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【龍飛崎~階段国道~竜泊ライン~鰺ヶ沢】ロードバイクで青森県の最果てを目指す春の津軽半島ライド

春の津軽半島

今回は青森県の津軽半島を回ってきました。

春になると弘前の桜を目的に青森県を訪れるようになってもう数年。すっかり青森県の風土や景色等にハマってしまって、訪れる度に新しい発見があるので毎年来るようになりました。青森県を訪問するのは一年の中で何度かある中で、春は欠かしたことがないくらいに好きな季節です。

ただ、去年と同じく弘前~黒石周辺を走る行程を繰り返すのは代わり映えしなくてどこか味気ない。弘前の桜という目的に加えてどこかもう一箇所と思いながら検討したところ、まだ行ったことがない津軽半島龍飛崎が浮上してきたので行ってきた。背景はこんな感じ。

もう一つの方の半島である下北半島はすでに行ったことがあるので、今回は津軽半島という最果てを目指してきました。

下北半島ライドの関連記事はこちら▼

青森空港

行程は至って単純で、初日に青森空港から龍飛崎を経由して小泊に宿泊し、翌日に鰺ヶ沢や岩木山を経て弘前に向かうというルート。ちょうど津軽半島の外周を反時計回りに回る形になります。

青森空港到着時点では天気は曇りだったけど、これから次第に晴れてくれる予報なので心配はしていません。

と思ってたら早速晴れてきたわ。

実は今回のライドはかなり運要素が強くて、まず何ヶ月も前に確保した航空券によって日程が固定されている中で、天気と桜という二台要素が微笑んでくれないといけないです。そういう意味では前回やった高山ライドと同じですが、今回は航空券を取らないといけないことや、2泊3日という長い日程になっているのでハードルが高い。

しかし、結果的には3日間とも晴れてくれた上に、弘前の桜も間に合ってくれました。毎回思うけど本当に運がいい。

暴風の中、龍飛崎を目指す

青森空港からは最初に青森市街へと下り、あとは国道280号を延々と北上して外ヶ浜町の北端を目指します。

北端に着いたら同じく海沿いに今度は西へ向かう形となり、そうこうしているうちにいつの間にか龍飛崎に到着するという算段。細かく曲がったりする道はほとんどなく、ただ真っ直ぐ進むだけで目的に向かうことができるので景色に集中することができます。

ひたすらこんな道が続く

特に青森~外ヶ浜町周辺は純粋に北へ向かうルートで、上の写真のような平坦な海沿いがずっと続きます。

海の向こうに見えるのは下北半島。以前走ったことがある場所がふいに見えたりすると感慨深いものがある。

そんな中で少し気がかりだったのが風で、この日は西からの暴風(風速10m/s)が吹いてました。今は北へ向かっているのでそこまで影響はないものの、たまに突風が襲ってくるので右側に倒れそうになってしまう。このままで大丈夫なのだろうか。

むつ湾フェリー蟹田港

漁村風景

「ふらいんぐうぃっち」でも登場したむつ湾フェリーが出向している蟹田港を通過しつつ走っていく中で、自分の周囲の景色は次々と移り変わっていく。

確かに道としては同じ国道280号で、マップ上で見ても単純な一直線にしか見えない。でもそこにある民家や集落の有り様はどこも一つとして同じところはなく、例えば同じ漁港でも船の数だったり、停泊している港の大きさだったりが異なる。

「現地に行ってこそ分かることがある」というのは私の持論の一つだけど、まさにそういう景色がここにはある。だから走る中で飽きがくるということが全くない。道は平坦なので走りやすいし、いい道ですね。

国道は海岸線に沿って作られているので、遠くを見れば次の集落が見えて、その向こうにはまた別の集落が小さく見える。こういうのが見えると、風は強いけどあそこまではこのまま行ってみるかという気にもなりやすい。

自分の右側は海で、左側は山。自分が感じることができる空間の広さが想像以上に大きくて開放感がある。津軽半島はロードバイクで走るのにぴったりの場所だと感じます。

一瞬モノリスが出現したかと思った。今はもう使われていない石崎無線中継所

近くで見ると思った以上に巨大

所見は間違いなく驚くであろう謎の巨大通信設備の出現に戸惑いつつ、道の駅を通過して半島の先端部へと近づいてきた。

青森市街周辺では一つの集落の規模が大きくて"町"を形成していたのが、ここに至るとこじんまりとした民家の集まりがたまに登場してくるくらいに変化している。都市部への近さと集落の大きさは密接に関係しているということが理解できる。

基本的に津軽半島は周囲に何もない海沿いと集落が交互に表れてきて、景色にメリハリがついているのが良い。もちろんはるか昔に住みやすいところに定住したのが今日まで続いているということですが、ロードバイクで走っているとこの交互感が気分転換になります。

逆に同じような景色がずっと続くような場所は、個人的にはあまり楽しめないのではと思う。

今別町に入った

外ヶ浜町から今別町に入り、ここから本格的に西へ向けて進んでいくことになるため風が容赦なく襲ってきて非常に辛い。写真ではうまく伝わらないけど本気で風強いです。

まるで台風のときに外出したような強風で、道は平坦なのに全くスピードが出ない。でもこの強風も津軽半島の特徴の一つでもあると考えれば、全く嫌な体験というわけでもない。だってその土地ならではの味を楽しめているのだから。

津軽線の終着駅・三厩駅の近くにある龍飛ウェルカムツリー。風力発電のブレードで作られています。

龍飛崎がもうすぐであることを示すと同時に、風力発電=風が強いことが如実にアピールされている。こういう形で龍飛崎の存在を見せているのが好き。

龍飛崎へはここ三厩駅からも行くことができて、バスが出ているようです。最果て感を強めるなら終着駅から交通機関のみでたどり着くのも一興かもしれません。

ここで、目の前に見えている津軽海峡をちょっと別の視点から眺めてみたくなったので、近くにある義経寺に立ち寄ってみました。

義経寺は落ち延びた義経が祈りを捧げて波を鎮め、無事北海道に渡ったという言い伝えが残されているお寺。歴史的なロマンが秘められている側面が強いですが、ツーリングの途中にふらっと寄ってみるにもおすすめなところです。

なぜかというと高台にあるので見晴らしがよく、海と同じ標高の道とは一味違う景色を見ることができるから。

今別町周辺の海岸線は湾のように内側に円弧を描いているため、高台だと今まで走ってきた道、そしてこれから向かうことになる道が一望できるというわけ。

しかも、この時点で海の向こうにある北海道がちゃんと視認できました。これは嬉しい。

龍飛崎まで10kmを切り、もうすぐとなった地点でも変わらず登場してくるのが小さな漁村の風景。

ただ民家は少し傷んだようなところが多くて、漁に出られているためかどこか人の気配もあまり感じられない。まあ場所が場所だから仕方がないとしても、鄙びた雰囲気が漂っているのは否めない。自分が最果てに近づいているのが実感できる。

果ての地でも人々の生活は確かにあって、つい止まって眺めることも少なくなかったです。

龍飛崎の散策

風の影響で荒れ狂う海と漁村をセットで楽しみながら走っていくと、このライドの終点が見えてきた。

ロックシェッドの向こうに見える突き出た部分、あれがどうやら龍飛崎のようです。左の道を上れば竜泊ラインへ行けるようですが、まずは正真正銘の津軽半島の先っぽに到達することに。

あとマップ上で確認したところ、この付近の真下をあの有名な青函トンネルが走っていました。地上からは影も形も見えないけど、本州と北海道を結ぶ重要な路線が通っているかと思うと感動する。

というわけで、ついに津軽半島の最北端に到着しました!

一般的な名称である「龍飛崎」は若干内陸部にある高台のことを言うようですが、文字通りの先端はこの帯島と呼ばれる陸続きの小さな島です。帯島には小さな弁財天宮があって、到達を祈願してお参りしておきました。

高台に上った際に見えるのも実はこの島で、青森空港からここまで到達できたということでひとまず一安心。思えば遠くに来たものだ。

それにしても、こんな端っこの中の端っこみたいなところにも生活圏が形成されていることに驚く。

訪れる前はてっきり灯台くらいしかないのではと思っていたのが、結構な数の家が集まっています。一体どういう生活をされているのか、気になって仕方がない。

その後は龍飛崎観光案内所(太宰治が「津軽」を執筆の折に泊まった旧奥谷旅館)に行って少し話を伺ったところ、今日の強すぎる風はなんと龍飛崎ではごく普通のことらしいです。

確かに半島の先端で他に遮るものはなく、風が強いのは納得できるけど…これが普通だとはちょっと信じがたい。風力発電所が建てられるのも納得でした。

階段国道を上る

最北端周辺を散策したところで、次に訪れるのは龍飛崎そのもの。

自動車で向かうには先ほど見た分岐を上っていかなければならないものの、ロードバイクならではのルートで龍飛崎まで行くことにします。

本当に国道…?

それがこの階段国道339号と呼ばれる道路。

名前の通り国道なのですが、その実は車道ではなくなんと階段です。この様式は日本となっており、国道でありながら車やバイクは通れず歩行者のみ通行可能という異端な存在。この道の存在を知ったときからずっと歩いてみたいと思っていました。

一説によれば、階段があったところを含めて道路整備をする予定で国道に指定したものの、結局階段部分はそのまま放置されて現在に至るそうです。まあ国道=国が管理している道路なわけで、別に車道である必要はない…のかも。

ちなみに岬下の龍飛漁港から龍飛崎灯台までの落差は約70mあって、段数は362段、距離にして約388mあってなかなかにハードです。

上っている途中の眺め

階段国道はまず民家の脇を通って階段の始まりに向かい、そこからはひたすら押し歩きで上るしかありません。一応中央分離帯に相当する手摺が真ん中にあります。

斜度は大したことないものの距離が長いので結構疲れる。でも、せっかく龍飛崎に来たのだからここはぜひとも歩いておきたい。

なお、この後に走ることになる竜泊ラインを含めた国道339号は冬季閉鎖期間が設定されていて、例年だと4月25日に開通するようです。なので本来であれば今回の青森訪問タイミングではまだ冬季閉鎖中で通れずじまいだったのが、今年はなんと前倒しで21日の12時から通れるようになってました!

というわけで、天気と桜に加えて冬季閉鎖解除のタイミングまでが自分の望む結果になったことになる。なんか青森を訪れる度にいい体験ができている気がして嬉しい。

階段国道の上に到着。現在ではもう観光名所の扱いになっていることもあり、入り口は分かりやすく示されています。

というか、どう見ても階段にしか見えないのに傍に国道標識(おにぎり)が建てられてているの、冷静に考えるとかなりシュールだ。

津軽海峡冬景色歌謡碑

高台に上ったので後はもう龍飛崎を目指すだけという矢先に、気になったものを発見したので立ち寄ることに。

それがこちら。

場所的には階段国道の入り口から左方向に進んだところで、名前は津軽海峡冬景色歌謡碑。周辺の眺めはよく、龍飛崎を一望できるベストポジションにあります。

これは何なのかというと、石川さゆりさんの名曲・津軽海峡冬景色の2番にこの龍飛崎が登場するので、それにあやかって設置されたものだそうです。

津軽海峡冬景色 2番の歌詞 ごらんあれが竜飛岬 北のはずれ
見知らぬ人が 指をさす
息でくもる窓のガラス ふいてみたけど
はるかにかすみ 見えるだけ
さよならあなた 私は帰ります
風の音が胸をゆする
泣けとばかりに
ああ 津軽海峡 冬景色

うん、やっぱり登場している。

ちなみに歌詞では竜飛岬となってますが、正しくは竜飛"崎"です。

で、この歌謡碑の前には謎の赤いボタンがあるので気になって押してみたところ、爆音で2番から最後までが流れてもう驚き。

対岸に見えるのは北海道の地

龍飛崎に吹く強風に負けないくらいの爆音で一帯に響き渡る名曲。

どれくらいの音量かと言うと、お住まいの地域の町内放送を想像してもらえば分かると思います。あれを1段階くらい落とした程度です。これくらい大きくないとせっかくの名曲が風の音にかき消されてしまうんですね。だから爆音にしたと。

正直びっくりしたけど、この曲が流れることによって自分が龍飛崎にいるんだということがより強く実感できると思う。

快晴の空の下、北の最果ての地で旅の想いにふける。遠くに見えるのは北海道。これほど旅情を感じられるなんて全くの予想外で、すべてが素敵だ。今日この場所を訪れて本当に良かった。

この歌謡碑に関するツイートをしたところ、リプで色々教えていただきました。

  • 自分も昔押したことがあり、確かに爆音だった。
  • 青森駅の八甲田丸にも同じような碑があって、そっちでは1番が流れる。しかも感知センサー式なので近くに寄ると勝手に流れる。
  • 他にも音が流れる碑は全国にあるっぽい。
  • まんまと罠にハマりましたね。(青森県民より)
  • 下にあるロールケーキが爆音になる良い手助けしてる気がする。

等々…。

龍飛崎を訪れた人は誰しもが体験することらしく、とても良い体験になりました!

龍飛崎

そのままの勢いで坂道を上り、お待ちかねの龍飛崎へ到着。

龍飛崎の近くには土産物屋やトイレ、ホテル竜飛という宿、そしてさっきの歌謡碑の近くには食堂たっぴという食事処があるので、ここまで到着すれば休憩するにあたり十分な施設が揃っているといえます。

土産物屋の近くの地形は特に開けていて眺めが抜群によく、その絶景ぶりは上の写真の通り。東西南北すべての方向を見渡すことができ、ここが岬であることの証明に他ならない。

また上の写真にも写っている通り、すぐ横には海上自衛隊の施設がありました。

ついに着いた…。ここが津軽半島の龍飛崎だ。「風の岬」の異名の通り、絶えることなく風が吹き付けている。

この最果て感、これはもうここでしか味わうことができないものだと思う。

向こう側に北海道がはっきりと視認できるだけに、ここが本州青森県の端であることが実感しやすい。長い道のりを走ってきただけに達成感が強く、しばらくここで佇んでました。

高台にいることで風については更に強まっているようで、立っているだけで日常生活では感じることができないくらいの強風を味わうことができます。龍が飛ぶ前に自分が飛ばされそう。

津軽海峡冬景色の歌詞にも表れているように、昔は北海道へ行くには青森から連絡船でこの津軽海峡を渡る必要がありました。今みたいに飛行機が主流ではなかったので船による移動がメインで、そこにはどこか惹かれるものがあります。(※なお青森~函館のフェリーは今も運行しています)

龍飛崎は連絡船からもよく見えると思われ、ある種の目印になっていたことは想像に難くない。

時代は変わって現代。

変わるものもあれば、この龍飛崎のようにずっと変わらないものもある。自分も「ごらんあれが竜飛岬 北のはずれ」と指さしてみたりなんかして、このシチュエーションの情景を心まで満喫しました。

竜泊ラインを走る

龍飛崎に到達した後は、今日の宿である小泊(こどまり)まで走ってゴールインするだけ。

小泊までの道のりにあるのが竜泊ラインと呼ばれるヒルクライムゾーンで、今日の行程の中で最もがっつり上る区間となります。

竜泊ラインの名前の由来は起終点の龍飛崎と小泊からそれぞれとられたもので、この区間は長らく人を寄せ付けない難所でした。

昔は船でしか行き来ができなかったのが、昭和の時代に道路が整備されて今に至ります。難所というのもマップを見れば納得で、つづら折りが連続していて短距離で高度をかせぐ地形。つまり完全な山岳部になっているというわけです。

竜泊ラインの入り口

風力発電の風車を間近で見られるところもあり、その巨大さに驚く

道端には春の訪れを感じさせるふきのとうが

竜泊ラインの中で最も標高が高く見晴らしが良い「眺瞰台」までの距離は数kmほどと案外短く、斜度は最大で10%程度。ゆっくり上っていけば問題ないと思います。

それにしても、今までの行程が完全に海メインだったのが一変して山メインの道に移り変わっている。半島を一周するのでこのような山岳ゾーンはお目にかかれないと思っていたけど、気分的な切り替えもできて一石二鳥でした。

眺瞰台に到着

眺瞰台からは龍飛崎が見える。あと北海道も。

上りに上って眺瞰台に無事到着。今日の気温は半袖ジャージで十分だと思っていたのが、ここまで上ってくると風で少し寒さを感じる程度でした。

眺瞰台の標高は470mで、北には龍飛崎、南には小泊方面が見えて高度感を感じられるところです。駐車場とトイレがあるだけのシンプルな展望台ですが、ここから見る景色は爽快の一言。

特にさっきまでいた龍飛崎が見えるというのがいいね。道というのものはどこまでも繋がっているもので、実際にその道を走ってここに到着している。繋がり…そう、龍飛崎を含めて、ここでは繋がりを感じずにはいられない。

竜泊ラインを走る方向は2つありますが、今回自分が龍飛崎から小泊に向かうルートを選んだ理由の一つがこちら。

眺瞰台から小泊に向けて下っていく初っ端に、芸術的ともいえるワインディングロードが続いている。

疲れる上りはこれで終了し、後は下り基調の道ばかりということもあって気持ちよさが半端じゃないです。逆のルートだとこの様子があまり実感できないので、個人的にはこの方向で走っていくのがおすすめ。

あと今更なんですが、津軽半島は結構休憩できるポイントが多いです。まずコンビニや自販機が普通にあるし、トイレについてもここ眺瞰台や龍飛崎に整備されている。最果ての地とは言っても、ロードバイクで走る分には不自由は全くない。これが実にいい。

この海岸線のぐねぐね感がたまらない

小泊側のゲート。冬季閉鎖中はここが閉まっているようです。

快適なダウンヒルを楽しみつつ、日本海沿いまで下ってきました。

海に下りきってしまう手前からの眺めもまた抜群で、小泊まで続く特徴的な海岸線がこの通り。適度な標高がある場所でないとこういう眺めは得られないわけで、竜泊ラインがいかにツーリング向けの道路かは分かってもらえたと思う。

実際、同じ日に走っているロードバイクは自分ひとりだけでしたが、バイク乗りはかなり多かったと思います。

これから夏に向けて周辺の木々は緑にあふれていくので、風に吹かれながら走りたいという場合には最適かな。ただ、気温的には今回訪問したとき(春)が個人的にはちょうどいいと感じました。夏場は日光を遮るものがないのでかなり暑いかも。

ゲートから小泊までの区間はほとんどが平坦で、山岳ゾーンを走っている最中は一時感じなかった強風がまたここに来て吹き付けてきた。

でも、今日の宿まではあと少し。水平線に向けて降りつつある太陽を横目に見ながらロードバイクを走らせていく。今までは割と早い時間に宿に到着していくことが多く、夕焼け間近の時間に走るのはかなり久しぶりだったので新鮮でした。

途中にあった七ツ滝という滝に寄り道。山の方から下ってきた川が、日本海の波に洗われた奇岩によって滝を形成しているようです。

風と波は密接な関係があって、つまりこの独特な地形は想像通り津軽半島の強風によってもたらされたもの。日本海は荒々しいというイメージがあるけど、地形にそれが表れているので確信が持てた。

小泊に宿泊

その後は順調に走って、小泊の宿に着きました。

お世話になった「民宿 美湊や」

夕食

朝食

泊まった宿「民宿 美湊や」では新鮮な海の幸を満喫でき、中でもこの時期に旬のヤリイカを焼きや刺し身、天ぷらでいただくことができたのが一番の思い出。これからの季節だとスルメイカのシーズンになるため、ヤリイカを味わうにはギリギリのタイミングでした。

あと、やっぱりその土地で取れた食材を食べられるというのは旅をしていて嬉しいことだと思う。

しかも小泊は目の前に漁港があるので産地直送よりもさらに早いし、この最果ての地で宿泊をしているという自覚もあってご飯が進みました。行程を考えているときに偶然見つけた宿ですが、とても良い体験ができました。

小泊の町並み

翌朝、宿を出発してからは少しのあいだ小泊の街を散策。

自動車で訪れた場合は素通りする人が多いであろう小さな町の中で迎える朝。旅先での始まりとしては申し分ない。今日もいい日になりそうだ。

十三湖を経て鰺ヶ沢へ

この日の目的地は弘前で、普通に向かうのであれば単純に南下していくだけ。

でも津軽半島を回りたいという思いのほうが強かったので、鰺ヶ沢から岩木山の南を通って弘前に向かう形にしました。

十三湖

十三湖はしじみが有名

鰺ヶ沢までの道中では、龍飛崎と同じ津軽国定公園内に位置する十三湖を通過します。

十三湖は周囲が約30kmある汽水湖(淡水と海水が混じった湖)で、マップ上でもその大きさが実感できると思います。現地で見ると海に面した入江のような感じに思えたのが、実は南からの川の流入によって淡水成分もあるという不思議。地形というのは本当に複雑だ。

日本有数のしじみの産地として有名で、付近にはしじみラーメンのお店もあったりします。次回このあたりを走る際にはぜひとも立ち寄ってみたい。

最後は、以前にも訪問したことがあるきくや商店でちょめに挨拶。

相変わらず元気そうで何よりでした。

ここに立ち寄った理由はちょめに挨拶するだけではなくて、この焼きイカの看板に心惹かれたからでもあります。

実は昨晩と今朝食べたイカが本当に美味しくて、弘前に行くまでにどこかでまたイカを食べたいなと思っていた矢先に「焼きイカ売ってます」の看板。これはもう休憩がてらに焼きイカを食べる以外の選択肢がない。

しかも軒先でイカを焼いているのが見えてしまったし、気になったので寄ってみました。

焼きイカを買う

というわけで焼きイカのお時間。最高に美味くて涙が出てきた。

温かいイカをいただきつつ、改めて今回の行程について振り返ってみる。当初は単純に津軽半島の最北を目指すという目的のまま走り始めた結果、想像以上に絶景に加えて風の強さを十二分に味わうことができた。そして食については地元のものを数多く食べることができてここに至っている。

イカの作業をしているのを眺める猫。たまにイカの切れ端をもらってました

可愛い猫たちを横目に見ながら焼きイカを食べていると、本当にあっという間の2日間だったと思う。今回の青森旅はまだ中盤だけど、正直この時点でお腹いっぱいの大満足でした。

ここでしっかり休憩ができたので、後はノンストップで鰺ヶ沢~岩木山を経て弘前へ。弘前では日中の桜だけではなく夜桜も満喫し、温泉や相馬アイスクリーム商店に入り浸ったりしたものの、蛇足になりそうなので今回はこのあたりで。

おわりに

最果て感が強い津軽半島の龍飛崎を目指すライドは、終わってみれば天気も含めて無事に楽しめたと思います。

最初から最後まで風に振り回された感がある一方で、ここでしか味わえない体験ができたのもまた事実。心なしか風への耐性もついた…のかもしれない。

静かな海岸線の途中に点在する漁村、その先にある風の岬、そしてヒルクライムやダウンヒルからの海岸線区間と、どこを切り取っても彩りある風景に出会えるのが津軽半島の良いところだと感じます。次はまた季節を変えて走りに来てみたいと強く思いました。

おしまい。