洞川温泉 桝源旅館 大峯山修験道の行者宿に泊まってきた

今回は、洞川温泉の桝源旅館に泊まってきました。

奈良県吉野郡天川村にある洞川温泉は標高約820mの山里に広がる温泉街で、夏は涼しい反面冬は厳しい寒さに閉ざされます。同じ奈良県内であっても市街地とは気候はもとより雰囲気もまるで異なっており、より一層の静けさを感じられるのが特徴。

洞川温泉は深山幽谷に分け入って修行することによって神秘的な力を得、 自他の救済を目指そうとする信仰=修験道の中心道場・大峯山の麓にあり、行者講(大峰山に登拝する在俗信者の組織)の宿場として古来から栄えてきた地です。信仰的にも非常に重要なこの地は登山的な意味でも便利なところで、すぐそこに山上ヶ岳や稲村ヶ岳への登山口があることから、短期でそれらの山に上る場合には拠点として便利な場所です。

もくじ

修験者を癒やす地

以下、簡単な洞川温泉の歴史について。

  • 修行地としての歴史は古く江戸時代からあるが、温泉自体は観光客を呼び込もうと始めたもので比較的浅い(50年ほど前)。
  • 70年ほど前にこのあたり一帯を焼く火事があり、温泉街の建物はいずれもその後に再建されたもの。

昔は完全に修験者や参詣者のための宿場だったのが、温泉が掘削されたり道路が整備されたりと一般観光客にも人気の温泉街になっています。

以前に吉野から本宮まで大峯奥駈道を縦走したときにこの地の存在を知り、そのときは麓に降りることなく大普賢岳方面を目指したために訪れることはありませんでした。今回訪れるにあたっては暖かい時期だと混みそうな予感がしたので、逆に思いっきり寒い時期を選んでの訪問です。

洞川温泉の旅館はいずれも各地域の行者講ごとに定宿が決まっており、今回泊まった桝源旅館もその中の一つでした。

館内散策

本館

洞川温泉の温泉街は観光案内所の前にある赤い橋を渡った先に続いていて、まっすぐだった道がこの桝源旅館のあたりで右方向にカーブしています。その先に広がる中心部の景色も相まって、桝源旅館は散策の途中でも印象に残りやすい場所でした。

桝源旅館は本館と別館から構成されており、お互いに道を挟んで向かい合っています。この内、今回泊まったのは別館でした。

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桝源旅館 本館
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本館前の休憩スペース

まずは本館から。

温泉街方面へ向かって本館は右手方向にあり、表に大きく「桝源」の看板が出ているので存在感は抜群。洞川温泉の建物の特徴でもある提灯が軒下にぶら下がっていて、2階に見えるのは欄干付きの廊下です。

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本館玄関
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本館玄関から外側を見る。大黒様の圧がすごい。

玄関入って左側に靴箱があり、左奥には居間、正面に厨房と2階への階段があります。

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クリスマスムードな布袋様
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右手にある縁側部分。たくさんの講や参詣団体の名札が掲げられている
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桝源旅館の食事は本館・別館それぞれが1階にある食事処に案内されていただく形になっており、本館の場合はこの縁側の奥側にある広間が食事処になっているようです。

また、縁側にはセルフサービスのコーヒーが備えられていて、自分も含めて食後等にはここでくつろぐ人がちらほらいました。というか宿泊した日とその翌日は気温が尋常でないほど低く、特に廊下は寒すぎてあまり部屋から出たくなくなるくらい。そういう意味でも、ストーブが設置されている広縁は安心できるところです。

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本館の見取り図
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本館廊下
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本館2階廊下の突き当り
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本館の客室はすべて2階にあるようで、その部屋数は多くないみたいです。全部で5部屋くらい?外から見たときに目立っていた広縁付きの部屋は相当広いらしく、この時期だと暖房が効くのに時間がかかりそうという印象。

今回は本館に泊まるわけではないので、本館に来る用事があるとすればさっき書いたコーヒー飲みに来るときくらいです。逆に温泉は別館の方にあるので、本館に泊まっている場合でも通りを歩いて別館まで行く必要があります。

別館

先程も書いたとおり、別館は本館の向かいにあります。

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桝源旅館 別館
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2階左端にある突き出た部屋が今回泊まった部屋
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別館入り口
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本来の入り口は向かって左側にあるが、今では使われていない様子

別館は本館と同じく木造2階建てで、門を入った正面に入り口がありました。

本来は左側にある玄関が使われていたようですが、今では正面にあるガラスの引き戸から出入りする形になっています。入り口には靴箱のほか、自動販売機がありました。靴箱には外出用の下駄やサンダルが揃っており、チェックイン後にふらっと散策にいく際に便利です。

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玄関入った場所。右側が広間(食事処)で、正面に2階への階段と温泉がある。
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反対側から
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広間前の縁側。本館と同じくストーブが置かれている。
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別館1階は主に広間があり、ここで夕食や朝食をいただく形になっています。

また、入り口正面に2階へと続く階段と地下1階にある温泉に続く階段があり、すべての階に繋がっているために必然的に訪れる機会は多いです。ただし玄関がガラス戸1枚しかないので冷気の入りもよく、外気温との差がそこまでありません。隙間も普通にあるし。

また、縁側は基本的にすべてガラス戸になっているので採光は十二分に確保できていました。ここにはストーブが置かれていますが、部屋に戻った方が暖かいのでここでくつろぐことはあまりなかったり。

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別館1階左手側の廊下
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本来の玄関。かなり広いです

そのまま左手方向に進むとここにも広間や廊下があるものの、こちらにある玄関は使われていません。また、今回宿泊者が食事処として使ったのはいずれも別館右側の部屋だけだったので、左側にある部屋は未使用でした。

玄関の前にも2階へ続く階段があって、自分が泊まった部屋からだとこっちの階段の方が近いのでよく使ってました。

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別館の見取り図
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別館2階洗面所

本館と同様に、別館も客室はすべて2階にあります。

階段を上がってすぐ右手に大きな客室があって、こちらには家族連れの方が泊まられてました。そこから左に曲がった先にはトイレと洗面所があり、トイレには洗面所の左右の2箇所からアクセスできるという珍しい構造になっています。

もともとは修験者のための宿場だった建物ですが、宿泊という観点で見ると旅館の構造とそれほど差はないようです。

泊まった部屋

今回泊まったのは、別館2階で唯一広縁がある「月」の客室。

案内されてからその眺めの良さと居心地の良さに感動しっぱなしでした。少人数の宿泊者はどちらかというと別館に割り当てられるみたいですが、この部屋に泊まることができたのは運がいいと言うしかない。

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別館2階の廊下から鍵付きの戸を開けると広縁がある。
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客室の様子。広縁との境は障子戸で、暖房はエアコン。
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しばらくすると旅館の方が湯たんぽを持ってきてくれました

部屋は廊下からそのまま広縁に繋がっているような配置で、客室はそこから障子戸を介した右側にありました。

畳の上には絨毯が敷かれている(冬季だけ?)でそこまで寒くなく、すでに布団が敷かれていることからすぐに寝ることも可能。また広縁や客室内には丸窓が残っており、どことなく普通の旅館とはまた異なった味わいがある。

本館の方は暖房として炬燵があるようですが、別館のこの部屋においてはエアコンだけなので少々心もとないかもしれません。でも部屋への出入りが障子戸というのは個人的にはかなり好きで、しかもその向こうには道を含めた景色が一望できる、という点もグッド。後述しますが今回の天気だと、これが一夜を過ごす上でこの上なく素敵な要素になってくれました。

温泉

温泉の時間は15:00~22:00、翌日は6:00~10:00となっています。

時期が時期なのでただ普通に過ごしていても身体が冷えてくる上に、散策とかしていると余計に寒く感じるので温泉に入りに行く機会は多かったです。

ただ温泉が別館の方にあるというのは冬季においてはかなり便利で、本館の方に泊まっていると極寒の中別館まで入りに来ないといけません。風が強いとさらに外へ出るのが億劫になるので、泊まるのがどっちかというのは季節によっては重要な要素かも。

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温泉への階段
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泊まった日は右側が男湯、左側が女湯でした

温泉は別館1階の入り口前の階段を下った先にあり、降りた先の左側にはトイレ、右側に温泉があります。

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脱衣所への廊下
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男湯の脱衣所
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男湯の浴室

男湯の方は脱衣所/浴室が広めで、多少大人数が入っても問題ない程度。ただ浴槽は3人くらいが限度です。

お湯については無色透明で、自分としては少し熱めでしたがこの気温を考慮すれば気持ちいいことこの上ない。特に手先なんかは完全にかじかんでいたので、チェックイン後一発目の温泉が何より助かりました。

例えば夏場で大峯山に上った後に入る温泉ならば疲れも取れそうですけど、冬場には参拝する人もいない上に縦走する人も皆無。なので冬に洞川温泉を訪れる人は完全に温泉目的といってもいいと思います。そういえば昔は1年の中で参拝シーズンが終われば旅館の畳を上げていたという話だし、冬場に人を呼び込もうということで温泉を掘削したのは自然な流れなのかもしれません。洞川温泉は自分の想像していた以上に寒く(最高気温3℃、最低気温-2℃)、こういうときには温泉があるだけで助かるので。

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翌朝になると男湯と女湯が切り替わっていた
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女湯の脱衣所
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女湯の浴室

ちなみに、男湯と女湯は翌日になると切り替わります。

女湯の方は少し狭く、湯船が丸を3つ組み合わせたような独特な形をしているのが特徴。

洞川温泉の夜景

その後は部屋で寝ていても仕方ないので、夕食の時間まで洞川温泉を散策することに。

夜の洞川温泉は提灯の灯りによって幻想的に照らされていて、昼間とはまるで別世界のよう。寒い時期、しかも夜に出かけるのはかなりの覚悟を要するとは思いますが、思い切って出歩いてみるのをおすすめします。

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桝源旅館の前
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この日の天気は曇りで、そこから夜になるにつれて徐々に雪が舞ってきました。

散策していた時間帯では特に支障になるほどの降り具合ではなかったですが、雪によって道路が適度に湿っているというのがいい。灯りが反射してより一層異世界感が増しています。

夕食前の時間帯ということもあって他の旅館の宿泊者もほとんど歩いておらず、遭遇するのは温泉街に並んでいる旅館や店の車のみ。冬というのはとにかく寒いのがネックですけど、ここまで静かに散策ができるという点では他の季節にはない良さがあります。

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空気が冷えているせいで澄んだような雰囲気が広がっていて、提灯の灯りに確かな暖かさを感じられる。

もちろん実際に暖を取れるわけではないですが、ここまで視界内が灯りに埋め尽くされているとあまり寒さを感じない。まるでこの一角だけ時代が遡っているようで、異世界に迷い込んだような錯覚に陥った。

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泊まった部屋からの眺め

ひとしきり夜の洞川温泉を歩いた後、旅館に戻りました。

今回訪れているのは…というのを何回も引き合いに出すけど、ここまで幻想的な夜が楽しめるのならごく自然と散策しに出かけたくなってきます。なんか無意識のうちに足が向いていたというか、温泉街が持つ魅力に吸い寄せられていたという感じ。

寒い時期の散策って、靴を履き替えていざ外へ出るまでが気持ち的な意味でとにかく大変なもの。でも今回泊まった部屋からでは外の様子が確認しやすくて、その気持ちの切り替えを瞬時に行うことができたのが良かったです。

夕食~翌朝

散策の後はまた温泉に入りに行き、再度身体を温めたところで夕食となりました。

桝源旅館の夕食は奈良の和牛「大和牛」や奈良の地鶏「大和肉鷄」、鴨鍋など、山奥の旅館という基礎に奈良要素がふんだんに加わった食事を楽しむことができます。他の旅館の食事内容も調べてみたところ、これらは洞川温泉では割と共通している要素であるみたい。特に冬の時期は鍋が美味しいので、地元の食材を鍋でいただけるとなれば言うことありません。

今回は地鶏「大和肉鶏」のすき焼きプランを選びました。

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夕食の献立
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献立としてはすき焼きがメインで、野菜の量もさることながら地鶏の量がかなり多いです。

割と量を食べる自分ですらも満足のいく量で、これに白米がプラスされているのでもう満腹状態。火が通って間もない地鶏はとても柔らかく、つゆの味が染み込んでいて美味いというほかない。食を進めていくうちに身体の芯から温まってくるようで、やはり冬の食事は鍋に限ると感じた。

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食後のコーヒー
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降り続いている雪は次第に積もり始めていた

食後は本館に移動し、外の雪を眺めながらの一杯。

洞川温泉に到着した長後は雪の気配は全くなかったものの、夕方から静かに降り始めて今に至ります。予報通り明日はかなり積もる様子で、まさか宿泊した日に雪が降ってくれるとは思ってなかった。しかも到着時にすでに積もっている状態からスタートというわけではなく、今まさにこれから積もりますという中での宿泊だからなおさら。

滞在中に外の景色が移り変わっていく方が珍しいとは思うけど、冬は積雪という要素があるからこれが可能なんですよね。降っている雪も動きがあるので見ていて飽きないし、夏とはまた異なった良さがある。

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寝る前に見た景色。正面に見えるのが本館。

その後は、特にやることにないし寒いので布団にくるまって就寝。

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翌朝、起きたら全然違う世界になっていた

翌朝。

寒い中布団から這い出してエアコンをつけ、さてどれだけ積もったかなと障子戸を開けてみてびっくり。昨夜はほんの数cmしか積もっていなかったのが、この日は18cmほども積もってました。もう一面の銀世界。

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昨夜までは庭の地面だったり道路の路面だったりがちゃんと視認できていたのですが、今朝になると雪がそれらをまるっきり覆い隠しています。

起床した時間帯では旅館の方や近所の方が総出で道路の雪かきをされており、何度も言うけど"昨日までの状況とは一変している感"がよく伝わってくる。昨日はちょっと雪降ってるな程度の感覚だったんですけど、一夜明けてみればこれだけ様変わりしているのは予想外としか言えない。しかもこの日は風が強く、屋根に積もった雪が時折風で吹き飛ばされている様子が印象的でした。

この日に洞川温泉に泊まることはかなり前に決めており、もちろん未来の天候なんて分からないので泊まる日にちも適当。それが現地に来てみればこの様子というわけで、部屋の割り振りに加えて天気的な意味でも運がいいと言えます。

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部屋からの眺め。昨夜との違いがよく実感できる。
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欄干に積もった雪

ひとしきり屋外の景色に感動した後、朝風呂に入りに行きました。

天候が天候なだけに気温の方も昨夜より更に寒くなっていて、とにかく温泉に入りに行かないと凍えてしまうくらい。逆に言うと寒ければ寒いほど温泉の気持ちよさは何倍にも増幅されるわけで、そういう意味ではこれ以上の天候はないかもしれません。

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温泉に浸かった後は結構過ごしやすく、縁側のストーブに当たりながら外を眺めたりしてました。

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朝食の献立

その後は8時から朝食となりましたが、朝食がで出されたのが驚き。

昨晩の夕食時にはちゃんと机が置かれていたので、それをわざわざ片付けてから朝食の用意がされたと考えると趣があります。しかも、食事については夕食/朝食いずれも適宜本館の方から持ってこられているようで、この積雪の中を移動されている点はかなり大変なのではと感じました。

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こんな感じで、桝源旅館での一夜は終了。

わずか数時間のうちに相当な量の積雪があり、いつもやっている宿泊時以上に時の流れを感じられたのが嬉しかったです。建物も自分好みの古い要素が各所に残っていて、旅館単体でというよりは洞川温泉全体の静かな雰囲気も満足のいくものでした。

冬だと寒さのせいで旅館外へ出るのは踏ん切りが要ると思うけど、提灯に照らされた幽玄チックな雰囲気は唯一無二のもの。ぜひとも出歩いてみることをおすすめします。

なお、車に戻ってみると見るも無残なほどに雪が積もっていたので、旅館の方にスノーブラシをお借りしました。本当にありがとうございました。助けがなかったら絶望していたと思います。

雪に埋もれた町を歩く

旅館をチェックアウトした後はすぐに帰るのももったいないので、しばらく洞川温泉街を散策してたのでその様子も載せます。

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洞川温泉を一望できる「かりがね橋」からの眺め

散策の途中では他の旅館の方が軒並み雪下ろしをされていて、まさかこんなに降るとは思ってませんでしたwとか世間話をしながら歩いてました。話によれば、今年の冬は今日が初めての本格的な積雪だったみたいです。

これから2月くらいまではこんな感じの天気が続くらしく、その初日ということで各所で雪下ろしの作業風景が見られました。自分の住んでいるところではこんなにも雪が降ることはないけど、雪国では普段の生活に加えてこの作業がプラスされるわけだから面倒そのもの。

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次第に降雪という優しい感じではなくて吹雪に変わったりもしたし、宿泊で一時の滞在とはいえ過酷な体験になったのも事実。

でも、そういう非日常感を味わうことができたので個人的にはとても嬉しい。洞川温泉は山奥の温泉街ということでどこか切り離された存在のような感じがして、普段のストレスから開放されて過ごすには最適な場所だと思います。特に冬は温泉街全体が静寂そのもので、雪が舞う中をぶらぶら歩いてみるのもまた面白かった。次回は登山とセットにして訪れてみたいと感じました。

おしまい。


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