【下呂~飛騨高山】「氷菓」舞台訪問 ウインナーココアを飲みにロードバイクで神山市を訪ねてきた

今回も県内を走っていく。

今週末は天気予報が曇りっぽかったので当初は家にこもる予定だったのですが、日曜日については案外晴れるような気配がしたため走りに行くことに。

ただ、どこに行くのかはかなり悩みました。

そもそも県内についてはあらかた走った感あるし、近所を走るにしても特に目的もないまま走るというのはなんか味気ない。自分がロードバイクに関して自主練とか一切してないのは、これが一番の理由だったりします。

もくじ

氷菓を見ていたら

そんなことを考えながら、労働終わりの金曜日の夜に個人的お気に入りアニメの氷菓をぼんやり眺めていたとき…。

うん。そうだ。神山市いこう。

千反田さんがウインナーココア飲むシーン見てたら自分も飲みたくなってきた。ちょうど季節は冬。寒い飛騨地方を走って神山市(作中に登場する町の名前で、高山市のこと)までたどり着き、そこで温かいウインナーココアを飲む。それはどんなにか美味しいことだろう。

我ながら実に単純な動機だけど、一旦決めたらもう行きたくて仕方なくなってくる。これは…完全に優勝する予感しかしないのでは?

というわけで早速出発。

神山市へ

今回の行程は至って単純で、下呂温泉をスタートして高山市まで行き、そこから折り返して出発地点に戻ってくる感じです。

下呂温泉を起点に選んだ理由もまた単純明快で、ライドが終わった後にすぐ温泉に入りたかったから。

普通だったら運動の後は汗を流したくなるものですけど、冬なのでがっつり汗をかくというよりは寒さをなんとかしたいというのが率直なところ。下呂温泉には公衆浴場など日帰りできる温泉が複数あるのが決め手になりました。

飛騨小阪の町並み

高山市を目指していくわけですが、往路(約50km)については特にルートを考えることもなく、目の前を通っている国道41号を無心でひたすら北上するだけ。

全体的に地味な上りがずっと続くものの、がっつり上るというわけではないのでそこまで疲れません。というか国道41号は肉体的にというよりも、どちらかというと精神的に疲れる。

なぜかというと、交通量がとんでもなく多い上に車の平均速度がめちゃくちゃ速いから。

詳しく言うと65~70km/hくらいが最低ラインで、車によっては80km/hとかも普通に出してます。もう高速道路かよってレベルなので個人的にはそう何度も運転したい道じゃないです。以前70km/hで走ってて後ろから煽られたし…。

しかもこれ乗用車だけじゃなくて大型トラックとかも当たり前のようにこの速度で走ってるので、ロードバイクで走るのはかなり怖い。もっとも、明るい時間帯だとトラックの出現率が多少減るのでそれほど恐怖感はありません。

飛騨川のほとりを縫うように走っている国道41号は景色的にはそれほどですが、地形的には実に岐阜県らしいといえます。

川の両側がすぐ山になっている影響で日差しが遮られており、特に午前中だと日向と影の部分の明暗差や温度差が激しい。冬も終わりに近づいているとはいってもまだまだ朝方は冷えるため、走っている途中で日向に出る度に太陽の温もりを有難がったりしてました。

逆に影の部分が続いたりすると途端に寒くなるのでスピードを上げたりもするし、ただ走っているだけなのになかなか面白い。


そんなこんなで、いつの間にか久々野に到着。

ここでちょっと道路の話をすると、久々野から先、飛騨一ノ宮との境界には宮峠(標高782m)という峠があって、昨年の12月にこの峠を避けるために宮峠トンネルが開通しました。なんでも、宮峠付近は急勾配や急カーブが連続していて横転事故や大雪によるスタックが度々発生していたため、それを回避する目的らしいです。

このまま進んでいけばその宮峠トンネルを通ることになるので、今までとは違う風景が拝めるはず。

だったのですが…。

自転車通れません

なんか車しか通れないっぽい(泣)

この場合ってどうなるんだろう。ロードバイクは今まで通りの宮峠越えルートを走れということ?

というわけで宮峠へ

仕方ないので、見覚えがありまくる宮峠を越えて飛騨一ノ宮へ下っていきます。

途中の道には「この先通行止め」という看板が出ていたので、現在ではこのまま"車では"高山へは行けないようですね。ただ、この道を不通にするとは考えづらいので、新しい道路との接続が終わるまではこの形式を取るってことみたい。

この眺めほんと好き
飛騨一ノ宮(一之宮町)の眺め

個人的にかなり好きなのが、宮峠を越えた先のこの景色。折り重なるように田畑が続いていて、その先には集落、そして山がバックに控えている。これを見るとようやく飛騨地方に来たという実感が湧きます。

高山本線に乗って高山を訪れるときも同様だけど、飛騨一ノ宮って高い位置から平野部を見下ろすように視点が移っていくので自然と雄大なスケール感を感じることができる。朝の時間帯が終わって気温も上がってきており、そのせいで辺りに靄が出ているのがさらに良い。

ところで、宮峠トンネルへ続く新しい道路との境界部はさっきの看板の通り通行止めになってました。ただ、右手方向に狭い道が続いていて、歩行者と自転車はそれを通って高山方面に向かうことが可能です。

もうすぐで春

飛騨一ノ宮へと下ってきたところで、このまま高山まで寄り道せずに行ってしまうのは面白くない。

なので、自分が毎回訪れているところに今回も寄ってみました。「氷菓」のアニメ版最終回でも登場した水無神社です。

やはり、ここはいつ来ても良いところだ。

境内が程よく広いってこういうことを言うんでしょうね。確かに一般的な神社と比べると広いんだけど、広すぎて落ち着かないというほどではない。建物の配置や木々の高さが本当にちょうどよくて、開放感と圧迫感の中間地点のような心地よさがある。

どれくらい快適なのかというと、時期がもう少し暖かかったら境内で無限に時間を過ごせそうになるくらいかな。

「寒くなってきたな」「いいえ、もう春です」

確かにもう少しで4月。春は遠いようで実は近い。あれこれ考えている間にすぐやってきそうなほどですが、今年の生きびな祭りは一体どうなるんでしょうかね。まあ十中八九、去年と同じような神事形式になると思いますが。

ちなみにこの時間帯(9時)で気温は5℃くらいで、この日着ていった装備がジレだけだったのは若干後悔しました。立ち止まっていると寒すぎるし、ネックウォーマーがあればよかったかも。

バグパイプへ

ひとしきりまったりした後、高山市街へ移動。

状況が状況なので観光地である高山には人は少ないのではと思っていたところ、案外そうでもなかったです。特に古い町並みは結構人が多くて、ふらっと回るつもりだったのについ避けてしまいました。

それ以外の場所については相変わらず閑散としており、ごく一部の場所に人が集中するのは特に変わっていない様子。

そして、(もう何回訪れたのか正直覚えてない)バグパイプに到着。

昼過ぎの時間帯ということもあってすんなり入れました。ここに限らず高山の喫茶店を訪れるのは昼過ぎとか夕方が多いのですが、毎回人が少ないので落ち着いた時間を過ごすことができます。逆に午前中とか15時とかだと散策中に休憩したくなった観光客ががっつり入ってくるので、その時間を避けるようにするのがおすすめ。

そして、こちらがバグパイプの名物として有名なウインナーココア。やはり高山を訪れたのならこれは外せないところじゃないでしょうか。

バグパイプは飲み物や軽食のメニューが結構豊富で、温かい飲み物系が美味しく感じる秋や冬だけでなく、季節を問わずにおすすめできるお店だと思います。今回は道中に何も食べていなかったこともあり、バタートーストを一緒に注文しました。

日曜日の昼下がりに喫茶店で遅めの朝食をとる。店内には掛け時計のカチコチ音がゆっくりと流れていて、特に何をするわけでもなくウインナーココアをすすり、窓の外の景色に目をやったり、ふと考え事をしたり。こういう時間を味わっていると、本当に高山が近所でよかったと感じますね。

そういえば、自分が退店するタイミングで氷菓ファンっぽいカップルが入店していたので、アニメ放送から9年経った今でもバグパイプは名が知られているようです。そうか、もう9年も経つのか…。

不動橋
櫻山八幡宮

去年の夏に完成した行神橋を渡る
飛騨国分寺

その後は適当に市街地をぶらぶら散策。

この「適当に」というのが大事で、何も考えずに思考停止状態で散策できるというのが高山の良いところ。何回も訪れている場所だからというのもありますが、観光地ということで「観光しないといけない」みたいな空気があまりないのが高山の特徴だと思います。

通りを一本入るだけで途端に住宅地になったりするし、人気のない路地裏に出たりもする。寺や神社も多いので、散策が好きな人にはグッと来る町じゃないかなというのが私の考えなわけ。

ここから下呂温泉まで帰るわけですが、その前に昼食を済ませることにしました。さっき一応朝食はとったけど、流石に食事があれだけというのはお腹が空いてしまう。

個人的おすすめの「桔梗屋」

お昼は、せっかくなので高山ラーメンにしました。

高山で有名な食べ物の一つである高山ラーメン。もちろん高山ラーメンを提供しているお店は星の数ほどあって、規模が大きいお店からこじんまりとしたお店まで様々です。中には完全に観光客向けに全振りしているようなところもあり、特に観光スポットである古い町並み周辺はそれが顕著。

そんな中で、大通りから一本入った狭い路地に位置する桔梗屋は、店の雰囲気も含めてお気に入りのお店。ラーメンは実にあっさりとしていて実に美味しく、地元の方に愛され続けている人気店です。

自分としては新たな店を開拓したいという気持ちもあるものの、だんだん面倒になってきたので単純に今まで訪れた中で好きな店を訪問する回数が増えているという状況。高山にはいつでも来られるんで、そろそろ真面目に開拓しようかな。

その後は、国道41号を引き返すルートは除外してせせらぎ街道(県道73号)方面に舵を切り、西ウレ峠を経由して下呂温泉に帰還。

ライド後の温泉が予想を上回る気持ちよさで、やっぱり冬といえば温泉だよなと思わざるを得ない。せせらぎ街道周辺は標高が高いので、午後になってもそこそこ寒かったのが逆に良かったともいえます。

おわりに

今回はこんな感じで、ほぼリハビリのためのライドでした。

1ヶ月?2ヶ月?ぶりにロードバイクに乗ったら走り方を完全に忘れていたので、余計に疲れたのは内緒です。まあ毎回の旅でも1日の走行距離の上限がこれくらいなので、全く走れなくなっててもあまり問題はないわけですが。疲れたら休めばいいし。

次に高山を訪れるのは、春。また満開の桜を満喫したいです。


本ブログ、tamaism.com にお越しいただきありがとうございます。主にロードバイク旅の行程や鄙びた旅館への宿泊記録を書いています。「役に立った」と思われましたら、ブックマーク・シェアをしていただければ嬉しいです。

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