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【岐阜県を走る12】「落ちたら死ぬ!」酷道157号・温見峠をロードバイクで走破してきた

岐阜県内を走った記録12です。

【訪問日:2020年6月6日】

酷道157号を再訪する

【岐阜県を走る】第7回目に、下見編と称して国道157号に至る道を走ってきました。

そのときは「たぶん今後も通行可能になることはないだろうから現時点で通れるところだけ走るか」と半ば諦めムードだったのですが、ここまで事が出来すぎているともう笑うしかない。

なんとですね、今月に入って国道157号が温見峠まで通行可能になりました。Twitterをなんとなく眺めていたときに、長らく通行止めだった区間が通れるようになったという情報を仕入れたときはもう小躍りしましたね。

この手の酷道は期を逃すと次はいつ走れるようになるか分かりません。もうしばらくすると梅雨に入るし、そうなるとまたしても土砂崩れが起きて通行止めになる…という未来が容易に想像できたので、兎にも角にも走ってみることにしました。

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今回のスタート地点は上大須にとりました。

ルート的に福井側に抜けたとしてもそこからどこか回って帰還するのは困難なので、普通にピストンすることにします。

で、電光掲示板の表示も案の定更新されていました。前回訪問時は通行止め区間が根尾能郷~温見峠だったのが、根尾能郷~根尾黒津になってます。これで合法的に温見峠まで走れるようになったというわけ。

根尾能郷~根尾黒津間については、おそらく今後も通れるようになるのは正直望み薄です。一応工事は行っているようですが、現状は折越林道を経由しないと温見峠まで行くことはできません。

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まずは折越林道をヒルクライムして越波集落に到着。

早朝に林道を走るというシチュエーションは個人的にはとても静かで好きなのですが、猿10匹くらい+鹿3頭と遭遇したのは流石に驚いた。向こうも「えっこんな時間に自転車が走ってくるんですか?」みたいな顔してたし、まあお互い様ということで。

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根尾黒津のゲート前に到着。根尾能郷方面は前回と同様に封鎖されていますが…。

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ご覧の通り大河原・温見峠方面のゲートは撤去されていました!

上大須の電光掲示板ですでに確認してたけど、こうして通行可能になったことが目で見て実感できるのはやはり嬉しい。ここからは全くの未知の領域なので早速走っていきましょう。

酷道を走る

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根尾黒津は冬期無人集落ということは前回の訪問時に書きましたが、ゲートの向こう側にもかなりの数の家屋がありました。住民の方が中にいらっしゃるかどうか判別できないので遠くから撮影するに留めるのがよさげ。

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肝心の"酷道"はというと、根尾黒津~根尾大河原間は特に危険箇所もなく軽い気持ちで走ることができます。道幅も自動車の行き違いができるくらいには広いし、何より舗装されてるので問題なし。

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そんなこんなで根尾大河原に到着。分岐手前にはいくつか家屋がありましたが、根尾黒津と同様の冬期無人集落のようです。

ここの分岐についても通行止めの看板はなかったので、安心して温見峠まで走ることができますね。

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それでは、温見峠までの約9kmをゆるゆる北上していくことにします。

基本的にはすぐ横を流れる根尾西谷川を眺めながら走っていくことになるものの、目に入ってくる人工物といえば現在進行系で走ってる道、それにたまに遭遇するダムくらいです。

国道といえば確かに国道なんだけど、極限まで自然を味わえる道といえば雰囲気が伝わると思う。

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例えば、この切り通しの美しさといったら、とても普通の国道では出会えないもの。

ネットの情報を予め調べたときも思ったし、こうやって実際に走ってみた結果、確かにこの国道157号は危険な道だと思います。道は終始山沿いに走ってる上、ガードレールとかいうものは基本的にありません。それに加えて冒頭で述べたとおり土砂崩れが多い一帯ではあるけど、法面施工なんてのも当然のごとくされてないので、ほぼ自然のままの道を楽しめます。

だからこそこういう道の様相を満喫できるわけで、そこを自転車で走っているという事実だけでご飯三杯くらいいけそう。

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きたー!!!!!

ここまでは普通の林道国道ではよくある光景ですが、157号ならではの特徴といえばやはりこれです。

川が道路をそのまんま横断して流れている洗い越し

洗い越しといえば川に橋を架けずに道路と川が平面交差する部分を言いますが、「そんなこと言っても水量は大したことないんでしょ?」とか余裕こいてるとなかなかに面食らうと思います。特に自転車で来てればなおさらのこと。

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この水の中を走っているときの楽しさといったら、とにかく現地に行ってみてほしい以外に言う言葉がない。かなりの水量があります。

普通の舗装路を走ってるだけでは絶対に味わえない体験なわけで、シューズはびしょ濡れになったけどそんなことは全く気にならないくらい面白い。

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で、洗い越しが登場した辺りから露骨に幅員が狭くなります。

具体的に言うと車1台がようやく通れる程度の幅になり、自分だったら自動車で走りたくありません。対向車が来ないことを祈りながら運転するしかないです。こんなところバックで戻るとか考えたくない…。本当に国道なのかここは?

狭路、ノーガードレール、カーブ連続、見通し悪し、離合困難、断崖絶壁、落石注意(+斜度10%)と酷道要素が盛りだくさんなので、むしろ自転車の方が安全に走ることができると思いました。

これは誇張でもなんでもなくて、対向車が来ると数百mほどバックで戻らないといけなくなるのでマジで自転車の方が良いです。

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ついに温見峠(標高1,020m)に到着!

最後の方は終始斜度10%オーバーでしたが、つづら折りが多いのでアウト側を走れば多少は落ち着いて走れます。

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温見峠は福井県大野市と岐阜県本巣市根尾の堺にあり、さらに九頭竜川の支流である温見川と揖斐川の支流である根尾西谷川との分水嶺になっていることから、河川的な意味でも重要な場所。つまりこの峠より福井側に流れる水は日本海へ、岐阜側に流れる水は太平洋に流れるわけで、本州のど真ん中に来たなって感じ。

さらに能郷白山(標高1,617m)の登山口にもなっていることから、峠周辺には多くの車が停まってました。

ここでちょっと能郷白山の登山について書いておくと、登山道としてはここ温見峠からの稜線沿いに歩くルート以外にも、根尾能郷の能郷谷から上っていく道もあるので、国道157号が通行止めになっているからといって能郷白山に上れないということはないようです。

まあ峠からの道の方が楽みたいなので、通行止めが解除されたと同時に登りに来た人が多いみたいですね。

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これこれ。これが見たかった。

自転車で温見峠まで来ましたという証。なかなか来ることが叶わない場所なだけに達成感は大きいです。

あ、言い忘れたけどボトルは2本体制にしてます。このルートは最初から最後まで補給が全くできないので、季節を問わず水分や補給食は多めに持っていくことをおすすめします。

あとは携帯の電波ですが、当方のmineoDプラン(ドコモ)だと全行程通して圏外だったので何かあったら終わりです。このルートはとにかく交通量が皆無で、能郷白山の登山目的な人を除けば酷道ツーリングが趣味のマニアックな人しか通らないので、トラブルにあったときの対処法は完璧にしてから訪問するのが最善かと。

福井側にダウンヒル、そして…

ここから普通に上大須まで戻るのも味気ないので、福井側までダウンヒルしてからピストンすることにしました。ここからが地獄の始まりとも知らずに。

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峠周辺からは福井側の道が一望できます。

遠くから眺める分には普通そうですが、実はそうではありません。

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県境を跨いで福井側を下っていく際に、明確に変わった点が2つ。

ひとつは路面がアスファルトではなくなること。パッと見だと舗装されているように見えますが、砂利道を無理やり固めたようなコンクリート風の道に変わります。上りだとそこまで驚異ではない一方で、下りで通ると振動がとんでもないことになります。タイヤにも相当なダメージが入ってそうで怖いな。

そしてもうひとつは落ちたら死ぬ箇所が明確に増えること。これは岐阜側よりも正直怖かったです。

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見てこれ。

走行中に崖側に落ちたら間違いなく死ぬのはもちろんのこと、立ち転けでも死ねる高さ。支えになってくれる柵の類いは一切ありませんので、可能な限り山側を走行するしかありません。

しかもこの辺りは斜度が終始9%とか10%とかあるので、下りの場合はハンドリングをミスっただけで死亡確定です。「落ちたら死ぬ!」の看板は比喩でもなんでもなく事実を言ってるだけなんですよね。

さらに怖いのが対向車の存在。交通量は確かに少ないですけど全くないわけではないので、車に遭遇することは普通にあります。

カーブミラーもあまり設置されていないし、仮に自分が車の運転者だったらこんなところを自転車が走ってるなんて想像もしません。なので車の方が注意深く走行してくれるという期待は持たずに、くれぐれもスピードは控えめで走ったほうがいいです。何かあったところで圏外なので助けも呼べないし(ここ重要)。

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幸いにして、このような滑落死待ったなしゾーンは区間的には短いです。最後の方は見通しもいいし、「温見ストレート」と呼ばれる見通しの良い直線道路もあったりして実に平和。

というか危険箇所を抜きにしても、とても国道を走っているとは思えないほど田舎な道です。国道の看板が無かったらどこかの山里の県道か町道ですって言われても信じてしまいそう。

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そんなダウンヒルも無事に終了し、福井県大野市の麻那姫湖青少年旅行村周辺まで下ってきました。ここまで無事故で走れたことに安堵しつつ、またスタート地点までヒルクライムすることになるので再度気を引き締めて出発。

温見峠までは体力温存でいきたいところだn

\パァン/

……?

突然の異音。そしてリアタイヤから伝わる違和感。これは…。

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リアタイヤパンクしとるや内科医。

なんで?別に尖ったものも踏んだ覚えないし、原因が分からない。と思いつつもチューブ交換をします。

携帯ポンプを持っているのでパンク修理も比較的楽に行うことができ、一応ツールケースの中に入れてるけどCO2ボンベは今後も使うことがないだろうなと思いつつポンプをシュコシュコやること数分、ようやく元通りになりました。

そしてタイヤをチェックしてみたところ、

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なんとサイドカットしてました。

よくよく考えてみると、今までグラベルな道にもこのGP4000S2で普通に突っ込んでたし、納車当時から4,000km近く走ってて未だにタイヤ交換したことがなかったので、タイヤにかかる負荷が限界を迎えたようです。今日のライドでは小石とか踏んでないので、今までのライドによる摩耗や劣化が蓄積してなにかの拍子に破断に至ったと考えるのが適切。

特にリヤタイヤは目に見えて摩耗が進んで接地面が平らになっており、最近どうも巡航時の速度がでないと思ってたけど原因はタイヤにありました(今更感)。毎回の目視点検ちゃんとしろよって話でしたね…。

で、ここからどうするのって話なんですが、色々考えましたが普通に走ってスタート地点まで戻るのが一番早いと判断してライドを再開しました。替えのチューブはもう一つ所持してるし、タイヤがいよいよ無理になるまで残り50km、獲得1,000m無事でいてくれることを祈るしかない。

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きれいな石畳が整備されている…というわけではもちろんありません。路面の凸凹にタイヤを引っかけようものなら一気にパンクしそうなので慎重に上っていきます。

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下ってるときは景色に目を向ける余裕がなかったものの、上りだと視界が広くなるのか風景を楽しむ余裕が出てきた。

山側からは落石、崖側は転落の危険がダブルで襲ってきたりと色々限界みを感じる道だけど、やはり雰囲気は素晴らしい。森の中を縫うように走っている道が峠の方向に消えていくこの感じ、恐怖心よりも「先に何があるんだろう?」という好奇心の方が勝る。

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無事に温見峠に帰還。

ここからはダウンヒルなわけですが、スピードが出る分上りよりも路面状況に気を遣う必要があります。と考えるのは当然なんだけど、何しろもう一回パンクすると割と洒落にならない状況になるのでいつもより緊張してる。

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でも気にしすぎるのもアレなので、洗い越しではまたしてもバシャバシャやってました。味わえるところはしっかり味わっておかないと後悔するし、リスクは承知の上で突っ込んでます。

リムハイトより余裕で高いところに水深が来てるので、下手すると押し流されそうになります。

ところで、この国道157号は冬季閉鎖以外にも雨量によって通行止めになるんだけど、この洗い越しの多さと状況を考えれば当然というところです。直近で全く雨が降っていないのにも関わらずこれだけの水量があるのだから、降雨後は言わずもがな、ですね。

洗い越しを最大限に味わうのなら「通行止めにならない程度に前日に雨が降った状況」で走るのが最良だと思いますが、洗い越し以外の箇所が崩落して別の意味で通行止めになる可能性も高くなります。まあ晴れてるときでもこれだけ流れてますので十分かと。

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ふと崖側に視線を移してみると、山々の新緑が眩しい。

野生動物に襲撃されそうなほど山奥まで来ている点には目をつぶるとして、自分以外に全く人の気配がないのでとても落ち着けます。峠で駐車してる車の数が多いので少し心配していたものの、結局最後まで対向車はありませんでした。そういう意味では酷道の雰囲気を存分に味わえたかなと思います。

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せっかくなので、帰りは根尾黒津方面ではなく猫峠林道を経由して越波村まで戻ってきました。

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そのままの勢いでスタート地点の上大須まで帰還。

ありがたいことにタイヤの方は最後まで保ってくれました。走行に十分気をつけていたこともあるけど、コンチネンタルを信じて走ってよかった…!

蛇足

無事に帰還したところでタイヤの交換は急務なので、まず最初に自宅まで戻ってストックしておいたGP4000S2を持ち出し、その日の宿で交換作業をしました。

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今更なんですが、GP4000S2ってもう生産終了してたんですね。現在では後継のGP5000しか買えないみたいです。以前GP5000が発売されたときに特徴について調べたことがあって、確か転がり抵抗やパンク耐性が向上してるという情報を見た覚えがあるので早速予備として注文しておきました。

常に消耗品の予備を持っておくという意識はとても重要だということを再認識できたね。

おわりに

行けるときに行っておくという精神で後先考えずに走った酷道157号。

下見の甲斐もあってそこそこ安全に走れたのではと思う反面、どこかで間違って林道に入ってしまったのではと錯覚するくらいに超絶酷い道だったというのが正直な感想です。間違いなく言えるのは車じゃなくて自転車で行ったほうが安全だということと、この道を自転車で走れたときの達成感はかなりのものだということ。

酷道の楽しみ方は人それぞれですが、自分はこういう静かな道を走るのが好きなので最高に楽しかった。願わくば根尾能郷~根尾黒津間もいずれ走ってみたいところです。

最後に、マシントラブルがあったときの備えは重要です。酷道を走るときに限らず、走行中に何があっても対応できるようにしておくことが重要。今回のライドで身にしみました。

結論を言うと非日常感を味わえて楽しかった!