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旅の記録、宿泊先や行程とか

大正湯 八幡浜のレトロな「泊まれる銭湯」に泊まってきた

銭湯に泊まる

遅れましたがあけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。

2022年最初の旅を四国に決め、3泊4日で愛媛県を中心に回ってきました。その際に泊まったのが、愛媛県八幡浜市にある大正湯というところです。

大正湯は「湯」という文字の通り銭湯なんですが、銭湯に泊まることができると知ったときは正直驚きました。温泉ならまだしも銭湯って町の中に溶け込んでいる場所だし、一時の入浴は可能でも宿泊がセットになるという思考がなかったからです。あまりにも予想外過ぎたけど、こういう場所を見つけたら泊まってみたくなるのが自然な流れというもの。

大正湯は大正4年(1915年)に開業した老舗の銭湯で、100年ほど八幡浜の地で営業を続けていたものの湯釜の破損に伴い休業。しかしこのままなくしてしまうのは忍びないということで、リニューアルして2019年に復活されました。

宿泊料は2500円と激安で、さらに宿泊料には入浴料も含まれているため宿泊中は何度でも銭湯に入れるのが最大の特徴です。

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大正湯 外観

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まずは外観なんですが、どこから見ても銭湯そのもの。

創業当時から建て替えていない外観はリニューアル時にペンキを塗り直しており、とても明るい印象です。というかここに宿泊できるなんて見た目では完全にわからないし、事前情報がなければ自分も素通りしそうでした。

1階が銭湯部分で、宿泊部屋は2階にあります。

1階部分

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入り口を入ったところ

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正面に靴箱と、その横には飲み物が入っている冷蔵庫がある

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男湯から入って左手方向。2階への階段が見える

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オーナー一家の誰かが常に座っている番台

入り口は銭湯らしく男女別になっていて、それぞれの入り口を入った先に土間と靴箱があります。中央には番台があって、営業時間(16:00~23:00(札止め22:30))中は常に誰かが座っておられる様子。

壁にあるカレンダーや料金表、テレビなども含めて銭湯感が十二分に現れている場所で、特に入り口付近のこじんまりとした感じが好きになりました。銭湯といえば内部のスペースが無駄なく割り振られているものですが、大正湯も同様にシンプルな構造です。

入り口の先は男女それぞれの脱衣所に繋がっていて、2階への階段は女性側の入り口の近くにあります。なお、履物については銭湯の利用者と同じく、目の前にある靴箱を利用する形になっていました。また、ちょっと近所に出かけてくる…という際にはサンダルを借りることもできます。

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自分が投宿したタイミングではおばあちゃんが店番をされていて、この様子も銭湯ならではの雰囲気が良くて好き。普段はずっとテレビを眺めていて、客が来たら対応してまたテレビに視線が戻る感じ。やっていることは接客なんですけど、なんというか、銭湯のゆるい時間の流れが滞在にちょうどいいというか。

銭湯って風呂に入ったら後はもう去るだけなところ、ここでは2回、3回と繰り返し入ることができる。それは単に入浴を何回も楽しめるということでもありますが、銭湯における時間の流れを連続的に味わうことができるということでもあります。

地元の方が一人あるいは複数人で風呂に入りに来て、入った後は軽い挨拶を交わして去っていく。こういう何気ない風景が、「大正湯が地元の方の生活の一部として組み込まれている」ことが伝わってきて素敵だ。

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男湯 脱衣所

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ロッカーも当時のまま

※これらの写真は、翌日の営業時間外に許可を得て撮影したものです。

脱衣所もまたレトロな空気に包まれていて、年季を感じさせるロッカーや体重計、床板などが目を引く。場所によっては適宜改修が入っている様子ですが、残すべきところはきっちり残しているあたりにこだわりを感じました。

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浴室の様子

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メインの浴槽(熱め)

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左奥がマイクロバブル、右奥が水湯

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入り口入ってすぐ右手にサウナもある

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壁の絵は富士山や、愛媛県らしくみかんの段々畑に加えて海などが描かれている

銭湯のメイン部分である浴室はこんな感じで、実に期待を裏切らないほど銭湯感で溢れている。

入り口入ってすぐ右手にこじんまりとしたサウナ(90℃)、その奥に浴槽が3つあり、サウナ用の水湯もあります。また全体的に白色と明るい色調になっていて、外観を見たときも感じましたが古さを保ちつつ現代風にアレンジした銭湯、という感想を持ちました。

あと、これは銭湯では珍しいとは思うけど、ボディソープとシャンプーがちゃんと備えられています。

これは旅においてはかなり助かる要素で、予めこちらで用意したり、番台で買ったりする必要がありません。後述しますが宿泊者にはタオルの貸し出しも行っているため、まさに何も考えずに現地に行くだけで問題なし。気軽に泊まれるのでハードルは無いに等しいです。

2階部分

さて、ここからは2階部分へ。

先程見た階段を上っていくと、宿泊者専用の簡易宿所があります。

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冷蔵庫もあります

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洗面所

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洗面所前を曲がったところ。奥がトイレで、左に見えるのは銭湯用の替えのタオル

簡易宿所の様子は、一言でいうとゲストハウスそのものでした。

共用の洗面所やトイレ、冷蔵庫が一箇所ずつあって、それ以外は客室が3部屋あるのみというシンプルな造り。客室はカーテン付き2段ベッドの「平成」「昭和」と、4人分の布団がある広い和室の「令和」という3つの部屋があり、宿泊できるのは1日3組限定となります。

ゲストハウスと異なるのはあくまで一部屋を1グループが使えるという点で、例えばドミトリーのように同じ部屋のベッドに知らない人が割り当てられるという心配はありません。今回私が泊まったのは「平成」の部屋ですが、2段ベッドのうちの下側を一人で使うことができました。

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「平成」の部屋

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ベッドの様子

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銭湯用の桶とタオルが2枚あります。タオルは廊下に替えがあるので、何回も銭湯に入りに行くという場合でも安心。

部屋には清潔感があり、室内にはハンガーやエアコン、コンセントがあるので普通に過ごす分には不都合は感じません。ただしコンセントがやたら高いところにあるので、ケーブルの長さには多少注意したほうが良いかもしれません。

また、部屋と廊下との境は障子戸なので音は普通に聞こえてきます。隣りにある「令和」の部屋にはテレビが置かれていることに加えて結構広いので、場合によってはうるさく感じることがあるかも。

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昔使われていた階段

廊下の端には昔使われていた急な階段がありますが、今では特に使っていないようです。階段の先は男湯の中に繋がっています。

生の銭湯を見学

最後に、ちょっと驚いたことを一つ。

大正湯は銭湯なので当然ながらお湯を沸かす必要がありますよね。建物の裏手にはそのためのボイラーなどがあるんですけど、こちらには常にご主人が待機されており、タイミングによってはまさに今薪をくべている様子を見学させていただくことができるんです。

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銭湯に泊まるという非日常感を味わうだけでなく、まさかこんな裏の現場まで見ることができるなんて嬉しすぎる。

湯量や温度は浴槽の様子をみながら調整されているそうで、すべて手動というのが良い。もちろん機械が自動で調整するのが便利なのは理解していますが、大正時代から続いてきた銭湯、それが現代まで続いているという事実を強調させているような気がして。

燃料は見ての通りで、この薪は木工所から出るかまぼこ板の不要になった部分。木を無駄なく再利用されていてエコでした。

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ちなみに、この建物裏手には屋根付きの駐輪スペースがあります。

自分のようにロードバイクで訪れた場合などはこちらに置かせてもらう形になります。

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大正湯のことを思いながら食べた八幡浜ちゃんぽん

そんなこんなで、大正湯での一夜は終了。

大正湯の宿泊形式は素泊まりのみとなりますが、周りには飲食店が多く集まっているほか、スーパーやコンビニも近い最高の立地なので困ることはありません。銭湯ということでじっくり湯に浸かって疲れを癒やした後、部屋で寝るのも散策に出かけるのも容易です。今回の行程において、とても印象に残る素敵な宿となりました。

おしまい。

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