今回は2024年に納車したCervelo Asperoのパーツをアップデートした経緯と内容を書きます。

経緯
アスペロはロードとグラベルの両方を快適に走りたいという目的から導入したバイクです。高速域から低速域までをカバーするようにギヤ比を大きめに設定し、パーツ類についても余っていたものを使用してとりあえず走れる形にしていました。
納車からしばらく経って感じたことは、「あまりグラベルを走る機会がない」という点。
なんかすでに導入目的からやや外れているような気もしますが、自転車で未舗装路を走る機会がそんなにありません。例えば静岡県掛川市のように生活圏のすぐ側にグラベルが存在する地域とは異なり、いま住んでいる岐阜県近辺の道は大体が舗装されてしまっている。加えてアスペロに普段装着している32cタイヤが結構万能で、わざわざ40~45cタイヤが必要になるケースが少ない。
そういう背景もあって、当初掲げていたロードとグラベルの比率8:2を見直して9.5:0.5くらいに修正しました。「基本的にはオールロードバイクとして活用し、もしものときに45cタイヤを履けるようにする」形で運用する方針です。
具体的にいうと近所を軽快に100~120km程度走る場合はロードタイヤ、輪行や車載で遠方のグラベルを走りに行く際はグラベルタイヤを装着する形。この理念自体は導入時の想像と同じですが、1.5年間アスペロに乗ってきて運用形態が定まってきた感じです。
変えたもの
そういうわけで、基本的にアスペロをロードバイクとして運用する方針に変更ないことがはっきりしたため、パーツ類を一新することにしました。
ハンドルバー:ENVE SES AR ROAD HANDLEBAR
まずハンドルバーについては、アルミ製のものからENVEの全地形対応のものに変更。名前もAR(オールロード)ハンドルなのでちょうどいい感じ。



KUALISで使用しているROAD HANDLEBARと比べたときの大きな差異はハンドル上部が薄くて平べったく、特にヒルクライム時に手をブラケットポジションから移動させやすいこと。さらに断面が自分の手に馴染む適度な大きさなのでしっかり握ることもできます。
またドロップ部の形状がかなり洗練されており、まっすぐなブラケット部から徐々に折れ曲がるような形状で外にフレアしています。完全なグラベル用途のバーのようにフレアが激しくなく、高速域でブラケットとドロップの行き来がとても楽。ROAD HANDLEBARと比較して全体的にほっそりとしているにも関わらず、握ったときの感触がしっかりとしていて好きです。


ハンドルバーの変更とあわせて、Cervelo純正ステムに変えました。ハンドル周りは走行中に目に入りやすい箇所なので、フレームと合わせた方が統一感ありますね。
さらに一緒に導入したCervelo純正のサイコンマウントがシンプルで予想以上に良い。最初はレックマウントを流用しようかと思っていたけど、ENVE ARハンドルバーの断面が楕円形なのでそのままでは取り付けられませんでした。Cervelo純正のマウントはステムの前面パネルに取り付けるタイプで、強度・美観の点からもこれがベストだと思います。
シートポスト:EASTON EC90 SL カーボンシートポスト
アルミ製からカーボン製のシートポストに変更。
シートアングル調整と前後移動をそれぞれ独立して行うことができる(調整用のボルトが別々)ため、サドル角度が気になった場合に変更しやすいのが便利です。

サドルについては、近年話題になっている3Dプリントサドル等を検討すればもっと軽量化できると思います。でも今使っているサドルは結構お気に入りだし、価格も安いしで代替品を積極的に見当するまでに至っていません。
3Dプリントサドルの価格はかなり高めで、気軽にチャレンジするのは気が引けます。比較的安いサドルを買い足して使っていく方針でいいのかも。
スプロケット:CS-R8000 11S 14-28T
スプロケットを14-28Tに変更したことにより、KUALISとアスペロでドライブトレインが全く同一になりました。チェーンリングやディレイラーも含めて本当に同一。
まあKUALISの時点で自分にとってのロード用途の最適解に行き着いた感があったため、その他の組み合わせを別途検討する理由が特にない。


アスペロに最初に取り付けていた11-34Tでも走れなくはないのですが、全域で2T刻みという点が自分の速度域(約30km/h)に合っていないと思いました。今の速度を維持したままギヤを1段変更したい…という場合の2T刻みはストレスが大きかったです。
やはり自分には段数を1T刻みで細かく切り替える走り方が合っています。ショートクランク化に伴って回転数をあげて回すタイプに変わったこともあり、どんなシチュエーションにも対応できるフロント46-30Tとリア14-28Tの組み合わせがベスト。これ以上のドライブトレインが登場しない限り12速以上に移行できそうにない。
ホイール:Light Bicycle Airia 32
今回の変更でもっとも大きな買い物。アスペロ導入時から使用しているLight Bicycleカーボンホイールの新型です。
リムハイト32mm、内幅23.5mm、外幅31.5mm、独自ハブ(DT SWISSライク)、Alpina Hyperlite Aeroステンレススポークで公称重量1056gというヤバすぎる仕様。例によってホイールの仕様は色々カスタマイズでき、軽量化に特化したい場合はカーボンスポークを選択することもできます。今回はある程度の強度を確保しつつ軽量なホイールにしたいという思いから上記の組み合わせにしました。
ロード用途ならリムハイトが高いほうがいいのでは?という意見もあるものの、今までのロードバイク経験から考えると自分にとっては軽量化の方がよほど恩恵があります。リムハイトの高さによる空力の改善よりも、日本ならではの地形(山や丘)でどれだけ楽になるかが大事。




現時点で合計400kmほど乗っており、上りの軽さと下りの安定感に満足しています。リムの仕様としては32cよりも28cに最適化されているため、次は28cタイヤを付ける方針です。
Light Bicycleの製品に出会うまで中国のロードバイクメーカーには懐疑的だったものの、結局は杞憂に終わりました。近年では中国の技術力(特にカーボン成形技術)が飛躍的に向上していると聞くし、というかそもそも有名ブランド製品も中国国内で生産しているし。海外フォーラムで情報収集を十分にしたとはいえ、食わず嫌いはよくないですね。
ブレーキローター:GALFER BIKE Road Disc Wave
GALFERのローターは160mmで98g、140mmで76gと軽めなので導入。ホイールとあわせて回転体としての重量が軽量化されました。




ブレーキローターを変更するとブレーキのフィーリングもやや変わったように感じられました。
交換前はブレーキレバーを握っていくにつれて徐々に効いていたのが、GALFERに交換後は握った直後にガツッと効くような感じです。どちらが好きというわけでもなく、思った通りに減速・停止してくれれば問題なし。ブレーキのフィーリングについてはあまり重要視していません。もう少し乗ってみたらはっきりするかも。
おわりに
パーツ交換後に、いつも行っている山県市のランチのお店まで往復で走ってきました。岐阜県はどこを走っても走りやすくて、ロードバイク乗りにとっては最高の場所の一つだと思います。


今回アスペロ各部のパーツを色々変更していった中で、変更する余地がある程度残っているロードバイクは結構貴重だと思いました。
最近のバイクって一体型ハンドルや専用のシートポストなど、ユーザーの手で後から自分好みに変えられる部分が少ないと感じています。そういう風にある意味で「完成」されているバイクは便利である反面、自分らしさを出しにくいと思ったり。逆にアスペロ(自分が買ったモデル)は市販されているパーツを気軽に適用でき、ここは良いパーツにして、電動変速ではなく機械式変速で…という感じで検討する余裕が残されている。
これでロードバイクはKUALISとアスペロの2台となって、しばらくはこれらを交互に乗っていきながら今後どうするかを考えていきたいと思います。
おしまい。
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