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【尾鷲~十津川~龍神】「日本三大酷道」国道425号をロードバイクで走ってきた Part 1/2

酷道を走る

今回は、紀伊半島を横断する国道425号を走ってきました。

国道425号ってなんぞや?ってところから説明すると、三重県尾鷲市から和歌山県御坊市に至る一般国道のことです。

国道425号 - Wikipedia

総延長は約200kmで、"山"がとにかく密集している紀伊山地をぶち抜いている山越え道路であることが最大の特徴。
しかも、その道中が奈良県南部の、いわゆる熊野古道や大峯奥駈道の周辺を通っていることも踏まえて、昔から個人的に興味があった道でもあります。どちらもすでに徒歩で歩いたことがある道だし、当時の記憶を思い出すという意味でも、ロードバイクで走る意義は十二分にある。

ただ、問題となるポイントが一つ。

それは、ここが国道ならぬ酷道であること。

一部を除いて道路の改良がほとんど進んでいないため、至るところが車一台分しか幅がなかったり、すぐそこが崖になっていたりといった危険があります。もっとも、自分はロードバイクを始めてから岐阜県内を走る酷道(たくさん)や四国の国道439号を走ったことがあるので、「酷道」がどんなところかはよく理解しているつもりです。

そういう点も考慮して、いつも以上に準備を入念に行ってから出発しました。

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起点となる尾鷲駅からスタート

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まず今回の行程ですが、

  • 1日目:尾鷲~下北山村~十津川温泉(宿泊)
  • 2日目:十津川温泉~龍神温泉~田辺

となります。

今回の趣旨は酷道を楽しむことなので、本来だと御坊市まで繋がっている国道425号を、終点まで走ることは行っていません(2日目)。これはなぜかというと、国道424号との分岐の先の国道425号は比較的改良が進んでおり、良くも悪くも一般的な道路になっているので走行ルートから外したからです。

国道425号の核心部は十津川温泉~龍神温泉間で、正直言うとここだけ走れるだけでも十分に満足できるかと思います。

通行止めについて

酷道を走る上で一番大切になるのが、通る道が通行止めになっていないか確認すること。

酷道は全国どこもそうなんですが、道路改良が進んでいない=すぐに傷んだり、大雨が降ったりすると崩落するという性質があります。なのでほぼ一年中どこかしらが通行止めになっているので、全行程を一度に走れるのは結構レアだったりします。

いざ現地に行ってみると通行止めになっていて通れなかった、ということになるととても悲しいので、事前に情報を得ておくのが大事です。

なお、今回の行程における国道425号の通行止め区間は下記の通り。

  • 尾鷲~下北山村間:全面通行止め(坂本ダム~池原ダム、迂回路あり)
  • 下北山村~十津川温泉:時間通行止め
  • 十津川温泉~龍神温泉:時間通行止め

下2つに関しては、それぞれ「通行可能時間」と「通行止め時間」が設定されているので、通行可能時間に通れば問題ありません。しかし、最初の尾鷲~下北山村間に関してはどうあがいても通れないので迂回路を通りました。

ただ、山奥の道路にも関わらず迂回路が設定されているだけありがたいです。全く迂回路がない状態だと別のルートで下北山村を目指すしかなく、最初から行程を組み直す必要がありました。

準備について

国道425号は全体的に民家が少ないところを通過しており、40~50kmほど無補給になる区間があります。それでいてドコモですら圏外になる区間もかなり多いため、自分の力だけでトラブルに対処することが必要になります。

仮に補給ができる場合でも自動販売機程度で、ちゃんとしたお店というのは非常に限られていました。なので車やバイクならともかく、自分のように自転車で走るという場合は入念な準備が必要かと思います。
そういうこともあって、今回はボトル2本、替えのチューブ2本、補給食多めでいきました。

尾鷲から下北山村へ

というわけで早速出発。

早朝に尾鷲駅を出発し、最初の目的地である下北山村を目指していきます。

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高速道路の高架を抜けて山の奥へ

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ダム周辺が通行止めになっているという案内

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ただ、酷道だからといって走り方はいつもとそんなに変わりません。

路面状況を注視してヤバそうな枝や石などがあれば避けるし、そうでなかったら普通に進むだけ。山の奥ということで坂道ばっかりですが、酷道を走る物好きはそんなにいないので交通量は皆無です。むしろ逆に走りやすいかもしれません。

スピードを求めるなら話は別ですけど、個人的にロードバイクって速度よりも安全に走ることの方がよっぽど大事。ましてや走っている道が道なので、慎重に走ってれば問題ないと思います。

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※この時点ですでに1回パンクした(絶望)

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朝方の山は物音が全くしない

20kmくらい走った地点でリアがスローパンクしましたが、普通にチューブ交換して再出発しました。いきなりかよ。

普通の旅だとパンクする経験があまりないだけに、ここの道が普通じゃないということがよく分かる…と思ったけど、タイヤやチューブを調べてみても原因がよく分からなかった。なんだったんだ一体。

ただ、パンクって正直運次第なところもあります。いくらハンドリングや体重のかけ方に注意していたとしてもパンクするときはするので、深く考えないほうがいいのかも。

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坂本ダムのダム湖に到着

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ダム湖にそそぐ不動滝

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ダム湖が見えてきたら、坂本ダムまではもうすぐです。

このダム湖はかなり広くて、そのほとりの平坦な道を走っていくのは相当に気持ちよかった。だって朝方の酷道で自分以外の存在は周りにいないし、山奥&水という組み合わせで空気も美味しい。

朝に行動するのが好きな人って「町がまだ起きていない時間に出歩くのが好き」だと思うけど、その言葉を借りるとすれば今は「森が起きたばかりの時間」ということになる。現に自分がロードバイクを走らせる以外の音は全く聞こえてこず、ダム湖なので水が流れる音もしない。ちょっと走れば上の写真にある滝が登場してきて、音といえばそれくらい。

こういうシチュエーションで走るのって、すごく楽しい。

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坂本ダムの堤体

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そのまま国道425号は西へ続いているが…

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情報通り通行止めになっている

そのまま平坦路を飛ばしていくと、坂本ダムの本体に着きます。

国道425号はダム本体を右手に見ながら奥へと続いていますが、冒頭ですでに述べたとおり、ここから池原ダムまでの区間は通行止めになっています。奈良県 道路規制情報提供サービスによると通行止めは2019年6月から始まっており、いつ工事が終わるのかは不明。

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ダム天端を通って対岸へ

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迂回路となる「林道サンギリ線」

この通行止めの迂回路となるのが、ダム対岸から山越えをして上北山村役場まで通じている林道サンギリ線です。

この林道はGooglemap上だとめちゃくちゃ細い線で書かれている程度で、存在を知っている人はたぶん少ないと思う。でも、ここが通れることができるというのは事前調査で確認済みな上に、自分が訪れた時点で対岸から軽トラ2台が走ってきているのが見えました。

なので、間違いなく通ることが可能です(逆に通れなかったら絶望してた)。

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ひたすら上る

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通る道がここにきて一時的に国道から林道に変わったもの、道の様相としてはこれまでと大して変わりません。

ただし山越えルートとなるので斜度も厳しくなっており、ダムからの獲得標高は400m強。秋だから気温が高くなくてよかった、これが夏だったら気温の高さや補給の少なさで、自分にとっては厳しいライドになっていたと思います。

で、驚いたことに、この林道はなんとサイクリングコースに指定されているっぽいです。ならクルって書いてあるので「奈良まほろばサイク∞リング」のことだと思いますが、この道を走ろうとする人は果たして居るのだろうか。

ならクルマップ(奈良まほろばサイク∞リング)【奈良県自転車利用総合案内サイト】

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ダムから上ってきたところにあるサンギリトンネル

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ここから下っていきます

ダムから約400m上るとサンギリトンネルという名前のトンネルがあって、ここを抜ければ上北山村役場までずっと下り。

道路って実によくできていて、上りがあればその後には下りがあります。何も考えなくても前に進んでくれるんで楽な一方で、林道とか酷道になるとカーブで曲がりきれないと谷底に落下したりするので気が抜けません。しかも路面状況も悪く、小石や枝が散乱しています。遠目から判断してかわすのが手っ取り早い。

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上北山村役場の近くを流れる北山川に到着

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民家を見た時の安心感がヤバい

下りに下って大きな川に出会ったところで、ここが上北山村の中心部分です。

あれだけ人気のない道を走ってきただけに、この民家の多さが圧倒的な安心感をもたらしてくれる。まあ民家が見えたからといって肉体的な疲労が軽減されるわけでもないし、補給もできないんですけど、精神的な疲労だけは確実に回復できます。

これがライドにおいてはかなり重要で、この後も走り続けるだけの元気が湧いてくる。人の存在はやはり重要だ。

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道の駅 吉野路上北山で休憩

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道の駅にはフロアポンプが置いてあったので空気を入れました

役場の近くには道の駅があって、しかもフロアポンプが置いてあったのでパンクしたタイヤの空気を調整しておきました。奈良はサイクリングを推しているらしいのでもしかしたら…と受付の人に聞いてみて正解でした。こういうのは非常に助かります。

なお、この道の駅にはこの付近だと数少ないコンビニが併設されているので、補給をするならここがおすすめです。

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池原ダム前

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池原ダム

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池原ダムからの景色。下北山スポーツ公園が見える

道の駅からは国道169号を南下し、国道425号に合流しました。

合流地点にあるのは池原ダムで、坂本ダムから国道425号を西へ向かった先にあるのがここです。本来だったらすんなり来れるはずだったのですが、通行止めの影響で林道を経由したことでなかなかアップダウンの激しい行程になりました。

なお、もちろん池原ダム側にも通行止めの看板があって、このまま進んでも坂本ダムには行けない旨が書かれています。

この池原ダム周辺には色々な施設(温泉やコンビニ、トイレ、宿泊施設など)が集中しているので、仮にここらへんを走るという場合は重要なポイントになるのは間違いありません。

十津川温泉を目指す

さて、無事に上北山まで来れたということで今日の残りの行程はあと少し。ここから再度山越えをして十津川温泉まで向かいます。

距離的には残り50km程度と短いことや、早々にここまで到着できたという安心感から気持ち的にも相当楽になりました。

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改めて国道425号へ

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ここから十津川温泉までの区間では時間通行止めをやっているはずでしたが、今日は休工のようです

上北山からの道は熊野市方面へ向かう国道169号と十津川村方面へ向かう国道425号があって、今回走るのはもちろん後者。

前者は海に向かって続いている道なのでそれほど高低差がないものの、後者は今までと同じように山の中に向かっていくのでがっつり上ります。

ただ、本来であれば時間通行止めになっているはずの工事箇所がこの日は休工になっていたので、十津川温泉までの時間を気にせずによくなりました。工事は上の写真のように4回に分かれており、工事と工事の間の通行可能時間は30分しかありません。

これに引っかかると最大で2時間待つことになって、それはもう悲惨なことになるので気にしてたんですが、この時点で憂うことはなくなりました。よかった。

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自販機を見つけたらとりあえず買っておくのが吉

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上北山から下北山に入り、県道229号との交差付近までは家屋が多く集まっています。

しかし、そこから先はもう完全に無人。十津川村までの区間は完全に補給が絶たれることになるので注意ですかね。

こういう風に山奥の道→集落→山奥の道という風にメリハリがついた感じになっているのは、なんとなくですが昔から変わっていないのではと思います。現在の大部分の町のように至るところに人が住んでいる様相ではなく、山奥の限られた土地にだけ人が住んでいて、残りは今も昔も山だけが静かに佇んでいる…という感じ。

奈良県の南部って本当に想像を絶するような山奥ばっかりなので、昔の人も今の自分のように山越えをしてきて、集落に着いたらホッとしていたんだろうなと思わざるを得ない。それだけ道中の道は人気がなく、快晴の天気をよそに若干の不安をかきたてるほどでした。

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相変わらず国道425号を走ってますけど、上北山~十津川間の道の荒れ具合は想像していたほどではなかったです。

法面もしっかりしているし、少なくとも落ちたら死ぬようなポイントはない。路面についても後から補強されたのかひび割れているような箇所は少なくて、ロードバイクのタイヤでも安心して走ることが可能です。ただし道幅はほとんどの箇所で車一台分しかないので、対向車が来た場合は恐怖かもしれません。

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そんな風に上っていると気がつけば山のてっぺんに到着し、ここから先が十津川村となります。境目には長めのトンネルがあって、その手前にはかなり広い空き地。この辺りでは高い標高に位置しているので展望がよく、しかも車を楽に止められるので休憩ポイントとして良さげでした。

道端には「県営林道白谷線竣工記念碑」なるものがあり、林道と名が付いているのでここは当初は林道だったんでしょうね。そこから国道に格上げされたっぽいですが詳細は不明。

あと、このトンネルのすぐ上が大峯奥駈道の縦走路になっています。すぐ近くには自分も泊まった「行仙宿山小屋」があり、あのときはちょうど新宮山彦ぐるーぷの方々が小屋の整備にいらしてました。たぶんこの付近から登られてたんだろうな。

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ここで休憩にしました

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一休み

ここは開けていて見晴らしがいいため、空き地にロードバイクを止めて休憩を取りました。

フレームバッグの中に潜ませていたおにぎりを取り出して食べてみたところ、これがとても美味い。たとえコンビニおにぎりでも、状況が状況なのでめちゃくちゃ美味しく感じます。

やっぱりアウトドアと食事は、なんだかんだで相性が良い気がする。疲れていればなおさら食欲が湧いてくるので、この疲労もいい意味で思い出に残りました。

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玉置神社への分岐

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トンネルから先はほとんどが下り基調で、たまに(なぜか)上りが出現したりしたくらい。

十津川村中心部までの道中には分岐があって、ここを左に上っていくと有名な玉置神社へと行くことができます。ちなみに玉置神社も大峯奥駈道の縦走路になっているので、自分もここに立ち寄りました。

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しばらく進むと国道168号との重複区間(十津川という大きな川沿い)にぶち当たり、ここにきて上北山からの酷道部分はひとまず終了となります。お疲れさまでした。

今までずっと「国道=車一台分の幅」という認識で走ってきた身としては、いきなり片側一車線のでかい道が登場してきて面食らってしまった。でも国道といえばこれが普通で、むしろ今までが普通じゃなかったというのが現実。どうも酷道を走っていると認識がおかしくなってしまう。

途端に交通量も一気に増えるので、その落差に気を引き締めなければなりませんでした。

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美しい川

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"酷道"には酷道ならではの良さがあって、それはめちゃくちゃ山奥なのに道が走っているというギャップに他ならない。そこには確かに人の手の存在を感じられて、大自然の中に道を切り拓くという力強さを思わせます。

翻って、集落の中を走る道は別の意味で人の温かみを感じる。

特に十津川村は十津川のほとりに家屋が集まっているので山+川+民家という景色が多く、地域で一体となって生活圏が形成されている図式がわかりやすい。道の外観はまるで違うのに、それを取り巻く環境によってそれぞれの良さが浮き彫りになってくる。「道」って、なんとも不思議な存在だ。

その道の上を走るだけで散策ができる上に、その速度も実にロードバイクだといい感じ。

移り変わっていく景色や眺めなど、酷道を走っていく中では本当に色々な場面に遭遇できるので、今回走ることに決めてよかったと思います。

十津川村を散策する

先程の集落を通り過ぎて、十津川村の中心部にやってきました。

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十津川村の中心部は、二津野ダムによって作られたダム湖のほとりに広がっています。ダム湖は文字通りのエメラルドグリーン色に染まっていて、川が見下ろせる素敵な場所にある山奥の温泉地という感じ。

ここには温泉旅館がいくつもあるほか、飲食店やスーパーなどが一通り揃っている散策の拠点。車やバイクで移動する際だけでなく、熊野古道の小辺路を歩く際にも重要な宿泊地点として有名です。

ましてや、歩きに歩いた末に到着するのが温泉で有名な場所なのだから、実際にここに着いた際の感動はひとしお。今回はロードバイクによる移動でしたが、久しぶりに見るたくさんの人家に心が休まりました。1日目の宿泊地点をここに取っておいて正解だったかも。

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静かな待合室(奈良交通 十津川営業所)

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十津川村はあくまで「村」なので、その規模はそこまで広くありません。

が、そのこじんまりとした感じが1日目の終わりの地として妙にフィットしているような気がしました。町並みが広範囲に広がっているわけではなく、狭い範囲にギュッと集まっているのが散策範囲として実にちょうどいい。

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果無集落へ到着

この日の旅館のチェックイン時間までにはまだ余裕があったので、ちょっと足を伸ばして十津川村にある果無集落を訪れてみました。

果無集落、それにこの先に続く果無峠もまた小辺路の一部であり、小辺路を歩く際には十津川温泉を通り抜けてここを歩くことになります。昔はここが一帯の生活道として使われていたそうですが、今では集落の方か、もしくは熊野古道を歩く人しか通らない静かな道。観光客が押し寄せる場所というわけでもないので、熊野古道の中でも大変落ち着いた雰囲気が残されています。

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果無集落の有名な「世界遺産」の碑

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熊野古道はさらに奥に続いており、最終的には熊野本宮大社に行き着く

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正面に見えるのは山。背後に見えるのは果無山脈という山。

まさに山と山に囲まれた神聖な土地で、今自分がいるのは天空の郷。熊野古道や大峯奥駈道の存在が示すとおり、ここまで自分が通っていた道はある意味で神様に詣でるための道でした。

徒歩や自転車、移動手段は正直なんでもいいですが、紀伊半島は酷道だけでなく参拝路としても素敵なところです。こうしていると昔熊野古道を歩いたときの思い出が蘇ってくるようで、同じ場所を違う形で再訪するということが実にいい体験になりました。

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果無集落は歩きだとすぐに着きますが、ロードバイクだと地味に疲れます

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ひとしきり果無集落で風を感じていると、気がつけばもう夕方でした。

行きは日向だったところがいつの間にか影になっており、気温的にも少々冷え込んできてつらい。今日はこのまま旅館に向かって、明日走ることになる国道425号の核心部に備えたいと思います。

続く。