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旅の記録、宿泊先や行程とか

「ひぐらしのなく頃に」舞台訪問 ロードバイクで夏の白川郷を旅してきた Part 1/2

ずっと泊まってみたかった白川郷に、家から自走して1泊してきました。

【訪問日:2020年8月21日~22日】

白川郷に泊まる

今回は"あの"白川郷に泊まりますよ。

白川郷といえば、言わずとしれた合掌造りが特徴的な日本の原風景そのもの。自分が今住んでいる岐阜県内に位置していることからアクセスも比較的容易であり、今年に入っても何回か訪れていました。周囲が山に囲まれているのでヒルクライムスポットが多く、観光だけでなくロードバイクという視点でも面白い場所というわけです。

で、なんで今回この宿泊を決めたの?って話なんですけど、白川郷観光協会が行っている白川郷宿泊割引キャンペーンに惹かれたからなんです。

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ひだ⽩川郷宿泊クーポンキャンペーン | 【公式】白川郷観光協会

詳細については上の公式HPで確認してもらうとして、要点だけ書き出すと以下のようになります。

白川郷宿泊割引キャンペーン - 国内誘客を目的とした、割引総額1億円の宿泊割引きをするキャンペーン
- 白川郷観光協会の宿泊予約サイトからの予約に限り、通常宿泊料金の半額(最大5,000円引)で宿泊できる
- しかもGOTOキャンペーンとの併用が可能なのでとにかくお得
- 対象期間は2020年7月10日~2020年12月31日(※割引総額先着1億円に達した時点で終了)

こんなキャンペーンを発見してしまったらもう行かない以外の選択肢がない。

対象の宿は25件もあって選び放題だし、合掌造りに泊まれるなんて最高では…?と思ったのが、このキャンペーンを見つけた7月はじめのこと。早速宿を選んで予約したわけですが、日程については適当に決めました。休日は人が多そうなので平日にして、あとはとにかく「夏」を実感したい…という思いが漠然とあったので8月に決定。

何が言いたいのかというと、なにぶん宿泊が一ヶ月以上も先のことなので天気がいいかどうかは運次第ということです。普段なら週末の天気を確認してから突発的に遠征を決める私にとっては、正直かなり不安でした。

いつも以上に天気(と気温)が気になる日々が過ぎていき、気がつけば宿泊日当日。天気予報をチラ見するとなんと快晴ヽ(゚∀゚)ノで、これはもう完全に優勝できる予感しかしない。

というわけで、早速白川郷に向けて出発です!

白川郷までの道のり

今回、白川郷までの移動手段はロードバイクにしました。

ここのところ岐阜県周辺では最高気温が38℃とか39℃とか、もう人間が生活できるレベルではない気温が続いていたので日中に走るのは選択肢から外しました。どっちみち日中は散策にあてたいし、目的地には早い時間に着いておく必要があります。

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出発が早いに越したことはないので、深夜2時に家を出て白川郷を目指す。

当然ながら辺りは真っ暗なのでナイトライドをすることになりますが、岐阜~郡上あたりまでは今までに何度も走ったコースなので特に問題なし。道としてもほぼほぼ平坦なので非常に楽です。

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気がつけば白鳥あたりで朝日を迎えてました。

郡上まではアップダウンがそれほどない快適路だったのが郡上から先では一変し、ひるがの高原まではずっと上りが続きます。ただ、この国道158号は東海北陸道とほぼ平行に走っている国道ではあるものの、早朝では交通量も皆無。至って平和的に走ることができます。

ナイトライドの何が楽しいかって、走ってる途中で日の出の瞬間に出会えること。

出発時点ではもうライトの灯りだけが頼りだったのが徐々に明るくなっていき、いつの間にか深夜から朝になっている。このときの安堵感は相当なものだし、なにより早朝で道行く人もいない中を一人で走っていく感覚がなんとも堪えられません。

自分は、今までは単に目的地に早めに着きたいから深夜に出発するという考えだったけど、今では一人だけの時間を満喫できるので夜に走るのはそこそこ好きだったりします。

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と、そんな朝もやの中をひた走ってひるがの高原に到着。

高原と名がついているだけに高地にあり、休憩で自転車を降りると心地よい涼しさが身体を癒やしてくれる。

まだ早朝で気温がそれほど高くないというのもありますが、80kmほどかけて家からずっとヒルクライム(というほどのものでもないが)してきたのが一段落したということで、身体的だけではなく精神的にも落ち着けました。

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ヒルクライムが終わると同時に今まで走ってきた国道158号が終了し、ここから先は国道156号を走っていくことになります。

ちなみに、このまま国道158号を北上していくと飛騨清見IC前を経由して高山まで行くことができます。今まではせせらぎ街道経由でしか高山に行ったことはないですが、たまにはこっちから行ってみるのもいいかもですね。

で、国道156号に入ってからしばらくお付き合いしていくことになるのが、上の写真にも写っている御母衣(みぼろ)湖

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荘川桜

御母衣湖は御母衣ダムの建設によって生じたダム湖で、水没予定地から移植された有名な荘川桜のエピソードでも知られています。

ダムの建設にあたり、建設地域の白川村と大野郡荘川村では激しいダム建設計画反対運動が行われましたが、最終的には補償交渉は妥結されたとのことです(Wikiより)。【岐阜県を走る】シリーズでも訪問した徳山ダムしかり、ダム建設にあたっては住民に対するダム補償が切っても切り離せませんね。

で、この記事のタイトルにもある通り、今回の白川郷訪問はひぐらしのなく頃にの舞台訪問も兼ねています。作中で登場する雛見沢ダム建設関連(鬼ヶ淵死守同盟)のモデルはこの御母衣ダムの一連の反対運動らしく、そういう目で見てみるとこの静かな湖も、ただ通り過ぎるだけではもったいない。

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気温の上昇に伴って朝もやに包まれる御母衣湖は神々しい雰囲気に包まれていて、じっと見続けていると引き込まれてしまいそうになる。

こんな神秘的なのに見ている人は自分ひとりだけという事実にも驚いたし、この景色を独り占めできるのだから早起きは三文の得というところか。

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御母衣ダム自体はロックフィルダムであり、その堤高は131m。

総貯水容量は先に述べた徳山ダムに次いで日本で第2位という巨大さを誇っています。

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道なりに走っていくとその御母衣ダムが真正面に見えるダウンヒルポイントがあり、その迫力は満点の一言。

まだ目的地である白川郷に着いてすらいないのにこれだけ自分の気分が向上しているのは、ロードバイクで走っていく"道中"も楽しんでいくスタイルだからこそだと思っています。

せっかく自走で向かうのだから途中の景色にも目を向けないと損だし、ロードバイクのスピードだからこそ出会える風景に一喜一憂していくのがとにかく楽しい。

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そんな気持ちをさらに増幅させてくれるのが、御母衣湖周辺に多数存在するこのロックシェッド。

これがまた雰囲気最高で、ロックシェッドの隙間から差し込む陽光の塩梅が実に良い。明暗が曖昧になりつつある中をゆっくり走っていくことで、ただトンネルの中を走行するのとはまた異なる面白さがあります。

岐阜県はどこを走っても楽しいし、とにかく静かなのでロードバイク向けの道が多いと感じますね。

雛見沢に到着。そして…

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三方岩岳方面

ロックシェッド地帯を抜けるともう白川郷はすぐそこ。

直接は見えないけど近くにある白山(標高2,702m)をひしひしと感じるような山間部を抜けていくと、ついに今回の目的地である白川郷が見えてきました!

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白川郷の南端に到着

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国道156号を北上してきた場合、白川郷に到着してまず見えてくるのがこの棚田。

すでに日が上がって結構時間が経過しているので気温も上昇しており、正直に言うと暑い。でも「自走で白川郷まで来た」という達成感と、この稲穂が広がる風景を目の当たりにしているとあまり気にならない。それよりもこれから白川郷をどう散策していくか?のwkwkの方が遥かに勝るんですよね。我ながら実に単純な性格をしている。

と、白川郷に着いたのが9時頃で、今回の同行者との集合時間までにはまだ時間があります。なので、着いて早々ですが自転車同伴で白川郷を回っていくことにしましょう。

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平日の白川郷の雰囲気、とても好き。

簡潔に言うと観光客がほぼゼロで、見かける人といえば村内在住の地元の方くらい。前にも書いた気がするけど、観光地というのはあまりに人が多すぎて、自分が求めるようなその土地(町or街)の雰囲気が自分の中にスッと入ってこなかったりするのがネックなところです。言い方を変えると観光客の話し声だったり物音だったりが聞こえてきて、なかなか風景に集中できなかったりしてしまう。

観光地である以上仕方ないといえばそうなんですが、自分としてはちょっと物足りないので平日や早朝に訪れることでそれをなるべく避けるように努力しています。今回の訪問ではまさにそれがドンピシャで効いてくれて、静かな白川郷をのんびり散策できました。

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「嘘だッ!!!」の坂で記念撮影。

ここは城山天守閣展望台へアクセスの良い道なので当然人が多いと思いきや、ご覧の通り撮影し放題という状況。ほんの1年くらい前までは、村内を自転車で回るなんて絶対にできないくらい人でごった返していたので、今回の訪問時の閑散っぷりに唖然とするしかないです。

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完全に雛見沢です、本当にありがとうございました。

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その展望台からの景色がこちら。

あぁ…これだ。この眺め、蝉の鳴き声、蒸すような暑さ。

ひぐらしのなく頃にの世界が、夏の雛見沢が私の目の前にある。目を閉じるだけでBGMが脳内再生されるくらいこの景色は深く記憶に焼き付いていて、まるで作品の世界に飛び込んだような感覚になる。

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合掌造りの屋根の茅葺きには苔や植物が生えているところもあって、暖かい時期にしか見られない(と思う)光景にいきなり心が踊ってくる。

何事もそうだと思うけど、景色って単に写真や動画を見るだけで終わりではなくて、実際に現地でまじまじと見るほうが何倍も楽しかったりしますよね。周りの空気感や音など五感をフル活用して味わうことで気分的な充足感がまるで違う。

それが初めて見るようなものならなおさらだし、これがあるから遠征は楽しい。

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どこを歩き回ってもたいてい作中のカットに遭遇するもんだから、その都度記憶が掘り返されてくるなコレ。

もちろん今回は舞台訪問が100%メインの旅行ではないつもり…だったけど、ここまで次から次へと矢継ぎ早に「ここ見たことある!」という場所が登場してくると、こうなるのはもう仕方ない。

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歩き疲れたら日陰でちょっと一休みしたりして。

どこを回ろうとか特に考えずに、あっちへフラフラこっちへフラフラ、疲れたら休む。

うん、正しい形で「散策」ができている。そんな気がする。

旅先で何やるかなんてその時まであまり決めてないことが多くて、その土地の良さげな場所に吸い寄せられるように移動していくのが常だったりします。このスタイルはたぶん今後も続けていくと思う。だって面白いし。

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その後は合掌造りゾーンを少し離れて、最初に訪れた棚田を再訪したりもしました。

この周辺はとくに人が少ないので、まさに自分の時間を一人で味わうには最適なんですよね。日陰になる場所も皆無なので暑いのは暑いけど、それもまたなぜか心地よかったりします。

白川郷の散策は続く

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ここで今回の同行者であるBOOBYさんと合流。時間がちょうどお昼頃なので山菜そばでエネルギーを補給します。

というのも、今日泊まる宿の食事の量が多そうな気配がしたので昼は軽めに済ませました。あとから振り返ってみるとこの判断は間違ってなかったな…(Part 2で触れます)。

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で、散策を続けていくわけですが。

あいにく気温の方は上昇する一方で、いくら北部の山間部で美濃地方よりは涼しいとはいえ、30℃を超えると屋外で長時間行動するのはなかなか厳しいものがあります。

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園崎家へ

というわけで、まずは避暑も兼ねて園崎家のモデルになった重要文化財の「和田家」を訪問してみました。

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和田家といえばこの白川郷で最大規模を誇る合掌造りであり、江戸期に名主や番所役人を務めるとともに、白川郷の重要な現金収入源であった焔硝(えんしょう、黒色火薬のこと)の取引によって栄えました。

村の中心的な立場であった背景から、まさに園崎家のイメージぴったりというわけです。

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拷問部屋に続く階段

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2階からの眺め(南方向)

往時には20人以上の人が住んでいたというこの合掌造り、一言でいうなら本当に広いです。

合掌造り自体が民家にしては相当大きいという認識を抜きにしてもとにかく広い。築300年の建物なだけあってその歴史の奥深さは半端ではなく、特に2階の全面的に黒光りした床や、太い柱や梁などの構造には圧倒されるばかりです。

そんな和田家を後にして再度村内をぶらぶらしていく中で、我々はある事実に気づいていた。

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それは、夏の白川郷には水の流れがそこかしこにあるということ。

白川郷周辺は観光地化されてはいるものの、村民の生活がほぼそのままの形で続けられており、合掌造りの脇には広さを問わず田んぼがあるのが普通の光景です。

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ちょうどこんな感じ。

その田んぼに水を送るために用水路があちこちにあって、夏場はそこを水が大量に流れているわけですね。

この光景がいい。

水の流れを実際に見たり、その水音を聞いたり水の冷たさを直に感じたりしてみて、どことなく懐かしい気持ちになりました。流れていく葉っぱをひたすらに追いかけて水路を走り回ったあの記憶。

夏の暑い中にあって涼を感じさせてくれると同時に、心にジーンとくる感覚に包まれる。これが夏の白川郷の効果なんですよね。

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その水もとにかく透明で美しく、清流といっても過言ではないくらい。

この水で育ったお米が美味しくないわけがない。新米の季節は9月なので、これはもう来月に白川郷を再訪するしかないのではと思えてきた。

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その後は水音に誘われて鯉が泳いでいるような場所にいったり、休憩がてらキンキンに冷えたラムネを飲んだりと自由極まりない散策を続ける我々一行。

夏ってこうあるべきなんだ、と心から感じられるような時間の過ごし方をしているのが自分でもわかる。

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山の向こうからもくもくと湧いてくる雲、そして一向に衰えを見せない日差しの強さ。

誰もが望んだ夏がここにあって、それを現在進行系で満喫できているのが幸せでしかない。本当に今日ここに来ることができて良かったし、ここまで晴れてくれたのは神様に感謝するしかないです。

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そして、気がつけば宿のチェックインの時間になってました。

一通り満足のいくまで散策もできたことだし、お目当ての宿でまったりすることにしますかね。

…むしろここからが今回の旅行の「本番」ということを知るのはこの数分後のお話。

Part 2に続きます。