【日帰り登山】北海道の樽前山に登ってきたらあまりにも絶景過ぎた話

この日は今回の北海道旅の最終日です。

明日はもう帰るだけなので、できれば今日は新千歳空港に近いところで日中を過ごしたい。けど日高山脈や羊蹄山はコースタイムが長いし、今日は登山はやめて観光に振ろうかなと思ってました。

しかし、空港から比較的近いところに登山ができるポイントがあるとの情報を仕入れたのが昨日の晩のこと。しかもなんと駐車場からたった50分歩くだけで絶景が満喫できるという話。

今回の旅の最中で上った利尻岳や十勝岳でいうコースタイム50分は山の中腹もいいところで、あまり展望は得られない状況でした。そんなお手軽な登山で絶景が拝めるのかと半ば半信半疑で訪れてみることに。

もくじ

お手軽に越したことはない

その山はどこなのかというと、苫小牧市の北西部にある樽前山です。

なんと7合目に駐車場があり、ここまでは特に苦労なく上れてしまうのが大変便利。ただし5合目の交差点から先はずっとダートになるのでそこだけ注意かと。

というわけで登山開始。

登山道は非常によく整備されていて、危険箇所どころか藪を漕いだりする必要もまったくありません。というか装備についても登山靴である必要すらなく、サンダルやスニーカーでも全然OKです。自分はSPDシューズで上りました。

そんな中、上り始めてすぐに異変に気づいていた。

圧倒的に景色が良すぎる。

上りはじめてまだ15分かそこらなのにこの景色。いきなり森林限界突破してるし、しかも周りに遮るものがないから遥か遠くまで見渡すことができる。

普通、森林限界と言うとハイマツ地帯を突破してようやく得られるものという認識だったのに、ここまで難なく高度感が得られるなんてお得すぎる。

本当に一切の自覚なく雲と同じくらいの高度まで上ってきているし、なだらかな坂道(段差すら無いです)をハイキング気分で上ってきたらこれ。

登山開始からものの30分くらいで、外周沿いにある分岐に到着。

樽前山は支笏湖(さっき上ってくるときに見えた湖)のほとりにある三重式火山で、頂上の外周部の一番中央に樽前ドームと呼ばれる溶岩円頂丘があり、ここが火口です。

ちょうど向こうに見えている黒っぽいのが樽前ドーム。

登ろういぶりの山HPより引用

登山道はここをぐるっと一周できるように整備されています。

最初だけ上りがきついものの、外輪山まできてしまえば外周部はほとんどアップダウンがありません。このあたりは登山で稜線に出た場合と似ています。

樽前山には山頂が2つあって(東山と西山)、実質的な山頂はここ一等三角点の東山です。標高は1,022m。

最高点は樽前ドームのてっぺんで1,041mありますが、火山活動が活発なため近寄ることはできません。

ここからの外輪山周りがとにかくすごかった。

どの方向を眺めてみても突き抜けるような開放感。そして心地よく吹いてくる風。気持ちいいくらい適度な気温。最高では…?

先日の十勝岳登山でも感じたこととして、北海道の山はなだらかなところが多い気がする。

例えば崖ばっかりの岩稜帯ゾーンしかなかったりすると一切気を抜けないのでピリピリしてしまうところを、こんなに道中が緩やかだと歩いていくにつれて心が穏やかになっていくような気もしてくる。

実際にガチガチの登山装備をした人はほとんどいなくて、家族連れとか友達同士で来たみたいな一行が多かったです。地元の方にとっては馴染みがあって、つまり地域で愛されている山という印象です。

樽前ドームの周りを一周するように登山道が通っているということは、歩いていくにつれてドームが違った姿を見せるということ。

東山からもう一つの山頂の西山に向かう道中ではドームにかなり接近できるので、観察もしやすいです。まわりには噴火のときに飛び散ったと思われる岩が散乱していたり、ドームから噴煙が上がっているのが見えたりと非常に面白い。

西山に到着。

西山の特徴はなんといっても、樽前ドームが真正面に見えること。さらに西山からは頂上の丘陵地帯が一望できるので、周囲がより広く感じられます。

このスケール感よ。

東山に行ってそのままピストン下山する人が多いようですが、できればこの西山まで足を運んでみてほしいところ。

その後は外周沿いをのんびり歩いて帰路につきました。

帰るのがあまりにももったいなくて、結構ガスってくるまで麓や火口を交互に眺めながらのんびりしてました。標高も適度に高いので気持ち涼しいし、すぐに下山できるので帰りの行程を気にする必要もそんなにありません。

北海道の山といえば、大雪山とかトムラウシ山とかの百名山が有名なのでそっちにばかり目がいきがちですけど、今回の山行はいい意味で裏切られました。誰でも手軽に山歩きが楽しめて、かつ景色がとんでもなく素敵な山。

それが樽前山なんですね。

翌日は新千歳発の飛行機で早めに帰宅。

お疲れさまでした。

おわりに

長かった弾丸北海道旅も無事に終了ということで、割と無計画でもなんとかなることが確認できました。装備は必要最低限のものだけいつでも行けるように準備しておいて、あとは天気次第で行き先を決めるだけ。

そんな突発的な行程だからこそ、今回出会った風景がより感動的なものになったと思います。

北海道はとにかく広くて、「ここは絶対に行ってみたい」というところが多すぎるもんだから何回も訪れたくなってくる。

北海道に行った人はその魅力に取り憑かれてしまい、また間を置かずに行ってしまうというのが通説になっている感があります。実際自分もそうなりつつあって、帰りの飛行機の中では思い出に浸りつつ、次回の訪問計画を早速練ったりしてました。

また来るぞ北海道!


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