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旅の記録、宿泊先や行程とか

山根旅館 昭和27年創業 三原の町で最も古い旅館に泊まってきた

三原駅前に佇む旅館

今回は、広島県三原市にある古い木造旅館・山根旅館に泊まってきました。

ご主人によれば創業は昭和27年で、建物自体はそれよりも昔からあったものだそうです。当時から旅館一筋で営業されており、実は三原で一番古い旅館がここだったりします。

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山根旅館 外観

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正面から

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実際に三原の町を歩いてみると分かるのですが、新幹線駅である三原駅をはじめとして町並みが比較的新しいです。

個人的にはこのあたりの道路、特に国道185号は尾道から竹原方面へと抜ける重要な道で、過去にロードバイクで走る機会も何度かありました。しかし、その大通りから一本入ったところにこれほど古い建物が残っていたとは正直初耳。近くには大きなビジネスホテルや病院、駐車場やらがそびえ立っている中、ひっそりと隠れるように建物が佇んでいたのが印象的でした。

というわけで、早速こちらに宿泊してみます。

宿泊プランとしては朝・夕食付きが一般的なのですが、注意点として、山根旅館では土日祝日における夕食の提供は行っていません
代わりにすぐ近くにある料理店「和食処 登喜将」で夕食を用意してくれるプラン「1泊2食付き☆夕食は和食処 登喜将本店にてタコ料理満喫プラン♪ 」があるので、それを予約しました。

なお、朝食に関しては曜日を問わず山根旅館でいただくことが可能です。

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玄関

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ロードバイクは玄関に置かせていただきました。

まず玄関ですが、玄関を入って真正面に廊下が続いています。

その右手側にご主人達がいつもいらっしゃる居間が、左手側には厨房がありました。玄関土間には大きな靴箱があったり、隣には古時計が置かれていたりなど風情があります。

中でも特に気になったのが、の意匠。

玄関土間の左右にはハート型の窓や丸窓があり、その奥の階段手前に壁には四角が二つ重なったような独特な窓が見えます。いずれの窓も空洞部分には竹が通されており、一般的な旅館ではなかなか見れないような貴重なもの。

どことなく遊郭っぽい雰囲気を感じたものの、最初から旅館として運営されていたことなのでこの推測は外れました。

山根旅館に宿泊する

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右手側に居間がある

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玄関すぐ奥には2階への階段があるが、狭い空間ながら途中で直角に曲がっている凝った造り。

空間としては建物奥側に広く、表側から見ただけでは旅館の全容がつかめませんでした。

導線としては玄関を上がって正面に続いており、そのまま直進するか、階段を上がることで客室へと向かうことができます。

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1階の廊下を直進する

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直進して左手にはトイレがある

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かなり広いトイレです。男性用と女性用が半分一体化しているのも特徴。

山根旅館の構造は、中央にある中庭を中心に"ロ"の字形に廊下が回っています。その廊下の外側に客室や設備が配置されていて、1階にはトイレや食堂、お風呂場があり、2階には主に客室があります。

で、玄関前の廊下をまっすぐ進むとトイレがあって、旅館内のトイレとしてはここが一番大きいようです。また、トイレの前には洗面所がありました。

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トイレ前の廊下をさらに進むと別の洗面所がある。奥に見えるのは客室の入り口

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洗面所の前の橋

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中庭を見上げる

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お風呂場の脱衣所入り口

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浴室

トイレの前の廊下を中庭に沿って右方向に折れ、さらに進むと別の洗面所がありました。なお、この途中の廊下沿いには客室が一応あるようですが、自分が到着した時点ですでに宿泊客(or 旅館の方?)がいらっしゃった様子。連泊している方だったかもしれません。

この洗面所の手前にはちょっとした橋があって、それを渡った先にあるのがお風呂場です。

お風呂場は男女別に分かれていて、それぞれ空いていれば各自が鍵をかけて入浴する仕組み。浴槽は中で湾曲しており、もたれかかった際に背中にフィットする感じで心地よかったです。

ところで、この山根旅館内を歩いている際には必ず中庭が見える形になっています。廊下自体が中庭を囲むように回っているので当然といえば当然なんですが、館内に居るにも関わらず結構な頻度で植物が見える、というのは精神衛生上良いものがありました。
旅館の構造によっては、建物内部の壁とか廊下しか目にしないまま一夜を過ごすことになりがちですが、山根旅館は敷地内をうまく活用していて、中庭という「外」を目にできるようになっているわけです。

実際に山根旅館の中でくつろいでいる際、廊下を出ればすぐ自然が見えるというのは開放感がありました。これも、昔の人の工夫の一つなのかもしれません。

山根旅館の2階へ

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廊下の丸窓

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廊下の曲がり角

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中庭の様子

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2階への階段はお風呂場の前のものと、最初に見た玄関前の階段の合計2箇所。

前者の階段を上がったのが上の写真で、上がった先には洗濯物を干すスペースがありました。また、構造としては1階と同じく周り廊下になっていて、廊下からの眺めは中庭を見下ろす形に変わっています。

なお、1階も2階も同様に、廊下は板張りではなく上に絨毯が敷かれていました。おそらく絨毯の下には昔のままの板張りが通っていると思われますが、板の劣化等を考慮して絨毯敷きに変えたのだろうと思われます。

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二股に分かれた階段

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そのまま廊下の曲がり角を曲がって進むと、ちょうど玄関奥に見えていた階段を上がった先に着きます。

玄関入ってすぐの視界からでは分かりませんでしたが、実はあの階段の奥にもう一つ階段があって、それは2階から見ると二股に分かれている形になっています。旅館でこのような形を取る意味としては、玄関側から上がってくる客と旅館奥側に向かう客とで導線を分けるためだとか、旅館サイドの係の人が奥側の階段から上がることで客との鉢合わせを避けた…など色々考えられました。

昔の事情を加味すると、この旅館が宿泊客で一杯になることが多かったでしょうし、そうした中で階段の数が少なくては色々支障があったのだと思います。今でこそ朝食は1階の居間でいただく形となっていますが、仮に昔もそうだったとすると1階に殺到する客で混雑したと思うし。

と、まあこんな感じで自分だけであれこれ考えてみるのも結構楽しいです。別に正解が知りたいわけではなくて、単に泊まっている宿について思考を巡らせるのが楽しいという感じ。

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今回泊まった「たけ」の間

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そして、今回泊まったのはその二股の階段の奥側に位置する「たけ」の間です。旅館の中だと中間くらいの奥行きの場所に位置しているので、お風呂場に行くにも外へ行くにもちょうどいい。

床は畳ではなくゴザ敷きで、床の間があったりテレビがあったりとこじんまりとした広さながらに居心地はよかったです。廊下との境界については木戸になっていて、鍵をかけることができるので外出時も安心できました。

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それにしても、階段のこの欄干。ずいぶん年季が入っていて驚いた。

一部は折れていたが、おそらくこれも当時のままなんだろうと思います。

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場面は変わって、階段から通り側に移動してみるとここには廊下が続いていました。

位置的にはちょうど玄関の真上になりますが、通りを見下ろすように客室が配置されているかというとそうではなかったです。客室は廊下から見て旅館の奥側にあるので、戸を開け放っていれば屋外の景色が見える程度。

階段から見て手前側の客室は障子戸、奥側の客室はガラス戸で廊下と仕切られているという風に差異があり、廊下の様相も奥側は若干幅が広かったりと一様ではない造りになっていました。
手前⇔奥側の境界は段差になっており、漆喰で作られたと思われるトンネル?のような通路も見事。もしかしたら、旅館の右側部分は後から追加で建築された建物なのかもしれません。

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廊下から見た玄関前の景色

山根旅館は比較的海に近いので二階からは海が見えるのでは…と思っていましたが、目の前には立体駐車場やマンションが建っているので何も見えません。

ただ、昔は今みたいに背の高い建物は存在していなかったので、立地的に考えれば建築当時はおそらくここから海が見えたのではないかと考えられます。それが現在ではあまりの景観の変わりように、なかなか面食らってしまった。

逆に言えば、これはそれだけ長い期間を山根旅館はこの地で過ごしてきたともいえるので、三原の地の移り変わりが山根旅館の歴史そのものなのかも。

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これまで見てきたとおり二階はほぼ客室になっていて、長期滞在で利用する客も多い滞在型の旅館といえます。

三原といえば瀬戸内海を望む交通の要所であるし、三原駅が文字通りすぐそこなので移動も楽。ここを拠点にして、東や西へあちこちでかけてみるのも選択肢の一つかなと思います。

夕食

最初に書いたとおり、今回の宿泊では山根旅館における料理の提供はなかったので、夕食時には「和食処 登喜将」まで移動する必要があります。

指定した時間に旅館で待っていると登喜将の方が迎えに来てくれるので、その方と一緒に店まで歩いて向かう形になります。距離としては徒歩2分くらい。

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「三原と言えばタコ」の評判の通り、夕食はとにかくタコづくしな献立。

タコの刺身から始まり、タコの天ぷらやタコの釜飯などが続けざまに出されました。登喜将自体が三原ではとても有名なお店のようで、こうして夕食を頂いている途中でもひっきなしにお客さんが訪れています。(通常のメニューを見た限り)値段はそこそこしますが、少なくともタコ料理に関しては絶品。

旅先では地物を味わいたいという自分の方針でこのプランを選んだ結果、とてもよい時間が過ごせたというのが率直な感想です。

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あとは旅館に戻り、布団に潜り込んで就寝。

交通量の多い国道がすぐ目の前にあるものの、部屋の場所がちょっと奥まったところにあるので音に関しては全く気になりません。隣の部屋とは障子戸や襖戸でなく壁で仕切られているのでこちらも静かで(そもそも隣に泊まっている人がいなかったけど)、その辺りはあまり心配しなくても大丈夫だと感じました。

翌朝

朝食の時間は朝7時から可能で、この後の新幹線の時間を考慮して7時ちょうどに朝食を用意していただきました。

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食堂の様子

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朝食の献立

朝食の内容はおかずが非常に多く、明らかにご飯の量が足りなくなるレベル。必要十分以上だと思います。

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帰りの三原駅

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タコが有名なのでタコのオブジェクトが多い

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最後までタコだった三原

こんな感じで、山根旅館での一夜は終了。

現代風な建物が立ち並ぶ三原の地で、69年前から旅館を営んでいる山根旅館。その確かな温かさは今回の旅において癒やしになってくれたし、この旅館で過ごす時間がいい思い出になったことは言うまでもない。

周りには巨大なビジネスホテルもありますが、昭和の匂いが漂う山根旅館に泊まってみるのも一考かと思います。

おしまい。

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