TAMAISM

旅の記録、宿泊先や行程とか

霧積温泉 金湯館 渓流沿いの静かな温泉旅館に泊まってきた

秘湯と名高い旅館へ

今回は、群馬県の山中にある温泉に入りに行くことにしました。

この週の天気は全国的に完全な雨で、外で何かをやるには向いてないシチュエーション。ならば逆に屋内に引きこもって温泉に入るというプランが合っていると判断し、投宿の方向で検討へ。天気が雨ということを考慮して、じゃあもういっそのこと人気がまったくないところに行けば満足度が高いんじゃないかと思ってその方向で考えました。

そして、最終的に泊まることに決めたのが、かねてから行きたかった霧積温泉 金湯館。場所的にはタイトルの通り山の中の渓流沿いにある旅館なのですが、まさに秘湯と呼ぶにふさわしい奥地にありました。

秘境にたたずむ一軒宿 群馬県 霧積温泉 金湯館の公式ホームページへようこそ

金湯館がどれくらいの山中にあるのかは、上のマップを見てもらえるとよく分かると思います。

しかも、実はこの旅館まで車やバスで行くということができません。県道56号は旅館まであと少しというところで突き当りになっていて、ここから旅館へ通じる林道は一般車は通れません。なので、この突き当りの無料駐車場に車を止めて徒歩で向かう(約20分)か、あるいは旅館の送迎(約15分)でしか到達できないことになっています。また、最寄りの横川駅からの送迎も行っているようです。

今回は天気が雨ということで、無料駐車場からの送迎を前もってお願いしておきました。

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送迎のマイクロバス

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車一台分しかない林道を走っていくと、金湯館に到着する

自分と同じく無料駐車場からの送迎をお願いする場合は、県道56号の入り口にある「碓氷峠の力餅 玉屋ドライブイン」に到着した時点で金湯館に電話を入れることになっていました。あとはそのまま無料駐車場まで運転(この道も非常に細くて運転が怖い)すると、マイクロバスが待っていてくれます。

そのまま他の宿泊客と一緒にマイクロバスに乗り込み、金湯館へ行くだけなので楽ちんでした。

なお、徒歩の場合はホイホイ坂と呼ばれる急登を上っていく必要があり、雨の日だとなかなかの虚無になりそうです。天気のいい日とか、旅館からの帰りはこのルートで移動してみてもいいかもしれません。

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マイクロバスを降りた場所からの視点。金湯館の建物が見える。

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階段を下っていくと金湯館の玄関へとたどり着く

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そして、登山道のような階段を下っていくとついに金湯館へ到着です。

このように一筋縄ではいかないアクセス方法なこともあり、まさにこんな雨の日に一日を過ごすには最適な立地じゃないでしょうか。人工的な要素からは隔絶された山の中にあって、もちろん喧騒なども一切聞こえてこない。大自然の中に佇む一軒宿というのが、金湯館をひと目見たときの自分が抱いた印象です。

金湯館に投宿する

まずはこの金湯館の成り立ちについて簡単に説明します。

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金湯館の歴史

といっても、その歴史については館内に年表がまとめられているのでこれを見るのが手っ取り早い。

金湯館の開業は明治17年(1884年)。当時は今で言う軽井沢の開発が行われる前で、霧積温泉は東京からの避暑地として栄えていました。当時は金湯館を含め、旅館と別荘を併せて42軒の建物があり、政財界や文学界の人々を中心に馬やお籠、人力車で訪れ、その賑わいは素晴らしいものであったと言います。中には勝海舟や与謝野晶子など、私でも知っているレベルの著名人も投宿していました。

そして、あの伊藤博文を筆頭とする政治メンバーも30人ほどで来訪し、この金湯館で明治憲法を草案したそうです。

しかし、明治43年(1910年)に起こった山津波で殆どの家屋が壊滅。金湯館のみがその被害から免れ、今日まで営業を続けています。建物としては母屋と別館から構成されていて、母屋は明治16年の建物そのままで、別館は平成に増築されたもの。

とにかく、このあたりの避暑地といえば軽井沢と思っていた自分にとって、この金湯館の歴史はまさに初耳で新鮮でした。

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渓流にかかっている赤い橋を渡って玄関へ向かう

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赤い橋ってなんか印象に残ります

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橋の上から上流を見る

そんな金湯館の建物の前には渓流が流れていて、そこにかかっている赤い橋を渡って向かうことになります。

橋というものはある意味で別世界へ向かう意味を指していると思っていて、ここでもその雰囲気が十分に現れていました。ここまでの道のりも普段からすればすでに別世界なんですが、建物があるという点でまた違った領域に入るイメージ。

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金湯館の玄関

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玄関左横は温泉周辺の建物に通じている

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さらに奥へと進んだところ

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玄関右横へ進むと母屋の建物が見渡せる

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左が母屋で右が別館。両者は短い渡り廊下で繋がっていることが確認できる

まずは外観から。

玄関の時点で古い要素があふれていて、その様は旅館というよりは登山で利用するような山小屋に近いです。まあ建っている場所が完全に登山必須な場所っぽいし、建物の建築に際しても山小屋のような建て方をしたんだろうなと思います。

玄関から右へ進むと母屋の建物の全容が伺え、1階と2階から成っているようでした。そこから更に奥へ進むと別館があって、こちらは母屋の2階部分が別館の1階部分に相当するようです。傾斜地に建てられているだけに、そのあたりは工夫されている感じ。

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その母屋の前には有名な詩があります。

金湯館は森村誠一の推理小説「人間の証明」の舞台になった場所でもあり、その小説を世に出すきっかけとなったのがこの西条八十の詩なのです。金湯館のおにぎり弁当の包み紙に書かれていたこの詩を読んだ森村誠一は深く感動し、「人間の証明」を執筆した…というのは有名なエピソード。

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金湯館 玄関内部

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玄関の右側はすぐ母屋2階への階段になっている

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玄関左側にはロビーと受付があり、その奥には温泉へと続く通路がある

そして、玄関をくぐって中に入った景色がこちら。

玄関土間はかなり広くとってあって、業務用の冷蔵庫や冬用のストーブ、それに山小屋のようなロビーがあります。玄関を上がって右方向はすぐ2階へと階段があり、その奥には別館もあるので宿泊客は必然的に全員がこの階段を上っていく形になります。

玄関の左側には受付(帳場)や温泉へと続く通路があって、こちらも何回も通ることになりました。受付の横は生活スペースになっているらしく、ほぼすべての時間帯にこちらに旅館の方がいらっしゃいます。また、はっきりとは分かりませんがその奥には厨房がある感じでした。

自家発電に頼っているためか館内は全体的に薄暗く、照明は必要最低限にしか灯されていません。しかし、こういう雰囲気のせいもあって「何かやらなければならない」という気がまるで起きず、ただ純粋に温泉と宿泊を楽しむことに集中できたと思います。不便というわけではなく、余計なこと、どうでもいいことを考えなくていい環境。そこに身をおいて一泊できるというのが金湯館の特徴の一つかなと。

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ロビーの様子

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母屋1階は受付や生活スペースになっていて、客室はない。

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受付の様子。このごちゃごちゃ感がたまらない。

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「人間の証明」に関する展示が非常に多いです

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昔の金湯館の写真も

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それにしても、この玄関ロビーに飾られている展示の数が非常に多い。

「人間の証明」に関する説明や作家のエピソード、サインや写真などはもちろんこと、金湯館そのものの歴史を示す写真もあります。こういう展示があるとなにがいいって、単に宿泊する場所以上にその宿についての知識が深まること。単に温泉入って美味しいもの食べて終了、でももちろんいいんですが、「旅館」についてもっと知ることができると、宿泊がなおのこと楽しいものになるというか。

過去に思いを馳せるというのは今を生きる自分たちでないとできないことだし、個人的には毎回こんな体験がしたいと思います。

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なお、階段の裏手側には母屋1階の客室が並んでいますが、こちらは客室としては使ってない様子でした。

というか、部屋として用いられているのかも怪しいレベルだったので、もしかしたら物置になっているのかもしれません。

宿泊した客室

玄関を入って受付で記帳した後は、さっき見た階段を上がって今回泊まる部屋へ向かいます。

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階段にも展示が多い

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階段の下を眺める

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母屋2階の廊下

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母屋2階の廊下を左端に進んだ場所。左手方向にも小さい階段があり、厨房へ繋がっている

今回泊まったのは、階段を上がってすぐにある母屋2階の部屋。

金湯館には先程も書いたとおり、母屋と別館にそれぞれ客室があります。しかし予約サイト等では主に別館しか売られておらず、実際に宿泊する人も別館がほとんどのようでした。

これはなぜなのかというと、別館は設備も新しいし、トイレや洗面所も母屋ではなく別館にあったりするからじゃないかと思います。今回も、自分以外の宿泊客は全員別館だったし。

ただ、そこは古い建物が好きな自分。お察しの通り、電話予約をする際にわざわざ母屋を指定しています。せっかく泊まるんなら古い部屋の方が好みだし、しかも母屋で泊まれるのが"あの部屋"となれば指定するのも無理はない。

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今回泊まった1号室

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その"あの部屋"がこちらです。

母屋2階の一番奥、角部屋に位置する1号室の客室。こちらは先程説明した伊藤博文らが憲法の草案をした客室で、どうしてもここに泊まりたかったので指定しました。

広さは10畳もあって広々としており、一人だと十二分に余裕があります。あと畳の軋み具合が絶妙で、適度な古さを感じさせました。部屋の2面が障子戸で、隣の客室との境は襖戸。残り一面はまるごと押入れになっていて、明治時代の建物をそのまま味わうことが可能です。

さらに天井には大きな梁が通っていて、目の前には大きな「霧」の字の書。この空間にいるだけで、なんか力が抜けていくような居心地の良さを感じるのは気のせいではない。

古い建物+広い客室というだけで満足度が高いのに、それに加えて歴史が刻まれた客室というのが実にそそられる。伊藤博文らもここでまったり温泉に入ってくつろいでたのかなとか考えてしまうし、そこに今でも泊まることができるのが何より素晴らしすぎる。聞くところによるとこの部屋はやっぱり人気が高いようで、自分みたいにこの部屋を指定して泊まる人も多いそうです。

さて、ひとりしきりまったりした時点で夕食の時間まではまだまだあるので、早速温泉に入りに行くことにしました。

温泉へ入る

電話の予約時に聞いたところ、実は金湯館はチェックインの時間を比較的早めにすることが可能で、今回は14時くらいに無料駐車場に到着してから旅館へ移動してました。

つまり、夕食の時間までかなりの余裕があるということ。山奥にある旅館なので特にすることもないし、思う存分温泉に入ることができます。

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受付の前を通って温泉へ

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温泉に向かう通路。トイレなどがある。

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流しには常に新鮮な水が供給されている

温泉は母屋1階の受付前の廊下をさらに進んだところにあって、手前に女湯、その奥に男湯があります。

温泉そのものは母屋とは異なる棟になっているのですが、そこへ向かう通路は全体的に屋根が付いているので雨の日でも全く問題なし。また、温泉としては露天風呂はなく内湯だけなので、天候に関係なく楽しむことが可能です。

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金湯館の温泉の詳細

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浴室には浴槽が一つあるシンプルな造りで、洗い場は三箇所ほどあります。

浴槽には常にお湯が勢いよく注がれている「源泉かけ流し」で、その泉温は38.9℃。泉質はカルシウムー硫酸塩温泉(弱アルカリ性低張性温泉)となっており、入っていると次第に身体に泡が付着してくるのが特徴です。しかも温泉には24時間入れるので、時間を問わずにまったりすることも可能。

夏といえば気温が高く、身体を温めるのが目的の温泉には長く浸かるのが難しい…と思う人もいると思いますが、実際に入ってみた結果、この金湯館は夏でも長く入れる貴重な温泉だと感じました。

その理由の一つが、金湯館の立地。

標高の高い山の中にあるため夏でも気温が低く、今回泊まった日の夜の気温はなんと16℃。エアコンどころか扇風機すら不要になるくらいの快適さで、昔は避暑地として人気だったというのも頷けます。そんな素敵な環境の中に位置している金湯館だからこそ、夏でも気持ちよく温泉を楽しむことができます。

もう一つの理由は、温泉の温度。

体温より少し高い程度(38.9℃)なので長湯がしやすく、しかも涼しい環境下なので身体の温度が下がりやすいため何度も入ることができます。逆に言うと涼しい=寒いということにも繋がるので一概にメリットとは言えないかもしれませんが、今回訪れた夏に限るとこれが実にいい方向に働いてくれました。天気は雨でなおさら涼しいし、避暑を味わいながら温泉も満喫する、という体験ができて幸せそのもの。

湯は浴槽のフチからドバドバ溢れていくほど流量が多く、浴槽の壁やフチなど、湯が接するところは全体的にヌルヌルしています。これは温泉の成分によるものだと思いますが、湯の感触は肌触りがよく、柔らかい印象を受けました。

例えば、温泉がめちゃくちゃ熱かったすると入りに行くにも気合が必要だけど、ぬるめということもあって気軽に入りに行ける。母屋からのアクセスもいいし、気が向いたときにふらっと入りに行けるのが湯治向けだと思います。実際に、自分が金湯館の温泉に入ったのは到着後すぐ・夕食後・寝る前・起床後・朝食後の計5回

温泉に入るのに適した環境で、身体に優しい湯に入ることができる。周りの環境は適度な「何もない」が広がっていて、何もかも忘れて温泉に没頭できる。

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温泉の建物

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温泉の前にも宿泊棟らしき建物があった

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相変わらず雨は降り続いている

チェックインが早かったこともあって、最初の方は温泉を自分だけで独占できたりもします。

というか、この日の宿泊者は別館を含めても計で5組程度で、温泉に人が多くて入れないというようなことは一度もありませんでした。多くても3人程度だったかな。人の出入りをあんまり気にしなくていいだけに、ちょっと温泉行ってくるかという気分にもなりやすいです。

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別館の廊下

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別館には洗濯スペースがあった

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別館の客室の例

温泉から部屋に戻る際に、奥にある別館もチラッと見てきました。

こちらは部屋に窓があって空気の通りがよく、畳も新しいようです。別館は2階建てになっていて、階段の先にはほぼ同じ構造の廊下が続いていました。ただ、建物としては温泉から一番遠いところにあるので、温泉に入りに行くのがちょっと億劫になるかもしれません。

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その後は1号室に戻ってお茶を飲んだり、畳の上に寝転がって昼寝をしたり。

温泉に入ったこともあって、自動的に眠気が襲ってくる。というか、旅館にいると自然に眠くなってくるんですよね。妙に神経を使う必要がないので身体が休息モードになるらしくて、要は身体にとって居心地がいい空間だということ。労働で疲弊した精神や肉体を休ませるためにも、人生には鄙びた宿や温泉が必要だということがよくわかる。

金湯館の温泉はどうやらお腹が空いてくる効能もあるらしく、朝食や昼食を少なめにした影響もあって、夕食の時間が本当に待ち遠しかったです。

夕食

そんな感じで完全にだらけモードに入ってゴロゴロしていると、夕食の時間になりました。

金湯館における夕食の時間は18時くらいで、部屋食なので部屋で待っていれば持ってきてくれます。

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夕食の際には飲み物や特別料理を追加で注文することができて、しかもその種類が多い。

飲み物はビールや日本酒に加えて骨酒もあり、特別料理には岩魚塩焼きや鯉のうま煮などがあります。今回は山奥の宿&群馬というシチュエーションから、骨酒(800円+酒代)と上州麦豚味噌肉(1000円)を注文しました。

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夕食が豪華すぎる件

そして、それらを加えた夕食の献立がこちらです。

もうあまりにも豪華すぎてどこから箸をつけていいのか迷ってしまう。旅館の食事というとどこか会席料理っぽいイメージがあるものの、金湯館の夕食は、立地を最大限に生かした特徴的な献立でした。

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金湯館の夕食で有名なのが、このめちゃくちゃ量が多い山菜の天ぷらと豚汁です。

山菜の天ぷらについては一般的な旅館の2倍以上あり、量だけでなく種類も豊富。これらは揚げたてでカラッとしており、これと白米が合わさるともう無敵感がパない。他にもこんにゃくやいんげん、鮎の塩焼きなど、全体を通して「山」の要素がふんだんに用いられているのが分かります。

そして、この豚汁の量がまたとんでもないレベル。

左横に置いてあるお茶碗と比較するとその巨大さが如実になっているけど、たぶん一般的なお椀の3倍くらいの容積があります。これになみなみと豚汁が注がれていて、具も盛りだくさんで実に食べごたえがある。汁物でメインというと鍋を想像するのに対し、ここでは豚汁というのが新鮮でした。

とにかく、金湯館の夕食は山菜の天ぷらと豚汁が二大主役といったところで、温泉に浸かった後で食を欲している身体にとって、この献立はあまりにも強すぎた。結局、自分でも驚くくらいにハイペースで食べ進んでました。

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忘れてはならないのが追加で注文した麦豚の味噌肉と骨酒。

渓流沿いの旅館ということでなんとなく骨酒の存在自体は想像していて、まさにお目当ての品がありましたという感じ。しかも骨酒の量は二合もあり、酒ばっかり飲んでる自分でも感無量でした。これに麦豚が加わるともう何も言うことないです。

当然ながら元々の夕食を完食した後にこれらに取り掛かったものの、日本酒を二合飲むのは久しぶりだったので結構酔いました。最初っから飲み始めていると食事のほうが食べられなくなる恐れがあるので、食事の際の酒の飲み方は大切だ。


食後は畳に突っ伏していると次第に酔いも覚め、再度温泉に行って寝る前にまったり。

結局、温泉に入る→ボーッとする→眠くなる→部屋に戻る→温泉に(ryという繰り返しになって、でも金湯館の過ごし方としてはこれが正解なんじゃないだろうか。

最後は、いつもと比べるとかなり早い時間に布団に潜り込んで眠りにつきました。

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とんでもなく寝やすかった布団

そうそう、金湯館の布団は敷布団の下にさらに敷布団が2枚重なっていて、横になったときにかなり気持ちが良かったです。

枕や掛け布団もサイズ感がよくて、まるで実家のような安心感。敷布団の下にマットレスというのもいいけど、あえて敷布団にしているのが快適さの秘訣かもしれません。

翌朝

昨日に引き続いて、翌朝も結局一日中雨でした。

雨音が目が覚める…というほどではなく自然に目が覚め、寝起きがてらに温泉へ。部屋と温泉との間に他の客室があれば物音にも配慮する必要がありますが、今回の場合は温泉に一番近いのが自分が泊まった部屋でした。別館からもかなり距離が離れているし、夜中や朝方であっても比較的スッと温泉に行けるのが母屋のメリットだと思います。

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起きたら雨、というのはロードバイクや登山だったら憂鬱になる一方で、今回のような温泉旅館に泊まるケースだとむしろ良かったと思います。もう何も憂うことなく温泉に集中できる上に、チェックアウトのその瞬間まで旅館での滞在を楽しむことができる。

いつもやっているような「ロードバイク→宿泊→ロードバイク」の行程だと今日一日の予定のことで頭がいっぱいになるけど、今回は宿泊だけ、温泉だけというシンプルな行程。あれこれ考えすぎても満足のいく時間は過ごせない。たまにはこういう一日があってもいい。

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朝食の献立

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朝食(8時)はこんな感じで、温泉卵や川魚の煮付け、山菜など優しい食事が並びます。

温泉に入ってお腹を空かし、食事をとってまた温泉に浸かる。この繰り返しが正直一番身体にとって良いんじゃないかと思えるくらいに、体調や身体の各部の働きが目に見えてよくなりました。というか、普段は身体にストレスばっかりかけているのかもしれない。

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そんなこんなで、金湯館での一夜は終了。無料駐車場に向かうマイクロバスの時間は9時と10時から選ぶことができ、自分は10時にして最後までずっと温泉に入ってました。

余計なことを感じずに、山奥の静かな温泉旅館で温泉を楽しむ。温泉に入ることでお腹が空いても大丈夫。金湯館の食事は本当にボリュームたっぷりで、温泉で消耗した体力を一気に回復するというマッチポンプ感も味わえます。

とにかく、金湯館は俗世から離れた静かな宿でした。日頃のストレスから開放されて、鄙びた館内でゆっくりしてみてはいかがでしょうか。

おしまい。

秘境にたたずむ一軒宿 群馬県 霧積温泉 金湯館の公式ホームページへようこそ