今回は久しぶりの平日旅です。
まだ寒い時間帯が続く2月のある日、この時期に花見に行ってきました。その舞台は伊豆半島・河津町。河津町といえば言わずとしれた日本一早咲きの河津桜が有名です。
実は河津桜自体はゆるキャン△8巻の伊豆編で登場しており、以前から個人的に気になっていたスポットでした。
河津桜
今年は暖冬の影響もあって開花がさらに早まり、旅を計画していた段階(今月始め)ではすでに咲き初めていたほど。
毎年ありえんくらい混雑すると聞いていたため、少しでも混雑回避するために平日に訪問しました。
この時期限定だと思いますが河津町のあちこちには臨時の駐車場が設けられており、どこも一回¥700で利用可能です。散策中に確認したところ、国道135号や河津駅に近いほど混雑しており、逆に山側に行くほど空いている様子でした。
平日なので空いてると余裕ぶっこいて訪問してみたところ、意外にも早朝4時時点で山側の駐車場ですらちらほら泊まっている車が見受けられるほどでした。平日でこれなのだから土日の混雑度たるや、想像を絶するほどであろうことは容易に想像がつきます。
そういう場合は普通に電車で行くか、もしくは下田あたりから自走で向かうほうが楽じゃないかなと思います。
夜明けとともに行動開始。
いわゆる「河津桜」は河津町の真ん中を流れる河津川沿いに並木が続いており、基本的には川の両側にある遊歩道(自転車通行可)を通っていくことになります。
出店もずらずらと軒を連ねていたりして、花見を眺めながら食事したり飲酒したりすることも可能です。
花見といえば観光客でいっぱいの道を歩きながら頭上の桜を眺める機会が今までほとんどだったのに対し、今回は平日の早朝に訪問したこともありまだ観光客の姿もまばら。
散策するにはもってこいの状況なのに加え、一人で桜をじっくり見るにはこれ以上ないシチュエーションでした。
先週末の雨風で散ってしまっていることが一番の心配だったものの、杞憂に終わってよかった。
この時期に桜を見ることができるなんて今まで知らなかっただけに、その美しさに魅了されるばかりです。
青い空に映える桜色の花弁の瑞々しさといったら、これはもう現地でぜひ楽しんでみてとしか言えない。カワヅザクラはソメイヨシノよりも色が濃いように見えるので色彩が薄い冬の景色の中にあって、ここだけもう春を迎えたような感情を覚えました。
桜並木の素晴らしいところは、なんといっても奥行きがあること。
桜って一本だけでも美しいのに、これがはるか向こうまで続いていると、まるで桜色のトンネルの中を通っているような錯覚に陥ってしまう。
河津川沿いからちょっと離れた場所にある河津桜原木。
カワヅザクラが始めて確認されたのは今から65年前の1955年頃、河津川沿いで芽咲いている桜の苗を偶然見つけ、住民が庭先に植えたのがこの原木らしいです。
桜の木を見ていて歴史を考えたことはなかったけど、こうしてじっくり見てみると相当な歴史の積み重ねを感じずにはいられません。旅では現地の景色を見るだけでなく、こうして由来だとかその土地の歴史だとかも一緒に学ぶと楽しさが増します。
河津桜は川沿いにしかないと思いきや、色々散策してみると町のあちこちに咲いていることに気づきます。民家の庭先だったり、畑のすみっこだったり。
その土地の生活と一緒に月々を歩んできたような、そんな一体感のある風景も楽しめるのが河津町のいいところだと感じました。完全に観光向けというわけではなくて、普通に散策していてもその土地に根付いていることがわかりやすいという感じ。
町の北側にある涅槃堂の高台からは町を一望でき、川沿いに桜並木が続いていることがはっきり見えます。
こうして見ると本当に桜を中心に町が形成されているというか、さっきも書いたけど桜とともに歩んできた町の全体像がみえるというか、そんな気がします。
河津町は前回の訪問時は天城越えの前哨戦として通過した場所だっただけに、今回ゆっくり回れたので非常に嬉しい限り。
菜の花畑
続いて訪れたのは、下田から南伊豆に向かう道中にある国道136号の日野交差点付近。
河津桜は河津町にだけあるものではなくて、実は南伊豆にもあったりします。そこに向かう途中でよさげなスポットを見つけたので立ち寄ることにしました。
どうやらここは休耕地らしく、毎年1~4月は菜の花、8月はひまわり畑が広がっているとのこと。
なんの前情報もなく遭遇したこの菜の花畑、これほどまでに美しいのならスルーするわけにはいきません。
よく「黄色は幸運の色」と言われたりして、こんなに幸運が広がっている光景に出会えたのだからなかなかの運の良さだと思います。
誇張でなく完全に予想外だったし、この日は快晴そのもので菜の花の色もはっきりと楽しめる。行き先を特に決めないライドの良いところが顕著に現れた形となりました。
西伊豆の青野川沿いに広がる河津桜。
河津町の桜並木との違いは、観光チックな雰囲気でないことと道と桜の間にフェンスがないこと。
あちらのような出店もないし、人が特に多いわけでもありません。ですがその分力を抜いて散策することができたし、落ち着いた気分で桜を見ることができました。
先程訪問した菜の花畑は実はこの風景の予習っぽい感じになっていて、青野川沿いの桜並木は菜の花とセットで満喫できるというわけ。
自分的には花見は一人で座って桜を眺めながら酒飲むのがベストだと思っていて、この日の行程を通してそれに近いことができたのが嬉しいところ。
特に自分以外に人がいない空間でまったりするのは何より心が落ち着くし、その場の雰囲気に浸るという意味ではやっぱり一人きりがいいかなと思ってます。
花見を終えて、あとは西伊豆をぶらぶら散策して、最後は西伊豆スカイラインで達磨山頂上からの富士山+夕焼けを眺めて帰路に着きました。
はるか遠くに見える富士山、あの富士山の向こう側(山梨県)のライドプラン候補の行程を考えつつ、自宅へ車を走らせる平日の夜でした。今回みたいな平日旅は今後もちょくちょくやっていきたいです。
おしまい。
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