やっと全国の都道府県で緊急事態宣言が全面的に解除され、県外への旅も表立ってできるようになりました。
県外への移動自粛もそうですが、私の身の回りでもお気に入りの飲食店が徐々に通常営業に戻っており、少しずつですが以前のような日常が戻ってきているような気がしています。
私の方も旅をちょっとずつ再開していく予定で、今回はリハビリも兼ねて車載で行けるような近場を走ってきました。
茶畑
行き先は静岡県のほぼ中央に位置している、牧之原市や菊川市、それに掛川市周辺です。静岡県といえばお茶の生産量が日本一。地域によって茶の味わいは異なっており、製法も異なるそうです。
実は、新茶の季節である5月上旬~中旬頃にはこれらのお茶の生産地である茶畑が新芽一色になり、それはもう素敵な風景が楽しめるとの情報を得ていました。時期は少しずれてしまいましたが(今は2番茶の時期)、せっかくなのでお茶を味わうことを目的に行ってみました。
高速のインターを降りてちょっと見渡すだけでもそこら中に茶畑が広がっていて、今回はその中でも自転車で走ると爽快感をより味わえる牧之原台地周辺が主な目的地です。
牧之原(牧之原台地)は、静岡の中西部、大井川の西側に位置しており、牧之原市、菊川市、島田市、掛川市にまたがっています。ここに限った話ではないのですが、こういう農道を兼ねた道って良さげな風景に出会っても途中で車を停める場所がなかなかありません。自転車ならばある程度はスペースを気にせずに走ることができるし、今回のような散策にはもってこいです。
牧之原台地の茶畑の特徴はというと、なんといっても台地ならではの傾斜が素晴らしいこと。
平地に見渡す限りの茶畑が広がっている風景も見応えがあるけど、このように一帯が傾斜していることによってより奥行き感を感じられるというわけです。
というか、風景を上から見渡せるのは本当に素敵。極論を言うとドローンを使えば空撮とかで場所を選ばずそれが楽しめるものの、自分で実際に現地を走って出会った風景ってやっぱり感動するし、ここまで上ってきたご褒美と考えれば自分はこっちの方が好きです。
景色的には森の中を走るのと開けた場所とが交互にやってくる上、民家のすぐそばにもこじんまりとした茶畑があったりするので景色の移り変わりがほんと楽しい。
そんな朝もやに包まれた茶畑を自転車で走らせていると、突然山の側面に大きな「茶」という文字が見えてきました。
これがかの有名な粟ヶ岳の茶文字で、ヒノキの植林によって描かれた文字の大きさはなんと一辺が130mもあるとのこと。鮮やかな緑のお茶畑越しに個性的な景観を演出しています。
その茶文字から西へ向かうにつれてさらに景色がどんどん素敵になっていく。
茶畑って列ごとに規則正しく並んでて、それがなだらかに連なってて絨毯みたいに地面の上に敷き詰められている様子がとても良い。右を見ても左を見てもそんな風景が続いてるし、台地を走っているという感じが十二分に味わえます。
気がつけば季節ももう6月終盤。
山々も美しい緑に包まれるようになり、太陽の日差しとのコントラストがとても綺麗に映るようになりました。
さらに南下していきます。
道で言うと県道234号から国道473号、それから県道233号あたりの平野部の雰囲気がいいです。台地の高低差は若干収まり、今度は平原の中の茶畑空間を縫うように道が走っています。交通量もそこまで多くないし、何より茶畑道路がワインディングしててすごく走りやすい。
自分と同じようにサイクリングしてる人も何人か見かけたので、ここはやはりポタるには最適な道ということか。
抹茶ジェラート
これだけ茶畑の中を走ってきたのだから、これはもう是非ともお茶を味あわないと収まりがつかない。
ということでそれを満喫できる場所にやってきました。
ここグリンピア牧之原は製茶工場で、工場見学やお茶摘み体験ができるほかにも煎茶、紅茶・健康茶・茶器などの販売も行っています。
とにかくお茶に関するものなら一通り揃っているのでおみやげとして立ち寄るのもベスト。
ここに寄った目的は、絶品と名高いななやの抹茶ジェラートを食べること。なんでも世界一濃い味で有名らしいです。
ななやは藤枝市に本店があるお店で、当然ながら本店でも抹茶ジェラートは人気なのでいつ行ってもかなりの混み状況らしいです。逆にここグリンピア牧之原(牧之原店)は国道1号バイパスからかなり離れていることもあって、自分が行ったタイミングでもそこまで混んでませんでした。
牧之原店の周りは茶畑に囲まれているので静かだし、ゆっくりしたいならこっちの方がおすすめ。
まず何に驚くって、ジェラートの種類がめっちゃ多い。抹茶だけでも濃さに応じて7種類もあります。
今回はせっかくなので「ジェラートダブル」を注文してみました。抹茶の濃さが真逆にあるNo.1とNo.7の組み合わせがスタッフオススメとのこと…。果たしてどんな味がするのか。
きました。
上に乗っているのがNo.1で、抹茶の濃さがこの中だと一番薄いので色もそれ相応の薄さです。
しかし、早速食べてみた感じではそんなに薄さは感じませんでした。むしろ抹茶の味がしっかりしてて非常に美味しい。この日はかなり蒸し暑かったこともあり、この冷たさが身体に染み渡って気持ちいいです。
No.1を食べ終わると下から世界一濃いNo.7が顔をのぞかせます。
もうその色からすぐに分かる通り、No.7はめちゃくちゃ濃いです。牧之原台地のお茶の特徴である葉肉が厚く力強い味わい、それに濃い緑の水色が相まって、非常にコクが深くて美味い。
甘さは確かに皆無なものの、かといって苦すぎるというわけでもないのが不思議。いくらでも食べられるくらい苦味のバランスがいいというか、自転車に乗ったあとで若干の疲労感が漂う身体にスッと入っていくようなすっきり感があります。
No.1との落差もこれ以上ないくらい感じることができるので、ジェラートはダブルで食べてみるのがGood。
水分補給は、これまた店内で購入したお茶。
茶畑の中を走って抹茶ジェラートを食べながら緑茶を飲むという、もうお茶づくしの体験ができました。
加茂荘へ
お茶を楽しむポタはこれで終了し、菊川市を経由して掛川市に向かいました。
田園地帯をのんびり流して加茂荘花鳥園に到着。
毎年この時期になると花菖蒲が咲き誇ることで有名なスポットで、自分も毎年欠かさず訪れています。
美しい花って、ただそれだけで心が休まるというもの。
天気の方も次第に晴れてきてくれて、日差しに染まる色彩が目を潤してくれます。
ここでちょっとカメラの話をすると、先日購入したばかりのα7lllの測光モードがとても優秀でした。
測光モードには各社色々あって、Sonyの場合は通常の「マルチ測光」「中央重点測光」「スポット測光」に加え、「ハイライト重点測光」と「画面全体平均測光」が搭載されています。
メーカーのHPによれば、
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ハイライト重点測光は画面内の最も明るい領域を自動で検出し、そこに重点を置いて測光することでハイライト部の白とびを防ぐもので、主要被写体がスポットライトを浴びる舞台撮影などで有効です。
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画面全体平均測光は、画面全体の明るさを平均して測光します。構図変化に対してAEが安定しやすくなり、AE動作の予測が容易になります。
とのことで、画面全体平均で撮っているだけでも割と自分の目で見た通りの光の当たり方を出してくれます。
自分は常用を画面全体平均、明暗の差が大きいところはハイライト重点に切り替えて撮影するようにしていて、後者は白飛びを自動で防ぐように測光してくれるのがとても便利です。
今回のように室内から屋外を眺めるような構図があっても、何も考えずに撮るだけでOK。D750を使っていたときはマルチ測光にしていたとしても白飛びする場合がちょくちょくあったので、撮影のときに楽になるのは助かります。
おわりに
静岡県は海もあるし山もあるしでロードバイクに限らず魅力的な県。
今回はその中間である平野部を中心に走ってみました。浜松から磐田、袋井~島田あたりの道はすごく走りやすいし、お茶を中心にグルメも十二分に楽しめます。これからもちょっと走りに行きたい気分になったときはまた訪れたい。
おしまい。
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