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旅の記録、宿泊先や行程とか

【京柱峠~落合集落】平家落人伝説が残る秘境・祖谷をロードバイクで走ってきた

川から山へ

四国ライド2日目が始まる。

時系列的には仁淀川沿いを走った翌日で、気分的にはもう十二分に四国を堪能できた。でもどうせなら前来た時に行けなかったところをこの機会に訪れたいと思って、四国滞在を1日延長しました。

個人的には旅ってこういう風に適当でいいというスタイルで、抑えておきべきポイントは移動手段だったり宿だったりと最低限でいいわけです。ガチガチに行程を固めておく必要は、少なくとも今回はない。

で、その行きたいところというのは徳島県の山中に位置する落合集落という集落で、前回…というか昔ネットでこの集落の空撮写真を見たときからずっと訪れたかった場所です。特に、前日の「川」を堪能した行程とは変わって奥深い「山」を走り回る行程になり、気分的にも一転できそうだったというのも理由の一つ。

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ルートとしては県道32号を起点とし、まずは酷道で名高い国道439号を西へ進んで京柱峠を制覇。その後はそのまま下っていって落合集落を訪問し、帰りは祖谷を通って大歩危に帰還するという大雑把な行程にしています。

一番きついであろう京柱峠ヒルクライムを初っ端に持ってくることで、その後の散策を精神的に余裕のある状態で行いたかったのでこのような形になりました。まあ、徳島県に限らず四国は山ばかりなので自然とヒルクライムは発生しますが、やっぱり徳島の剣山周辺はそれが顕著な気がします(元香川県民)。

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京柱峠への入口となる豊永

それほど起伏のない県道32号を走り、いよいよ国道439号の入り口である場所へ到着。

このあたりは今までも何度か訪れていて、直近だとポジションが合っていない状態で四国を走って腸脛靭帯炎になりつつ阿波池田駅まで走ったときに通りました。実は今回でなくあのタイミングで京柱峠を走るつもりでしたが、流石に少し脚を動かすだけで激痛になる状態で上りを走るのは無理。

ただ、あの事件をきっかけにバイクフィッティングを受けようと決意したので、ある意味で怪我の功名なのかもしれません。実際にフィッティングを受けてから本当に楽に走れるようになったし。

さて、ここからが本番。

国道439号はこのブログでも何度か触れているとおり、まともに車で走ろうとするとなかなか厳しい箇所が多いです。そういう道こそロードバイクで走るのが実に合っていて、ロードバイクだと道が多少細かろうが路面が悪かろうが問題になりません。好きな場所で止まることもできるので、すれ違い時のトラブルも関係なし。まさに酷道を走るのにはうってつけの移動手段というわけです。

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豊永にはいくつか自動販売機があるので、ここで補給していくのが吉

酷道を走る上で重要になるのが、補給をどうするのかということ。

集落の途中に自動販売機があるケースも稀にあるものの、基本的には大きな国道や町の周辺にしか補給できる場所がありません。いつ給水できるのか正直分からないので、補給できるポイントを見つけたら迷わず補給しておく方がいいです。今回の場合だと、豊永駅前と「こんどうストアー」の前に自動販売機がありました。

冬場ならともかく、夏とか秋だと給水できる/できないで体力の持ちようが全く違うのでそこは注意ですかね。

京柱峠を目指す

さて、ここからは高知県と徳島県の県境に位置する京柱峠までひたすら上りが続きます。

といっても特に斜度がきついというわけではなく、最大で10%程度なので普通でした。ただ、酷道を目当てにした車が意外にもそこそこ通行するので、特にダウンヒル時はカーブの向こう側に常に意識をする必要があります。

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ずっとこんな道です

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たまに視界が開けて集落が登場したりする

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あとはもう無心で上るだけ。

ただ、低山のヒルクライムは別に修行というわけではないです。適度に木々が生い茂っているので日光が遮られて涼しいし、もちろん標高も徐々に上がっていくので暑さはむしろ気にならないレベル。あとは山道の途中のところどころに集落が現れてくるので、そういう意味でも新鮮味がありました。

しかし、四国を走っていると人家に出会ったときのありがたみが凄い。

四国はどこもかしこも人気がまったくないような道が多くて、でもそこを走っていくと想像もできないようなタイミングで民家が現れてきたりする。ついさっきまで心細さで押しつぶされそうだったのが嘘みたいに安心できるし、逆にこういう出会いを求めて四国を走っているような気になってきます。

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京柱峠に到着

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中央やや右の下あたりからずっと上ってきた

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峠付近には車が放置されていた。林業関係者?

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割と日が上がってるのに気温は24℃!涼しい!

そして、獲得1,000m程度上って遂に京柱峠(標高1,123m)に到着!

頂上からの眺めは素晴らしく、上ってきた麓も含めて四国の山々が見渡せるのがもう素敵すぎる。ヒルクライムはてっぺんからの景色が何よりの体力回復というけれど、まさにそれでした。

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冬季は通行止めになる京柱峠

で、ある程度の時間が必要になる区間はこれで終了。残りはそれほど上りがないわけだし、朝早く出発してきて正解だったといえます。

その瞬間瞬間を楽しむために時間を気にしすぎないことは重要ですが、長い目で見て行程全体の時間管理はやはり必要。このあたりの感覚はずっと旅を続けてきて培われている(はず)なので、かなり想定通りに進んでくれました。

落合集落へ

峠まで上ってくればあとはもう下るだけ。東祖谷を経由してそのまま落合集落を目指します。

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峠の下り

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下りなのでほっといても前には進むので楽…である一方で、道の様相は峠のこちら側の方が混沌としています。

舗装が剥げている箇所はもちろんのこと、苔むしていたり落枝があるのは日常茶飯事。高知県側の道は割と普通だったことを考えると、自治体の財政や補修の優先度の差が結構目に見えてました。

ただ、酷道439号の中ではこれでも比較的マシな部類に入ってます。少なくとも落ちたら死ぬという箇所はなかったし、普通に下ってれば危険はないかと。

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下っていくと次第に集落も見えてくる

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峠から下っていくこと数分すると標高も低くなり、山沿いに集落がぽつぽつと出現してきます。

ところで、こういう感じで山の中腹に集落があるのって、実は四国が一番多いんじゃないかと思ってしまう。四国はその面積のほとんどが山で占められていて、平地はごく一部しかありません。それだけに人が住む場所は自然と山の方へも移行してきて、自分は今実際にその居住地域を走っている。山そのものは当然ながら日本全国にあるものですが、「山+人々の暮らし」という面で見ると、四国にはそういう場所がとにかく多いといえます。

なので、自分みたいにその土地の暮らしを実感したいという人にとっては四国、もっというと徳島の山間部あたりはもう堪らないんじゃないかと思います。これほど険しい山域にこれだけの人々が住んでいて、そこには確かな生活圏が形成されている。普段の買い出しはどうしているんだろうか?とか、どういう風に春夏秋冬の季節に応じた生活をしているのか、とか。この景色を見ていると疑問が尽きない。

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県道32号との合流地点近くには商店があります

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そのまま下っていって、最終的には県道との合流地点に到着。

ここには商店があり、自動販売機以上の補給が可能です。普通の観光客であれば祖谷方面から剣山を目指すと思うので、この商店はまさに京柱峠経由で国道439号を通った人しか出会えない確率が高いはず。訪問したタイミングでは気温も結構高くなってきたということもあり、ここでアイスを買って食べることにしました。

ご主人とのお話も思いの外弾んだりして楽しかったのですが、ご主人によるとお店はなんと今年中で閉めてしまうのこと。高齢になりすぎたので続けられないとのことで、この流れは今後も止まりそうにないのが辛いです。

商店に限らず、人が運営する施設は遅かれ早かれ「引継」か「廃業」を選ぶことになるのは周知の事実。特に自分が好きな鄙びた旅館は後者の結末を迎えるパターンが多くて、自分にできることといえば早い段階で訪問するくらいしかない。景色そのものは未来でも見れるかもしれないけど、人々の生活というのはその限りではなくいつの間にか終わってしまうこともある。

これも何度も言ってますが、今この時期でしかできない体験を今後もやっていきたいです。

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東祖谷を走る。このあたりになると川面との高低差も高い。布団落としたら終わりそう…。

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国道439号はここにきて一気に交通量が多くなり、剣山へ向かう車で賑わっていました。

東祖谷小学校を通り過ぎてしばらく進むと、今回の主な目的地である落合集落の一番下(麓)に到着します。あの印象的な高度感はここではまだ姿を潜めており、すぐ側を流れる祖谷渓の流れを感じる程度でした。

ここからのルートは、大きく分けて3つ。

1つめは祖谷渓を渡って対岸に向かい、そこから上へ上ってこちら側の眼前に広がる落合集落を一望するルート。集落を一望できる場所には「落合集落展望所」というスポットがちゃんと整備されていて、ここからの眺めは抜群です。
2つと3つめは落合集落の中を走るルートで、祖谷渓の上流側と下流側から上る道がそれぞれ一つずつあります。ちょうど上に写っているのが下流側の分岐で、これを左に進むと落合集落へと向かうことができます。

ちょっと考えた結果、まずは展望所で落合集落の全景を満喫した後、対岸の道を上って集落に入るという感じで行くことにしました。

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祖谷渓の流れ

で、最初に目に入ってくるのが祖谷渓のほとりに形成されている集落のメインストリート。落合郵便局や床屋のほか、自動販売機がありました。(めっちゃ道が細いけど一応)国道に面しているということで、集落内で一番栄えているのはこの周辺だと思います。

床屋のお姉さんに展望台までの道を聞いて、その結果上の写真に写ってる橋を通ることになりましたが、ここは自転車やバイクでないと通れないっぽい。

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落合集落の最下層部

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メインストリートから橋を渡って対岸に渡り、そこからは坂道を上っていく。

今自分がいるのは集落の最下層なので、ここからどこかに行こうとするだけで自動的にヒルクライムをすることになります。しかも斜度が終始10%以上あってなかなかに辛かった。普通に歩いたほうが楽なレベル。

なお、坂道の途中には民宿もあったりするので、僻地に属するとはいっても宿泊は可能みたいです。

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展望所周辺にはトイレがあるので休憩に便利

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展望所の様子

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展望所からは向かいに見える落合集落が一望できる

そして、ついに今回の目的地である落合集落に到着。

ご覧の通り山の斜面に沿って上から下まで集落が形成されていて、上下方向に範囲が広い。山の中の集落といえばなんとなく想像はつくものですが、ここまで大規模に、しかもこんな奥地に集落が形成されているというのがもう素敵です。この景観は四国の中でも唯一無二のもので、国の重要伝統的建造物群保存地区にも指定されています。

この展望所からは落合集落が文字通り一望でき、そのスケールの大きさ(集落内の標高差はなんと390m!)を間近で実感できるのは言うまでもないこと。逆に集落の中を通っている最中はあまり実感できないので、最初にここを訪れるのがおすすめかと思います。展望所の近くにはちょっとした駐車場もあるので、国道から車で来ても問題なし。

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一番下に見えるのが、さっき通ってきたメインストリート。

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集落の下の方だけでなく上の方にも家屋が集まっていて、「住居は下、畑などは上」という感じで定まっている様子ではありませんでした。上の方に住んでいると移動がとてつもなく大変だろうな。

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ここまで引っ張っておいてなんですが、この落合集落には平家の落人伝説が残っています。

平家の落人伝説自体は全国各地にあって珍しさは特にない一方で、実際にロードバイクでこの地を走ってみて感じた「険しさ」は、まさに落人が住むにはうってつけの地だとは思いました。そもそも祖谷地方が日本三大秘境の一つとされている地であるし、どこへ行くにも圧倒的な坂道を通らないと行けないのは隠れ潜むのに最適と言えます。

実際に落合集落以外にも、有名な「かずら橋」をはじめとして祖谷地方には数多くの伝説が残っていることから、伝説じゃなくて本当に平家の残党が住んでたんだろうなと思わずにはいられない。パソコンを通して知り得た知識だけで判断するのもいいですが、やはり現地で味わった過酷さを鑑みると説得力がありますね。

さて、普通の観光だったらここで落合集落の訪問は終了して次の目的地へ向かうところ、今回の行程もいつも通り散策がメイン。向こう側に見えている集落の中を走らなければもったいないということで、一旦ダウンヒルをしてから上り返すことにしました。

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その前に、集落内で唯一?の飲食店であるそば屋で昼食

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ただ、ここまでの行程で食べた食料がアイスのみというのはちょっと辛いものがある。

そこで、ダウンヒルした後の国道合流地点からほど近い場所にある「そば道場」というお店で昼食にしました。付近を見ても特に飲食店らしき場所は他になく、特にロードバイクで移動する場合はここが良さげです。他の飲食店としては、ここから下流に向かって祖谷方面に進めばいくつかありました。

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注文したそば定食

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そばがき

注文したのはそば定食で、温かいそばとご飯のほかにそばがきが付きます。

場所的に山の中でそばの生産が盛んであることとは別に、だいぶ気温が上がってきていたので味が濃いものは食べづらい状況。そばのさっぱり感が予想以上にすんなりと胃に入ってくれて、単なる栄養補給以上の感動がありました。

というか、個人的に旅先での食事はそばやうどんなどが多い気がする。

大抵の場合は旅館に一泊することになるので夕食の量が多い=昼食は少なめに=そばかうどんという思考回路になっているので、昼にガッツリ食べるという機会が少ない。日帰りだったらもう少し食べてもいい気がするけどね。

落合集落内を走る

そんな感じでお腹も膨れたところで、早速集落内に突入開始。

落合集落へ至る道はすでに述べたとおり川の上流側と下流側に一箇所ずつあって、ちょうどそば道場の近くに上流側の入り口があったのでここから入りました。

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が、集落内の道の斜度が生活用道路とは思えないくらいに急で焦りまくる。

家の前の道路でボール遊びでもしようものなら制限なく下に転がっていくことが予想されるし、自転車どころか徒歩で移動するのもかなりの困難が伴います。集落内の標高差が390mもあるという特徴は伊達ではなく、冗談抜きに普段の生活でどのように移動されているのか疑問に思ってしまう。足腰が尋常でなく強靭なのだろうか。

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集落の中腹には昔ながらの茅葺屋根の建物が保存されており、中を見学できるようになっています。

実は落合集落はその成り立ちや立地から、この建物のように古いものが多いと思っていました。しかし実際にはそうではなく、最近建てられたっぽい新しい家屋と、茅葺屋根の建物が混在しているような感じになっています。いい意味で流動性があるのか、世代の交代が全く進んでいないというわけではない様子。

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この時点ですでに眺めがよすぎる件。正面に見えるのは小学校の跡か。

標高が高いとはいえすでに夏の気温になっていて、影になっている縁側に座ってくつろぐのが本当に気持ちいい。しかも山の斜面に位置しているので風通しがよく、ここで寝転んでいるとそのうち寝てしまいそう。

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さらに上を目指す

あと、集落内には茅葺屋根の建物を宿に改装した「桃源郷祖谷の山里」の棟が各所に存在しており、予約をすればここに宿泊できるようでした。ちょうど上の写真の右側に写っているのがそれで、部屋で区切られているわけではなく一棟まるごと貸し切りになるみたい。なので他の人に気兼ねなくひとときを過ごせる形になるわけですね。

さらに、上記のようなスタイルであることから滞在中は門限もなく、外出も自由。宿はナンバーロックシステム(ナンバーを入力して施錠、解錠する)を採用しているので鍵の受け渡しもなし。強いて言えば食事の提供はなく、用意されている調理器具を使用した自炊のみなのでご注意を。しかも、周囲に食材を調達できるような店は見当たりません。

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頂上付近からの眺め。対岸に先ほど居た展望所が見える。

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国道との合流地点まで下ってきた

そんな感じで坂道と格闘しながらの散策は続き、最終的に満足した後は下りに下って国道への合流地点に帰還。

水平方向への移動距離は大したことはないものの、上下方向への移動距離が他の地域では考えられないくらいにしんどい。こういうときは、ロードバイクよりも徒歩の方がいいのかもしれません。

ただ、考えようによってはこの上下方向への奥行きは集落の広大さを実感できるので、個人的には案外好きだったりします。最下層では川の流れを間近で感じることができ、そこから上へ登っていけば山の高さ、そして吹き抜けていく風の心地よさを身体で味わうことができる。

車などを使って一瞬で移動するのも便利ですが、ロードバイク特有のスピードから生み出される「徐々に景色が変わっていく」感が、この落合集落での散策をより良いものにしてくれた。

祖谷を走る

京柱峠、そして落合集落での散策を終えたので、あとはもう消化試合。

祖谷渓の流れに従って下流へ進み、スタート地点へと戻りました。

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祖谷渓のすぐ近くにある東祖谷小学校

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四国特有の眺め。道の両側に家屋が立ち並び、その向こうに山がそびえている

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かずら橋にも立ち寄りました

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今日も一日いい天気だった。

思い返してみれば、今回の行程は徳島の道を駆けずり回って人の存在に感動する、というのを繰り返していたような気がする。

酷道と呼ばれるような険しい山の中にある険しい道を走り、そこで出会う家屋に人々の生活を感じる。そこを超えて剣山方面へ向かえば、目もくらむような高所に形成された集落に同じ思いを抱いた。そして川を下っていっても一帯の奥地感はとどまるところを知らず、山の斜面にへばりつくように建っている家に心を奪われてしまう。

非日常感を味わうために旅をしている自分ですが、普段の生活ではこんな気持ちになることはもちろんない。公共交通機関は乏しくて訪れるには多少の困難がつきまとうとは思うけど、今回徳島の山中を訪れてよかったと思っています。

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大歩危駅

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最後は県道32号から県道45号へと走り、大歩危駅を横目に見ながらスタート地点に帰還。

道が道なだけにパンク覚悟で準備をしっかり行ってきたものの、トラブルもなく走りきれて何よりでした。

おわりに

四国というところは、本当に何度訪れても面白い。訪れる場所だけでなく、季節によっても実に様々な顔を持っているので自然と足が向く土地だと思ってます。今回訪れた落合集落にしても、夏ではなく秋だったらまた異なった印象を感じると思う。

ロードバイクで走るようなところではないと言われればそれまで。でも、ロードバイクの速度で堪能する山奥の空気はこれ以上ないくらいに美味しくて、坂道の疲労がまるで気にならないくらいに良い時間が過ごせました。

楽しかった!