- Part 1:かきしま海道~呉~竹原
- Part 2:竹原~尾道~キツネ雨
毎日毎日暑くて嫌になります。
こんな気温が高い中わざわざ自転車に乗るのはなるべく避けたほうがいいのは分かっているのですが、ついこの間交換したばかりのホイールの試走をしてみたいと思っていました。
そんな中、「西日本豪雨による被害から復旧した市が観光客が少なくて困っている」というニュースを見かけました。呉や竹原・尾道などはまだ完全には復旧していなくて、猛暑の影響や風評被害も加わっているためか観光客の数が大幅に減少しているようです。
そこで、この機会を利用して広島まで走りに行くことに決めました。
準備
今回計画したルートは以下の通り。
- 1日目:松山→広島→江田島切串→呉→竹原
- 2日目:竹原→尾道→今治→松山
今回のライドの最大目的は、以前TLで見かけてすごく気になっていた尾道の喫茶店「キツネ雨」に行くこと。
これだけだと以前行ったしまなみ海道を往復するだけで十分になってしまうので、今回はかきしま海道というルートを通ることにしました。
かきしま海道とは呉市のJR呉駅を起点として、音戸大橋、倉橋島、能美島を経由し、江田島市の切串港まで続くサイクリングロードです。
初日にこのコースを通ってから尾道に向かうわけですが、夏場に1日で広島から尾道まで行くのは正直自信がありませんでした。なので中間地点の竹原で一泊する形をとっています。こうすることで観光する時間が多少確保できました。
なお尾道からの帰りについては、しまなみ海道は走らずに高速バスで今治まで帰ることにしました。この判断は正解だったと初日のライドで気付かされることになります。
出発は松山から
四国側から広島に向かうには、松山発着のフェリーを使うのが便利です。
ただし帰りに使用する尾道からの高速バスは今治までしか行きませんので、松山-今治間は何らかの方法で移動しなくてはなりません。
当初は帰りを楽にするために今治に車を止めてから松山まで自走もしくは輪行する方法を考えていましたが、フェリー(高速船)の時間の関係で松山スタートに変更しました。つまり帰りの段階で輪行することになります。
スーパージェットとクルーズフェリーは両方とも自転車を持ち込むことが可能です。ただしスーパージェットは輪行袋に入れた状態のみ可。
スーパージェットはクルーズフェリーに比べ所要時間が1/3で済むのに対し、料金はほぼ倍かかります。私はこの料金差と松山観光港の駐車料金を天秤にかけてクルーズフェリーにしました。
2時に起床して松山観光港まで車載。行程を楽にするために始発のフェリーに乗りたかったのでどうしても家を出るのは早くなります。ここで遅れると全てに影響が出るので時間には気をつけなければなりません。
一旦呉を経由して広島へ。呉-広島間は自動車道の復旧が未だ不十分のため、フェリーを利用する人が多いようでした。ほぼ満席に近い状態。
広島・宇品港に到着したあとはそのまま切串行きのフェリーに乗ります。松山行きのフェリー乗り場からだいたい300mほど西へ行くと乗り場に着きますが、自転車なので移動が多少楽でした。
実はここの乗り換え時間に余裕がない上、松山からのフェリーの到着が少し遅れたため急いで乗り込む必要がありました。なお、広島-切串間に限っては、切符は船内でも購入可能です。
広島-切串間の便はほぼ1時間に1本あるので比較的行程が立てやすいと思います。
江田島を走る
30分ほどフェリーに乗って江田島へ到着。
切串港周辺には特に店がなく、自販機くらいしかないので注意です。
というわけで早速ライド開始。
まさかの交通止め
江田島も西日本豪雨の被害を受けていることは知っていましたが、念のため市のホームページを確認したところ特に問題となる交通止めはないことが分かりました。
それでも不安だったので観光課の方にも予め電話して「切串から呉に行くブルーラインの道は問題なく通行可能」であることをチェック済みです。
なのですんなりと走れる予定だったのですが…
いきなりの通行止め。
切串から西へ5kmくらい海沿いを走ったところにある大須付近で道が閉鎖されていました。確認したのに何故???
仕方がないので走ってきた道を引き返し、幸ノ浦峠を抜けて宮ノ原方面へ抜けることにしました。
しかし午前10時過ぎで気温はすでに34℃。この状況下での初っ端の峠越えはかなり体力を消耗することになってしまいました。
江南を通過したあたりで本格的に気温に耐えきれなくなったため、コースを大幅に短縮することに決定。ブルーラインは江南から中町港方面へと海沿いに続いてはいるもの、そのまま南の柿浦へ向かいます。なので能美島を丸々スルーした形になります。
呉へ
正直、夏場のロングライドがこれほど過酷なものだったとは思いませんでした。
水分補給はしっかりしてきたつもりでしたが、そもそも身体が暑い中でのライドに対応していない気がします。
気を取り直してライド再開。
大君ふれあい公園から早瀬大橋方面に向かって走っていきます。
これで江田島市を抜けて呉市・倉橋島に入ります。
ロードバイクに乗った人と全く遭遇しません。交通止めの影響もあるのでこのルートは走るのを避けているのかもしれません。
気温が尋常ではないくらい高いことを除けば最高の環境。
青い海に空。そして適度な風も吹いている。まさに走るには良い日です。
倉橋島から本州へ渡る第三音戸大橋の手前にある「ひまねきテラス」で休憩。
ここからは呉の港は見えない代わりに製鋼所がよく見えます。
さっきまで渡っていた第三音戸大橋方面。瀬戸内海の風景は橋と海がセットになっている点が個人的に気に入っています。
船に製鋼所と鉄鉄しい風景を楽しみながら下り基調で走っていきます。
実は走り始めてからずっと頭痛がひどく、かなりペースを落として走っていましたが、何しろ荷物が普段より重いので効果があったかは不明。重いギアで踏んでいるとすぐ汗が滝のように流れてしまう…
海軍の街、呉
切串から40km程度走ってやっとこさ呉に到着!
まず訪れたのが「アレイからすこじま公園」
海上自衛隊第1潜水隊群司令部のすぐそばにあり、日本で唯一間近で潜水艦を見ることができる公園として有名です。
戦前この地は呉海軍工廠本部と兵器製造所前の岸壁で、切石積護岸は1895年(昭和28年)に作られたもの。アレイの名の通り護岸沿いに整備された細長い敷地を持っています。
護衛艦を撮る
見ての通り視界にはたくさんの護衛艦が停泊しており、普段ではなかなか見ることができない光景に興奮しました。といっても船名とか仕様などは全然わかりません;
自転車旅行ではこのように自転車を立てかけて写真を撮るのがオーソドックスなものの、この手摺の柱が意外にガタガタしていたため、一歩間違うと海に落下するところでした。
なんといっても潜水艦が勢揃いしている光景が素晴らしい。確認したところ6隻停泊していました。
呉海自カレー
ここに到着した時点で時刻は13時。ここから竹原までさらに40kmほど走ることになりますが、その前に栄養補給をします。
訪れたのはアレイからすこじまの真正面にある「港町珈琲店」
カレー食べるよ!
海上自衛隊の艦艇は、それぞれの艦ごとに独自のカレーレシピを持っており、隊員の健康を第一に考える調理員のこだわりが詰まった美味しいカレーです。但し、そのレシピは代々に引き継がれ、機密事項の一つとして慎重に取り扱われています。
この「呉海自カレー」は、そんな貴重な海上自衛隊カレーを忠実に再現しており、呉市内、30の飲食店においてそれぞれの艦の味を提供されています。そのうちの一隻「くろしお」のカレーを食べることができるのがここ港町珈琲店なのです。
お昼時なので店内は主に家族連れで賑わっていました。
ここの「くろしお特製“広島風”柔らか牛すじカレー」は味もさることながら、ランチセットには美味しいサラダ・ピザ・ドリンクがついてきます。
しかも、ピザ・ドリンクは食べ放題に飲み放題。これで¥980とか本当に元が取れているのか心配になるレベル。
船を見ながら食べる呉海自カレー!「港町珈琲店」で呉の醍醐味を味わおう | 広島県 | トラベルjp 旅行ガイド
せっかくの食べ放題だったものの、バテバテだったのでピザのおかわりはしませんでした。
1時間くらいかけて身体を休めながら食べるカレーは非常に美味しく、ほんのり感じる辛味が疲れをとってくれる感じがしました。
竹原への猛暑ライド
多少体力が回復したのでライド再開。
ここから竹原までの道はそれほどアップダウンがなく、さらにとびしま海道の起点である安芸川尻駅付近から先はすでに通ったことがあるため、それほど不安はありませんでした。交通止めに関しても一部対面通行になっているくらいで、問題なく通行可能です。
まずはJMU呉の施設を左に見ながら走っていきます。
瀬戸内を走っていると造船工場によく遭遇します。大きな船体と壮大な景色を一度に楽しめるのが瀬戸内ライドの魅力の一つですね。
休山トンネル内は本来4車線のところが片側2車線状態になっていました。これはどうやら今回の豪雨とは無関係で、単に4車線化の工事をしているだけのようです。
気に入ったのが歩道/自転車道が車道と区切られている点。幅も広めなので大変助かります。
このあたりからロードバイク乗りを多く見かけるようになりました。やはり人気のコースだと分かります。
安芸灘大橋の信号を右に曲がると、前回通ったとびしま海道を走ることができます。今回はルート外だったので事前調査はしていませんが、通行止めとかになっているのでしょうか?
気温も36℃近くなり、立ち止まって写真撮影をすること自体が億劫になってきたので竹原まで写真は撮りませんでした。体力を温存しつつ巡航速度で竹原まで走ります。
こういうときに助かるのがフレームバッグの存在。信号待ちなどの際にスッと塩飴や羊羹などを取り出して食べる…といったことがしやすいです。サドルバッグのみだと出し入れに手間がかかるし、ゴミもそのまま中に入れられるのが大変便利です。
2ヶ月ぶりの竹原
途中コンビニで休憩しながら走り、16時すぎに竹原に到着。
まずは竹原駅に向かいました。
電車に乗るわけではないのに何故か最初にここに来たくなります。やっぱり「帰ってきた!」という思いが強いからでしょうか。
早速ホテルにチェックインしてから散策に向かうことにします。
ちなみに。
泊まったホテルのロビーにはたまゆらの展示がありました。完全に予想外だったので驚きです。
今回の日程で中間地点の竹原に宿泊しようと決定した際、宿がここしか空いていませんでした。単なる偶然ですが運がいい。
ホテルの空きが極端に少ないのはボランティアの方用に部屋を確保しているからなのかもしれません。
竹原散策
夏になってかなり日が長くなったため、この時間でもまだ十分明るいです。
荷物になるサドルバッグは部屋に置いて軽量装備で出発。
前回とは違うアングルにしてみました。
しばらくは町中を走っていたのですが、夕方なのに暑いし、何より思いのほか今日の行程が疲れたので早めの夕食をとることにします。
ほり川さんで食べるほぼろ焼き
今回、ここには絶対行くと決めていた「ほり川」にやってきました。
ほり川は「たまゆら」に登場するお好み焼き屋「ほぼろ」のモデルとして有名です。
店内ではたまゆらとコラボしたお好み焼きを食べることができます。今までに提供されてきたのは「たまゆら焼き」や、「ほぼろ焼き」「真・ほぼろ焼き」「ほぼろ焼き・極」があります。
現時点で食べることができる「ほぼろ焼きRevolution(¥1,250)」とビールとクリームソーダを注文。
自転車で走ったあとのビールが旨すぎる!
ほり川を訪れるのは2年前の憧憬の路以来となります。去年は別の用事行けなかった上、前回のしまなみ海道&とびしま海道ライド時は行程上開店前に竹原を通過せざるをえませんでした。
2年ぶりに食べるほぼろ焼きはボリュームたっぷりで非常に美味しく、味付けもビールとよく合います。今までの疲れを忘れて寛げました。
夏の夕方
食べ終わったあとはまた町並み保存地区周辺をポタリングすることに。
ひぐらしが鳴きはじめる時間帯に入りました。
照蓮寺周辺で30分ほどうろうろしていましたが、遭遇するのは地元の方らしき年配の方のみでした。もう少し観光客がいてもおかしくない場所なのに、やはり豪雨の影響でしょうか。
それからは宿に戻って20時頃に就寝。この日は2時起床だったのでよく寝れました。
それにしても、この気温の中長距離を走るのは正直あまりやりたくないです。夏場は短い距離をささっと走って、あとは美味しいものを食べたり飲んだりしたりすることにします。
コメント
コメント一覧 (1件)
昨今の真夏は極刑に感じます。
自転車好きは、朝一~昼前で終わることをお勧めします。
※1年も前の記事にコメントすいません。
2018年の記事から一気読み中、とてもいいです。