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【大三島 大山祇神社~亀老山展望公園~岩城橋~ゆめしま海道】ロードバイクで夏の瀬戸内の島々を巡ってきた Part 2/2

早朝の瀬戸内海を走る

穂満旅館を後にし、今日は一日を通してしまなみ海道周辺を走っていく。

まずは因島から隣の生口島、それから大三島へと渡ることにしました。

生口橋からブルーラインが敷かれている県道81号を順当に進んで多々羅大橋へ。

出発時点では空に雲が目立ったものの、予報通り徐々に青空の割合が増えてきてニッコリ。あくまで今は梅雨の合間なので空模様にはそんなに期待していなかったけど、青空が拝めるだけでも満足です。

加えて午前中は気温がそんなに高くないので走りやすく、つまり比較的涼しいのにも関わらず晴れているシチュエーションということ。行程はバシッと決まっていないものの、涼しい時間帯に走るに越したことはない。

多々羅大橋からの眺め

しまなみ海道を走っていく中では海沿いと橋の上を交互に通行することになって、そのたびに海との距離感が異なるのが適度なメリハリになります。

ずっと瀬戸内海の島々の海沿いを走っていくのは確かに気持ちがいいもの。でもずっと同じような風景だと気分的にもだれてくるところ、ちょうどいい間隔で隣の島へ移動することになる。島と島を結ぶ橋はどれも巨大で高低差があって、橋の上から眺める海にはまた異なった印象を抱くはず。

毎回そんな感じの感想をもつ瀬戸内ライドの中で、今回も海の広さを実感できました。橋の上からだと道を走っている他のサイクリストが見えたりなんかもして、ああ走っているなと思ったり。

というか、広島県は他の県と比べるとサイクリストが多いです。特にしまなみ海道周辺は島の外周を走るだけならアップダウンがほとんどないので、老若男女色んなサイクリストに向いている理想的なコース。サイクリストの聖地と呼ばれるのも納得で、朝から予想以上のサイクリストと遭遇できました。

大三島の大山祇神社

多々羅大橋を渡って大三島へ到着し、通常ならこのまま南下して伯方島へ向かうことになります。

しかし今回はちょっと寄り道をしたくて、大三島の西側にある大山祇神社を目指しました。

大山祇神社

大山祇神社は日本総鎮守と称され、全国に一万社余りある山祇神社と三島神社の総本社といわれる県内最古の神社です。山の神・海の神・戦いの神として、歴代の朝廷や武将から崇拝されているほどの重要な神社のようです。

境内には本殿や拝殿などの重要文化財も多く、全体に神秘的な空気が漂っているのが特徴。そもそも神社そのものが神を祀っているので神聖なものですが、ここの場合は山に囲まれた立地ということもあって、それをより強く感じられるところでした。

駐輪場

何に驚くって、まず駐輪場が豪華すぎる件について。

一般的な神社の駐輪場は屋根も何もなく野ざらしになっているのがほとんどなところ、大山祇神社の駐輪場(絵馬殿)は立派な木造建築の中にあります。しかもサイクルラック付きでサイクリストにフレンドリーすぎる。

この建物は参拝者の休憩所を兼ねており、中には自販機や座るところがあります。

総門をくぐって境内へ入り、奥へ進んでいく。

境内の広さはかなりのもので、両側に生えている木々からはセミの鳴き声が聞こえてくる。

日中になってしまえば暑すぎてセミも鳴かなくなってしまうため、これを聞くことができるのもこの時間だけ。涼しいうちに行動ということで早朝から出発したものの、ライドがしやすいだけでなくこういう良いところもあります。

夏の到来を気温以外で感じてみたいという我々にとっては嬉しい出来事で、今日早起きしてよかった。

境内を進んでいくと本殿正面に神門があり、その前に植えられているのは樹齢2600年といわれる御神木の楠。

上を見上げると枝の広がりが尋常ではなく、生命力の高さと歴史を感じることができました。若い木と歴史がある木って明らかに様相が異なっていて、素人目に見ても迫力を実感できると思います。

昨日訪れた大山神社は酷暑のなかでの参拝となったのに対して、今日の参拝はそこそこ快適でした。

神社を参拝するという行為は同じだけど、場所も違えば雰囲気も時間帯も異なっている。自分が旅先で神社を訪れるのは今度も変わらないだろう。

一通り参拝した後、本殿の周りをぐるっと回って入口の方へ。

素敵な時間を過ごすことができました。

大山祇神社の後は軽いヒルクライムをやったあとに多々羅大橋まで戻り、橋のたもとにある道の駅今治市多々羅しまなみ公園で休憩。

体温を下げるためにもこまめな休息は必要不可欠だし、夏場は休憩が多めになるのも無理はない。

しまなみ海道を走るサイクリストなら必ず立ち寄ると思われる「サイクリストの聖地 記念碑」で記念撮影をし、今日走れたことに感謝しました。天気についてはもう完全に晴れになっていて嬉しいと同時に、そろそろ本格的に気温を無視できなくなるという心配がプラスされます。

すでに暑いのに、これからさらに暑くなる時間帯を無事に乗り越えられるのだろうか。

亀老山展望公園ヒルクライム

大三島の散策が終わり、次の目的地は大島にある亀老山展望公園に決まりました。

しまなみ海道の愛媛県側に最も近いこの大島で行程を折り返し、そこからはでゆめしま海道までワープしてライドを続行するという形です。こうすれば瀬戸内の島をあらかた走ったことになって満足度も高いのに加えて、Part 1でも述べた「船による移動」を満喫できるというのが狙い。

島と島をつなぐ橋を渡って各島を行き来するのも、もちろん一般的なライドのスタイルとして申し分なし。今回はそこに瀬戸内ならではの船要素を盛り込んだことで移動距離も長くなり、結果的には満足度の向上に繋がるというわけよ。

まずは大三島から伯方島(大三島橋)、大島(伯方・大島大橋)と順番に移動していきました。

相変わらずの海の美しさ。何度見ても心に迫ってくるような感覚になる。ここに住んでいる方はこの絶景を毎日見ていると考えると羨ましくて仕方ないです。一年中楽しめそう。

そういえば、バイクパッキング時のKUALISはこんな感じ。

シートチューブ側のツールケースはボトルケージを下に下げなくてもそのまま入りました。ダウンチューブ側についてはフレームバッグがあるので下に下げた結果、シートチューブ側とのバランスがちょうどいい感じ。全体として見たときも色の違和感がないので気に入っています。

TADAのときよりもジオメトリが小さくなっているのに加えてパイプ径も細くなっているので、以前と同じような感じでバッグを選択しようとすると入らなそう。現状では入れるものもそんなにないので、これで十分だと思います。


亀老山展望公園に向かう道中については、想像以上につらい道のりとなりました。

気温が高すぎる中でそこそこのヒルクライムをすることになり、常時斜度10%くらいの坂を上っていくので体力があっという間に空になってしまう始末。獲得は200mほどしかないものの汗がすごいことになりました。

こういうことになってしまうので、夏場のヒルクライムは標高が高いところに限ったほうがいいかも。

というわけで山頂に到着したところから。

亀老山展望公園にはトイレや売店、駐車場があって休憩するのに便利なほか、ここに上ってくるまでの途中に「頂上ではアイスを売っているのでそこまでがんばってね!」という明らかにサイクリスト向けの看板があったりします。

ある意味で元気が湧いてくるので、もうちょっとだけ走ろうかという気分になれました。

これを見に来た

どうして高低差が比較的少ないしまなみ海道の中でこの亀老山展望公園に行こうかと思ったのかというと、この絶景を見たかったから。

亀老山の山頂からは360°どの方角にも眺めがよく、しまなみ海道を象徴するような「島々+橋」という組み合わせを展望することができる。

各島を繋ぐ橋の上からでも高度感のある景色を見ることができる一方で、ここまでの見晴らしの良さは得られない。瀬戸内海がはるか眼下に見えていて、今までの行程ではなかった視界の広さに驚くばかり。

たとえ暑かったとしても、坂がきつかったとしても、ここまでロードバイクで来る価値は十二分にあると思います。いや、本当に来てよかった。充実感がすごいわ。

展望公園そのものはかなり整備されていて歩きやすく、上の方は特に開放感のある造り。

周囲にはここよりも高い山は見当たらず、つまりてっぺんからの眺めを満喫できるということになります。

そして併設されている売店には、ロードバイクで上ってきて熱気に包まれた身体を冷やしてくれるものが揃っています。

今回はキンキンに冷えたジェラートを注文。

一口食べただけで暑さが嘘みたいにかき消えてくれて、冗談抜きに生き返るレベル。一つと言わず二つでも三つでも食べられそうな感じでした。

船で岩城島へ

猛暑のヒルクライムを終えて休憩タイムを味わっているところ、実は時間的な余裕はそんなにないことに気がつく。

予定では、この亀老山から北東に向かったところにある友浦港から船に乗ってゆめしま海道の岩城島(岩城港)に向かうことになっていました。ただ船の出港時間までがタイミング的にギリギリで、ダウンヒルした後で大島の東を走っている県道337号を通ればなんとか間に合うかなという瀬戸際の状態。

この道がまた曲者で、海沿いを走っている道ながらアップダウンが非常に激しかったです。途中でいくつかある集落に入るたびに標高が下がったり上がったりするので、そのたびに絶望してました。

友浦港に到着したのは、なんと出港時間の1分前

港に到着したと同時に船が滑り込むように入ってきたのは、もう天が我らに味方したというほかない。同行者が前を走ってくれていなかったらとっくに諦めていたかも。

なお、この便を逃すと次の出港は2時間後になります。もし逃した場合はしまなみ海道を走って戻ることになるので、できればそれは避けたかった。間に合って本当に良かったです。

エアコンの効いた船内で文字通り放心状態になりながら一息つく。

直近の行程を振り返ってみると、亀老山ヒルクライム(地獄)→冷たいジェラート(天国)→県道337号(地獄)→現在(天国)となって状況の移り変わりがとても激しい。

今回のライドは比較的に平和的にしまなみ海道を走ろうとしてたのに、結果的には予想以上にハードになってました。あと自分はとにかく暑さに弱すぎるので、そこをなんとかしたいかな。

ゆめしま海道を走る

船に30分ほど揺られて、ゆめしま海道を構成する島の一つである岩城島に到着。

岩城島はしまなみ海道から陸続きにはなっていないため、本州側/四国側のどちらから向かう場合でも、どこかしらの航路を利用して船で向かう必要があります。

それにしても、瀬戸内の船はフェリーや高速船に限らず自転車をそのまま載せられるのが親切だと感じる。

他の県の高速船だったら輪行袋に入れたとしても持ち込めないケースがある中で、船種によらず自転車そのままOKなのはサイクリストにとって非常にありがたいです。

さて、ゆめしま海道の話の続き。

ゆめしま海道はもともと因島の南に位置する生名島、佐島、弓削島をつなぐ道のことをいい、これらは橋で繋がっているので自転車で行き来することができていました。

ゆめしま海道 | 上島町公式観光WEBサイト

そして2022年3月に生名島と岩城島をつなぐ岩城橋が完成したことによって、自転車のまま行くことができる島が増えたのが現在の状況です。行程としてはゆめしま海道の一番西にある岩城島に到着し、ここから一番東にある弓削島までのんびり走っていくという形。

ゆめしま海道はしまなみ海道に比べると交通量が圧倒的に少なく、そこでの体験はしまなみ海道とはまた一味違うもの。距離としては比較的短いですが、個人的にはしまなみ海道と合わせて魅力あふれるゆめしま海道も一緒に走ってみるのがおすすめです。

そして、これが開通して間もない岩城橋の全容。

当たり前だけど全体的に新築っぽい様相で、ロードバイクで走るのにもまったく問題ありません。ゆめしま海道の橋はしまなみ海道の橋と違って車道/自転車道が分けられていないこともプラスされて、海との距離感がより近く感じられます。

岩城橋の上からの景色の迫力がすごい。

天気の方はここにきて青空の割合が9割ほどになっていて、見渡す限りの快晴が広がっている。橋の上は比較的風もあって暑すぎるということはなく、むしろ適度な湿度が「夏感」を増幅させていた。

そんな状況で上から見る瀬戸内の海。これでテンション上がらないわけがない。

改めて言うことでもないけど、昔はこの岩城橋はここに存在していなかった。なのでこの視点で岩城島や生名島を見ることなんてもちろんできなかったわけで、それを今自分が見れているという事実に嬉しくなってくる。

結構な時間をこの岩城橋の上で過ごしたものの、遭遇する他のサイクリストは皆無。

気ままに走るには穴場なのかもしれない。

佐島へ

今日の昼食は、佐島の中心部・佐島港からほど近い場所にあるbook cafe okappaにしました。

実は岩城島に渡ってすぐに昼食にするつもりが、予定していた店が休業で昼食難民に。ここはその後になんの気なしにマップを眺めていて発見したお店で、電話したら営業していますとのことだったので早速向かいました。

ゆめしま海道ではお店の数がそんなに多くないので、もし昼食場所を予め決めておこうという場合には事前に確認したほうがいいかも。

okappa店内の様子は一言でいうとお洒落で、昼下がりから夕方に差し掛かっている時間帯に過ごすのにぴったり。

風通しの良い店の造りに加え、book cafeの名前の通り至るところに本が置かれています。単にランチを楽しめるだけでなく、さながら時間を忘れて読書することも可能という幸せ感。時がゆっくり流れている瀬戸内の雰囲気によく合っていると思いました。

今回はスパイスが効いたバターチキンカレーを注文。

朝からまともに補給していなかっただけに、ピリッとした濃い味のカレーの旨さがしみる。

店の近くはモーターサイクルの音がまったく聞こえてこなくて、同じ「海道」に属しつつもしまなみ海道とは環境が全然違う。今回のライドでは以前とは少し異なる瀬戸内を感じてみたかったという背景があったけど、まさにその通りになってくれました。

昼食の後は、弓削島の上弓削港まで走ってから船で因島の家老渡港まで行くことに。

初めて船に乗る他のサイクリストを見かけた。親子連れでゆめしま海道を走っていた様子。

こうしてみると、計画通りな部分も計画通りじゃない部分も含めて、行程の中において船を最大限に活用できたと思います。

船の利用が元々多い瀬戸内を走るとなれば必然的にそうなるだろうという意見もあるけど、単にしまなみ海道を走るだけなら船に乗る回数は1回程度しかない。今回はそこにゆめしま海道を組み込んだことで、最終的に船による移動の割合が半分程度になりました。

うまく説明できないものの、ロードバイク旅においてこういうのがなんか好き。

これからもロードバイクで全部自走するのではなくて、移動そのものを楽しめる手段(今回は船)を積極的に組み込んでいく柔軟な思考でいきたい。

重井港

因島に渡った後は、島のほぼ反対側にある重井港まで走って船で三原に向かいます。

順当に昨日の出発地点である尾道に戻るという案もあったものの、尾道の散策自体はすでにやっているのでお互い特に目的はない。それならば三原で解散にしましょうという話になりました。

自分が把握していなかった色んな場所に港が存在していて、それが地域の方にとっての重要な足として利用されている。今回はそれに乗っからせていただくことが多かったと感じます。

重井~三原を結ぶ船は高速船で、本当にあっという間に三原に着きました。所要時間20分くらいで早すぎる。

高速船に自転車を乗せるのはサイクリストくらいかなと思っていたのに反して、三原では到着した高速船にママチャリ同伴で乗っている人がとても多かったです。船に自転車を乗せるのは、ここでは珍しくもなんともないこと。

最後は新幹線が停車する三原駅まで走って、ここで解散となりました。

おわりに

お互いKUALIS同士で走る夏の瀬戸内ライドは、船による移動多めな点を含めて大満足に終わりました。

何より天気が良かったというのが一番嬉しくて、晴天に恵まれた環境で走る良さはどの季節でも変わらない。暑さについても最後まで何とかなったので良かったです。

特に今回はライド、食事、宿といった一日の流れの全てが充実していて、2日感が一瞬で過ぎ去っていったというのが正直な感想。またこういう素敵な行程の旅をやってみたいと思います。

おしまい。