【薬師峠キャンプ場~三俣蓮華岳キャンプ場】夏の北アルプス大縦走2018 室堂~新穂高 Part 3/5

いきなりですが弱音を吐きます。

この日は辛かった…。一日中雨が降っていて、歩いていて楽しいか楽しくないかで言えば間違いなく楽しくない部類に入る縦走でした。

ガスっているだけならまだ気持ちが落ち込む程度で済むのですが、雨が降っていると着ているものを始め、色々なものが濡れるので体力的にも厳しいものとなります。

もくじ

ずっと雨、雨。

昨日と同じく4時に出発します。

出発した直後から雨が降り始めたのでカメラをしまって歩きました。太郎平小屋をすぎて1時間ほど歩くと到着する神岡新道への分岐あたりで雨が止んだので撮影をスタート。ここから西へ抜けると神岡方面へ下山できます。

このあたりは木道がメインで、左右にはお花畑が広がっているはずなのですが遠方は見えません。ただこれはこれで雰囲気があって良いですね。

先程の分岐から10分ほど歩いて北ノ俣岳(2,661.3m)に到着。それから30分ほど歩いて赤木岳(2,622m)を通過。このあたりから若干傾斜がきつくなります。

時折激しく雨が降っては止むの繰り返しなので、レインウェアを着脱するのが次第に面倒になりました。私の場合、レインウェアを着て暑くなるのが嫌なので、小雨のときはいつものシャツ+アンダーで歩いています。少々濡れてもすぐに乾きます。

そういえば、この日の出発から黒部五郎岳に到着するまでに5人ほどTJARの選手と遭遇することができました。なんか早い人が後ろから走ってくるな…?と思っていたら大抵選手の方でした。

選手は共通のゼッケンとオレンジ色のヘルメットをザックに付けているのですれ違うときに確認できます。

黒部五郎岳登頂

赤木岳を過ぎて2時間ほどガレ場中心の道を登っていくと黒部五郎岳頂上への分岐に到着します。

赤木岳からだと標高を200m程度上げるだけなのでそこまで登りがきついというわけではありません。

百名山の黒部五郎岳(2,839.7m)に登頂。ご覧の通り何も見えません。頂上であることを示す木の板があるだけ。

一足先に頂上から下ってきた人曰く、雷鳥が4羽ほどいたらしいですが自分が登る頃にはいなくなっていました。これだけガスっていればどこかで遭遇できそうな気もしますが会えずじまい。

ここからは黒部五郎小舎まで標高を下げていくことになり、ルートが2つあります。一つは北側のカールを通るルート。もう一つは稜線を歩くルートです。

所要時間はどちらも同程度で一般的なのは前者、後者は山と高原地図でいうと点線(難路)に指定されていました。一応「濃霧時は稜線ルートが良い」と書かれていましたが安全な方をとってカールルートを選択。

天気が良ければ冒険してみたかったけどね。天気が悪いのであまりやる気になれませんでした。

比較的歩きやすい道だと思います。ですが目印が少々分かりづらいので迷う恐れがある点には注意。

黒部五郎カールはそこら中に巨石が点在しており、今までの道とはまったく違う風景を楽しめました。

分岐から少し行ったあたりで川が流れていました。せっかくなので水をMAXまで補給。普通に飲んでも美味しいです。

岩場を過ぎると樹林帯に入ります。

このあたりから大雨になりましたが、樹林帯だったのでほんの少しは雨をしのげました。

最後の艱難

ひたすら歩いて歩いて黒部五郎小舎に到着。平原の中にぽつんと建っており、かなり遠くからでも確認できます。

めちゃくそ雨が降っているものの、「休憩は屋外でお願いね!」との張り紙があって割と心を折られました。ザックにレインカバーをかけて小屋内に入ったところ、中ではTJARの選手が休憩中でした。さすがにこの大雨の中ずっと走るのは辛い。

今日は三俣山荘で幕営の予定ですが、朝から雨の中をずっと歩いてきたので気力がほとんどなく、いっそここで幕営しようかと迷いました。ですが三俣山荘まではあと3時間程度なので、今日頑張れば明日の行程が楽になります。すこし休憩して出発することにしました。

自分は休憩を長めに取ると歩行を再開したときに余計に疲れる(気がする)ので、座って休むというよりはゆっくり歩いて「歩きながら休む」ようにしています。

樹林帯を越えた先にある三俣蓮華岳(2,841.4m)頂上の手前に三俣山荘への分岐があります。

分岐から先には雪渓がありました。アイゼンを持っていなかったのでかなり滑りました。雪渓の上を下り方向で歩いたので余計に歩きづらい。

大雨の中の幕営

そんなこんなで三俣蓮華岳キャンプ場に到着。相変わらずガスってるわ雨が降っているわで遠方は見えませんが、突然テントがたくさん視界に入ってきたので到着したことが分かりました。

早速幕営したいところなのに天気は大雨。雨が弱まってから幕営したいところですが、そこまで待てない理由がありました。それは…

テン場がほとんど埋まりかけているということ。

昨日の宿泊地の薬師峠キャンプ場で「三俣のテン場の混雑具合が凄まじかった。もうテントを張る場所がなかった」と聞いていたのである程度の混雑は予想済みでした。しかし1日経ってるしちょっとはマシになっているのでは…と淡い期待をしたのが間違い。

悠長に雨が止むのを待っていては、他の人に場所を奪われる恐れがありました。

なので急いで幕営を開始します。

やったことがある方ならおわかりかと思うけど、雨の中でテントを設営するとテントの中まで濡れて、それはもう酷いことになります。

なのでフライシートをさっさとかぶせて荷物を放り込みました。こんなに焦って設営をしたのは初めてかもしれません。

色々なものが多少濡れましたが、まあ許容できる範囲。シュラフが濡れてなくてよかった。

落ち着いたところで幕営の手続きをしに三俣山荘へ向かいます。

三俣蓮華岳キャンプ場

料金:¥1,000

三俣蓮華岳キャンプ場の水場は特に水不足に陥っているということもなく、普通に使用できました。

到着したのは昼過ぎで、体力的にかなり参っている中で行動食だけでお昼を済ますのはちょっと味気なかったので食堂を利用しました。

注文したのはカレー(¥1,100)。温かい食事ができるだけでありがたい。

食べている最中、隣の席の二人と話が弾み、今日は黒部五郎岳まで稜線ルートを歩いてきたとか、大雨で一日中テントの中で寝ていたなど楽しい話を聞くことができました。

三俣山荘は内装がとても綺麗です。今度はここで宿泊するのもいいかも。

ここのテン場が混む理由は、その立地にあります。

西へ行けば三俣蓮華岳や黒部五郎岳、北へ行けば鷲羽岳や水晶岳、それから雲ノ平、南へ行けば双六岳、笠ヶ岳、槍ヶ岳をへて穂高連峰へと行くことができ、どの方角に向かうにもちょうどいい場所に位置しています。

なのでここへ幕営だけしておいて、空身でこれらの山々を回る人が多いというわけです。テント泊かつ色々な山を回りたいという人にとってはまさに最高のテン場といえると思います。

確かにひたすらテントを背負って縦走するよりは、どこか拠点を決めて軽い荷物で歩くほうが理にかなっています。こういうスタイルは体力的に楽ができそうなので今後参考にしたいです。

お昼をゆっくりしすぎたせいかテントに戻る頃には15時をまわっていましたが、この時間帯に到着される方がかなり多く、テントを張る場所がない!と嘆いているのを見かけました。

驚いたのが小川の近くに張っている人が結構いること。雨降ってるし増水したらテントが水没するぞ。まあここ以外にもう張る場所ないし、しょうがないといえばそうなんだけど。

あとはテントに戻って昼寝をし、夕食を済ませて寝ました。

今日は散々な1日だった気がするけど、山に登っていれば大して珍しくもない状況です。ただ予めこういう天気になることがわかっていれば途中で下山した可能性が高いです。

公共交通機関をうまく利用しようとすると、薬師峠キャンプ場からだとここまで来るほかありません。なのでひとまず安全に下山できる安全圏まで頑張って歩いた形となりました。

明日の午前中は晴れるみたいだったのでとりあえず鷲羽岳/水晶岳を空身で登りに行くことだけ確定させ、あとの行程は天気次第で決めることにしました。

今日苦労した分、次の日に最高の天気が待っていたことはこのときの自分は知る由もありませんでした。

続きます▶【三俣蓮華岳キャンプ場~双六キャンプ場】夏の北アルプス大縦走2018 室堂~新穂高 Part 4/5 - TAMAISM


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