今年の6月に乗鞍・畳平に至る道であるスカイライン(高山側)をヒルクライムしてきて、その時は県境を挟んで反対側にあるエコーライン(松本側)は開通していませんでした。
エコーラインの開通は7月からなので、スカイライン訪問時はまだ通ることができなかったというわけです。それから折を見てエコーラインを走りに行こうと思っていたものの、ずるずると後回しになってしまい気づけばもう10月になりました。
スカイライン&エコーラインともに自転車で通ることができるのは10月31日までなので、この期を逃すと走るのは来年に持ち越しになってしまうことになります。
それはさすがに嫌なので、天気のいい日に(ついでに紅葉も楽しむ目的で)走ってきました。
寒すぎる件
乗鞍・畳平は標高3,000m付近の高所にあるため、夏でも涼しいことは前の記事で触れました。やたらと汗だくになるヒルクライムであっても、乗鞍なら多少は快適に走ることができます。
しかし、裏を返せば夏を少しでも過ぎると一気に寒くなるということ。念のため公式HPに載っている「畳平の現在の気温」を見てみると一桁台が当たり前で、朝の時間帯だとなんと1℃とかでした。
実は今月末に北海道に走りに行こうと思っており、その目的地の日中の気温がだいたい一桁台だったので「現在の装備で北海道に行けるかどうか」の試験的な意味も今回のライドには含まれています。
装備
装備については下記の通り:
- 上:モンベル ジオラインM.W.サイクルアンダーシャツ+ジャージ+Rapha Brevet Insulated Jacket
- 下:モンベル スーパーメリノウールEXP.タイツ+パールイズミ サイクルクロップドパンツ
- その他:靴下は2枚履き、手袋は名前忘れたけど軍手みたいな素材のやつです
結論から言うと、上下に関してはこれで問題ありませんでした。
一応ダウンヒル用にウインドブレーカーも持っていきましたが、なくてもなんとかなります。
問題となったのが手袋で、今つけている手袋が2枚重ね前提らしく、風をあんまり防いでくれないのでダウンヒル時に結構冷えました(かじかむほどではない)。風防用途の手袋を買って、重ねて使おうと思います。
前置きが長くなりました。
前回と同様に平湯峠から出発します。
エコーラインを走るのに平湯峠から走り始める理由としては、高山側から行く方が行き帰りともに楽だからです。あと、最近身体がなまっているので多めに運動しておきたいという気持ちもありました。
ここで、自転車を車載する場合に利用する乗鞍の駐車場について軽く説明したいと思います。
上の画像の通り、
- スカイライン側:ほおのき平駐車場 or 平湯峠ゲート前の駐車場(10台くらい駐車可)
- エコーライン側:乗鞍高原を中心に多数
エコーライン側の方が駐車場が多いので、場合によってはそっちの方がいいかもしれません。
スカイライン側にも「ほおのき平駐車場」という広い駐車場がありますが、ここから平湯峠のゲートまでが遠く、さらに斜度がかなり急(10%くらい)です。なので、楽をしたいならゲート前の駐車場がおすすめです。
出発
出発地点が平湯峠なので、今回の走行ルートとしてはスカイライン(上り)→エコーライン(下り)→エコーライン(上り)→スカイライン(下り)となります。
出発前、ゲート前のおじちゃんに「上(畳平)はたぶん気温がマイナスだから気をつけてね」と忠告を受け、さらに「寒すぎて途中で下ってくる人もいる」との話を伺いました。
今回の主目的はスカイラインではないので、道中はばっさりカット。無事に畳平に到着しました。平日の早朝なので自転車乗りはおろか、観光客もほとんどいませんでした。
お天気については、上ってくる道中はそこそこ晴れていたものの、畳平に着いた途端にガスが多めになってきました。日光が得られないので気温も低く、ヒルクライム直後で身体が温まっているとはいえかなり冷えました。
エコーラインを走る
エコーラインも走るとなると時間に余裕がないので、休憩もそこそこにライドを再開します。山の天気は午後になると悪化することが多いので、昼すぎくらいにはエコーラインを上りきって精神的に余裕を持たせておきたいところです。
写真についてはエコーラインを上ってくる際に撮るつもりなので、まずは普通にダウンヒルを楽しみました。
下りに下って、エコーライン側のゲートである三本滝に到着。
駐車場には車が沢山停まっているものの、ダウンヒル中に遭遇した自転車は2台だけだったので、登山目的の人がほとんどだと思います。
三本滝レストハウスの今年度の営業はすでに終了している様子で、レストハウスの前の自動販売機は使用可能でした。
今日は平日なので、駐車場周辺もそこまで混雑してる様子ではありません。
補給も済ませたところで、エコーラインを上っていきます。
ゲートから県境までに限定すると獲得標高はスカイラインよりも少ない(スカイライン:約1,000m、エコーライン:約800m)です。また、実際に走ってみた感想としては、
- カーブが多い上に道が狭い=スカイライン以上にバスや他の自転車への注意が必要
- 道路上に陥没が多い
- (この時期限定ですが)特にゲート周辺で落ち葉が多い=スリップに注意
カーブが多いということは、「カーブの外側=斜度がゆるい方を走行する」ことが重要になってきます。バスが走行してくる際はそれができないので、ダンシングで一気に抜けてしまった方がいいです。
下の方に見えているのが三本滝レストハウス。
今回訪問した日だとゲート周辺の紅葉が色づいており、逆に県境付近(標高が高い)の紅葉はすでに終わっていました。これについては完全に時期次第なので、紅葉目当てならば逐一紅葉情報をチェックする必要がありそうです。
今日はすでにスカイラインを上ってきているので、エコーラインも一緒に上れるのはなんかお得感があります。
ヒルクライムの鉄則は、いかに楽をして上るかということ。
軽いギアでくるくる回しつつ、疲れたらダンシングとシッティングを織り交ぜながら走っていきます。
紅葉が綺麗すぎるので、疲れはそんなに感じません。景色の力ってすごい。
美しい景色を見ると体力が回復する説を推していきたい。
ひたすら上って位ヶ原山荘に到着。
位ヶ原山荘の標高は2,350m、三本滝ゲートの標高は1,800mなので、ここまででおよそ550m上ってきた計算になります。
スカイラインと異なり、エコーラインは途中にここ位ヶ原山荘という補給ポイントがあります。飲み物の販売もしているので、必要ならここで休憩するといいかも。
位ヶ原山荘からはゴール地点の県境周辺が遠方に確認できて、山頂付近に横に線が入ってるところが見えると思います。あそこが県境へあともう少しの地点の道路なので、つまりあそこまで上ることになります。
エコーラインを先ほどダウンヒルしてきて標高差は確認したつもりだったものの、ここまで上る距離がはっきり見えると心を折られます…。
とは言っても、やることは今までと変わらずひたすら上るだけ。
位ヶ原山荘からは一気に展望が開けるので、これを糧にしながら走ることにしました。
紅葉が綺麗すぎるので(ry
正直に言うと、位ヶ原山荘から先の紅葉は完全に終わっているものだと思っていたので、上っていく道中で見事な紅葉に出会うとかなり元気が出ます。最新の紅葉情報を見ていなかったのが却って良い方に働いた感じ。
確かに下調べも重要ですが、調べすぎない方が当日の出合いに新鮮味が出て面白いと個人的には思ってます。
県境周辺で見かけたカップルはどうやらバスにミニベロを積み込んで畳平まで向かい、そこから下りだけ楽しんでいるようです。
これならキツイ思いをして上ってくる必要はなく、しかも風を感じながらダウンヒルも可能なので、非常にうまい方法だと思いました。
上の写真の枯れている部分が、おそらく紅葉のところです。
もしあの木々が全部色づいていたとすると絶景間違いなしなので、来年はもう少し早い時期に訪れてみようかなと思ってます。
エコーラインを上りきって、長野県と岐阜県の県境に到着。
ダウンヒルをした際はガスってた天気も回復し、これ以上ないくらいの快晴になりました!
これほど天気がいいと疲れて上ってきた甲斐がある。
これは登山でも同じことが言えて、せっかく上ったのにガスってて何も見えないとなると気分が虚無になります。いつもいつも今回のような快晴が得られるわけじゃないけど、やはり天気はいいに越したことはないです。
スカイラインを下る
畳平に到着した私は、まず銀嶺荘で「自転車定食」をいただきました。
前回のヒルクライム時も自転車定食をいただいて美味しかったので今回も注文。今回はハンバーグにしてみました。サイコロステーキかハンバーグか選べます。
お腹も膨れたところで、あとはスカイラインを下るだけです。
でもこれだけ青空が広がってるなか下るだけというのはもったいないので、各所で自転車を停めて撮影ばっかりしてました。
前回のときと比べると、ダウンヒルへの恐怖感が多少和らいだ気がしなくもない。
しかし時速が50kmを越えると怖いものは怖いです。
エコーラインと同じく、スカイライン側の木々も結構色づいてました。この紅葉が次第に標高を下げていって、いずれは高山などで紅葉シーズンを迎えるわけです。
そう考えると標高が高いところは最初の紅葉が始まる場所なわけで、つまり秋の訪れを一足先に感じるライドができたということになります。お得だね。
無事に平湯峠まで帰ってきました。
おわりに
エコーライン行かなきゃ(焦燥感)の結果として実現した今回のライドは、エコーラインだけでなくスカイラインも上り下りともに味わうお得なヒルクライムになりました。それに加えて紅葉も満喫することができ、想像以上に充実感を得ることができました。
来年は乗鞍高原で一泊してから高山側へ下る感じで走ってみたいと思います。
おしまい。
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