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旅の記録とか、舞台訪問とか。(旧 OFFTAMA)

【遠山郷】小嵐稲荷神社に参拝してきた (@長野県飯田市)

山奥の神社に参拝してきました。

【訪問日:2020年6月27日】

小嵐稲荷神社

今回は長野県の飯田市周辺をポタったのですが、その際に立ち寄った神社があまりにも雰囲気良すぎたため別記事で詳細を書くことにしました。

名前は小嵐稲荷神社といい、その名の通りお稲荷様を祀っている神社です。

tohyamago.com

事前情報がほぼ皆無な状態での訪問となり、行き方については今回行ったルートしかわかりませんが一応書くことにします。

行き方

小嵐稲荷神社は、飯田市の南信濃木沢にある木沢集落から道が繋がっています。なので正式な参拝道の出発地点はここからとなります。

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木沢集落には全国的に有名な「旧木沢小学校」があり(これも訪問したので別記事でまとめます)、これを目印にすると分かりやすいです。小学校の正門をすぎると山方向に向かう道があるのですが、その手前の壁に「小嵐さま車道」と書かれた標識があります。

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そのまま真っすぐ20mくらい進むと同じような標識が再度登場し、川を挟んで道が2つあるのがわかりますね?このうち右側(→)の道が正解です。

あとは「えっ本当にこの道で合ってるの?」「どこかで道間違えたんじゃないの??」という疑問を全て胸の中に押し込んでひたすら直進し、途中で「小嵐参道」と書かれた道の通りに進むと神社に到着します。なお「車道」と書かれていますが車で行くことは心底おすすめしません。なので、軽いハイキングがてら徒歩で向かうのが一番最適だと思います。

なぜかというと道がとにかく狭く(軽トラでギリギリ程度)、さらに集落を過ぎると完全なダートになる上に落石が異常なまでに多いので、うっかり車で進行するとUターンもできなくなって積む可能性が高いです。バイクなら行けるかもしれませんが、まあ徒歩で行く方がいいと思います。ちなみに徒歩だと片道1時間強くらいでした。

あと、GoogleMapで見ると道が完全に途切れているので、あまり参考にしないほうがいいです。

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斜度15%くらいある坂道を上っていくと茶畑があり、ここからは見晴らしが良いので木沢集落が見渡せます。なお、この茶畑がある箇所の民家が人が住んでいるところの最終地点となり、そこから先は完全に無人な道を進んでいくことになります。

というか、この高台にある民家の住民の方はこの道を運転されてるのか…と思うくらい、狭くて急な道でした。田舎あるあるだと思うけど、外部の人間から見ると想像を絶するような華麗なハンドリングさばきを要求される道って意外に多いですよね。一歩ミスると崖下に転落したりする危険があるものの、そこに住まれている方からしたら普通の道っていう。

神社へ向かう

最終の民家を通り過ぎてしばらく進むと人気は完全になくなり、本当にこの先に神社があるのか不安になってきますが、特に心配ありません。なぜかというと、

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車道の途中途中でこんな風に鳥居があり、参道がきちんと示されているからです。なので迷うことはたぶんないはず。

それよりも。

まだ参道を通っているだけなんですが、この雰囲気だけでご飯三杯くらいいけるんですけど…。

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緑一色の山の中に、突如としてボロボロに経年劣化した朱い鳥居が現れる。文字にするだけでとんでもない非日常感なんだけど、実際本当に異世界に迷い込んだような気がしてなりませんでした。

鳥居も町中にあるような形が整ったものではなく、あちこちが歪で寸法も左右対称ではありません。丸太を切り出して使えそうなところを使って組んだことが分かります。

うまく言えないけど、こういうのが好きなんですよね。私は。

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車道はつづら折りになりながら徐々に高度を上げており、鳥居は常に車道の横に置かれています。

周りの様子を見るに、本来は鳥居群を通る道のみがあったところに車道を通したと考えるのが自然でしょう。

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参道はほぼ自然に還りつつある場所も多く、歩いて通る際には注意が必要。安全を期すなら車道をひたすら進む方がいいかと思います。もしくは植物が多少大人しくなる秋頃なら歩きやすいかもしれません。

鳥居については雨風に打たれたせいかほぼ例外なく朽ちかけており、額束に書かれている文字すらもすでに識別できないくらいです。自立できなくなったものについてはパイプ製の鳥居が新たに設置されていました。

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先ほど「参拝は徒歩がおすすめ」と書きましたがご覧の通り落石が多く、車では避けようがないので要注意です。

ちょっと話が逸れますが、飯田線に大嵐と書いて「おおぞれ」と読む難読駅があって、小嵐神社の名前に何か関係あるのかと思ったら、「あらし・それ」といった地名は焼き畑にちなむ、または崩れやすい場所を指すそうです。まさに現在進行系でこの辺りの地形の崩れやすさを実感してる。

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さらにしばらく進んで心細さがマックスになったあたりで、ついに小嵐稲荷神社に到着しました!!

参拝

参拝する前に、この小嵐稲荷神社について詳細を書いておきます。

全国にある「稲荷神社」の総本山が京都にある伏見稲荷大社ということはご存知だと思いますが、1789年にその京都伏見稲荷から分霊を勧請してきたのが、この小嵐稲荷神社なのだそうです。

分霊(ぶんれい、わけみたま)とは、神道の用語で、本社の祭神を他所で祀る際、その神の神霊を分けたものを指します。分かりやすくいうと、神道では神霊は無限に分けることができ、分霊しても元の神霊に影響はなく、分霊も本社の神霊と同じ働きをするとされているとのこと。なのでその神の根源とされる神社(総本社・総本宮)から分霊を他の神社に移すことで、全国各地でその神様を祀ることができるというわけです。現に、ここに限らずほとんどの稲荷神社は伏見稲荷大社からの分霊によるものです。

という前置きをした上で、早速参拝しましょう。

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まずは、正面に立つ大きな鳥居を三本くぐって拝殿に向かいます。

鳥居をくぐって右手には参拝者用の休憩場所があり、そこをそのまま進んでも、逆に左手に進んでもどっちでも拝殿に到着します。

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まず驚くのが、木々が鬱蒼と生い茂った境内に小さな赤鳥居が無数に突き刺さっている光景。

このような感じに鳥居を祀ってあるところは他に見たことがありません。神社の方によるものなのか、はたまた参拝者がお供えしていったものなのか定かではありませんが…。

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本来は鮮やかな朱色なのでしょうが、やはり風雨によって錆びたような赤茶色に変色しています。

先ほどの参道でも感じたことがここに来て頭の中にハッとしたんですけど、赤色ってこの季節の自然界には存在しない色なんですよね。しばらく山の中を歩いてきて目に入ってくるものといえば木々の緑色、それに幹や地面の茶色だけなんです。そこに突然朱色が登場してくるものだから目に付きやすいし、何より記憶にも残りやすいです。それが山奥であればあるほど、実に強烈に響いてくる気がします。

これらの鳥居についてはお供えしたものかもしれない以上、無闇に触るのはやめておきました。それを抜きにしても、この空間で下手なことはできない。そう思えるくらいに神聖な雰囲気に包まれすぎているんですね。ここは。

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そんなミニ鳥居群を後にして、拝殿へ向かいます。

当然ながら社務所には誰もおらず、無人。逆にこんな状況でいきなり声かけられたら心臓止まりそうになるだけに、むしろ無人で安心しました。 ただし、どうやら例大祭の日には人がいらっしゃるみたいです。

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失礼しまーす…(ガラガラ)

拝殿の扉を開けると賽銭箱が登場。せっかくなのでお賽銭を入れ、これからも安全な旅がたくさんできますように、と願っておきました。

稲荷神社というと五穀豊穣や豊作祈願に加え、商売繁盛を願うのが一般的とされています。しかし自分の場合はどれもあまり関わりがない事象なので、汎用性が高そうな「安全」を祈願しました。

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拝殿の中はもう狐一色。

壁際の棚には小さな白狐の塑像がびっしりと奉納されています。小嵐様に願い事をするときは、この像を一つ借り受けて願掛けし、成就したらお礼としてもう一つ添えて神社に返すのが慣わしだそうです。その話を聞いた上でこの光景を眺めてみると、この狐像や鳥居の数の多さが小嵐様の霊験のあらたかさを裏付けていますね。

よほど頼りになる神様のようです。

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そんなこんなで参拝は無事に終了。

気温がそこそこ高い上に湿度も高いので、虫とかがかなりいそうで大変だな…と思ってましたが、神社周辺は完全に無音でした。神社の立地や空気感、それに神秘的な拝殿内の光景も相まって、いつまでもここで佇んでいたいと思えるくらい好きになりました。

補足

この後は下山して木沢小学校を訪問したのですが、そこで小嵐稲荷神社の宮司さんにお会いすることができ、色々お話を伺いました。その内容を簡単にまとめると、

  • ほぼ毎日誰かしらが参拝している。遠方からも含め参拝者はかなり多い。
  • 自分らが小さい頃は小学校が終わってからダッシュで小嵐稲荷神社まで走って遊んだりしていた。
  • 普通の稲荷神社だと分霊→さらに小さい神社に分霊を繰り返すが、ここは総本山の伏見稲荷大社から分霊してきたっきりで、それ以降どこへも分霊していない。

とのことでした。良ければまた来てほしいともお願いされたけど、これは是非ともまた再訪しますよ。


で、これこそまさに私が旅でやりたいことそのものなんですよね。

実際に現地に足を運んで五感でその土地の空気を感じたり、それに加えて色々お話を伺うことで文化や歴史を学ぶ。確かに今までの経験を見るとロードバイクがメインとなっていますが、それは単に移動手段に過ぎないんだなと改めて感じました。自分の根幹にあるのは"旅"で、ロードバイクはそれに彩りを添えるようなものだと。

今回のポタは全体を通して自分が旅で何をしたいのかを再認識できたので、今後も自分のスタイルで楽しんでいきたいと思います。