【日帰り温泉】砺波の秘湯 庄川湯谷温泉旅館を訪ねてきた

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楢峠ヒルクライムの道中に

富山を出発して岐阜県との県境にある酷道・楢峠を上るライドの道中に、その途中にある日帰り温泉に立ち寄りました。

その名も庄川湯谷温泉旅館

場所的には砺波平野と山間部との境である庄川峡付近に位置しており、国道156号を通って五箇山方面に行く場合や、私のように国道471号を経て楢峠を目指す方にとってはちょうど分岐点になります。

庄川湯谷温泉旅館

所在地:富山県砺波市庄川町湯谷235
交通:JR城端線砺波駅からバス約20分、北陸自動車道砺波ICから国道156号経由、約9キロ
泉質:ナトリウム・カルシウム - 塩化物・硫化塩泉
効能:きりきず・やけど・慢性皮膚病・虚弱児童・慢性婦人病など
温泉:内湯2(男湯、女湯)
営業時間:9:00頃~17:00頃、木曜定休日
料金:¥500

いずれにしてもちょうどいい場所にあるので、行程の最初や最初に立ち寄りやすいため秘湯としては訪問しやすいと言えます。

ここ富山には南砺市と砺波市と2ヶ所の「湯谷温泉」があり、今回訪問した温泉は庄川にあることから「庄川湯谷(しょうかわゆだに)温泉」と区別されています。

温泉の前には私設のバス停があり、このすぐ横に専用の駐車場があります。

湯谷温泉旅館への道は幅が狭く、さらにかなり急なので階段の手前に自転車を置きました。

階段を下りきると目的の温泉旅館があります。

庄川峡・小牧ダムのほとりに佇んでおり、事前情報がないと素通りしてしまいそうになるくらいひっそりとしていました。

見たところかなり立派な建物で「温泉旅館」の名の通り宿泊施設かと思いきや実はそうではなく、昔は旅館の経営をされていたそうですが現在では日帰り温泉のみ営業されているとのことです。

館内散策

まずは玄関から。

定休日と営業時間、それに料金が示されているくらいで、人の気配がありません。事前情報によれば無人の日帰り温泉という話で、セルフでお金を置いて温泉に入りに行けば良いようです。

こういうお客さんを信用しきった素朴な光景が実に良い。なんというか人間の性善説を認識することができて、こころなしか温かい気持ちに満たされます。

このあと奥の方から女将さんがいらっしゃったので、温泉の場所などを伺ったりすることができました。時間帯によっては買い物に出かけたりされているそうなので完全に無人となるようです。

温泉までの道のりの雰囲気がとにかく良すぎる。

実を言うとこの旅館の場所しか知らなくて、営業時間とか料金については全く知らないまま訪問してました。そしてここに到着したのがちょうど営業を開始する午前9時。なので当然のように自分以外に訪問者はなし。

そんな静寂な状況下で温泉に至るまでの旅館の道中をゆるゆると散策していて、その事実だけで入浴料の¥500の元がすでに取れている。

旅館を閉業された当時のまま時間が止まっているような、そんな錯覚に陥ってしまう。

建物としては受付+客室がある棟と客室のみの棟の2つがメインで、後者については客室一室あたり六畳のようです。さらにこれらの客室はめちゃくちゃ長い廊下を挟んで左右にずらっと並んでおり、そこをゆっくり歩いていくときの情緒深さが最高。

電灯の類は一切ないので頼りになるのは窓から差し込んでくる自然光のみ。つまり場所によっては明暗の差が大きく、これによって秘湯感がさらに増幅されている。

そんな廊下を過ぎると階段があり、ここから屋外に移ります。

目の前には庄川峡にかかる小牧ダムのダムサイトが広がっており、階段はその庄川のほとりに続いているようでした。

何やらドーム状の構造物が下の方に見えます。

浴室への階段を下ってゆくと、途中からは仮設の柱が立てられ周囲をブルーシートで覆ってあります。これは平成16年の台風23号による増水で流出してしまったそうで、以来この状態が続いているようです。

こんな状況でも営業されているのは本当にありがたい。

男湯と女湯はそれぞれが階段部分とアコーディオンカーテンで仕切られているのみで、それを開くとコンクリート打ちっぱなしの脱衣場があります。

室内は棚があるだけで非常にシンプルな構造。

なんと言っても、脱衣場の棚の敷板が湿気で変形しているのが良すぎる。こういう何気ない部分でも昔から使われてきたんだなということが分かるのが素敵です。

温泉

肝心の浴室はこちらで、正直これほど驚いた温泉は他になかったと思う。扉を開けてすぐに階段があり、その下がもう浴槽という他に見ない構造でした。

写真の通り洗い場も蛇口も椅子も何も無く、いきなり浴槽になってます。かけ湯をするスペースどころか桶すらない。いや、よく見ると浴槽の外側、木枠との間に若干ですが浅い部分があり、ここで身体をゆすいでから入ってねということなのかもしれません。

浴槽については写真の左側が脱衣所側に潜り込むような構造になっており、なんか洞窟内っぽい感じも楽しめます。周囲の構造はモルタルで、経年劣化で全体的に色褪せているのが見て取れます。

上部に目を向けてみると、向こう側の女湯とは完全に仕切られているわけではなく、上の方でつながっているようです。さらにドームの天井には天窓が設けられており、日中の採光はもっぱらこれで確保している模様。

旅館の歴史を如実に感じさせながらも、古めかしいといったマイナスの要素を全く感じさせない良さがある。これはぜひとも実際に入ってみてほしい。

お湯はというと若干ぬるめで、ちょうどこれからヒルクライムしますという前段階的な意味では適度な温度でした。かといってぬるすぎるかというとそうでもなく、浴室の密閉感も相まって冬場でもヌクヌクできそう。

お湯はご覧の通りシーソーのような可動式の管で供給されており、男湯側の管をお湯の中に下げると、反対に女湯側の管が上がるようです。女将さんに先ほど伺ったところこのお湯は飲めるとのことなので、管を上げて飲んでみました。

結構な勢いで吹き出ているものの、ポンプなどの動力は一切使わずに自然の力だけで湧き出ているとのこと。なのですぐ横の川の流れの水量によっても勢いが変わるのだとか。

大量のお湯が文字通り湯水のように常時投入されていて、当然ながら完全掛け流し。浴槽の外側の浅い部分でトドみたいに横になってると居心地の良さから寝そうになるくらいに気持ちよかった。

いつ営業を終了されるか分からないほど鄙びているものの、今すぐにでも再訪したい思いに駆られる、そんな素敵な温泉でした。

おしまい。

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