- Part 1:室堂~五色ヶ原キャンプ場
- Part 2:五色ヶ原キャンプ場~薬師峠キャンプ場
- Part 3:薬師峠キャンプ場~三俣蓮華岳キャンプ場
- Part 4:三俣蓮華岳キャンプ場~双六キャンプ場
- Part 5:双六キャンプ場~新穂高温泉
毎年お盆の時期は長期休暇が得られるため、普段ではなかなか日程的に厳しいような縦走に行くのが個人的な恒例行事になっています。
去年は白馬岳から扇沢まで縦走しましたが、今回は北アルプスを縦走することにしました。
概要
当初予定していた日程はこちら。
- 1日目:室堂~剱沢キャンプ場
- 2日目:剱沢キャンプ場~五色ヶ原キャンプ場
- 3日目:五色ヶ原キャンプ場~薬師峠キャンプ場
- 4日目:薬師峠キャンプ場~三俣蓮華岳キャンプ場
- 5日目:三俣蓮華岳キャンプ場~双六キャンプ場
- 6日目:双六キャンプ場~南岳小屋テン場
- 7日目:南岳小屋テン場~穂高岳山荘テン場
- 8日目:穂高岳山荘テン場~上高地
ご覧の通り、剣岳・薬師岳・黒部五郎岳・鷲羽岳・水晶岳・槍ヶ岳・大キレット・北穂高岳・奥穂高岳・前穂高岳を縦走して上高地に下山するルートとなっています。この中でメインとして考えていたのは前半の室堂~槍ヶ岳のルート。この間はまだ歩いたことなかったのでぜひ歩いてみたいと思っていました。
ただ天気や怪我、身体の調子によっては早期下山も十分ありえるし、最初からこの行程すべてを歩けるわけではないことはわかっていました。
結局、実際に歩いたルートは以下の通りです。
- 1日目:室堂~五色ヶ原キャンプ場
- 2日目:五色ヶ原キャンプ場~薬師峠キャンプ場
- 3日目:薬師峠キャンプ場~三俣蓮華岳キャンプ場
- 4日目:三俣蓮華岳キャンプ場~双六キャンプ場
- 5日目:双六キャンプ場~新穂高温泉
すべてテント泊。剱岳と槍ヶ岳以降の山をスルーして双六小屋から下山しました。
下山した理由は天候の悪化によるものです。双六小屋に到着した時点で天気は大雨で、さらに翌日以降も温帯低気圧の影響で雨が降るとの予報でした。
自分は山そのものに登る達成感よりも、壮大な景色を見ながら歩くことを優先しているので、ガスってて展望が悪い中ずっと歩くのは抵抗がありました。そこで思い切って槍ヶ岳から先へは行かず、下山となりました。結果的にはこの判断は間違っていなかったと思います。
準備
準備といっても、持っていくものはいつも通りです。
夕食はアルファ米+肉味噌orレトルト、朝食はガスを使いたくないのでフルグラにしています。行動食はようかんと柿ピー、それからドライフルーツ。
自分は朝昼晩の食事をすべて山に持ち込むスタイルなので、縦走期間が長くなれば当然持っていく食料の量も増えます。つまりザックが重くなります。特にレトルト系が重く、かといって他の食事に切り替えるのも面倒なので昔からこうしているのですが結構大変。今後はザックを軽くするために食事は極力山小屋でとるようになるかもしれません。
出発
アクセス
大阪から夜行バスに乗り、早朝に富山駅前に到着。4列シートだったので大して眠れませんでした。数をこなすうちに夜行バスでは一応寝られるようにはなったんですが、熟睡はできません。夜行バスで熟睡できる人は本当にすごいと思う。
富山駅からは交通機関を乗り継ぎ、今回の縦走の出発地点である立山・室堂に向かいます。
室堂は立山連峰の玄関口であり、立山黒部アルペンルートの中間地点に位置しています。
立山黒部アルペンルートは標高3,000m級の峰々が連なる北アルプスを貫く世界有数の山岳観光ルートで、総延長37.2km、最大高低差は1,975mです。
そのほぼ全区間が中部山岳国立公園内にあります。富山県側の立山町「立山駅」から長野県側の大町市「扇沢駅」まで乗り物を乗り継ぎ、いくつもの景勝地を通って気軽に、雲上に広がる立山黒部の雄大な大自然を満喫することができます。
室堂へは前述のように長野側/富山側の両方からアクセスすることができますが、富山側から行くほうが金額が安く済みます。
かなりの過密ダイヤなので何も考えずに行っても問題ないと思います。でも始発便に乗って早朝から登山を開始する人が多いです。
いきなりの雨
富山駅前で適当に朝食を済ませ、電鉄富山駅で始発便を待ちます。
駅構内へのシャッターが開く30分ほど前から人が並び始め、最終的には50人以上が並んでいました。
繁忙期はどうやら窓口へ行く前に駅員さんが並んでいる人に目的地を聞いてまわるようで、乗車金額も一目でわかるようになっています。
あとはこの紙を窓口に提出するだけで券が購入できます。ちなみにカード払い可。
富山に着いた直後は、道路の濡れ具合を見るについさっきまで雨が降っていたようです。このまま雨が降らなければいいのになと思っていたのですが、始発便が駅へ入ってくる時間くらいから大雨が降ってきました。
もともと一週間前からずっとこの日程中の天気は毎日欠かさずチェックしていたし、週末になるに連れてどんどん悪い予報になっているということもちゃんと把握していましたが、とりあえず現地に行ってみて判断するつもりでした。
なので現地確認のためだけに富山まで来た形になります。
悩んだ結果、登山開始
電車・ケーブルカーにバスを乗り継いで室堂に到着。時間的に考えて、下界からだと最速で登ってきたはずです。
なんていい天気なんだ…!(棒)
ターミナルの外は大雨でしたが、バスを降りて立山散策に向かう人は結構いるようです。
この時点で「このまま縦走を始めるか、それとも下山して観光に切り替えるか」を本気で悩みました。実は悩んでいる間、同じようなコースを縦走する方々と世間話をしていたのですが、その方たちは下山されるようでした。
そりゃこれだけ天気が悪ければ下山を選択するよね。
天気予報を確認した限り明日以降も快晴とはいかなそうな雰囲気だし、展望がないまま歩いても楽しくないしなとか考えてましたが、1時間ほど待つと雨が止んだことをきっかけに縦走を開始することに。
結論から言うと、このとき下山しないで正解でした。
下山していれば雲ノ平周辺の景色も見れなかったわけだし、後日の剣岳日帰りもできませんでした。今思うと「山なんだから天気はすぐに変わるでしょ」くらいの軽い気持ちで歩き始めたのかもしれません。
浄土山(2,831m)を越えて龍王岳(2,872m)に至る頃には雄山方面の雲が晴れました。
ちょっと前までは雨が降っていたのに、本当に山の天気は変わりやすい。
と思って晴れたと喜んだのも束の間、龍王岳から獅子岳(2,714m)に向かう途中でまたガスってきて展望はなくなりました。
このあたりはまだ残雪があるので注意が必要です。
晴れたりガスったりと差が激しい。
ただし、標高が1,000mほど下にある黒部ダム方面は常に晴れている感じでした。
ザラ峠(2,348m)に到着。
ここまで来れば五色ヶ原キャンプ場まではもうすぐです。
五色ヶ原キャンプ場へ
ザラ峠を越えてから五色ヶ原山荘/キャンプ場周辺一帯は木道となっており、通行する際はこの上を歩いていくことになります。
ザラ峠から直接キャンプ場へ向かう道もありますが、キャンプ場を使用する場合は五色ヶ原山荘で手続きが必要です。看板が出ているのでこのあたりは迷うことはないでしょう。
五色ヶ原山荘に到着。室堂からCT5時間程度です。
キャンプ場でも水は確保できますが、生水は飲用不可(後述)なので山荘で手に入れたほうがいいです。
山荘からキャンプ場までが地味に遠いです。10分と書いてますが正直信じられません。
特にキャンプ場→山荘は上りになっているためかなりしんどい思いをすることになります。キャンプ場へ行く前に山荘での用事は済ませておいたほうがいいと思います。
キャンプ場の様子はこんな感じです。かなり広いので、よほど混んでなければ張るスペースには困らないかと。
水場は黒部湖へ下る道方面、トイレのすぐ横にありますが、「沢水ですので煮沸してお飲みください」と書いてありました。
本当は煮沸するなりろ過するなりして飲むのが普通だと思います。自分はそのまま飲んでみましたが特に問題なし。
あとトイレには紙はありません。必要なら自分で持ってくる必要があります。
この日は午前中の天気はかなり悪かったものの、昼過ぎからは時折晴れ間が覗くような、山ではよくある天気に変わりました。
このときの感想は、本当に縦走を始めてよかったのだろうかという不安が50%、なんとかなるやろという楽観的な希望が50%という感じ。
現に今日は晴れのほうが多かった印象でしたし、明日以降もそこまで天気が悪くなることはないだろうと自分に言い聞かせていました。
続きます▶【五色ヶ原キャンプ場~薬師峠キャンプ場】夏の北アルプス大縦走2018 室堂~新穂高 Part 2/5 - TAMAISM
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