【大沢 間垣の里~垂水の滝~見附島】ロードバイクで夏の奥能登沿岸を旅してきた

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この土日は全国的に天気が不安定で、さらに台風も近づいてきていることから旅は控えました。とはいえ家で閉じこもっているのもアレなので、どこかしらに行って気分を発散したいと思うのがいつもの思考回路。

今回は近場の石川県を訪問することにしました。

もくじ

能登半島をゆく

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海沿いを走るのは先週の広島以来で、瀬戸内海と日本海の違いはと聞かれてまず思い浮かぶのが風の強さじゃないかと思います。風の強さは波の強さにも関係してくるので、とにかく日本海は荒々しいという言葉が似合う。

実際には夏だとそこまで強いとは感じないらしいけど、台風の影響なのか定かではないものの、この日も予想通りの強風に出鼻をくじかれました。

いくら脚を回しても全然前に進まない。

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あとは地形的な影響もあって、平坦な道ばかりかとたかをくくっていたら坂道の多さに精神を削られる一方。

道自体も車がようやく一台通れるような幅員でカーブも多く、半島の北側はヒルクライムコースそのものといった様相が広がっています。

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そんな地域に突如として出現するのが、この間垣と呼ばれる垣根。

上大沢町と大沢町にはこのような間垣を張り巡らした集落があって、さながら城壁のような堅牢さを感じさせます。

間垣とは細い竹をびっしりと隙間なく並べてつくった垣根のことで、日本海から吹き付ける冬の風から家屋を守るためのものだそうです。冬は風を防ぐので暖かく、夏は陽射しを遮るすだれ的な役割をしてくれるのでとても涼しそう。

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さっき「集落」と書いたけど、奥能登にはこんな感じの家々の集まりが点在しています。

田畑もなにもない道がしばらく続いたかと思えば、いきなり視界がひらけて集落に入ったり。その逆もあったりします。その地域全体に家屋がポツポツとある感じではなくて適度に密集している。

密集している分、生活共存空間が強固に形成されている感がよりひしひしと感じられ、自然と生活をともにしている様が強く伝わってきました。

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この二箇所の集落は海沿いに面してはいるものの、たどり着くまでには結構な山越えをしなくてはなりません。まして冬ともなれば陸路を行くのは至難の業、打ち付ける荒波と強風に耐えながらの集落の暮らしが目に浮かぶようです。

その土地の気候や地形、そしてそこに住んでいる方の生活は如何様なものなのか。それを直に感じながら散策するのは実に面白い。あれこれと想像も膨らむし、どのような場所であっても生活のぬくもりを実感できるのが旅の醍醐味の一つだと思いました。

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能登半島の北海岸を西から東に走っていき、輪島市街地を超えるとアップダウンも若干ゆるやかになってきます。

同時に手頃な砂浜も現れるようになって、さっきまでの区間と比べると地形的にも開けてくるので開放感があります。でも、集落の間のなにもない区間というのはやっぱりあって、集落の外れを抜けて海沿いの人気のない道を走っていくとかなり寂しい気持ちになれます。

さっきも書いたけど、この辺りは本当に冬の環境が過酷なところ。比較的人通りが多い夏であってもその寂れた雰囲気はそのまま感じられるし、一人で走っていることもあってなかなか感傷的な気分になりました。

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ひたすら海沿いを走って、名所である垂水の滝に到着。

川を経由せずに山から海へ直接注ぐ滝は珍しく、さらに強風によって流れる水が上空へ舞い上げられることも多々あるとか。どの景色を切り取ってみても、能登半島は厳しい自然がすぐそこにあるということを思い知らされます。

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そんな滝の様相にとどまらず、荒い風や波の影響を如実に実感できるのが浜辺に転がっている無数の丸い石。打ち付ける波の強さによって石同士がぶつかり合い、最終的にはまん丸になってしまっているわけです。

その石が波で転がされるたびにゴロゴロと小気味よい音をたてるのですが、この音が実にいい。穏やかな海域では決して味わうことができない音なだけに、自分はいま日本海に来ているという事実を目や耳で感じることができます。

景色だけだとネットで見る写真だけで十分なんだけど、やっぱり現地に足を運ぶのは風景全体を五感で楽しめるから。

その場所を吹く風の強さだったり、波の音だったり、陽の光の眩しさだったり。こればっかりはその場所を実際に訪れてみないとわからないし、逆に言うと自分はそれを味わいたいからこそ、ここに来ているとも言えます。

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波の飛沫をすぐ近くで十二分に浴びた後は、垂水の滝のすぐ近くにある滝見亭さんで昼食をとりました。

日本海でとれる海の幸をふんだんに使用した海鮮丼は能登では非常に有名で、なんの気なしに注文したのにも関わらずそのボリュームに驚くばかりでした。お店の前の風景を眺めながらいただく海鮮は何倍にも増して美味しく感じられたし、旅先ではやっぱり現地の食を満喫するのがいい。

海に行けば海、山に行けば山の名物を堪能する。そこでしか味わえないものを食べられるって本当に素敵な体験だと思います。

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そのまま禄剛崎を経由して珠洲市沿岸を走り、最後は見附島周辺をぶらぶらしてから帰路につきました。

ここまで能登半島を色々と散策してみて、能登半島は場所によって全く異なる顔を見せてくるのが魅力の一つだと思いました。もちろん半島そのものが非常に広いというのもあるけど、アップダウン地獄で小さい集落がたまにある場所もあれば、見附島周辺のように波も比較的穏やかで海沿いを気軽に流せる場所もある。

1回訪れるだけでここまで様々な風景を楽しめるところもなかなかないと思います。

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特に半島の東部分にある見附島~恋路海岸~九十九湾周辺はほぼほぼ平坦で走りやすかったし、全体を1泊2日くらいでのんびり一周してみるのも面白そう。今後訪れるときはまったりキャンプライドしてみようかな。

実のところ、この次の日も石川県周辺を散策したい気持ちが俄然強まったものの、日曜日の天気が悪そうだったのでそのまま直帰となりました。まあ一度で全部回ってしまうのも味気ないし、次回への持ち越しと考えれば再訪の欲も湧いてくるというもの。

石川県はただ単に散策する目的でもまた訪れてみたい。


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