【姨捨~角間温泉~白沢洞門】ロードバイクで白銀の山嶺を訪ねてきた Part 1/2

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季節は完全に冬。

比較的気候が温暖な岐阜県南部に住んでいるとはいえ、いよいよ寒さが本格的になってきました。

積雪はまだのようですが、道路についてはすでに早朝凍結している地域も出始めており、ロードバイクに乗るのも制限されてきています。特に道路の凍結問題は結構厄介で、朝早くに乗るのは避けたほうがいいと思い始めてきました。

もくじ

冬の長野を旅する

今回の舞台は長野県です。

長野県といえば岐阜県以上に雪深い土地であり、当然ながら凍結や雪問題はこの時期ですでに発生しています。もう少しすれば完全に自転車シーズンはオフになってしまうのは間違いないわけで、その前に軽く走りたい気持ちがあったので行ってきました。

今回のルートをざっくり説明すると、車載で安曇野まで行って、ここをスタート/ゴール地点にします。1日目は安曇野から長野を経由して角間温泉まで走り、ここで1泊。2日目は鬼無里経由で白馬まで走り、そこから南下して安曇野まで戻ってくるという算段。言ってみれば反時計周りにぐるっと一周する形になる。

というわけで防寒準備はしっかりと行い、早速出発。

山間部にある神社へ

ここは午前7時過ぎの安曇野中心部。

冬ならではの気候の影響で、天気予報は晴れ予報なんですけど濃い霧が周囲に立ち込めています。

日が上って少し時間が経つと徐々に気温も上がってきて、次第に晴れ間も見えてきました。

今回の旅は、ここから。

およそ寒すぎて自転車に乗るようなシチュエーションではないような気もするけど、いつものように気軽にサドルに跨ってスタートです。こういうのは勢いが大事。あれこれ考える前に出発してしまえば他のことは気になりません。

日陰に残る残雪を横目に見ながら、まずは国道403号を北上していきます。道が凍結してるんじゃないの?という不安もあったけど、主要な国道にはたいてい凍結防止剤が撒かれているので凍結の心配はそこまで心配することもないみたいです。むしろ交通量が少ない細い道の方が、何も対処されていないので通りたくないレベル。

寒さについては、走っている分には身体に熱が生じているのでこれもあまり影響はないです。立ち止まった瞬間に寒くなるけど…。

四阿屋山方面を望む

今日は雲ひとつない快晴。

冬で空気が澄んでいることもあって、気分的にも爽快にペダルを回せる。静かな上に空気も美味しいとくれば、考え方によっては冬に走るのもいいかもしれない。冬キャンと同じように冬ライドも好きな人は多そう。

日陰にはやはり雪が残っている

松本と長野の間にあるこの筑北村や青木村の雰囲気が私は非常に好きです。

長野県自体が魅力に溢れているので必然的に訪れる機会も多くなりますが、「村」であることを抜きにしても非常に牧歌的というか、のんびりとした時間が流れている。もちろん安曇野や白馬、信濃大町周辺の北アの麓の風景も良いものである一方で、山間部にある村、というシチュエーションが好きなんですね。自転車でも走りやすいし、見晴らしも良い。

春になったらまた訪れたい気持ちでいっぱいです。

里坊稲荷神社

そんな落ち着いた場所を走っていれば、印象深い神社との出会いもあるというもの。

今回訪れた里坊稲荷神社の雰囲気が非常に私好みだったので、ここでご紹介することにします。

稲荷神社といえば無数に続く鳥居が象徴的ですが、これほど年代を感じさせる鳥居もなかなか出会えるものではない。

まっすぐ立っている鳥居もあれば、ひどく傾いたものもある。色についても朱色が新しいものがある一方で、すっかり剥げてしまっているものも一つや二つではない。なぜこうも統一感がないのか、それには何か理由があるのか。考えるだけでわくわくしてくる。

お供え物には狐の大好物である油揚げが

こういう風に、観光的な側面が全く無くて地域に根ざしている感が強い神社の居心地の良さは一体何なのだろうか。

引き寄せられているわけではないけど、ここまで散策していて気持ちがいい場所はそうそう無い気がする。

この里坊稲荷神社は、慶応元年(1865)に伏見稲荷を青柳里坊の地に分社したものだそうです。訪御柱大祭の翌年、数え年で7年に1度開催される狐の嫁入りでは、その名の通り男衆が女狐・狐嫁などに仮装し、花嫁は籠に乗って狐に仮装した花婿が付き添い長い行列を作るとのこと。

話に聞くだけでも実にユーモラスなお祭りで、お稲荷さんのお使いである狐への信仰心が今も残っていることが伺えます。

周りの田んぼには雪が残っていて、はるか向こうに見えるのは燕岳や大天井岳といった北アルプスの山々。何も語らなくても雪深い山間部に位置するこの神社でのひとときは最高に気持ちがいい。

確かに立ち止まっていると寒いんだけど、それを忘れて長居したくなるような静けさがここにはある。実に素敵な神社でした。

姨捨から善光寺平を眺める

予想外の神社との出会いにより時間をちょっと消費してしまったこともあり、次の目的地の姨捨までの道のりが途端に面倒になってきました。

というのも、現在地の坂北から姨捨までの道のりは結構なヒルクライムをしなくてはならず、ここで時間を食ってしまうと日没までに宿泊地の角間温泉まで到着できるかが怪しくなってくるからです。残りの行程は短くはないし、できることなら時間の消費を抑えて移動したい気分。

そんなときに便利なのが輪行による移動。

自分は別に「全部ロードバイクで走らないといけない」みたいな信条は持ち合わせていないので、楽できるところは躊躇なく楽する方針です。というか、輪行袋を所持しておけばロードバイクが事故か何かで自走不可になった場合でも電車で移動できるようになるし、持っておいて損はありません。スペースもそれほど取らないし。

非常時のことは置いておいても、移動手段を複数確保しておけば旅の行程も自由に組むことができる。ロードバイクしか乗らないというのなら話は別だけど、仮に輪行袋なしで旅ライドしろと言われたら、私だったら結構な心の準備が必要になるレベルです。

というわけで、坂北から姨捨まではサクッと電車で移動しました。

姨捨駅に到着

実を言うとこのまま長野駅まで乗っていたいくらいだったけど、あまりに天気がいいのでそれはやめました。

この「現地でどうするか決める」というのも旅の面白さだったりするので、最初から最後まで予定通りに事を進めるのが自分は好きではありません。さっきも書いたけど、予想外のアップダウンの連続が辛かったので次の駅で輪行するかとか、お腹が減ったのでこの辺りで昼食にするか、とか。

当日になってみたいと分からないことがたくさんある中で、気分で決めるのも面白いものがあります。

姨捨からの眺め

姨捨駅を振り返る

この姨捨からの善光寺平(長野盆地)の眺めの良さがもう至高以外の何物でもなかった。

姨捨駅自体が高台に位置していることで、必然的に眺めがいいのが理解できるわけですが…いつもは車窓から眺めていたこの解放感も、ロードバイクで訪れるとまた違った良さがある。

山ばかりの長野県の中にあって、地形的な希少度が非常に高い平野部はそれだけで見晴らしの良さが自分の中でランクアップされているような気がします。

やはり今日長野県を訪れてよかった。

ところで、この姨捨周辺は高低差を利用した棚田が多く広がっています。

季節が季節なので棚田の様相としては「眠っている」感が強いものの、逆に言うと春以降だったらここに水を張った風景が楽しめるというわけです。

この圧倒的景観の中に広がる田園。想像するだけで長野県を訪問する意欲がさらに高まってくる。

ここでちょっと予想外だったのは、これほどいい天気+眺めの良さなのにも関わらず、この景色を満喫しているのは実は自分だけということ。

周りに観光客はおろか地元民すらおらず、冬なので農作業をしている人もいない。必然的に自分の世界に浸れるというわけで、景色を眺めているといつまでもここに居たくなってしまう。

角間温泉へ

安曇野からここ姨捨までの山間部ゾーンとは一転し、ここから角間温泉までの道はいたって快適な平坦路が続きます。しばらく楽に走れるということで気分的に明るくなれました。

善光寺周辺はとんでもない人だかり

快走に快走を重ねて長野市・善光寺に到着。

「一生に一度は善光寺詣り」と言われるほど全国的に有名な善光寺は、時間に余裕があれば観光していこうかなと当初予定していたものの、この混雑度を見てそのプランは却下しました。参道から境内まで観光客がひしめきあっていて、とてもじゃないけどこの中をのんびり見て回るのはちょっと困難な様子です。善光寺自体は以前に参拝したことはあるので、無理をして今日回る必要はないかなという感じ。

あと、善光寺周辺にはロードバイクを止めるような駐輪場を見つけることができなかったのもその一因です。駐車場はたくさんあるんですけど、自転車止められますみたいな場所がない。

以前訪問した高山村を横目に見ながらのライド

善光寺を後にして、改めて角間温泉へ舵を切りました。須坂や中野市を経由して湯田中方面に向かっていきます。

途中の小布施で観光客が比較的多かった以外は特に移動に支障はなく、これまた至って快適に走れました。時間も昼を回って気温がちょうどよくなり、少し風が強い以外はまるで冬ではないかのような温暖な天気。むしろ半袖ジャージ+インナーで十分過ぎるほどのポタ日和という感じで実に気持ちがいい。

体感的には秋くらいの気候がロードバイクに乗る上ではベストかなと思いますが、なんだかんだで走ってる最中は暑いので冬の方が自分は好きかもしれません。

湯田中渋温泉郷に到着

日が傾きかけてきたタイミングで、無事に湯田中渋温泉郷に到着しました。

ここを訪れるのは秋の渋温泉宿泊以来となりますが、やはり街全体が温泉で溢れている場所というのは居心地がいいものです。これから温泉に入ってまったりできるぞという気持ちが俄然強くなってくるし、それが冬の寒い時期ならなおさらというもの。

後から写真を振り返ってみると、その時の心理状態とかを色々思い出せたりもするので結構楽しいです。

角間温泉 越後屋旅館に泊まる

旅館の宿泊記録は別記事にまとめています。

翌日は今日の比ではないくらいにヒルクライムと格闘することになりました。Part 2に続きます。


本ブログ、tamaism.com にお越しいただきありがとうございます。主にロードバイク旅の行程や鄙びた旅館への宿泊記録を書いています。「役に立った」と思われましたら、ブックマーク・シェアをしていただければ嬉しいです。

過去に泊まった旅館の記事はこちらからどうぞ。

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