- Part 1:道道41号~道道970号蛾眉野原木線~函館山展望台
- Part 2:きじひき高原~大沼国定公園~北海道駒ヶ岳~森町
函館のパノラマ
函館初日から一夜明け、今日走っていくのは函館の北側となります。昨日のグラベル中心の行程からは一転し、舗装路を走って高台や湖といったスポットを巡る流れにしました。
思い返してみると、函館を拠点にして走るという方針においてはこれは良かったと思います。例えば函館から西側や北側に向かうと山や海オンリーの区間が長く、函館にまた戻ってくることを考えると少し大味すぎる。面積が非常に大きい北海道を走る上ではいかにして冗長な時間をなくすかが一つの鍵。


まずは朝起きて昨日買っておいたセイコーマートの惣菜で朝食タイム。個人的には北海道でとる食事のうち、朝昼晩のどれかはセイコーマートにしたい。何なら毎日セイコーマートでもいいぞ。
行程としては函館市街を抜けてきじひき高原に至り、そこから下って大沼公園を通過。北海道駒ヶ岳を横目に見ながら森町まで走って輪行で函館まで戻ってくる形です。往路・復路の両方を走るのではなく輪行を活用することでライド中の懸案事項を減らし、ライドそのものに集中できるというわけです。
道内で電車が通っている区間は限られていますが、ルートを全部自走で考えると走行距離がとても長くなって大変。色々検討して可能な限り楽をしていきたい。



朝の函館の空気はとても澄んでいて、ただ平地を走っていくだけで気持ちが良い。ロードバイクに乗る理由が気分転換や爽快感だとしたら、今日は最高のシチュエーションだろう。



国道227号から道を一本入り、最初の目的地であるきじひき高原の入口に到着。ここから「パノラマ展望台」までメロディーラインを上っていきます。看板を見ると途中にキャンプ場もあるようです。
上っていく道中には目的地までの看板もあって、あとどれくらい走ればいいのかが分かりやすい。斜度もきつすぎるという程度ではなく、シンプルに脚を回していけば大丈夫でした。




で、自分はこのメロディーラインの眺めに感動しました。道の途中からはこれから上っていく噴火湾眺望台方面の山の斜面が一望できて、そこにはまるでWindowsの壁紙のような風景が広がっている。こんな絶景をみてしまったのならもっと上へと進んで行きたくなる。
ヒルクライムの道中の景色はどちらかというと地味なものであって、鬱蒼とした森や林を抜けていった先の頂上からの眺めが印象的だと思います。従ってヒルクライムの最中の景色自体にはあまり期待していないのですが、きじひき高原に限ってはその限りではない。むしろ頂上までの道中の景色が心に残りました。
頂上から眺める眼下のスケール感に加えて、上っている途中の上方向の展望も良い。この2つを満喫できるのがきじひき高原ヒルクライムの良いところだな。









というわけで、きじひき高原パノラマ展望台に無事到着。
展望台からは南にある函館市街及び、東に位置する大沼を見渡せました。昨日走った行程(山の中と海沿い)と比較すると今日は明確に異なった場所を走っていることになり、良い意味で差別化ができました。同じ北海道を走るにしても、異なる地形を意識的に選択していくことで気分もリフレッシュ可能。2日続けて平地だけ、山岳部だけというルートよりはこっちの方が自分好みだ。
なおきじひき高原から平野部を挟んで東側には、以前走ったことのある城岱牧場展望台が位置しています。獲得標高は同じくらいなので好きな方を選ぶといいと思います。


これから向かうことになる大沼と、その北部にそびえる北海道駒ヶ岳。次の目的地がこのような形で視認できるのはとても嬉しい。
自分はどのような場所をロードバイクで走っているのか、どのような地形が周辺に広がっているのか。地図を確認するだけでも把握は可能だけど、高所から自分の目で実際に眺めてみると感動が大きいもの。北海道の自然の大きさ・奥深さを体感できるという意味で、高所に位置するきじひき高原は貴重なスポットだと思う。
大沼を抜けて森町へ
展望を味わったところで、そろそろ下山して大沼を目指すことに。
当初はこのまま西側の噴火湾眺望台方面へ抜けてから国道を下るつもりでしたが、パノラマ展望台から先の区間はまだ冬季閉鎖中のようでした。上ってきた道をUターンして平野部に戻ります。

途中の新函館北斗駅にいた、北斗市公式キャラクターのずーしーほっきー。ホッキ貝の握り寿司をモチーフにしているそうだけどインパクトがありすぎる。



道道1176号と国道5号を北上し、軽い上りを越えて小沼に着きました。



このあたりは大きな道とJR函館本線の駅、さらに飲食店や宿が集まっていて利便性のよいエリアです。前半のヒルクライムで疲れた身体を「山川牧場ミルクプラント」のソフトクリームで癒やしました。
北海道といえばやはり牛乳。北海道を訪れるたびに自分は食事の満足度の高さに驚かされますが、特に牛乳の美味しさは全国でも突出していると思います。山川牧場のソフトクリームは味がとても濃厚で舌触りが滑らか。適度な疲労感も相まって穏やかな休憩タイムになりました。
そういえば今日のライド中にはロードバイクで走っている人を何人か見かけた。地元のライダーだとすると彼らはこんなに景色がよくて走りやすく、さらに美味しい店がそこら中にある環境下でトレーニングできるということになる。実に羨ましい限りだ。


大沼及び小沼を通過し、国道5号に再度合流。
ところで、北海道は道沿いの自然の割合が本州と比べて高いように思う。本州の道は道の脇に看板などの人工物が多かったり、少し走れば集落があったりして自然と人間との距離が近い。対して北海道の道って周囲に山しかないようなところを突っ切っていたり、大沼みたいに橋の上から遠くに湖と大きな山が見えたりと植物や大地の存在を強く感じられる。(=人工物が少ないと言いたかった)
北海道は道が広いし空も広い。これは土地が広大なぶん人間の管理が行き届く範囲が限られ、結果的に視界の中に入ってくる「人間の生活感」の密度が低くなっているということ。豊かな大自然の中をロードバイクで走っていると、日常生活では感じられない開放感を得られるだろう。


そして北海道を走る上での魅力の一つが未舗装路の多さです。特に北海道は平野部や丘陵部に畑が多く、いわゆる農道も多くて長い。これは本州ではなかなか味わえない体験で、ちょっとそこらへんを走るだけで適度なグラベルに出会えます。
今回は交通量が多い国道5号をなるべく避けて脇道へ入ったところ、遠くに北海道駒ヶ岳が見えるグラベルを見つけました。



広すぎる畑と駒ヶ岳の圧倒的なスケール感。昨日走った山中のグラベルとはまた異なる、まさにここにしかない良さがある。とにかく眺めが良すぎて、二人でしばらく佇んでいました。
またしても本州のグラベルを引き合いに出すと、本州における未舗装路は山の斜面の林道がメインになります。農道も一応あるけどほとんどが舗装されていて、未舗装路を探すとなると大体が山。従って全体的に斜度が高めで、気持ちよく走れる率は低めになってしまう。しかし北海道ではこんな感じでほぼ平地の場所にグラベルが広がっており、グラベルバイクで走るには最高だ。
というか北海道の山中ではヒグマと遭遇する可能性が高いことを考慮すると、農道を走るほうが安全だと思います。危険を冒してまで山のアクティビティを優先するよりはこっちを選ぶべき。
函館の海鮮寿司と羊
ここまでヒルクライムやグラベルを堪能しつつ函館から森町まで向かっているわけですが、森町を選んだのには理由があります。
その理由というのが森町名物のいかめし弁当で、話によると全国の駅弁の中でナンバーワンに選ばれたことがあるとか。じゃあお昼ごはんはいかめしにするかということでずっと走ってきました。


そんなわけでJR函館本線・森駅前にあるいかめし販売店の柴田商店にやってきたところ、なんと本日は臨時休業で二人とも膝から崩れ落ちる始末。まあこういうときもあるか。
絶望していても仕方ないので、予定通り電車に乗って函館へ戻ります。食事については追々考えよう。





森駅始発の函館行き電車の様子。車両は1両のみで乗客は我々だけでした。地元の方は車移動がメインだから電車はあまり利用しないっぽいですね。






先ほど通ってきたスポットを車窓から眺めながら電車は函館へ向かっていく。途中の大沼公園で乗客が一気に多くなり(おそらく観光客)、賑やかなまま函館に付きました。
輪行の良いところは目的地までの移動を簡便化できる点と、路線によっては自分がロードバイクで走った景色を異なる視点から眺められるということ。今回は車窓から見える駒ヶ岳の方角が少しずつ変化していって、往路と復路で二度美味しい体験ができたといえます。
そして昼食の場所に選んだのが、函館を代表する回転寿司チェーンの函太郎本店。
北海道の食が美味しいのは今更言うまでもありませんが、その中でも海鮮については各地域の漁港や市場から仕入れたネタを提供するご当地回転寿司チェーンが存在します。代表的な店を挙げてみるとトリトン(北見市)、花まる(根室市)、なごやか亭(釧路市)、まつりや(釧路市)、そして函太郎(函館市)です。せっかく函館にやってきからからには…という理由で函太郎を選びました。





ネタが柔らかくて美味しすぎる件について。
海鮮物の良し悪しは自分には分からないもののそれも仕上がりがよく、シンプルに美味しいです。惜しむらくはライド後の食事なせいかどのお寿司も秒で食べきってしまった点で、しっかりと味わう余裕があまりない(しかもあと数時間ですぐ夕食の時間になる)。今度訪れる際にはお腹のタイミングをはかってもっと多くの種類を食べてみたいと思いました。
函館市街で昼食をとったところで、今度は夕食の場所を探しつつ市街地を散策。函館ならではの坂道や路地を巡ってみたところ、場所によっては観光客が全くいなくて走りやすかったです。

昨夜夜景を眺めた函館山は結構ガスっており、しかも海沿いを吹く風がかなり強め。昨日行っておいて正解だったかもしれないな。





そうこうしていると時間帯はもう夕方。函館市街は飲み屋を含めて飲食店の選択肢が多い(昨日の散策で把握済み)ため、いざどこにするかをその場で決めるのは結構難しいです。
改めて考えてみると北海道に降り立って初日の食事はラッキーピエロ、今日はセイコーマート及び回転寿司。明日はもう帰宅するだけで十分な時間がとれないとなれば、もうジンギスカンしかないだろう。という謎の理論によって今日の夕食はジンギスカンに決定。店の評価やクチコミ等あ抜きにして、これくらいの勢いで店を決めるのもいいかもしれない。





そういうわけでジンギスカンのお店に向かい、北海道のジンギスカンとサッポロクラシックで今回のライドに乾杯。北海道の道と景色を満喫した後は北海道の食で満足度を上げていく。
ジンギスカンの魅力は焼肉と同様に自分の手で肉と野菜を焼いていくことにあり、焼き加減も自由に調整可能です。焼きたての羊肉をキンキンに冷えたビールで流し込んでいくともう堪えられない。幸せな時間とはこういうことだろう。
自分が想定する「もっとも良い気分になれるライド」はライドだけに留めるのではなく、ライド中・ライド後の食事を積極的に楽しんでいくこと。全国どこでも同じ品揃えのチェーン店でささっと済ませるのもいいけど、自分としてはその土地にしかない名産品を食べたい。そういう理由から日帰りよりも宿泊込みの行程にするし、食事のために時間をしっかり取るようにしています。これからもこの方針は変わりそうにない。



お店からの帰路では、ハセガワストアで朝食用のやきとり弁当(豚)を購入。ちなみに夜食用としてまたしてもラッキーピエロに行こうとして思いとどまりました。
ハセガワストアのやきとり弁当については、パッと見るとご飯の上に乗っているのは焼き鳥のように見えるのに使っているのは実は豚肉です。やき"とり"ではない理由は不明ですが美味しいのでなんでもいいです。しかし北海道民はいつでもセイコーマートやラッキーピエロに行けるとか羨ましすぎるな。
函館を発つ日
最終日の朝。
今日の自由時間はお互いの飛行機が出発するお昼ごろまで。つまりあまり遠くへは行けないため、近場のスポットを巡る方針としました。まずは独特な構造の笹流ダムへ行った後、フライト前のランチを楽しむ形です。


結局3日間とも快晴になってくれて嬉しい。何日も前から飛行機を予約している以上、天気については祈るしかないですね。





笹流ダムの様子はこんな感じ。
一般的なダムと異なる点はダム前が芝生の広場になっていて歩き回りやすいのと、壁面を格子状の壁で支えるバットレスダムという構造にあります。建設当時貴重だったコンクリートを節約するための設計ですが、遠くから見るとダムというよりはビルのような佇まいを感じる。











その後はブルートレインというレトロなラーメン屋で名物の焦がし背脂入り塩ラーメン(590円。安すぎ)をいただいた後、函館民なら誰でも知っていると噂のコーヒールームきくちでソフトクリームをいただきました。後者については「水曜どうでしょう」の聖地の一つとなっていて、ファンにとっては馴染みのある店です。
いずれも今日は平日だからなのかひっそりとしており、旅の最終日にふさわしい静かな時間を過ごすことができました。





最後は帰りの飛行機の窓から函館市街を眺めて今回のライドは終了。終わってみれば天気に恵まれて最高の3日間になったし、海沿いや高台、舗装路にグラベルと様々な地形をまんべんなく訪れることができたと思います。
北海道を訪れるたびにその魅力の多さに驚かされるばかりで、帰る頃にはまた北海道に行きたくなってくる。誰しもが北海道に惹かれ、リピーターになる理由が改めて理解できました。
おしまい。
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