- Part 1:那覇空港~海中道路~浜比嘉島
- Part 2:古宇利島~備瀬のフクギ並木
- Part 3:万座毛~残波岬灯台~座喜味城跡
沖縄ライド初日が終了し、翌日であるこの日はうるま市から名護市を目指すことになる。
ただしお天気の方はあまり良くなく、完全に移動日に割り当てたので道中の過程はばっさりカット。といっても途中で目的としていたスポットについては特になかったため、後述する有名なお店で昼食を取った以外は特筆すべきところはなし。なので、ほぼノンストップで名護市に到着しました。
ソーキそばの名店へ
強いて挙げるとすれば、米軍施設をチラ見したくらい。
この日にメインで走った国道329号沿いには有名なキャンプ・シュワブがあり、その前を通過する機会がありました。でも警備員がそこそこいて物見遊山的な感じではなかったし、ここの前が結構な坂道なので立ち止まるのもめんどくさい。なのでブレーキングしながら横目で見ましたが、まあわざわざ見る類のものではなさげ。
沖縄には米軍基地が多数あるのは周知の事実なんですが、実際にこの目で見てみるまではその広さというか、規模がイマイチ分かってませんでした。
でも、これがまた予想以上に広かった。
特に南の方はその割合が広くて、ロードバイクで基地のすぐ脇の道路を走ってみると巨大さがよく分かる。しかもそこだけ別の町が形成されているし、なんというか異質。
そんなことは置いておいて昼食のお店のご紹介。
この日の昼食に選んだのは、沖縄を代表する料理の一つであるソーキそばの名店・宮里そば。
ソーキそばはその名の通り、ソーキ(スペアリブ)が入った沖縄そばのことを指します。薄味のスープとでかい肉という組み合わせがまさに自分好みで、以前から暑い日であってもすいすい胃の中に吸収されていくくらいに食べやすい印象を受けていました。
宮里そばは創業40年の老舗店で、名護市、いや沖縄では知らない人がいないくらい有名な沖縄そば店の一つ。
当然ながらめちゃくちゃ混雑してて、テーブルが空くまでにちょっと時間を要しました。ただ、次から次へと人が押し寄せてくる一方で回転率は非常によく、長時間待つということはなかったです。
そしてこちらが件のソーキそば。
これがもう絶品中の絶品で、名護市で昼食の場所に困ったら迷わずここに行けと胸を張って言えるくらいにおすすめ。
スープはくどさを全く感じないあっさりとした風味で、これで太めの麺がよく合う。さらにソーキはじっくりと煮込まれており口の中でほろっと崩れるちょうどいい硬さで、しかも肉の味付けとスープとの相性は抜群。麺料理の肉って硬いところはとことん硬いものだったりしますが、宮里そばでは手間ひまをかけているのか、その心配は全く無いです。一緒に入っている昆布もよいアクセントになっていて、全体を通しての満足度が非常に高い。
食べ続けて飽きがこない味というか、何回でも食べたくなる味だった。多分今後も名護市を訪れた際には間違いなく再訪するだろうし、そのときもその旨さに感動していると思う。
宮里そば、心からおすすめできる名店でした。
古宇利島を目指して
この日は安めの宿で一泊し、翌日は自分にしては早い時間に宿を出発した。予報によれば滞在3日目である今日が最も天気がよく、自分としてはこの日に行きたかったところを回れるように行程を調整したつもりです。
天気というものはどうにもならない存在である一方で、自分でできる範囲内では晴れ間を得られるように努力したい、というのが人間というもの。今回もその点については天気予報とにらめっこしながら行程を熟考したので、あとは天に任せるだけ。
初っ端に目指すことになるのは、名護市の北側に位置する今帰仁(なきじん)村。ここには古宇利島と呼ばれる島があって、そこの景色が良さそうだったので訪問スポットに加えました。
昨日に引き続いて島の訪問が多いような気がする。南の島って一番大きな島を中心にして、周囲の小さな島に橋で渡れるようになっているところが多い。だから橋を渡る機会は必然的に多くなるのかも。
国道505号から県道248号へ右折し、そのまま下り基調の道を走って到着したのはここ。
本島側にある屋我地島とその先にある古宇利島を結ぶ古宇利大橋。
その南端部分にはちょっとした駐車場があって、これから向かうことになる古宇利島や、その回りの海を眺めることができるというわけです。出発時点では夜明けからそんなに時間が経ってなかったので空が白んでいたけど、ここにきて時刻はようやく朝。徐々に空が澄んだ青色に染まってきて、自分のテンションも上がってくる。
ここからは古宇利大橋を渡って古宇利島へと渡っていく。
古宇利大橋は距離こそ長いものの、海面との高低差はあまりありません。海との距離が近いので海中の様子もよく見えるし、何よりも海上を滑っていくかのように移動ができるのは素晴らしいと思います。
自動車でここを渡っていると、車道と海との間に歩道があるために若干見づらい。空は問題なく見渡せるけど、海を見ながら走れるか?というと微妙なところ。
しかしロードバイクだと歩道を走ることができるので、自分が海を渡っているという実感が得られやすいというわけです。
古宇利島は橋のたもとである南方に店や宿が多く、それ以外の土地はこじんまりとした集落がぽつぽつあるという感じ。
今回は外周沿いをぐるっと一周しましたが、その広さの割には比較的宿が多かったです。あと泳ぐ場所も多くて、特に島に入ってすぐのところにある古宇利ビーチではそこそこ人を見ました。ただ、それ以外の場所は本当に人が居なくて、人目を気にせずに南国感を味わいたいという場合にはもってこいのスポットだと思います。
沖縄はとにかく車中心の社会で、地元民・観光客を問わずにどこかに行くという場合は車での移動がメイン。逆に言うと車で簡単に来ることができなかったり、駐車が難しいところには人があんまり居ない。それを逆手に取って、ロードバイクの機動性を活かして散策をするのが良さげかな。
それにしても天気が良すぎる。
今日はなんか晴れそうだとは思ってましたが、ここまで雲ひとつない快晴だとは思ってなかった。
自分の視界を画角とすれば、真ん中を堺にして空と海の青色が切り替わっている。しかもその青色の質が全く異なっていて、空は蒼色、海は碧色という感じで同じ青色でも受ける印象がまるで違うから不思議だ。空気や水の透明度が関係していると思うけど、どっちの色も大好きな色だから嬉しくなってくる。
頭の中で想像していたような沖縄の風景そのものが目の前に広がってて、これを求めて移動してきた自分としては欲求通りの体験ができて喜ばしい限り。晴れているおかげで海の色がより鮮やかに目に映り、その影響で空もより清々しい色へと変わっていくように感じられる。
まるで互いの色が互いの色をアップデートしているような、そんな感覚。本当に今日ここに来てよかった。
また営業しているかどうかは別にして、ここ古宇利島やお隣の屋我地島にはカフェや飲食店が多い様子でした。
今回は時間の関係でこのあたりは移動がメインになってしまったけど、時間に余裕があるなら立ち寄ってみるのがいいと思う。ちょっと一休みしながらいただく冷たい飲み物の美味しさは格別だろうな。
フクギに囲まれた集落へ
古宇利島を後にしたところで、早速次の目的地を目指していく。
今帰仁村から国道505号を走って西側に移動したところにある本部町には、沖縄最大の観光地と言っても過言ではない沖縄美ら海水族館がある。水族館自体がとてつもなく広いし、ここで滞在するだけで時間が溶けていくのは間違いない。
でも、そこからちょっと離れたこの場所も散策するにはおすすめです。
それは、集落の中にフクギの並木が延々と続いている備瀬のフクギ並木というところ。
沖縄といえば海、とばかり思っていた自分にとってはとても印象深い場所で、個人的には今回訪れた中で一番好きになったスポットでもあります。
伊江島を臨む海岸線、そこに広がるここ備瀬集落付近にはフクギと呼ばれる木が並木状に植えられていて、台風から集落を守る天然の防風林として大切にされてきたんだそう。これほどの規模を誇る場所は沖縄でも有数で、沖縄の原風景が今も残されている貴重な場所といえます。
フクギ並木は道全体を覆うように成長しており、そこに一歩足を踏み入れればもう非日常の世界。視界を覆い尽くす緑色の木々や葉に圧倒されつつも、わずかに差し込んでくる木漏れ日の温かさが精神を和らげてくる。
透き通った海とは別の意味で癒やしを与えてくれるのが、この並木の特徴だと思います。地面はというと土ではなく砂でサクサクとした感触が心地よく、いつまでもここに居座っていたくなるくらい。
フクギ並木は自転車でも普通に通行できるほか、レンタルサイクルも充実しているので周囲の散策と合わせて回るのがおすすめ。もちろん、自然の力を体感しながらのんびり歩いてみるのもよし。
フクギ並木には猫が多かったです。
向こうから寄ってくるかと言うと微妙なところですが、海に近いだけあって猫が多い。被写体になってくれる子も多かったし、割と人間に慣れているようです。
木々が生い茂っているところばかりな上に影になっていて過ごしやすいのも関係してるっぽくて、散歩しているというよりは、地面に横たわってゴロンゴロンしている子が目立ちました。
猫がいる風景って、途端に平和になるから不思議だ。
しかもただそこにいるだけで絵になるし、猫と一緒に撮影する風景はワンランク増しで素敵な写真になる気さえしてくる。猫に好かれやすい体質だったらこういうときの撮影が楽そうでなんか羨ましい。個人的には岩合さんみたいな人になるのが理想。
もちろんこの備瀬にもビーチがあります。
フクギ並木からまっすぐ北に向かって突き当たったところにある備瀬崎ビーチがそれで、すぐそこにあるちょっとした離れ小島も含めて浅瀬が多く、シュノーケリングとか海水浴とかに便利そうな感じ。
海岸線沿いには歩きやすいように道も走っているので、並木を通って来てもいいし、海を眺めながらのんびり歩くのも気持ちいいです。自分はちょっとここらで一休みし、影になっているところで延々と沖合の船を目で追ったりしてました。
確かに時間は有限だけど、その時間の使い方は各人が決めればいいもの。
いつもの自分だったらロードバイクで気になった場所で立ち止まる散策スタイルが主ですけど、ここまで良い環境だとむしろ休憩のほうがメインになってしまいそうになる。移動と散策、そして休憩をいい感じのバランスで配合していくのが良い旅のコツ。
備瀬集落の様子はこんな感じで、並木や石垣の奥に家屋があるという形式になっています。
これだけ並木がしっかりしていれば台風のときも安心で、そうして今まで残ってきた集落なだけに雰囲気の良さは抜群。伝統的な琉球建築が多く、やっぱり並木に囲まれているのであまり近代化感がないのもグッと来ました。散策中に確認した限りでは民宿も多いみたいだし、すぐそこは海だしで過ごしやすそう。
並木道の向こう側に普通に海が見える。
フクギ並木を通ることで海の存在を一旦忘れさせておいてからのこれなので、ふと海が見えたときの意外感もなかなかのもの。濃い緑と水色のギャップがまた素晴らしい。
散策のメインの「フクギ並木通り」は全長3kmほどあって、それと直行したり並行したりといった風に他の路地へも繋がっています。中には裏路地ともいえるような道幅の狭い小さな並木道がそこかしこにあって、思わず足を停めて立ち止まってしまうこともしばしば。
自分だけのフォトスポットを探してみるのも面白いかも。
備瀬を離れる際には人懐っこい猫に出会えたりして、なかなか先に進めないという事態にもなったりしました。
向こうからずんずん近寄ってきて頭突きばっかりしてくるし、何言ってるか分からないけどにゃんにゃん言ってきて嬉しい。お腹をモフっても怒らないという珍しい子で、正直に言うとここで10分くらい遊んでました。猫が寄ってきたことで認められた感も得られて、精神的にも大満足。
こういう出会いもあるから散策はやめられない。
というわけで、Part 3に続きます。
コメント