いのではないか?という意見もあると思いますが、全くそんなことはなかったです。確かに森の中は湿気が多く、普通に考えれば暑くて涼むどころではない。でもすぐそばに圧倒的な水量を誇る川が流れているおかげで、状況としては常に身体の表面が冷やされているような感じでした。

回りは鬱蒼とした森になっているおかげで直接的な日光が降ってくることは少なく、たまに木漏れ日にあたって眩しさを感じる程度。夏の訪れる場所としては、奥入瀬渓流は間違いなく快適に過ごせるスポットの一つじゃないかな。

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いつの間にか、川は静かな流れになっていた

思うに、これほど「水の流れ」をじっくりと眺めたことは初めてだと思う。

普段だったら旅先で川に遭遇したとしてもそこまで気に留めることは少ないし、そういうときは決まって移動中なので一箇所にとどまることは少ない。川の大きさとかの規模には多少思いを馳せることはあるかもしれないが、そこまで記憶には残らない。

でも、この奥入瀬渓流はどうだろう。

川の流れ自体が刻々と変化しているのに加え、水だけでなく地形や木々の生え方もまた場所によって千差万別だ。そういうスポットが10数kmにも渡って続いているとなれば、移動中のように忙しなく景色を確認する必要はない。自然と腰を下ろし、目の前の風景に集中したくもなってくる。

そうしてみると、川というものは実にいろんな顔を見せてくれる。岩と岩との間を滑るように流れていく箇所もあれば、比較的平坦な川底をゆっくりと流れていく箇所もある。静と動、流れに緩急がついた水が連続的に動いている様は、いつまでも見ていられるほど気持ちがいい。おそらく太古の人間も暇なときは川を眺めていたと思うし、そういう意味では自分は昔の人と同じ行動を取っていることになる。

青森の自然には、いつも驚かされてばかりだ。

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その後は石ヶ戸休憩所で少し休憩し、そのまま下って奥入瀬渓流館を経由して国道102号へと接続。

川の流れとしてはこのまま東にあるおいらせ町方面へと向かう中で、この日の宿は逆方向にある蔦温泉旅館にとりました。焼山に到着した時点で完全に身体がゴールな雰囲気になってましたが、ここから蔦温泉旅館までの道のりがなかなかの上昇量だったので面食らったのは秘密。

ここから先は完全に八甲田山の"領域"に入ることになる。今回はその入口だけでも感じたいということでここで宿泊をします。なお、蔦温泉旅館の宿泊記録は別記事でまとめました。

翌日は八戸と弘前へ

さて、蔦温泉旅館宿泊から一夜明けた翌朝。

この日はまず八戸に移動して昼食にし、そこから弘前へ移動してちょっとぶらぶらするという相変わらずの無計画プランにしました。実は奥入瀬渓流を走ることができた時点で目的はすでに達成されているので、後の行程はもう時間を気にするようなところはありません。

いつも好き放題に行動できたら良いなと思っている一方で、旅においてはなんらかの目的がないとメリハリがつかないのもまた事実。やることはきっちりやっておいて、その他は気ままに過ごす。この流れで今までも、これからも旅をしていきたいと思っています。

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八戸へ

まずは、蔦温泉旅館から60km程度走って八戸へ。

前回の八戸訪問の際にも訪れた館鼻岸壁を横目に見つつ、昼食場所へと移動しました。ていうか、昨日に引き続いてあまりにも天気が良すぎじゃないですかね。夏の東北ってそれほど晴れないイメージがついてまわってたものの、今回の行程でそれが完全に払拭されました。

で、到着したのは陸奥湊駅近くのみなと食堂というところです。

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みなと食堂 外観

実はこのお店、前回の八戸訪問の際に存在だけは知ってました。

ここからすぐそこにある新むつ旅館に宿泊し、その翌日に朝市に向かった際に気になっていたお店なんですよね。新むつ旅館の女将さんからも話は伺っていたものの、旅館の朝食をいただいたためにその時は寄ることはありませんでした。

今回は訪問時間帯的には比較的遅く、しかも下り基調とはいえそこそこ走ってきたのでお腹は空腹状態。

有名なみなと食堂で昼食をいただくには申し分ないシチュエーションということで、早速店内に向かいます。

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見た瞬間に優勝を確信できる平目漬丼

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せんべい汁も注文しました

注文したのは、みなと食堂の看板メニューである平目漬丼せんべい汁のセット(¥1,350)。

あれこれ言いたい点はありますが、まずはこの見た目のインパクトがでかすぎる。丼の縁まで盛られた白米の上には隙間なく平目の刺し身が並べられており、その上には卵の黄身とわさびがちょこんと乗っている。漬けがしっかり染み込んだ平目と黄身との色彩もよく、もうこれだけで食欲がマックスになってしまう始末。

もちろん味も当然ながら素晴らしく、米の旨さ×平目の旨さ×黄身のワンポイントが掛け算されてもう胃が歓喜のあまり泣き出すレベル。特に平目の刺身の量が多く、同じくらい量が多い白米に対してもまったく引けを取りません。

よく、丼ものだと白米ばかり食べすぎてしまって刺し身の量が足りない、ということがあるかと思いますが、ここではそれがない。あくまで最後まで白米×刺し身という組み合わせを楽しむことができ、口が疲れてきたらせんべい汁(南部煎餅を用いた醤油味の汁物)の温かさを味わう。せんべい汁の味付けは醤油味ながらあっさりとしており、野菜の多さも加わって食事の前半中盤後半に一切スキがなかった。

この組み合わせはセットで販売されているので特におすすめです。

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新幹線と電車で弘前へ

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残りの時間は、相馬アイスクリーム店でアイスばかり食べてました

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さて、そのままの勢いで八戸から弘前へ移動し、もう何回行っているんだ感が強い相馬アイスクリーム店でアイスを連続で食べて、残りの時間を過ごしました。

飛行機の時間を考えると弘前の滞在時間は1.5時間程度しかなかったけど、それでも弘前で過ごす時間を省くわけにはいかない。特に夏ともなれば胃がアイスを欲しているのは避けられない事実なので、自然とここに足が向かってました。

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そして、夕方の青森空港発の便に乗って帰宅。

最後までいい天気すぎて、逆に不安になるくらい行程がうまくいってくれた。天気がいいタイミングはできるだけ逃さないようにしているけど、今回は自分の予想をはるかに上回るほど何もかも満足のいく旅になってくれたと思ってます。

青森県は訪れるたびに行きたい場所が増えていくし、その都度新しい発見がある。そして、次もまた青森県を訪れたいと思うようになっていく。今回の十和田湖~奥入瀬渓流ライドはまさにそんな感じの時間が過ごせて、また一段と青森が好きになりました。

おしまい。