まだ6月だというのに暑すぎる。
前回のAACR2019でも最高気温34℃という中へとへとになりながら走り、後半暑すぎてバテてる状況でした。これからの季節、気温はさらに高くなるのにこんなので大丈夫なのか…?
というわけで涼を求めに、雪がまだ沢山残っている乗鞍へヒルクライムしに行ってきました。エコーラインの方はまだ開通していないので、スカイラインをピストンした形になります。
平湯峠からクライムオン
ご存知の通り、乗鞍はヒルクライムの聖地として有名です。
乗鞍(乗鞍岳)は日本一高所、国内舗装道路最高点の2,720mを自転車で走ることができる場所で、
- 長野側…乗鞍エコーライン:全長20km
- 岐阜側…乗鞍スカイライン:全長14km
の両方からアクセスできます。どちらもマイカー規制が敷かれており、通行可能なのは観光バス、自転車、それに徒歩客のみとなります。
ただし、自転車の場合は少々アクセスが厳しいかもしれません。乗鞍は最寄り駅からかなり離れているため、輪行で行く場合は結構ハードです。
そこで便利なのが、これまで何度も使っている車載。
スカイラインを登る場合は、スタート地点である平湯峠のゲート前に駐車場があるため、ここまで車載で行けばアクセスが非常にしやすいというわけです。これは使わない手はない。
高山には自宅から車で2時間かからないため、この周辺をぶらぶらする際には今後も車載を活用していきたいです。
なんといっても高速代とガソリン代くらいしかかからないので安い上、時間に囚われない移動ができるのが強みですな…。
午前7時。
ゲートが開いたので早速、乗鞍・畳平に向けて出発。下界と比べると畳平の気温はかなり低いことから、装備としては何よりも防寒着が必須です。自分は上下のインナーとウインドブレーカーを持っていきました。
!!!
平湯峠から対して標高が上がってないのに、もう残雪が現れるようになりました。気温も少しずつ下がっており、さすがに登ってる途中は暑いものの、立ち止まってると涼しいを通り越してもはや寒いレベル。
ひたすら登ります。
はじめの方は森林の中を走っていたのが、いつのまにか右手方向が開け、高山方面の見晴らしが良くなりました。ここからが乗鞍の本番という感じ。
乗鞍を実際に走ってみた感想としては斜度がめちゃくちゃきついというわけではなく、比較的景色を楽しむ余裕がありました。具体的な数値でいうと平均7%くらいで、一部11%とか12%があります。もちろんスピードを求めなければ、途中でいくらでも休憩すればいいだけなので問題ないと思います。
むしろ景色が良すぎて、数百m走るたびに立ち止まって写真撮影タイムに入るかも。
乗鞍は短距離で高度を稼ぐ道になっているので、必然的に急なカーブがいっぱいです。
ここを通るのはたまに通る観光バスくらいなので、例えば左カーブではセンターラインギリギリに寄るなどして楽に登るのがおすすめ。ここら一帯は静寂に包まれているのでバスが来れば音ですぐ分かります。
大自然を感じる。
高度感があるのはもちろんなんですが、遥か向こうに見える山々や、これから向かうことになる畳平方面の景色が素晴らしい。
何より天気が良いのが嬉しい。登ってる途中の見晴らしがいいと「登ってる感」が強くなります。
気がつけば自分一人しかいない。
誰も来ないから地面に這いつくばって写真撮っちゃう。
このあたりから、道の左右に雪の壁が現れてきます。すでに6月なので大部分が溶けてしまっていますが、乗鞍スカイラインの開通日(5/15)にはかなりの区間にわたって、数mの高さにまで雪が積もっていたようです。
開通日にここを訪れて、雪の中をヒルクライムするのも面白そう。
今回訪れた中で最も積雪がすごかったのはここ。
比較用に自分の自転車を置いていますが、高さ7mくらいはありそう。
乗鞍で個人的に好きなのがこの曲がりくねった道。自転車で走るとなおさら気持ちいいから好き。
長い区間を道が走っているわけではなくあくまで短い距離で高度を稼ぐことになって、今まで登ってきた道、更にこれから向かうことになる道が見えているというのがエモい。
実は、納車から現在に至るまでに北宇治号がアップデートしてました。
今回から、新たに導入したFulcrum Racing Zero Carbon 2018を履かせています。旅先でロングライドをするとなると必然的にアップダウンが多い場所を通る機会が増えるだろうし、踏んだら踏んだ分だけ前に進んでくれるこのホイールが役立ってくれると信じてます。買って後悔はしていない。
そして何より、見た目が良い(大事)
自転車全体の端部が黒色になったので、フレームの爽やかな色がさらに強調されているのが分かります。
更に登ること数km。
スタート地点からでは全く見えなかった北アルプスが徐々に姿を現してきました。
標高が高い場所なだけあって、気候的には登山しているときと全く変わりません。つまり時間によって山々にガスがかかったり、そうでなかったりするわけです。
たまにガスが晴れて、展望が開けたときの感動は心にクるものがあります。
最後までゆるゆると登って乗鞍・畳平に到着!
この時期でも登山する人はかなり多いようで、観光バスから降りてきた登山客が周辺の山に登っていくのが見えます。
そして登山客と比べると明らかに軽装な自分。ヒルクライムが終わって身体が冷えてきたところに、容赦なく強風が吹き付けてきてかなり寒い。
それでも風が吹いてなかったらサイクルジャージ+インナーで十分くらいの暖かさです。差が激しいなこれ。
乗鞍登山
畳平に着いた時点で、まだ時間はお昼前。
ここからただダウンヒルして帰るのももったいないので、乗鞍周辺の山を軽く登山することにしました。
乗鞍の真ん中に位置する鶴ヶ池。乗鞍周辺を散策していると必ず目に入るくらい、本当にど真ん中にあります。
氷が張っている時期に来るのは個人的に初めてですが、なんといっても色が美しすぎる。空の青さとはまた違う濃い青色です。
まずは、畳平バスターミナル周辺から一番アクセスしやすいと思われる魔王岳(2,763m)に登頂。片道15分で頂上まで行くことができます。
これは魔王岳のすぐ近くにある亀ヶ池。
さっき見た鶴ヶ池に比べて、澄んだ碧色をしているのが分かります。池の深さとかが関係しているんですかね?
あ、今日は山に登るということで、いつも使ってる望遠ズームだけでなく広角レンズも持ってきました。やはり山は広い範囲を写すことができる広角に限ります。雷鳥が現れたりしない限りは広角一本でいいかもしれません。
魔王岳に登ったところで、続いては畳平バスターミナルから鶴ヶ池を挟んだところにある大黒岳(2,772m)に向かいます。頂上まで徒歩20分と、先程の魔王岳に続くお手頃な山です。
大黒岳を登りながらふと右手を見ると、まだ開通していない乗鞍エコーラインが一望できます。
来月(7月)になったらエコーラインが開通し、エコーライン&スカイラインの両方を楽しめるようになります。
大黒岳の頂上に到着。
あー良い…こんなにはっきりと穂高連峰が見えるなんて最高すぎる。
もう少し気温が高くなったら、あの辺りを思う存分登山してみたいです。北アルプスが近くなったのは本当にありがたい限り。北だけでなく中央や南へも比較的行きやすいのがさらに嬉しい。
最後は大黒岳の南にある富士見岳(2,817m)へ登ります。
奥の方に、先程登った大黒岳が見えます。
なお、下の方にあるゲートはエコーラインと乗鞍・畳平を繋いでいるもので、ここが岐阜県と長野県の県境になっています。
富士見岳に登頂!寒いので途中でウインドブレーカー着ました。
登山道としては一般的な北アルプスの山々と同じように岩だらけなのですが、これくらいならSPDシューズで問題なく歩けます。というか、ライド先でこんな風に色々歩き回って散策するために、SPD-SLでなくSPDを選びました。自分のスタイルとしてはこれが一番合っていると思います。
はるか向こうには乗鞍岳主峰の剣ヶ峰(3,026m)が見えていて、ここはとてもじゃないけどSPDシューズでは行くことができません。この時期に行こうと思ったら雪渓の上を歩くことになるので、アイゼンが必要になります。
夏になれば雪は溶けてなくなるので、ヒルクライムした後そのまま普通に剣ヶ峰登山が可能です。あと一ヶ月後のお楽しみということで。
というか寒いよ。
あと風も強いよ。
このあたりの岩は全て凍っている上に、ロープには氷柱ができているのが分かると思います。立ち止まっているとかなり体が冷えてしまう…。
ただ、今の時期でもこれだけ冷たい環境なのだから、夏になったら逆に快適になるのは間違いない。夏は下界で暑い思いをするよりも、山に行って涼むのがいいかもしれません。
一通り登山を終え、バスターミナルへ戻る前に、せっかくなのでエコーラインの入り口までやってきました。
がっつり雪が積もっているのものの、歩く分には支障ありません。
いいね。
遠くに見える山々の壮大さもそうですが、この雪の壁にしてみても、一つ風景を切り取るだけで絵になります。
単純に、この時期に雪があるところに行きたいのなら雪山登山などをすればOKなのですが、「自転車で」となるとハードルが高くなります。そう思うと、これはなかなか撮影できないシチュエーションなのかなと感じます。
お昼は銀嶺荘にて「自転車定食」をいただきました。
お肉はハンバーグかステーキを選ぶことができ、ヒルクライムでエネルギーを失った身体にはぴったりのメニューです。自転車で乗鞍を訪れたらぜひ味わってほしい。
帰りはカーボンリムで初のダウンヒルをし、ブレーキングが下手な自分にとっては結構怖い体験となりました。
終わってみればそこまでリムが熱を持っていないことから、自分のブレーキングでもあまり気にする必要はないようでした。
そんなわけで、新しいホイールでのヒルクライムは天気の良さも相まって大成功に終わりました。今後も地の利を活かして、高山/乗鞍周辺には何度も訪れたいと思います。
おしまい。
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