【奈良公園~春日山原始林~加茂町~浄瑠璃寺】グラベルロードで奈良中心部の山道を走ってきた

今回はグラベルロードで奈良県の奈良公園周辺を走ってきた話。

私が今年導入したグラベルロード:Cervelo Asperoを同じく使用されているフォロワーさんがSNS上にいらっしゃり、この度ご一緒にライドする機会がありました。この方は別のバイクも含めてすでにグラベルサイクリングをかなりされていて、当日のサイクリングの場所は奈良県の舗装路と未舗装路がほどよくミックスされたスポットに決定。アスペロで「そういう道」を走りたいと思っていた自分にとっては願ってもない話でした。

もくじ

奈良公園~春日山原始林~若草山

この日は早朝~午前中の天気が比較的よく、午後から曇ってくるという予報だったので集合は割と早い時間になりました。お互いの移動手段で奈良駅に集合してサイクリングスタートです。

それにしても奈良駅前って久しぶりに来たけど、朝早いのにすでに人通りはそこそこありました。

早朝の奈良駅
アスペロ×アスペロ

奈良駅前にて対面を果たしたアスペロ2台、実現できて感無量感ある。ちなみに色こそ異なるもののなんとフレームサイズも同一でした。

フォロワーさんは自分と同じような自転車趣味をされているのに加えて、旅の友として自分の意志で選んだバイクもまた同じ。普通にサイクリングをしていて同じメーカーかつ同じ種類のフレームに出会うことは非常に稀であり、こうして実際に出会えるのはとても運が良いといえます。


全体のルートとしては奈良駅から東へ向かって春日山~若草山を上り、その後は県道184号方面から加茂町へ走って奈良駅前に戻って来るという流れです。走行距離こそ短めですが上り下りが多めで、展望が良い若草山を青空が見えるうちに巡っておく方針にしています。

春日大社近く

奈良公園から春日大社の前を通り過ぎ、やってきたのは公園の南部に位置する春日山遊歩道の入口。

これから向かっていくのは奈良公園の風景の中で特に有名な若草山の頂上で、頂上のルートへの一つがこの遊歩道というわけです。看板に書かれている注意書きを読むと遊歩道を通行できるのは徒歩か自転車のみで、今回は自転車なのでOK。頂上への別ルートである奈良奥山ドライブウェイでは自転車は通行禁止になっているため、逆にいうと自転車で頂上に向かいたい場合は遊歩道を通るしかありません。

遊歩道はほとんどが未舗装路
春日山原始林

で、この春日山遊歩道の未舗装路がまさに自分が求めていたグラベルでした。

  • 路面はよく締まっていて大きめの石が非常に少なく、表面だけ砂利というわけでもないので走行中に滑る心配もなし。
  • 勾配は全体的に比較的緩やか。たまに10%以上になるが距離は短く淡々と上ることができる。
  • 道幅が広い。

未舗装路の代表格である林道と比較するとまるで正反対の特徴をしており、ここまで走りやすい路面だとは思っていなかっただけに衝撃的。日本で走ることができるグラベルがこんな道ばっかりだったら心から好きになりそうだけど、フォロワーさん曰く春日山遊歩道のグラベルの質は全国的にも珍しいらしいです。この素晴らしさを他の道にも期待してはいけないわけか。

あとは、この道を走っている際のシチュエーションが特に良かった。

早朝の冷え込んだ時間帯で山の中は静まり返っていて、そこに木々の隙間から朝日が差し込んでくる。目の前に見えるのは春日山の大自然と未舗装の路面だけ。派手な景色そのものではなく走行中に五感で得られる情報に感動できたことが個人的に新鮮でした。遊歩道には当然ながら我々だけではなくハイキング目的の人も歩かれていて、歴史を感じる山の中だけど決してクローズドな状況ではない…という安心感もプラスされている。

若草山の三重目

春日山のグラベルの良さを体感しつつ高度を徐々に上げていき、ついに若草山の頂上(三重目:標高342m)に到着!

展望があまり優れない道中から一転し、大和三山のある奈良盆地南部、吉野の山々、さらには京都市内まで一望できる抜群の展望の良さが得られるのがこの若草山。天気が良くて景色が際立っているのはもちろんですが、手前に見えている若草山の植生と遠方の町並みとのコントラストの対比がまた美しい。

目の前の圧倒的なパノラマを眺めていると疲労感が消えていくからヒルクライムはお得だ。確か一週間前の予報だとこの日は曇り予報だったけど、結果的に快晴になってくれて本当に嬉しいです。

頂上の鹿たち
日向ぼっこ中

若草山の頂上では多数の鹿さんと出会うことができます。市街地とか奈良公園周辺よりは山の中の方が生活しやすいと思うので、ここで鹿と遭遇することについては納得。

鹿はどうやら日向ぼっこをしているらしく、そのうちの一頭が目を細めてうっとりしていたのでこっちも癒やされました。頂上は風が強くてじっとしていると凍えそうだったので鹿の毛皮が羨ましいと思ったり。

フォロワーさんのアスペロ

ここでフォロワーさんのアスペロについてご紹介。カラーリングは「Purple Sunset」で、見る角度によって紫色に見えたり金色に見えたりする独特の外観をしています。アスペロがCerveloのAシリーズとして発表された最初期のモデルという位置づけで、要は自分が使っているアスペロの先祖にあたります。

コンポーネントは11速Di2で、スプロケットは自分と同じ11-34T。ボトル類についてはマグネットによる着脱式を採用しています。さらにホイールは自分が使用しているメーカーのLightBicycleのAR25というモデルでなんか親近感(自分はAR35を使用)。AR25は軽量化に全特化したモデルで前後で1,000g以下を実現しており、グラベル用途だと空力は二の次になることもあって特に真価を発揮しそう。

こうやって自分が乗っているのと同じフレームのバイクを眺めていると、バイクにその人が求める思想がよりはっきりと見える気がしますね。フレームこそ同一であるもののコンポーネントやホイールは異なっていて、それを選んだ理由がちゃんと存在する。自転車趣味って本当に十人十色だなって思います。

フォロワーさんのアスペロについて以前から思っていたのが、日帰り/宿泊ライドを問わずに荷物を最小限にまとめられていること。この日もツール類をトップチューブバッグに入れ、輪行袋はサドルに直付けされているスタイルでした。

確かにバイク自体の重さを軽量化するよりも、それ以外を低減させる方がコスパが良いです。例えばフレームやハンドルバーを100g軽量化するのには何万円もかかるけど、宿泊に要する道具類を100g軽量化するのは比較的容易。これについては自分も装備を見直すきっかけになりました。

加茂町~浄瑠璃寺

若草山頂上での時間はあっという間に過ぎていき、そろそろ次の場所へ向かうことにしました。

上ってきた道を引き返して途中で石切峠を越え、さらに分岐をいくつも曲がって加茂町から浄瑠璃寺方面へ。奈良県のこのあたりは細かい坂道が多く、斜度も場所によって様々なので走っていて飽きることがありません。平地や坂道がずっと続くのではなく地形として変化に富んでいる感じ。

必要なトルクが段階的に切り替わるような場所でもアスペロの推進力はとても便利で、軽いギアで回すときも重いギアで踏むときも軽快感があります。特に山が多い奈良県ではアスペロが持っている剛性の高さが役に立ってくれました。

浄瑠璃寺

ルートの途中にある浄瑠璃寺で一休みすることにし、参拝と早めの昼食タイム。煮込みうどん定食ととろろ定食で疲れた身体を癒やすことに。

昼食後は田園地帯を走ったりプチ河川グラベルを走ったり、廃線跡を経由したりした後に奈良市街地に戻ってきてアスペロ同士のグラベルライドは無事に終了。出発時点では奈良公園内は全く混雑していなかったのが、帰ってきたら予想以上に観光客で賑わってて驚きでした。

やっぱり同じバイクに乗っている人と走るのはとても楽しくて、話を伺っていると自分が気づいていなかったアスペロの良さや可能性を認識できたりもしました。また機会があればライドにご一緒できたらと思っています。

おしまい。


本ブログ、tamaism.com にお越しいただきありがとうございます。主にロードバイク旅の行程や鄙びた旅館への宿泊記録を書いています。「役に立った」と思われましたら、ブックマーク・シェアをしていただければ嬉しいです。

過去に泊まった旅館の記事はこちらからどうぞ。

  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

もくじ