【高知県道363号 中津渓谷~中津明神山】「天空の林道」グラベルロードで高知の山道を走ってきた

中津明神山と聞いて、スッと場所が出てくる人は多分少ないと思います。

でも四国カルストのすぐ近くというと少しはイメージしやすいはず。場所でいうと四国カルストの北東部にある、中津渓谷からひたすら登っていったところにある標高1540.6mの山。それが中津明神山です。

以前四国カルストに登った自分としては、あのすぐ近くにこんな素敵な山があると分かればもう行くしかありません。というわけで、比較的天気が良かった週末に行ってきました。

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中津渓谷からスタート

中津明神山へ登るには、麓にある中津渓谷から行くルートしかありません。

中津渓谷に行くまでに高速を降りて1時間くらい下道を走ったんですが、ほとんど民家がない場所ばかり通ったので秘境感を感じました。補給できるポイントも限られているため、もし通しで走ろうと思う場合はかなりの下調べをしたほうがよさそうです。

中津渓谷に到着。

中津渓谷にある駐車場は、すぐ近くにある「中津渓谷 ゆの森」の橋の前に一箇所、そこから100mほど下ったところにある廃校跡に臨時駐車場が一箇所あります。前者は駐車できる台数がごくわずかしかないので、はじめからこちらの臨時駐車場に停めたほうがよさげ。

公共交通機関オンリーで行く場合は少々アクセスが厳しいですが、佐川駅まで輪行後24kmくらい自走すれば到着します。四国カルストと合わせて行く場合は松山駅~四国カルスト~中津明神山~佐川駅のルートがおすすめ。

早速ヒルクライムをやっていく。

ルート序盤では道路脇に民家があるため、交通量がまったくないわけではありません。道幅が狭いので対向車には十分注意する必要があります。

中津渓谷の時点でかなり景色はよく、これから登っていくにつれてさらに素晴らしくなっていきます。

道のすぐ横を清流が流れており、夏だったら一休みがてら川に入りたい気分になります。

透明度も高いのでぜひ気温が高い季節に再訪したいところです。

ずーっと上り坂なので写真を撮る余裕がないんですが、ふと上を見上げるとゴール地点が確認できます。

左上の山のてっぺんに何か建物が見えて、あそこまで登るので割と心を折られる。

最初の方は独り言を交えながら軽い気分で走っていたものの、吾川スカイパークに着く頃には完全に無言になってました。

吾川スカイパークは専属インストラクターが丁寧に指導を行ってくれる本格的なパラグライダー基地で、強い上昇気流に乗って中津明神山の山頂近くからスカイパークまでフライトを楽しむことができます。

テイクオフポイントが何箇所かあって、そのうちの一つはこれから向かう山頂付近にあるとかないとか。なお営業は4月~11月からなので、この時期に行っても閑散としています。

吾川スカイパークまでの登りが斜度15~20%あって泣いた。まだ中盤だぞ…。

トラップ多すぎ問題

吾川スカイパークを抜けるといよいよ本番です。

今までのような「斜度がきつい舗装路」から「斜度もきつい悪路」に変貌します。

具体的に言うと、

  • 大小の落石(しかも尖ってる)
  • 大小の枝
  • 道の陥没
  • 崩落地帯
  • (冬場の)積雪

というトラップの宝庫みたいな道。これらが複合的に襲いかかってくるので全く油断できません。道を凝視してないとリアルに大怪我します。

特に崖については本当に注意が必要。

崖側にガードレールなんてものは無く、路肩が小崩落している部分も普通にあるので可能な限り山側を走ったほうがいいです(でも山側は落石が多い)

時折後ろからやってくるオフロードカーに怯えつつも踏ん張っていくと、急に視界が開けました。

森林限界だ…!

この笹原の景色をみて多少体力が回復したので頂上まで踏ん張ります。

頂上

ひーひー言いながら中津明神山の頂上に到着!

最後のテイフオフポイントへの分岐から頂上までの区間には残雪が多く、歩いて通ったほうが安全な場所もありました。最後の最後まで気が抜けない。

山頂には大山祇神社のほか、雨量レーダーがあります。

頂上に着いたので、フレームバッグに入れてきたおにぎりを食べて体力回復。

この非日常感が最高。

日本とは思えないくらい素晴らしい景色に、今までの疲れも一気に吹っ飛びました。

ちなみに斜度は、サイコンの記録を見る限り距離16.1kmで標高差1,300mでした。数字だけ見るとそこまでという感じですが、時折出現する斜度16%オーバーのゾーンが効いたのかもしれません。

稜線沿いに見える道は中津明神山から雑誌山まで続いており、ここからの距離は4~5kmあるそうです。なお雑誌山から先に道はないため、来た道を戻ることになります。

ついつい稜線の入り口で長居してしまうくらい眺めが良い。四国カルストとはまた異なる絶景だ。

実はここから雑誌山まで走ろうとしたところ、足元の道が結構ひどかった。細かい石のザレ場っぽい感じで、さらにその下の土が水をたっぷり含んでおり、タイヤがめり込むわ空転するわで前に進みません。おとなしく徒歩で少し歩いてみてから引き返しました。

この季節に訪れるのならMTBクラスのタイヤが必要かと思いました。もう少し暖かくなれば多少足元もしっかりすると思います。

まさに「JARI」の名のごとく砂利道ばかり走った今回のライドですが、購入から1年経ってようやくグラベルロードの正しい使い方をした気がします。今までのライドでは舗装路ばっかり走っていたのでかなり新鮮に感じました。25cのタイヤでは躊躇うような道でもガンガン走っていけます。

ふと眺めを変えて、登ってきた方角を見てみることに。遥か下に見える民家っぽいところ。あそこから登ってきたのかと思うと達成感ある。

山の稜線なので気温が低い上に風が強く、さらに天気もガスってきたのでそろそろ下山することにします。

帰りはもう自動運転。

ただし頂上~吾川スカイパークまでの区間は前述の通りトラップが非常に多いので、常にフルブレーキ状態で下りました。

「これは踏んでもいい石」「これは避けなければならない石」と瞬時に判断して下るの面白い。32cのタイヤを履いているとはいえ、大きい石を踏むと横転する可能性が高いので慎重に下ります。

吾川スカイパークを越えて民家が現れたときの安心感といったら…!

下山して帰る前に、中津渓谷のすぐ横にある「ゆの森」の日帰り温泉で汗を流してゆったりしました。時間に余裕があるのならおすすめです。

最近できた施設のようで、内装もかなりキレイでした。温泉に入ったら一気に眠くなって帰りの車の中で寝そうになるという。

今度は新緑の時期に、仁淀川沿いのライドと合わせて訪問したいと思います。楽しかった!


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