【CERVELO ASPERO】ハイスピード系グラベルロード 導入記録

今回は新しいバイクとして、CerveloのAspero(2023年モデル)を納車した話です。

もくじ

まえがき

軽快なディスクブレーキバイクへの憧れ

今までクロモリ・チタンと金属系のフレーム、かつリムブレーキのバイクにずっと乗ってきました。

今回のディスクブレーキバイク導入のきっかけは、ここ数年で普及してきたディスクブレーキの波に自分も乗ってみようと思うようになったからです。巷を見てみると新しいロードバイクはほぼすべてがディスクブレーキだし、今後ロードバイクに導入されるであろう新しい技術のことを考慮してディスクブレーキバイクに手を出してみようと考えました。

リムブレーキはもう技術的に成熟しているため、ここから技術的に進歩するのか・新製品が発売されるのかというとNOです。ならばそこから一歩発展した新しい技術、それも今まで使ったことのないカーボンフレームや油圧ディスクブレーキに触れてみたい。今回納車に至った経緯はそういうわけで、新バイク導入に向けての検討が始まりました。

検討事項

検討にあたって選択肢から真っ先に除外したのは、どのメーカーでも主力のラインナップに入っている一般的な「最大タイヤ幅が32c程度」のバイク。

おそらくそれを買ったとしても、体験できるライド自体はKUALIS(最大28c)とそう変わらないだろう。KUALISが非の打ち所がなく非常に乗りやすいバイクというのもあるものの、巡航速度や疲労感が多少変わったとしても走れるフィールドは以前と同じ。ほぼ同一のバイクが1台から2台になるだけなので、今すぐ欲しい!という存在ではない。

そこで、自分がディスクブレーキのバイクに求めることはKUALISとは明確に異なる体験ができること。従って太いタイヤを使用できる点に焦点を当てて調査しました。ディスクブレーキとリムブレーキで明確に異なっていると個人的に思えるのは太いタイヤが履けることで、リムブレーキだと28c以上のタイヤはどうあっても使えません。

要点をまとめると、以下のようになります。

カーボン製のフレーム

ディスクブレーキバイクはリムブレーキバイクと比較して重いので少しでも軽くしたいのと、今までカーボンフレームに乗ったことがないので。まあ現代のフレームは大抵カーボン製なので検討に影響なし。なおカーボン製を選ぶ時点で、フレームはマスプロ品となる。

専用部品が少ないこと

最近のバイクはシートポストやステムが専用品になっているが、仮に部品の交換が必要になった場合、専用品は入手性が悪く高価。

太いタイヤが履けること

現時点ではこれを最も重要視したため、レーサータイプでカテゴリが「ロードバイク」のバイクは検討から除外。ただ、どれくらいクリアランスがあれば十分なのかは分からない。

スピードを出しやすいこと

単純に太いタイヤが履けるだけだと車種はグラベルロードになるが、ツーリング目的のグラベルロードの場合はジオメトリ的にスピードを出すものではない。実際に以前乗っていたJARI 1.5はあまり速度を出せず、もう少し軽快だったら…と思っていた。

安いこと

現代のバイクは値段が高すぎるので安ければ安いほど良い。

カラーリングが良いこと

地味に重要だと思っているポイント。自分としては見ていて飽きない色が好き。

まとめると、ロードバイク並みにスピードが出せて軽量なグラベルロードが自分の欲しいものだと判断しました。ホイールを入れ替えればどちらとしても使えるようなバイク。どちらの特徴も得ようとすると中途半端になる可能性があるが、まあいいだろう。

検討にあたってはReddit等の海外のフォーラムに入り浸り、自分と同様の思想でバイクを検討している人の意見も参考にしました。

全体像

最終的に選んだのはCerveloのAspero(2023年モデル)です。フレーム買いしてパーツ類は別途購入しました。

カテゴリ的にはグラベルロードながらスピードを出せるジオメトリ、700Cでは最大44mm・650Bでは最大49mmというタイヤを装着可能なクリアランス、専用部品を使用していないことやケーブル外装式である点など、自分が設定したポイントに合致していることが決め手になりました。

ダウンチューブ下のボトルケージ用穴はありますが、グラベルロードによくあるバイクパッキング用のダボ穴はなく、あくまでレース用に設計されています。

カラーリング

カラーリングはグラベルをイメージしたPuttyカラーを選択。

改めて眺めてみると地味な外観、だがそれがいい。

パーツ類がたいてい黒色なのでフレームは比較的明るい色にするというのが自分の中の思考なのですが、マスプロのフレームってとにかくカラー選びが難しい。そういう意味ではAsperoのPuttyカラーはまさに自分が求めるものでした。後から振り返ってみると、この色がなかったらAsperoを選ばなかったかもしれないレベル。

フレーム各部を見る

カーボンフレームに乗るのはこれが初めてなので、各所をじっくり見てみました。

今まで乗っていたクロモリやチタンの丸パイプとカーボンとで決定的に異なる点はその形状と重さにあり、しかもカーボンだと厚さだけでなく積層状態によっても強度と剛性をコントロールすることができます。従って断面形状が場所によって明確に変わっていて、これについては新鮮でした。

ドロップシートステー

ダウンチューブはトップチューブの2倍くらい太く、これによって加速の良さを実現しているみたい。

またBB周辺の成形の滑らかさを見ると、金属製のパイプの組み合わせでこれを実現するのは困難です。こういう3次元的な断面をつくることができる点で、設計的な面から言えばやはりフレーム材質の主流はカーボンなんだなと思わざるをえません。

構成パーツ

続いてはパーツ編。

Asperoに使用したパーツは以下の通りです。

CERVELO ASPERO仕様
  • Frame: Cervelo Aspero 2023 Putty
  • Fork: Cervelo All-Carbon, Tapered Aspero Fork
  • Seat Post: EASTON EA70
  • Front Derailleur: Shimano FD-RX810
  • Rear Derailleur: Shimano RD-RX810
  • Shifter: Shimano ST-RX600
  • Brake Caliper: Shimano BR-RX810 (F/R)
  • Brake Rotor: Shimano RT-MT800 160mm(F) 140mm(R)
  • Crank set: Shimano FC-RX600 46x30T
  • Chain: Shimano 11s
  • Cassette Sprocket: Shimano HG700 11-34T
  • Handle Bar: EASTON EA70 AX
  • Bar Tape: Lizard Skins V2 DSP 3.2
  • Headset: FSA IS2 1-1/8 x 1-1/2
  • Bottom Bracket: TOKEN BB46BR24
  • Wheel: Light Bicycle AR35 disc
  • Tire: Continental Grand Prix 5000 32c
  • Saddle: SPECIALIZED POWER BRIDGE COMP MIMIC

以下、メインとなるパーツについて詳細に説明。

メインコンポーネント:Shimano 11 speed GRX RX800 & RX600

コンポーネントは機械式&油圧ディスクブレーキのシマノGRXを選択。12速ではなく11速でスプロケットの選択肢が多く、自分の用途に合うギアレンジを実現しやすいです。

平地での巡航を考慮して1xではなく2xにし、最大ギア比4.18、最小ギア比0.88で場所を選ばずどこでも走れるように設定。トップスピードはともかく、最小ギア比が1以下なのはヒルクライムで役立ちそう。

GRXのSTIレバーは形状が大きめでブレーキングしやすく、握ったときに手の中の収まりもいいので一度使ったときからお気に入りです。

ハンドルバー:EASTON EA70 AX

ハンドルバーはグラベルロードやアドベンチャーバイクに特化したアルミ製のものを選択。フレア角16°でドロップエンド幅がブラケット取り付け位置に大して68mm広くなっています。なおSTIレバーの角度は、このフレアに沿うようにして若干内向きに傾けました。

今まで使っていたハンドルバーからするとポジションがかなり変わったように見えますが、自分の場合はドロップ部分を使うのはあくまで下りのときなので通常使用時に違和感はありません。試走で乗った際の舗装路の下りでも十分安定していたので、ダートの下りでは真価を発揮してくれるはず。

油圧ケーブルの関係でブレーキは右前に

購入したフレームがケーブル内装式のAspero-5ではなく外装式のAsperoであるため、ハンドルバー近傍には変速ケーブルと油圧ケーブルの両方が配線されています。油圧の取り回しのことを考えると外装式の方が楽そうなのでこっちにしたものの、最近のトレンドに従うなら内装式の方がスッキリします。

あと、リムブレーキのバイクではケーブル配線が合理的になるように左前・右後ブレーキにしていましたが、ディスクブレーキで外装式の場合は右前の方が自然だと思ったので右前にしています。内装式だったらどっちでも良さそう。

ホイール:Light Bicycle AR35

今回の納車のパーツ選びにおいて検討するポイントは多くなく、唯一検討したと言えるのがこのホイールです。近年のロードバイク業界では中国メーカーが急速に台頭しており、カーボンパーツの品質も良いと聞いたので中国ホイールメーカーのLight Bicycleを選びました。

Light Bicycle: Carbon Rims & Wheels - 100% Customizable

正確に言うとLight Bicycleはリムを製造している会社であって、注文する際にはリムだけの購入も可能です。今回はホイールとして購入したいのでリムの種類、ハブ、スポーク等を選んで仕様を確定させる形でした。当然ながら選ぶパーツやグレードによって重量や金額が変わるので、要は自分だけのカスタムホイールを作ることができます。

選んだのは多用途に使えるAR35というモデル。外幅28mm / 内幅21mmのワイドリムでハブはDT240EXP、スポークはSapim CX-RAYを選択し、重量は前後で1305g。軽量かつ高剛性のホイールです。

個人的には装飾の類は少ないほうが好きなので、Light Bicyleのロゴはレーザーパターンで一箇所のみ設定しました。

「カスタムホイール」の名称の通り、Light Bicyleのホイールはすべてを自分で決めることができるので注文作業がとても楽しかったです。ハブやスポーク、ニップルだけではなくデカルの種類、アクセスホールの有無、ドレインホールの有無などなど…。付属品についても、チューブレス前提ならチューブレステープやバルブまで一緒に購入することもできます。

32cタイヤ使用時のクリアランスはこんな感じ

ディスクブレーキだとリム面の強度がそこまで必要ないため、ホイールの技術が発展したと聞きました。確かにこのホイールを持った瞬間に軽すぎて驚いたくらいだし、ホイール自体に接触する箇所がないため長持ちしそうです。

おわりに

こうして完成した自分だけのAspero。近年では専用部品が多く、ユーザーが選択できるポイントが少ないバイクが主流になっていますが、今回に関しては結果的に自分であれこれ考えて仕様を決めることができたのは良い体験でした。

早速70kmほど走ってみたところ、グラベルロードだと言いながら32cタイヤだとロードバイク並のスピードが出て期待通りの走行性能があります。平坦だけではなく上りや下りも支障はなく、なんといっても高剛性のフレーム&ホイールでそんなに踏まなくても前に進んでくれるのが非常に助かる。


ゆくゆくはグラベル用のホイールとタイヤを別途準備して、ホイール交換のみで色んなライドに対応できるような体制を構築するのが当面の目標。

まあ32cタイヤでも大抵の場所には行けると思うけど、マルチに使える余地が十二分に残っているのは心強い。なんせ最大49cまでいけるわけだし。常用タイヤは現状GP5000の32c(クリンチャー)ですが、チューブレスで低圧にして運用するのもいずれやってみたいです。

走るフィールドを変えれば、見えるものも異なってくる。今までだと躊躇っていたような道でもこれで走れることになったので、より自然を感じられるスポットへの旅が捗りそう。これからよろしくね。

おしまい。


本ブログ、tamaism.com にお越しいただきありがとうございます。主にロードバイク旅の行程や鄙びた旅館への宿泊記録を書いています。「役に立った」と思われましたら、ブックマーク・シェアをしていただければ嬉しいです。

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