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旅の記録、宿泊先や行程とか

【俵山温泉~青海島~萩~山口】ロードバイクで晩秋の山陰を旅してきた Part 1/2

起伏に富み、様々な名所がある山口県。今回は主に山陰側を走ってきました。

【訪問日:2020年11月8日~9日】

俵山温泉から一夜明け

雨の中を走って到着した俵山温泉でのひとときは、それはもう素晴らしいものでした。

夜の温泉街の静けさや孤独感、それに気温差が作り出す温泉の気持ちよさ。やはり温泉に入りに来た際は一泊するに限りますね。

そんな温泉三昧な1日が過ぎ去った次の日の天気は、なんと快晴

こんな日には、ぜひとも外出してあちこちを散策してみないともったいない。この日は日曜日だったものの、このまま帰宅の途につくのは精神的につらいものがあったので遠征を継続します。明日にかけての2日間は天気がいいというのが大きな決め手になりました。

やはり天気は活動する上で大事なもの。

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俵山温泉周辺にも紅葉が広がっていて、朝日に照らされる木の葉がまぶしい。

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さて、俵山温泉を出発して山口遠征の2日目が始まります。

この日の目的地は、俵山温泉から約40km離れたところにある萩市。実は、萩市にも以前から泊まってみたかった旅館が存在しており、その関係で行程をこのように決めました。

とは言っても、このまま直接萩市まで走ってしまっては時間が余ってしまいます。そこでいつものように、気になった場所で道草を食いながらマイペースで走っていくことにしましょう。

毎度のことだけど、遠征のときにロードバイクで走るルートはその都度の気分で決めています。予め道をバシッと決めておくのももちろん有り。逆にそうしておけば道に迷う必要もないし、適度に楽な道を走ることもできますよね。

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そういう意味では自分は対照的で、走っていく中で気になったところに寄り道するのが常というか、走りそのものに重きを置いたことがありません。なので、走る道を前もって決めておくのは言ってみれば行動範囲を自分で狭めているのと同じじゃないかな…と思ったりもします。なんというか、「その道に沿って走らなければいけない」みたいな気分になるんですよね。

気ままに、かつペース配分を重視しないでノロノロ走るのが自分の性に合っている。

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最初の寄り道スポットは、長門市へ続く県道34号沿いにある大寧寺長門豊川稲荷がある一角。

山間部の適度なアップダウンを気持ちよく流していると、左手方向に大きな敷地をもつ神社仏閣が目に入ってきたのでついつい立ち止まってしまった。

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この紅葉感。いいね。

これほどまでに見頃となった紅葉を間近で見ることができたのは、実はこの秋で初めてのことだと思う。天気の良さに加えて、盛りとなった紅葉があちこちにある風景に出会えるのはやはり嬉しい。下調べを全くしてこなかっただけに、こういう場所に偶然出会えたときの感動はかなりのものがあります。

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紅葉目当てに訪れている地元の方もそこまで多いわけでもなく、ちょうどいい静寂が広がっている。

境内には多くの木々が生えていて、そのどれもが色づいているのがまた良いですね。紅葉している木もあれば緑のままの木もあったりして、視界内の景色に飽きが全く来ない。

こんな中で温かいお茶でも飲みたい気分…(実際にはボトル内の水を飲みながらまったりしてたけど)。

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そんな大寧寺を後にして、すぐそこにある湯本温泉までやってきました。

今朝まで滞在していた俵山温泉とは真逆の、空間的に開けた印象をもつ温泉街は見通しがよく、音信川という川の両岸に宿泊施設が立ち並んでいるのが橋の上から確認できました。背の高いビルのようなホテル(旅館?)も多いですし、規模は大きめのようです。

しかし、俵山温泉からそう離れていないにも関わらずここまで色の違う温泉があるなんて、山口の地域色の濃さを実感せざるをえません。そこまで広くないところに見どころが多いというのは、散策する上で相当便利だと思います。

長門市といえば元乃隅稲成神社や千畳敷など、山沿いだけでなく海沿いにも見どころが多い土地。ぜひじっくり回ってみてはいかがでしょうか。

青海島を走る

紅葉を楽しみつつ、そのままの勢いで長門市街に到着。

相変わらず今日の目的地までのルートよりも「どこか散策に良さそうな場所はないか」を探しているあたり、やはり自分にとって時間は重要ではないんだなと感じてしまう。

というわけで、萩へ向かう前にもう一箇所寄り道することにしました。

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目指したのは、長門市仙崎から県道283号をひた走ったところにある青海島

北長門海岸国定公園の中心に位置する青海島は周囲約40kmの広さを持ち、島の周囲には太古の火山活動や地殻の隆起、波の浸食によって生み出された奇岩、洞門などが連続しています。その名の通り「島」なのですが、本州からは道が繋がっているので自転車でも問題なく通行できます。

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島というと海岸線は平坦で走りやすい…と思いきや、そこそこの斜度がある坂が連続しているので走りがいもあってGood。

平地よりも坂道の割合の方が多く、「なんでこんなところに道を通したんだ…?」と思わなくもないですが、上で述べたように独特の地形を持つ島なので、必然的に道を通せる場所も限定されていたと考えるのが自然です。

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通地区の港

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通地区全景

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通地区内は徒歩や自転車しか通れないような道が多い

そんなヒルクライムをしつつ、青海島を走っていった突き当りの集落がまた凄かった。

青海島の東端にある通(かよい)地区にはこじんまりとした港町が広がっていて、ここの雰囲気が本当に穏やかすぎて全身から力が抜ける勢いでした。

港で出会う人といえば基本的に釣りをしている人くらいで、あとは地元の人だけ。しかも地区内の道が非常に狭くて車は通れないので、自転車や徒歩で散策する方法が絶妙にマッチしている。

こういう静かな場所を歩いて回るのが好き。

車の気配もないような路地裏を散策しつつ、裏手の海から聞こえてくる波音を聞きながら自販機で買ったコーヒーを飲む。この瞬間がたまらない。

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青海島鯨墓。墓の背後の空き地には70数体の鯨の胎児が埋葬されている。捕鯨全盛期の歴史を物語る史跡の一つ。

もちろん、通地区はただ鄙びた漁港が広がっているだけというわけではない。この島の端の端にも人々の営みがあり、そこで暮らす方々の生活を直に見ることができるのはこういう趣味をやっていてよかった点の一つでもあると思う。

確かに地図上で見れば「あ、ここに集落があるんだな」程度にしか感じないだろう。でも実際に訪れてみれば、波風の強さや家々の密集感(土地が限られているので庭がなく、隣の家がほぼ接しているレベル)、洗濯物ですら2階の窓に干している様子などがわかる。

やっぱりこういうのって、現地を訪問してみないと分からないことなんですよね。特に、歩いて回るのがようやくできるほどの狭い道をとぼとぼ歩いていると本当にそう思うし、そこで出会う風景ってどれも新鮮そのもの。

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現に、この通地区がかつては捕鯨が盛んだったという事実も知らないまま訪れて現地で知ったくらい。

事前知識なしで訪問するのも案外面白い。

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青海島の玄関口から仙崎市街を眺める

そんなこんなで青海島散策は終了。

そろそろいい時間になってきたので、萩へ向かうことにしましょうか。

歴史の街、萩市へ

時間はもうお昼どきということで、ここまで何も食べていないことに気づいたので萩へ向かう前に補給していきます。

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いただいたのは道の駅センザキッチンにあるアジフライバーガーというもので、テイクアウトが可能なので特に並ぶ必要もありません。というのも、この日は快晴だったこともあってとにかく人が多く、道の駅内にある飲食店が軒並み人でごった返してました。そんな中でわざわざ並んで食べるのもアレだったので、人がいなかったこちらのハンバーガーを選択。

これがまた非常に美味しいんですわ。(知ってた)

揚げたてのアジフライをパンで挟んでタルタルソースをかけただけというシンプルさとは裏腹に、アジの旨さがフライの中に凝縮されていてもう最高。長門市は海が近い立地の影響で魚介類の美味しさは間違いないのですが、まさかここまでがっつりだとは思ってもみなかった。

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アジフライで栄養を十二分に補給したのが功を奏し、萩市までは至って快走できました。

萩市までは距離的には近いものの、山間部を走ることになるため峠を越す必要があります。今回は国道191号を通って長門市と萩市の境にある鎖峠を越し、あとは下り一辺倒で萩市までダウンヒルが続く感じ。

で、ここまで寄り道ばっかりしていたのにも関わらず、宿のチェックイン時間までまだ随分と余裕があることに気がついてしまったので萩市でも散策をしていきます。もちろん明日も散策はするんだけど、今日の内に行けるところは行ってしまいたい。

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実は萩市を訪問するのは2回目なのですが、1回目の記憶がほとんどありません。なので、萩という町を理解するために萩・明倫学舎を訪れてみました。

萩は江戸時代から幕末にかけて毛利氏の治める長州藩の本拠地となり、さらには明治維新で活躍した志士を多く輩出した地としても有名です。明倫学舎は萩藩校「明倫館」があった跡地に建てられたもので、当初は旧明倫小学校の木造校舎として使用されていましたが、現在では旧萩藩校明倫館展示室や幕末ミュージアム等を中心とした観光施設となっています。

館内にはお土産店や喫茶店、レストランも併設されているので、萩を訪れたらまずはここを訪れるのがおすすめ。私もたまたま目に入ったので入ってみましたが、ついつい時間を忘れてじっくり見て回るくらいに引き込まれました。

萩・明倫学舎

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生のエレキテル見たの初めてかもしれない

歴史というとどことなく堅苦しい感じがしてしまって、さらに展示となると眠くなるのが日常だったりしなくもないけど、ここの展示品は非常にわかりやすかった。配置もそうだし、あちこちにいらっしゃるボランティアの方による説明も明快で聞きやすい。

木造校舎の中にミュージアムがあるという新しすぎない構造も相まって、歴史の授業とは別の意味でワクワクしながら回ることができました。


で、ここからどうするかなんですが。

チェックイン時間にはまだ微妙に時間あるし、何か食べようかな…と思ってTwitterでつぶやいてみたところ、思いもよらぬご助言をいただけたのが非常に嬉しかったわけでして。

なんと地元民の方であるぷにぽんさんからご親切にリプが届き、おすすめの食べ物について教えていただきました。本当にありがとうございます…!

やはり現地のおすすめは現地の方に聞くのが一番理にかなっている。と考えるのは自然なんだけど、そういう方々と繋がれるかどうかはまた別の話。自分の趣味を通じて色々な方と知り合えるのは嬉しいし、ロードバイクに乗っていてよかったと思える理由の一つでもあります。

人の縁ってどこで繋がっているか分からないので、これからもどんどん同じ趣味の方と知り合っていければいいな。

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蒸気船饅頭

ということで、今日のところは近くにある道の駅 萩しーまーとで販売されている、ぷにぽんさん曰くソウルフードの蒸気船饅頭をもぐもぐしてから宿へ向かうことにしました。

蒸気船饅頭はいわゆる「たい焼き」の「たい」の部分が蒸気船の形になった和菓子で、幕末の萩沖に出没した黒船(蒸気船)を饅頭にして食べてしまえ!という背景からできたものだそう。萩では100年以上も歴史があるお菓子なわけで、これはもう食べてみるしかない。

温められて熱々な饅頭をいただくことによる幸福感もさることながら、端っこの方のカリカリした部分の割合が多いのが個人的にポイントが高い。あんこが詰まった方をメインで食べつつ、たまにカリカリ部分を食べてお茶を飲む。

これだ…!

これが蒸気船饅頭の美味しさなのだ。甘さもバランスもちょうどよくて、何個でも食べてしまいそうになるくらいに美味しい。夕暮れも間近な道の駅で至福のときを過ごしながら、萩へ来てよかったと心から思えた。

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この後はこの日の宿である芳和荘まで走ってチェックインし、元遊郭旅館の雰囲気を楽しんだりしました。

なお、芳和荘の宿泊記録は別記事でまとめています。

今回はこれにて終了。

Part 2は夕食~翌日の萩散策から始まります。