今回は静岡県の河津町にある旅館、花舞竹の庄に泊まってきました。
この旅館の経緯は少々変わっていて、タイトルにもなっている通り最盛期は昭和のバブル真っ只中。空前の好景気に乗る形で豪華さを売りに営まれた後、今では素泊まり専門の旅館として営業しています。
豪華さを売りに…と書いたとおり高級さは相当なもので、たぶん全国の素泊まり専門の宿の中では一番といっても過言ではないと思います。まず館内がめちゃくちゃに広いし、この旅館の最大の特徴である温泉も、他にはない雰囲気を醸し出していました。
バブルの記憶
そもそも公式サイトの写真からして、とても素泊まり専門の旅館とは思えません。
外観だけでなく玄関や客室も含めて、「かつては高級旅館だった」ということがよく伝わってきます。
伊豆半島の外周沿いを走る国道135号を南下していくと、河津桜で有名な河津町の町並みが見えてきます。
花舞竹の庄は河津桜の並木道から少し離れたところに位置しており、湯ヶ島や修善寺方面へ抜ける県道14号の脇にありました。余談ですがこの県道14号の交通量が予想以上に多く、車を駐車場に止めるのがかなりしんどかったです。
外観としては全体的に植物に覆われていて、夏に訪れたこともあって緑一色という感じ。植物が古さを演出している一端なのは間違いなく、ここが営業中ということを知らないとそのまま通り過ぎてしまいそうでした。
玄関の前には車が出入りできそうなロータリーがあり、これは簡易的なものっぽくて少なくとも今の車だと幅が足りません。玄関の前の石畳には隙間から草が生えてきており、手入れされなくなって久しいことが分かります。
実はこの花舞竹の庄、現在管理されているのは老夫婦のご二人だけのようで、全体的な管理をされているのはご主人だけの様子。後述しますがこの広さの旅館を二人のみで維持していくのは普通に無理な話なので、この雰囲気が保たれているのも奇跡みたいなものでした。
玄関を入る前に、この花舞竹の庄の成り立ちについてもう少し詳しく説明することにします。
- 昭和8年(1933年)に創業。
- 元々は新宿で遊郭をやっていたところが再開発のため廃業されるということで建物を取り壊し、そのときに出た材木の一部を流用して建てられた。
- 棟としては玄関がある本館と、後から建てられた離れから構成される。
昔のパンフレットには本格的に営業されていた当時の様子が載っていて、今では水を抜いている大きな池には錦鯉がたくさん泳いでいたり、夜景が美しかったりと豪勢な感じです。その他にも「設備のご案内」と書かれた部分によれば、
- 建物は純和風数寄屋造り
- 客室数22室(檜風呂付4室)
- 60名様収容
- 回遊式池泉庭園(1300坪)
- 大浴場(殿方・ご婦人)露天岩風呂
- 大広間(花舞・雲海・金鈴・蓬莱)100名収容
- クラブフェニックス
- 駐車場完備
- 防災施設完備
と、要は「大人数でも大丈夫ですよ」ということが謳われていました。
バブルのときの宿泊と言えば、会社の部署とか課とかの大人数で宿泊して、とにかく旅館側の利益が最大になるような仕組みがメインだったといいます。今で言うところの一人旅とかは皆無で、もう旅館といえば数十人で宿泊するのが普通というイメージ。
そういう社会情勢だったので旅館側も次第に広さを誇るようになって、上記のように大広間とか大浴場とかを整備したようです。
バブル当時の建物ってよく経営破綻して廃墟になっているというニュースを見た覚えがあるけど、この花舞竹の庄はそんな中でも営業を続けている、非常に貴重な旅館と言えます。
そんな風に客室数が多い竹の庄の中で、現在使われている部屋はわずか4部屋です。
泊まることができる部屋は1階と2階にそれぞれ2部屋あって、料金は上の写真に示した通り。定員は4名と6名と分かれていて、料金体系も布団ありなしで分類されていたりします。なので、状況に応じて最適な泊まり方ができるというのが便利かと。
館内散策
1階
渋滞のせいで予約時に伝えておいた時刻から投宿時間が少し遅れてしまい、前もって遅れることは伝えておいたもののかなり焦りました。
自分が到着した時点でご主人が玄関の前で待ってくださっているという状況。なんか申し訳ない。
玄関をくぐると正面には物を飾るスペースがあって、動線としては左手方向に伸びていました。
少し先に進むとフロントがあり、その奥には1階奥へ繋がる廊下と2階への階段があります。フロントの前から階段にかけてが絨毯敷きになっているあたり、うまく言えないけどなんか昭和感がある。
フロントの正面にはロビーがあります。
このロビーに置かれている調度品は当時のままで、特にソファの座り心地が良い。年季の入ったふわふわ感というか、若干硬いのが時代を感じられます。
ロビーの奥は窓の全面がガラス張りになっており、床の一部も含めて池の様子を確認しやすい構造になっていました。この旅館の売りの一つが広い池にあって、それを全面に眺められるロビーはさぞかし居心地がいいものだっただろうと思います。
そのロビーの外側の廊下から繋がっているのが池に面した縁側で、ここからは池の様子が一番よく見えました。縁側の床は木でできていて池との親和性がよく、季節を問わずに涼を得られる感じ。その縁側の内側の部屋はすべてが大広間で、昔はここで宴会をしていたことが想像できます。
大広間の隣には庭とか池があることが多い…というか、それだけ広い部屋の隣部分=敷地が広いということなので、むしろそういうのを造るのが自然な流れなのかもしれません。逆に何もなかったら殺風景すぎるし。
この池はかつてはちゃんと水が張られていたそうですが、水を張ると管理が異常なほど大変になるので今では抜いているそうです。水を張ると全体的な掃除だけで数日かかるし、そもそも水を入れたり抜いたりするだけでも時間がものすごくかかってしまう。
こういった大きな池の管理はとにかく人手が必要で、金も人員も潤沢にあった昭和の時代だからこそ設計されたものの一つだと思いました。
客室
玄関周辺を歩き回ったところで、今回泊まる部屋に向かいます。
今回泊まったのは、上で述べた離れの2階部分にある「曙」の客室。
旅館の一番奥に位置していて、ロビーからの動線はまずフロント前を奥に直進し、厨房前を左に曲がってまっすぐ進んだ先がここです。現在泊まることができる客室はいずれも離れのもので、この曙の客室周辺に集中しているようでした。
ここには2階へ続く階段があるのですが、この階段の先には曙の客室しかありません。1階部分は別の客室になっているので、この周辺だけで2階への移動を完結させるために個別に階段を設けた形になっています。なので、温泉へ向かう際などはこの階段を上り下りすることになります。
階段の先には客室と洗面所、それにトイレがありますがトイレは和式でした。本館の1階部分に大きなトイレがあるので、ご主人から言われた通りそっちを使うほうがよさげです。
あとは客室手前に戸があって、その向こうは檜風呂になっていました。上で述べた"客室数22室(檜風呂付4室)"のうちの一室がここというわけです。大浴場のように集中管理しているわけではなく、個別に湯を通す必要があるので構造的に色々面倒そう。客室付きの風呂は常に宿泊者がいて湯を張っているという状況ではないので、現在は使用を止めているというのも納得。
曙の客室の様子はこんな感じです。
曙は入りの間が4畳(こちらに荷物を置く)、客間6畳の構成で、人数的には一人がちょうどいい感じ。設備としてはエアコンや空気清浄機、テレビ、ポットなどがあり、ポットの湯がなくなった場合は厨房横に置いておくと補充してくれます。
旅館ならではの広縁も備えていて、しかも本館方面の眺めもいい。一夜を過ごす部屋としては申し分ない。
部屋の位置的にも県道からかなり離れたところにあるので、夜は本当に静かでした。
旅館が建築された当時はまだそこまで交通量はなかったと思いますが、今日では道沿いにある旅館は寝る時に音や振動が気になったりします。そういう点でいうと、花舞竹の庄の客室は実に寝やすい。
2階
ここで、花舞竹の庄の部屋の配置を確認したい。
この地図は2階部分のもので、客室についてはほとんどが2階にあるのでこれを見れば花舞竹の庄のことがだいたい分かります。
ちょうど右下の端っこの1階部分が玄関に相当し、そこから上に向かって移動してきて階段を上ったところが「桧」の客室。次は2階部分をひとしきり散策してみることにしました。
この日の宿泊者は自分ひとりだけです。
ただでさえ敷地が広すぎるこの旅館内、それに加えて人気の無さが加算されて、ただ散策しているだけなのにまるで探検チックな様相を呈している。人がいないので当然ながら明かりも点いてなくて、自然光だけが入ってくる廊下を歩いているというのが面白かった。
今でさえこれだけひっそりとしてますが、かつては高級旅館として繁栄を極めた場所であることは確かです。客室の豪華さにもそれが現れているし、広さが必須だった時代の建物内を歩いているとどこかさみしい気持ちになる。当時の繁栄も過去の話という思いに駆られたり。
この旅館は実は宮大工が建てたもので、しかも宮大工をいくつかのグループに分けてお任せて造らせ、部屋の出来栄えを競わせたといいます。
なので装飾などが非常に凝っており、部屋の意匠や材木なども一室一室ごとに異なったものになっています。これだけのものを造ろうとするととんでもないくらいの時間と労力がかかりそうなもので、建築当時の写真とかあったら見てみたい気分。
1階の大広間についてはほぼ物置同然みたいな雰囲気なのに対し、2階の客室はどれも掃除や準備や行き届いているように見えました。
客室によっては部屋と広縁が一体化しているような斬新な部屋割になっているところもあって、ご主人の言葉通り一つとして同じ部屋がないです。どの部屋に泊まっても満足できそうな感じがしたけど、こちらの客室は本館のものなので宿泊はできない様子。ただ、ちゃんと準備はしているところを見ると他の用途で使われることがあるのかもしれません。
この部屋からは、旅館の前にある池が一望できました。
池の形は漢字の「心」をかたどったものになっていて、池の向こう側には池に注ぐ滝もあった様子です。さらに巨大な錦鯉が数十匹も泳いでいて、夜には池の中心部に篝火を焚いていたとのこと。まさに贅を尽くしたという言葉が似合いそうな光景が目に浮かびます。
実際に昔のパンフレットを見ると錦鯉が写真に写っているので、池単体でもとてつもない金がかかっていたことは間違いない。
建築当時はこのあたりに背が高い建物はここしかなかったことから、2階からは普通に海が見えたらしいです。今では家屋とか色々あるので視界が遮られているけど、こういう「視界の変化」で時代の経過が感じられるというのも良い。
また、現代人の認識だと河津町は「桜」の町という印象が強いものの、あれは割と近代からはじまったもので、歴史的にはこの旅館の方が古いということも伺いました。
今の河津町が形成される前から、激動の時代を生き抜いてきた旅館。
それが今でも宿泊可能であるということにまず感謝しているし、この空間内に自分が佇んでいる、という事実もよくよく考えてみれば貴重な体験そのもの。温泉に入る前から、ふとそんなことを考えたりしていました。
温泉
曙の客室でひとしきりくつろいだ後、夕食前に温泉に入りに行きました。
一般的な宿だったら夕食の時間を元に行動するのに対し、花舞竹の庄は素泊まりの旅館。夕食の時間はこちらで自由に決めることができるため、お風呂に行く時間も比較的自由が効きます。
ましてや今日は自分ひとりの貸切状態。気兼ねすることなく温泉に入りに行きたいタイミングで入りに行くことができました。
花舞竹の庄の温泉について軽く説明すると、以下のとおりです。
- 大正檜風呂:2階にある。
- 伊豆石風呂&ヒスイ露天風呂:1階にある。浴槽の数は合計3つ。
いずれも源泉かけ流しで、温泉大国である伊豆半島の温泉をそのままの形で味わうことができます。旅館の規模が大きいので温泉の数も合計4つというのは納得がいくところですが、それは昔の話。今ではそもそも客室数が4つに限定されているし、利用する人が団体から個人というふうに明確に違いがあります。
何が言いたいのかというと、要はめちゃくちゃ広い温泉を少ない人数で楽しめるということ。自分も実際に入ってみて、こんなに素敵な温泉を独占できていいのかと疑問に思うくらいでした。
大正檜風呂
まず向かったのは、2階にある大正檜風呂。
自分が泊まっている客室から比較的近いので、最初に入りに行くことにしました。
こちらがその大正檜風呂の全景です。
この浴室全体の雰囲気がもう独特すぎて、ひと目見ただけで虜になってしまいました。浴槽自体は桧で出来ている大きめのものなのですが、それを取り囲む壁や天井の造りが自分好みすぎる。
壁らしい壁はあまりなく、ほとんどが窓で構成されていて陽の光の入りがいい。
その窓の木枠の意匠も凝っており、上部は雲、下部は地平を表したような模様になっています。そして浴室の床から一段上がったところに座るスペースがあって、ここと窓の位置関係が絶妙でした。右の方に見える壁は下部分がタイル、上部分がガラスで構成されており、こちらはどことなく日本的というよりは中国チックな模様にも見えます。
実はここと同じ構造をした浴室が右に見える壁の向こう側にもあって、そちらは全く使用されていないようでした。昔は男湯と女湯に分かれていたものを、今では片方しか使っていないという感じです。
大きくとってある窓の外には植物が絡みついているのが見えて、ここだけ切り取ってみても年月を感じさせます。
お風呂自体も広くて独占欲を掻き立てる上に、浴室全体の雰囲気もよすぎるとなれば長湯が捗ってしまう。お湯の温度は思ったよりは高くなく、個人的には普通に長湯ができるくらいでした。
源泉は旅館のすぐ隣りにある「峰温泉第2号」から引かれていて、泉質はナトリウム-塩干物温泉(低張性・弱アルカリ性・高温泉)です。源泉温度はなんと99.3℃もあるものの、流入経路のどこかで冷やしてるっぽくて温度はちょうどいい感じ。
浴槽に浸かったときに大きな窓が前面にくるのが開放感を感じさせる。他にもタイル張りの壁や太い木の柱、まるで客室の一室の中にいるようなガラス戸など、ここにしかない雰囲気が漂っているのが実感できる。その上浴室内は余計な音が一切聞こえてこず、音といえばこんこんと流れ出る温泉の音のみ。
浴室の空間の広さが温泉に入っている人数(一人)に対して余裕がありすぎて、なんか温泉に入っているんだけど入っていないような、良い意味で温泉感がない唯一無二の情緒を覚えました。
伊豆石風呂&ヒスイ露天風呂
次の温泉に行ってみます。
今いる2階から階段で1階に下り、伊豆石風呂&ヒスイ露天風呂へ。
こちらのお風呂の入り口には「男子」「女子」「家族」の3つのランプがあって、今入ろうとしている人が都度スイッチを押してランプを付けるようになっています。
例えば自分が男子だったとして、男子のランプが点いていたらそのまま自分も入ることができるし、逆に女子のランプが点いていたら空くまで待つという形になります。ここのお風呂は男湯/女湯の区別が特に無いため、このような仕組みになっている様子。
脱衣所はこんな感じで、温泉の説明書きが書いてあったりしました。
いざ扉を開けて浴室に入ってみてびっくり。先程入った檜風呂以上の広大な空間に、これまた広い浴槽が2箇所、そしてその奥には露天風呂も見えます。
確かにこれだけの旅館の規模を考えれば温泉もここまでの広さが必要な気もするけど、素泊まり専門になってからはまた別の話。一度に大勢の人間が入るわけでもないし、これらのうちの1箇所のみ使用可能となっていても全然おかしくない。
でも、ここにはどの浴槽にも温泉がなみなみと満たされている。
そればかりか源泉かけ流しの新鮮な湯がとめどなく注がれていて、これを一人で独占できるというのがもう信じられない。実際にこの日の宿泊者は自分だけなことを考えると、どう考えても温泉を準備する手間暇に見合ってない気もする。
大浴場に一人で入るという経験が今まであまり無いだけに、浴槽の中で思う存分身体を伸ばしたりしてくつろいでました。
内湯の外にある露天風呂もまた広いもの。
すぐそこに見える建物の外壁は植物に覆われていて、露天風呂の横にある湯量調節用の設備も傍から見れば朽ち果てているように感じる。しかし今自分が入っているのは紛れもなくそれらの設備によってもたらされた温泉なわけで、設備の劣化とか、メンテナンス性とかが一切気にならないくらいの気持ちよさがあります。
温度については、さっき入った檜風呂と比べると若干熱め。でもしっかりかき混ぜればむしろぬるめに感じる程度で、真夏真っ盛りのこの時期でも入るのに支障はなかったです。
夜の時間~翌朝
そんなふうに温泉に入りまくっていると、気がつけばもう夜。
普通だったら夕食の時間になるところですが、ここではその時間はあくまで自分が決めることができます。なのでいつ温泉に入りに行ってもいいし、夕食を自分が好きなタイミングでとってもいい。
素泊まりというと旅館特有の美味しい食事を楽しめないと悲観的になる人もいるかと思うけど、素泊まりは素泊まりで結構いいものですよ。まず酒を好きなだけ持ち込めるし、片付けの時間とか、布団を敷く時間を気にする必要がない。小腹がすいたらまた間食すればいい。
いい意味でも悪い意味でも、素泊まりは各人の自由を提供してくれます。
今回は、伊豆半島の地酒である「池」を持ち込みました。
これはここに来る途中で伊東市の広井酒店で買ってきたもので、ゆるキャン△でも登場したこともあって一部界隈では有名なお酒です。日本酒の中では比較的飲みやすい部類に入るので自分もファンになってしまい、伊豆を訪れる際にはほぼ毎回購入している品。
それを四合瓶のまま持ち込むということができるのも、花舞竹の庄の特徴の一つ。どうせ旅館で酒を飲むなら自分が好きな酒をと考えるのは自然な思考だし、適当に選んだ夕食と一緒にこれを飲んでいるともう堪えられない。
その後は、ひっそりと静まり返った館内を散策し直したりしました。
日中の時間帯からすでに客は自分ひとりだったものの、夜になるとまた雰囲気が変わるというもの。バブルの頃だとこの時間帯は大広間で宴会やってる賑やかな感じだったんだろうけど、今では建物だけが覚えている昔の記憶になってしまった。
確かに、この一角だけ切り取ってみれば花舞竹の庄は確かに廃墟然としているかもしれない。
しかし、確かに今も営業している旅館であることは確かな事実。建物としては意匠に凝った素晴らしいものであるし、宿泊するのに憂いはまったくない。
それに加えて、昔は高級旅館としてとても賑わっていたという歴史が、この旅館の雰囲気に色を添えている。温泉の豪華な造りや、館内の広さ。第一線を退いてひっそりと運営しつつも、その独特の空気感は訪れる人を魅了し続けているというのが、自分が泊まった際に抱いた感想です。
翌朝は朝食もそこそこに、布団と温泉を行ったり来たりして完全にだらけムードで過ごしました。
何しろ自分の行動を阻害する要素が特に存在しないわけだから、自然に温泉に入りに行く機会が多くなる。たまに水分補給をしたりして、眠くなれば二度寝、三度寝をするだけ。今日一日の予定が詰まっていればこうはいかないものの、今回はそういうわけでもないので。
おわりに
こんな感じで、花舞竹の庄での一夜は終了。
広大な館内や広々とした温泉、さらに宿泊客としてのフリーダムさを味わえるというところが、他の宿にはなかなかない良いポイントだと思います。温泉旅館で一味違った体験をしてみたいという人、古い旅館が好きな人には心からおすすめできる旅館だと感じました。
ただ、こういう広い木造旅館は維持していくのがとてつもなく大変なので、できるだけ早く訪れるのがいいかなと思います。
おしまい。
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