TAMAISM

旅の記録とか、舞台訪問とか。(旧 OFFTAMA)

【活火山】十勝岳~美瑛岳を縦走してきた (@北海道美瑛町)

本州は暑いので北海道に行ってきました。2日目は美瑛周辺での登山です。

【登山日:2020年7月30日】

移動しすぎでは?

今回は利尻山登山を無事に終え、稚内にフェリーで移動してきたところから始まります。

稚内駅前でレンタカーを借りて次の目的地へ出発するわけですが、フェリーの中で天気予報をちらっと確認したところ、どうやら明日は美瑛や富良野周辺の天気が良い様子。そこで、百名山としても有名な十勝岳を上ることに決めました。

というわけで、この日は稚内から美瑛まで車を走らせて仮眠を取ることにします。

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要は登山口近くまで今日中に移動すれば明日も早朝から登山できるじゃん!という単純な理由なんですけど、稚内から美瑛までは大体270kmくらいあります。利尻山登山+温泉をキメた後の身体でこの距離を運転するのはちょっと辛いので、途中のセイコーマートでちょくちょく休憩を挟んだりしつつ安全運転で南下していきます。

北海道の道を自動車で走るのは実は初めてで、常時90km~100km/hで走る一般車や容赦なくフロントガラスに突撃してくる虫達、あとは道路にフラっと現れるので油断すると轢きそうになってしまうシカやキツネなどに随分悩まされました。まあ今回の遠征が終わる頃には慣れてましたけど(慣れていいのか??)。

感想としては、少なくとも道内を運転するのは日中だけに絞りたいですね。夜は道端から何が飛び出してくるかわかりません。怖い。

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美瑛に着いたのは23時頃。

道の駅で4時間ほど仮眠を取った後、十勝岳方面へ車を走らせます。向こうに見えるのが十勝岳連峰で、今からあそこに上ると思うとわくわくしてくるな。

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十勝岳登山口の一つである望岳台に到着。

登山口はここ以外にも十勝岳温泉や富良野岳方面、涸沢林道など複数箇所ありますが、望岳台からのルートが一般的で所要時間も短いです。駐車場の台数も50台と多いほか、トイレもあるのでおすすめです。

比較的標高が高いところまで道路が通っているのは便利で助かりますね。

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早速登山開始。

十勝岳は標高2,077mの活火山で、過去に何度も噴火を起こしている…というか現在進行系でも、山頂の西北西にある前十勝からは噴煙が常時上がっているくらいです。従って、火口付近など危険な地域には立ち入ることができません。

www.town.biei.hokkaido.jp

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登山的な意味ではコース上に急登箇所は特になく、至ってなだらかな地形のまま山頂まで向かうことが可能です。

火山の地形ってこういうのが多いみたいで、山というよりは丘のような坂道がひらすら続く感じ。

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望岳台から十勝岳山頂までは、直線距離でおよそ5.2km。標高差は約1,100mくらいなので普通に歩いてれば問題ないかと思います。

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中央右奥に見えるのがスタート地点の望岳台

望岳台ルートでは、噴煙が上がっている前十勝の62-Ⅱ噴火口を途中からぐるっと回り込むように上っていきます。

その回り込みが生じる少し手前付近から美瑛方面を振り返ってみるとこの通り。他に遮るものがないので見晴らしが非常によく、さらに色彩的にもまるでグラデーションがかかっているようで美しいです。手前側の岩の灰色→平野部の緑→空の青、という風に、徐々に視界が鮮やかになっていくのが良い。

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スタート時には遠くに見えていた噴煙。

いつの間にか結構近くまで来ていたようです。風向きによっては、この噴煙がコース上にかかることもあるみたいなので気に留めておいたほうがいいかもしれません。

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そこそこ上まで上ってくると雪渓があり、すぐ脇の地層を見てみると見事に層状になっているのが確認できました。文献によると、現在の十勝岳の主体を形成している溶岩円頂丘が生じたのは約50万年前らしく、さらに今自分が歩いている火口群ができたのはそれからかなり最近になって3,000年前とか、その辺りらしいです。

地形関連で登場する年代はとにかく桁が違いますよね。もう想像もできないくらいはるか昔のことで、地球の歴史にとってはこの日も取るに足らない瞬間に過ぎないんだろうけど、その太古の地形を自分が上っているのがなんだか現実感がなくて面白い。

山というと昔からずっとそこにあるみたいなイメージが先行しているけど、こうして噴煙が上っていて「活動している」感が強いと生き物みたいに思えてこなくもない。

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河口付近の地形は火山っぽくて、ただひらすらにゆるやかな坂が広がっています。

見ての通り大きな岩がほとんどなくて、まさに丘という印象を受けました。

いつも自分が上っているような北アの岩稜帯とは趣が全く異なっており、具体的に言うと横に広いイメージがあります。北アはとにかく切り立った箇所が多いので急登も多くなり、縦方向に大きいイメージがありましたがここではむしろその逆。

横に広いので必然的に視界も広くなり、十勝岳という火山の広大さを如実に感じさせてくれます。

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そんな「ゆるやかゾーン」は山頂近くで息を潜め、途端に岩ばかりの地帯に突入します。ルートも若干不鮮明になっているものの、山頂付近を目指していけば大丈夫なはず。コース的には右側の尾根から山頂に向かいます。

というか明らかにコース外のところに踏み跡があったりして、むしろあそこからどうやって上ったんだという感じがする。

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山頂への上りは岩場との格闘になるわけですが、ふと左方向を見てみると美瑛岳(2,052m)がはっきり見えました。

確か上り始めた時点ではそこそこガスってたはずなんですが、頂上に近づくにつれて晴れてくるとか運が良すぎる。普通は逆で、麓が天気いいのに山方向は雲がかかってる…ということが多いです。これはもう持っているとしか言いようがない。

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というわけで、無事に十勝岳に登頂成功です!

山頂といえば何よりこの展望の良さ。昨晩に270km運転してきてからこの日に上ってきただけに、達成感が何倍にも増して感じられます。疲労については正直回復できていない感はあるけど、この眺めを見たら疲れが吹っ飛んでました。

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ちなみにですが、ここから北東方向へ向かえば百名山であるトムラウシ山方面に行くことができます。ただしこの縦走路は非常に長く、標識にも書いてありますがトムラウシ山はなんと18.6km先。今日ここまでの行程が5.2kmなわけですから、その遠さが伺えます。

他の方の意見も色々伺いましたが、トムラウシ山に関しては日帰りで上るのが一番良さそうです。またの機会にでも訪れたいところ。

美瑛岳へ

さて、ここから単純に来た道を引き返して下山するのは正直もったいない気がしたので、このまま当初の予定通りお隣の美瑛岳へ縦走してみます。

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この十勝岳から美瑛岳へ向かう道の最初の方の雰囲気は特殊で、なんというか火星とか月面を歩いているような殺風景な感じ。

起伏がほとんどなくて景色も代わり映えしないので、本当に美瑛岳へ向かっているのか不安になりました。さながら探査船の乗組員になったような気分が味わえます。

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地形としてはまず軽く標高を一旦下げた後、美瑛岳へ向けて次第に標高を上げていく形となります。

美瑛岳山頂までの道筋はさながらアルプスのような岩場が多く、足元に視線を落としてみれば美しい花が、それに遠方に目をやれば森や草原が広がっているのが見えます。

なんというかね、この縦走路って視覚情報に全然飽きがこないのよね。

よく考えてみると最初は火山っぽいなだらかな地形が続き、かと思ったら十勝岳までは岩稜帯の連続。そこから"月面ゾーン"を抜けたかと思えば途端に色彩に富んだ風景が楽しめる。どれだけ魅力に満ち溢れてるんだ十勝岳連峰は…?

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だって荒涼とした地帯を過ぎたらこの景色ですよ。もう気分が高揚しないわけがない。

何度も書いてますが、斜面がなだらかなのが本当に良い。ガスの日陰が斜面に落ちているのが分かりやすいし、雪渓の白さも相まって広大な庭のようです。

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時刻的に昼近くになってきたこともあり、残念ながら美瑛岳の山頂では思いっきりガスってて視界はゼロでした。

でも山頂以外では散々楽しめたし、これはこれで満足です。

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で。

ここからはスタート地点の望岳台まで下っていくことになります。

ですが、この道がなかなかに難儀しました。幅が狭い上にハイマツが道を塞ぐように生えているし、斜度が急なのでなかなか前に進めない。さらに下りなので余計に膝に負担がかかります。

ハイマツも一応整備されているようですが、なんというか背の高い人のことは考慮していないようで、ちょうど頭の位置に枝があたるように刈り取ってあるんですよね。。なので屈まないとまともに歩くのも難しい。

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山頂ではガスっていた美瑛岳、下山時にふと眺めてみたところ綺麗にガスが取れているのが見えました。

むしろあれから最後まで一切晴れてくれない方が個人的にダメージが大きかったので、ここで晴れてくれたおかげで全貌が見えたのが良かったです。というか晴れ予報でも、ガスがどのタイミングで抜けてくれるかは正直運次第ですしね。

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そのままの勢いで下山完了。

終わってみれば景色のいいところを堪能できたし、十勝岳の山容を十二分に楽しめたんじゃないかなと思います。美瑛や富良野の平野も一望できて満足満足。

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この後は近くにある白金温泉で汗を流してさっぱりし、次の目的地へ向けてレンタカーを走らせるのでした。

おわりに

稚内から美瑛まで移動しての登山、当初は疲労が抜けきれていなくて途中で高山病になるのではと正直心配してましたが、利尻山を上ったことで登山のことを身体が思い出したようで大丈夫でした。

十勝岳は比較的楽に上れる山である一方で、火山特有の地形を歩ける貴重な百名山であるといえます。実際に今回歩いてみて相当に新鮮だったし、今度来るときは大雪山方面へと縦走してみたい。本当に良い山でした。