「映画氷菓」 舞台訪問

昨年の11月に公開された「映画氷菓」の舞台訪問に、行ける範囲で行ってきたのでご紹介します。

もくじ

超簡単解説

映画氷菓は米澤穂信原作の小説〈古典部〉シリーズの第一作目である「氷菓」を実写映画化したものです。主人公・折木奉太郎を山﨑賢人、ヒロインである千反田えるを広瀬アリスが演じました。

原作のメディア化としてアニメ版、コミック版に続き実写映画として新たに公開された形となります。

〈古典部〉シリーズの変遷

上の画像は主な登場人物である古典部メンバーのビジュアライズ化の変遷をまとめたものです。

ストーリーとしては、

「やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことなら手短に。」をモットーとする〝省エネ主義〟の折木奉太郎は、姉の命で部員ゼロ&廃部寸前の古典部に入部する。そこに〝一身上の都合〟で入部してきたのが、お嬢様の千反田える。一度好奇心を刺激されると、「わたし、気になります!」と大きな目を輝かせ、誰にも止められない。えるにひっぱられ、奉太郎の潜在的な推理力が開花し、学園に潜む謎を次々と解き明かしていく。そんなある日、奉太郎はえるから、33年前に起きたある事件の謎を解明してほしいと依頼される。旧友の福部里志、伊原摩耶花も加わって4人となった神山高校古典部員たちは、事件の真相に迫ってゆく――。 (公式HP)

という内容です。詳細は映画を見てね。

折木奉太郎(山﨑賢人)
千反田える(広瀬アリス)

原作〈古典部〉シリーズは現在6冊目「いまさら翼といわれても」まで刊行されています。

原作の小説版の展開についてはここでは詳しく触れませんが、とっても面白い(語彙力)のでぜひ原作を読んでみてください!

場所

映画氷菓のロケ地についてはエンドロールで確認することができます。

今年の3/21に発売されたBlu-ray&DVDを見てみたところ、以下の場所が載っていました。

[町]

  • 高山市
  • 飛騨市
  • さくら市
  • 安中市
  • 川口市

[場所]

  • 高山市図書館 煥章館
  • 岐阜県立斐太高等学校(米澤穂信先生の母校)
  • 群馬県立安中総合高等学校
  • 群馬県松井田高等学校
  • 新島学園中学校・高等学校
  • 栃木県立足利工業高等学校
  • 旧吉田家住宅歴史公園
  • バグ・パイプ
  • 高山シティホテル フォーシーズン

高校が舞台となっているだけあって、ロケもほとんどが学校で行われています。

実在の高校へは当然ながら入れませんので、今回は赤字の場所を訪問しています。加えて、私がエキストラ撮影に参加した廃校(旧喜連川高校)にも足を運んでみました。

関東

実写化の噂が流れた際は、アニメ版と同様に飛騨地方が舞台になるのかどうかが気になっていました。

実際には一部の町並みの風景を除き、ほとんどのシーン(といっても学校のシーンが多く、町並みのシーンはそうでもない)が関東地方で撮影されています。

旧吉田家住宅

千反田えるの家のシーンで使用されている場所です。

雰囲気的にはアニメ版でえるの家のモデルになった静岡県掛川市の「加茂荘」に近いです。撮影場所を決める際、似たような場所を選んだのかもしれません。

旧吉田家住宅
【営業時間】9:30〜16:30
【利用料金】大人¥200、一年間パスポート:大人¥500
【休園日】毎週月曜、ただし開園日であっても見学制限がある日があるのでHP確認のこと
【駐車場】乗用車46台(無料)
【HP】http://former-yoshida.jp/

最寄りの駅から付近へのバスも出ています。アクセス等についても詳しく記載されているのでHPは要チェックです。

建築年は嘉永7年(1854年)と非常に歴史ある建物です。


入口となる長屋門。門をくぐってすぐ左側に受付があります。


書院(東室/西室)前に広がる庭。この場所は奉太郎達が訪問したとき以外に、えるの幼少期のシーンでも登場してました。係の人しか立ち入ることができませんので垣根の外から望遠で撮影。


なかなか無理があるアングル。主屋から書院に向かう廊下を庭側から撮影しているようですが、角度的に厳しい。


えるの叔父である関谷純が登場する印象深い場所。新座敷から裏庭側を見たアングル。真ん中付近にある格子のついた窓の部屋は、奉太郎が推理を行った部屋です。


古典部四人が推理会をした部屋。書院の中ですが、作中では東室/西室間の襖が取り払われています。


奉太郎が推理を行った部屋。作中では窓際に棚とかいろいろ置かれているようですが、実際には何もありません。窓のすぐ外が関谷純のシーンの撮影場所です。

旧吉田家住宅の風景

私は加茂荘の雰囲気が好きで毎年夏頃には花菖蒲鑑賞と合わせて訪問しているのですが、加茂荘と旧吉田家住宅の建物内の様子は非常によく似ています。

それぞれ庄屋と牧士の屋敷なのでどちらも規模が大きく、敷地も広い。どちらも保存状態がいいので映画・アニメのロケに使用されているという点も同じ。

屋内でゆっくりしているだけでも十分楽しめます。

初めて訪れたこの日は2017/11/3の映画公開日。東京で舞台挨拶付上映を見た後、エンドロールで場所を確認してそのまま向かったのでカット合わせが全くできていません。それに閉園時間ギリギリだったのでゆっくり見て回ることができなかった…次はのんびりしたいです。

旧喜連川高校

屋内外問わず学校のシーンで登場。

【訪問日:2017年11月2日】

栃木県立喜連川高等学校は2006年に栃木県立氏家高等学校と統合し、栃木県立さくら清修高等学校になりました。その跡地が映画氷菓のロケ地の一つとして登場しています。

どうやら栃木県は県内のあらゆる場所をテレビドラマ・CMなどの様々なジャンルのロケ地として極的にアピールする方針のようで、採石場跡や農場、廃校などを有効活用しているみたいです。

栃木県フィルムコミッション(http://www.tochigi-film.jp/index.php)のサイトを見ると、実際に栃木県でロケを行った作品を確認することができます。

駅からはだいぶ離れた場所にあるので、車があったほうがいいかもしれません。

撮影が行われた旧喜連川高等学校近くにある「道の駅きつれがわ」では、映画公開にあわせて2017/11/1(水)~11/30(木)の間、撮影風景写真等の展示が行われていました(今回の訪問日は11/2、映画公開日の前日)

展示内容を見るとわかりますが、冒頭の奉太郎が校舎入り口→教室へ向かうシーンや古典部の部室、職員室、文化祭のシーンなど、学校に関するシーンの撮影場所としてはかなりの割合を占めています。

これ以外で撮影場所がわかったのは、

  • 図書室→栃木県立足利工業高等学校
  • 「神山高校五十年の歩み」のシーンで登場した渡り廊下&美術室→岐阜県立斐太高等学校
  • 校庭→群馬県立安中総合高等学校

くらいです。エンドロールには上記で上げた四校以外にも高校が載っていますが、どのシーンで登場するのか分かりません(^_^;)

その高校の出身者でもなければ特定するのはなかなか難しいです。

正門前からでも古典部部室がギリギリ見えます。

見学できるのは敷地外からだけなので中の様子は分かりません。

飛騨

飛騨地方の撮影場所は、大きく分けて高山市と飛騨古川市に分類できます。

前者の方は、アニメ版の舞台訪問で高山を訪れたことがある方なら気づきやすい場所ばかり。探すのも非常に楽でした。公式の方でも映画氷菓の舞台訪問MAPを作成されていますので、アニメ版の訪問と合わせて回るのもいいかもしれません。

弥生橋

宮川朝市の北端に位置する弥生橋。作中のシーンとしては、

  • 奉太郎・える・里志の三人で下校中、入部届のやりとりをした場所
  • えるが古典部員に関谷純の話を初めてした場所
  • えるの家に行く前に奉太郎と里志が待ち合わせた場所

で登場しています。

弥生橋全景。

左下の方には本来アニメ版OPで登場した小さい橋がかかっているのですが、大雨で壊れて以降修復されていません。

橋の上。

橋の下の河川敷、上流方向。ここもアニメ版OPで登場しています。

ある程度町中にあって、人通りが比較的少ないので撮影場所に選ばれたのかなと思います。ここより南側・古い町並み付近に行くと観光客だらけで撮影どころではないので。

「ごめーん↑待ったぁ~?↑」は完全にアニメ版へのオマージュですね。

弥生橋付近は春になると桜スポットになります。撮影している人もあまりいないのである意味穴場。

バグパイプ

もはや説明不要の聖地。

アニメ版でモデルになってからというもの、「氷菓」の聖地といえばここ!というくらい人気があるお店です。店内にある巡礼ノートを見る限り、毎日誰かしらファンが訪問しているようです。

バグパイプ
【営業時間】9:00~18:00、日曜営業
【定休日】不定休

一番下、入り口入って左の奥から右手前を見ているアングルについては、実際には冷蔵庫があるのでカット通りにはいきません。

なお、二人が座っているのはアニメ版で奉太郎とえるが座っていたのと同じ席です。カフェシーンの撮影場所をここにしたのもアニメ版の影響かと。

氷菓ファンだけでなく観光客も多く訪れるお店なので、この席に座るのはなかなか困難です。経験上、平日の開店直後に行けば高確率で空いていますが、それ以外は大抵席が埋まっていることがほとんどです。

ここはなんといっても雰囲気が素晴らしい。店内にはそこかしこに壁時計がかけられており、針の音を聴いているだけでも癒やされます。

メニューも非常に豊富なので、どの季節に訪れても満足できると思います。

高山市図書館 煥章館

説明不要の聖地その2。(HP:http://www.library.takayama.gifu.jp/)外観がかなり特徴的なのでわかりやすいです。

アングル的に高所から撮っているようです。

上の場面のすぐ後で里志が展示を見ていましたが、あの場所は2Fにある近代文学館です。許可を取れば屋内でも撮影ができますが、ネット上への公開はNG。

この図書館の魅力のひとつはその利用のしやすさにあると思います。

  • 開館時間:午前9時30分~午後9時30分
  • 休館日:図書整理日(月末日/月末日が土・日・祝日に当たるときはその前日)、図書蔵書点検日(11月第4日曜日から7日間)、年末年始(12月31日~1月3日)

読書したり勉強したりするには最適の場所で、休館日が非常に少ない上に開館時間も長い。こんな図書館が近所にあればと何度思ったことか…。

続いて飛騨古川市のカットです。

奉太郎の家のシーン。場所は「君の名は。」の展示が一時期行われたいた「さくら物産館」の横。今宮橋のすぐ近くにあります。

ポストは撮影時に設置したようです。

奉太郎と里志がえるの家に向かうシーン。少し分かりづらいですが、宮川にかかる古川バイパス上から千代の松原公園方面をみたアングルです。二人が自転車で渡っているのは蛤橋という橋で、実際に渡ってみましたが幅は2mくらいでした。

以上、簡単ではありますが「映画氷菓」の舞台訪問記録でした。

学校が舞台なので、行くことができる場所はかなり限られます。


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