- Part 1:観音平~キレット小屋
- Part 2:キレット小屋~黒百合ヒュッテ
- Part 3:黒百合ヒュッテ~双子池ヒュッテ
- Part 4:双子池ヒュッテ~蓼科山登山口
梅雨があけてついに夏がやってきました。
しかし毎日30℃超えのうだるような暑さで大分うんざりしています。こんなときは標高の高い場所へ涼みに行きたい…というわけで避暑も兼ねて以前からやってみたかった八ヶ岳全山縦走に挑戦しました。
概要
今回の登山行程は以下の通りです。
- 1日目:観音平→キレット小屋
- 2日目:キレット小屋→黒百合ヒュッテ
- 3日目:黒百合ヒュッテ→双子池ヒュッテ
- 4日目:双子池ヒュッテ→蓼科山登山口下山
合計3泊4日で、すべてテント泊です。
小屋泊は1泊とか2泊とかならまだそこまでお金がかかりませんが、それ以上になると大きな出費となります。小屋泊かテント泊かについてはメリット・デメリットある中で個人的にはテント泊大好きです。安いし快適。
持っていった食料はこんな感じ。
これに加えて、ご飯のおかずとして肉味噌を持っていきました。詳細は後述します。
南八ヶ岳と北八ヶ岳の両方を一度に縦走しようとした場合、まず考えるのが「スタートとゴールをどこに設定するか」だと思います。
今回は南→北の順で歩いた中で、ネックになったのが蓼科山登山口からの帰り。茅野駅行きのバスの本数が極端に少ないためある程度の時間調整が必要になります。バスの時間には十分注意してください。
出発は甲府から
京都から甲府行きの夜行バスに乗ったのが夜の21時。そして甲府駅前に到着したのが朝の4時。
夜行バスでは予約していた人が来なかったとかで、隣が空いている席に移動させてもらいました。4列シートだったので寝られないのを覚悟していましたが運がいい。
始発が6時台なので駅前で2時間あまり待つことになります。
ここからはまず観音平の最寄り駅である小淵沢駅に向かい、そこからタクシーで観音平まで行きます。観音平まで行くバスはありませんので徒歩(約90分)かタクシーを使うことになると思います。
流石に登山口まで歩くのは疲れるのでタクシーを使いました。料金は約¥3,300です。
小淵沢駅。駅舎を最近建て替えたのかかなり綺麗でした。
観音平到着。平日でしたがすでに沢山の車が泊まっていました。登山届を提出して早速登り始めます。
八ヶ岳の洗礼を受ける
ここからは編笠山までひたすら上りが続きます。
最初のうちは緩やかなミズナラやシラカバの林の中を進んでいきますが、さすがに標高1500m以上の場所だけあって、とても涼しくて気持ちが良いです。
今回の服装についてちょっと書きます。
今までの登山では日帰り・縦走に関わらず、パンツはfinetrackのSTORMGORGE ALPINE PANTSを履いていました。撥水性とストレッチ性が抜群で、使っていて特に不満点はありませんでした。
しかし、山でよく見かけるハーフパンツ+タイツという組み合わせがずいぶん涼しそうに感じてきたのです。
自分は暑がりな方なので、ちょっとでも涼しい服装で山を歩きたい…そこで今回、初めてハーフパンツ+タイツというスタイルで歩いてみることにしました。
しかしこれが失敗だった。
八ヶ岳がもともとそうなのか、それとも今年は気温が高いからなのかわかりませんが、とにかくアブが多かったからです。
奴らはタイツの上からでも普通に刺してくるのでゆっくり休憩もできません。ハッカ油とか持ってくるべきだったかなと少し後悔しました。今まで刺されたことがなかったので油断してました…。
そんなこんなでできるだけ足を止めずに歩いていたらいつの間にか編笠山(2,523m)に到着。
最高の眺め。前方に見えるのは南アルプスです。
権現岳へ
ここからは一度青年小屋まで下り、権現岳へ向けて再度登ります。
青年小屋と権現岳。
青年小屋のテン場はかなり広いです。今回初日に利用するキレット小屋のテン場は逆にかなり狭いため、人数が多いとテントを張れないかもしれません。
青年小屋までは大きな岩の上を歩いていくことになるため足元に注意。
青年小屋の水場は歩いて5分くらいのところにあります。水量も多く、冷たくて美味しい。ここでしっかり水を補給しておきます。
権現岳への登りではちょっとした岩場を通りますが大したことはありません。
ガレているので落石の発生には気をつけないといけませんね。
正面に見える小屋が権現小屋、右奥の岩が飛び出た場所が権現岳の山頂です。
権現岳(2,715m)の山頂に到着。平日でしたがそこそこ人がいました。
権現岳からみた阿弥陀岳/赤岳方面の景色はこんな感じです。
手前の山の向こうがキレット小屋ですがちょうど見えません。
キレット小屋へ
権現岳からキレット小屋に向かう際、まず通ることになるのがこの長い長い梯子。
長さは20mくらいですが、下りで使うと高度感があります。
今回は向こう側から来る人が居なかったので良かったですが、混んでるとここで結構時間を消費することになります。
この角度から見るとほぼ垂直に近いように見えるな…
実際はかなり角度があり、安心して上り下りができると思います。
梯子を下りきるとキレット小屋までは約1時間。赤岳を眺めながらのんびり歩きましょう。アップダウンもそこまでありません。
キレット小屋に到着。早速テントを張ります。幕営料は¥550。
キレット小屋のテン場はちょっとした斜面上にあり、開けている場所だと4張りくらいしか張れません。残りはさらに斜面を下った林の中に張ることになります。
この日は平日だった上、到着時間が早かったこともあって先客は一人だけ。赤岳を望める良い場所に張ることができました!
標高2,500m付近とはいえ、直射日光が当たるのでテントの中は結構暑いです。入り口を全開にしてやっとマシになるレベル。
夕食
今回、「縦走中に肉が食べたい」との思いから、登山食としては有名な肉味噌を導入してみました。
テント泊での食事については色々選択肢があって、軽量化などの観点からアルファ米とレトルト系の組み合わせを選択する人が多いのではないでしょうか。
確かにある程度栄養も取れ、そこそこ美味しいので一定の満足感はあります。しかし自分はいつも物足りなさを感じていました。それはなぜか…。
やはり肉が少ないからです。
一日中歩いて疲れ切ったときは、どうしても肉が食べたくなります。レトルトのカレーなどにも一応肉は入っているものの非常に少ない。そこで何とかして肉を持ち込めないかと考えました。
しかし、単に肉を冷凍して持ってきても、食べられるのはせいぜいその日の夜まで。衛生上問題があります。長期保存が可能なサラミなどに頼る手もありますが、ご飯に合うかというとNOです。
色々調べてたどり着いたのが肉味噌でした。結論から言うと、冷凍庫から出して5日経っても余裕で食べられるくらい保存力があります。
3泊4日という行程なのでそこまで量は必要ないと考え、ほぼこのレシピの通りの材料を準備しました。
レシピ通り、1時間以上弱火で炒めて水分を完全に飛ばしました。
後はジップロックに入れて家を出る直前まで冷凍庫に入れておくだけ。
初日である今日は白米+麻婆春雨+肉味噌という組み合わせにしてみましたが、凄まじく美味しいです。これだけで今日の疲れが全部吹き飛ぶくらいの旨さ。
山でお肉を食べることができる贅沢、肉と野菜からしみだした旨みとコク、野菜をたくさん入れることで山では取りにくいビタミンもたっぷり。
豚肉や梅の疲労回復効果も期待できて常温での保存もある程度可能という、まさに山にぴったりな食材と言えると思います。
この日以外(2日目、3日目)は単純に白米と合わせただけでしたが、カレーや麻婆茄子、ミートソースなど他の料理にも合わせられる万能性があります。山での食事を充実させたい方はぜひ導入してみてはいかがでしょうか?
そんなわけでしっかり栄養がとれて大満足。
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