【深仙小屋~行仙宿山小屋】春の大峯奥駈道縦走 吉野から熊野本宮への修行道を歩いてきた Part 3/4

今日も一日がんばるぞい。

昨日と同じく4時前に起床し、4時30分に出発です。

もくじ

深仙小屋~持経ノ宿

深仙小屋から南下するとまず大日岳への登り口に着きます。山頂までは急な鎖場が連続し、修行目的の人以外は行かないほうが懸命ですと看板に書いてあったので巻くことにしました。

大日岳を越えたところにある太古ノ辻より南奥駈道に入ります。標高は今までより低いですが、アップダウンはさらに急になります。

太古ノ辻から西へ下ると前鬼から前鬼口へ下山できます。ここで下山して2回に分けて歩く人も多いです。

天狗山周辺で朝日を迎えました。

天狗山山頂。

このあたりは比較的アップダウンがゆるく歩きやすいですが、道が整備されておらず不明瞭なので気をつけたいところです。

緩やかに下っていく。

地蔵岳手前の天狗の稽古場。あたり一面が草で覆われています。平坦な地形ですが幕営はできそうにありません。

滝川辻あたりで二人の修行者とすれ違いました。

服装を見ればひと目で分かるのですが、普通にザックを背負っていて「あ、そこは普通なんだ」と思ってしまった。足袋で歩きづらそうだなとかばかり考えたけど、どうなんでしょう。

時間的に最寄りの小屋である持経ノ宿に泊まってたようです。

このあたりだけ雰囲気が違っていました。なんか怖い。

証誠無漏岳を越えると「山と高原地図 大峰山脈」の表面が終わり、やっと裏面になります。

ここまで長かった(ここからも長いけど

南奥駈道の山小屋は全部で3つあります。

ここ持経ノ宿、平治ノ宿、そして今日宿泊する行仙宿山小屋です。この三か所の宿は新宮山彦ぐるーぷというグループが運営しており、運良くグループの方が小屋にいらっしゃる場合は水を分けてもらえるようです。

いずれも水場は小屋からかなり離れた場所にあるほか、枯れる可能性もあるためできるだけ小屋で補給しておくのが望ましいです。

行仙宿山小屋を越えると熊野本宮まで山小屋の類は一切ないので注意。

持経ノ宿、見るからに快適そうですね…。

この三か所の小屋はいずれも毛布が備え付けられているほか、囲炉裏などもあり非常に快適に過ごすことができます。

どうやらポリタンクに飲み水が入っているようでしたが、人がいなかったのでもらうのは止めました。

持経ノ宿~行仙宿山小屋

ここからは急な下りが続く上、落ち葉のせいでかなり滑ります。

持経ノ宿から一時間ほど歩くと平治ノ宿に着きます。この2つの宿はそれほど距離が離れていないので助かります。

ここでも屋内にポリタンクがあったものの、人がいないので水はもらえず…。

水場まで下る必要を考えた結果、まだ水には余裕があったのと、行仙宿山小屋までは残り3時間程度なのでそこまで行くことにしました。

平治ノ宿から二時間ほど歩いて行仙岳の登り口まで来ました。

そこから更にしばらく進むとこの標識があって、行仙岳(10分)との表記。実際に歩いてみるとこれ本当なのか?ってくらい遠かったです(泣)

山小屋や山頂近くにはこのような「あと10分」とか20分とか書かれた標識が多数あるけど、そのとおりだった試しがありません。

縦走続きで疲れているので余計に遠く感じるのも関連している一方で、走って行ってようやくそれくらいじゃないのかって感じでした。

特にこの怒田宿跡から行仙岳への上りが本当に辛かった。

縦走3日目ともなると寝るだけでは疲労が十分に除去できていないようです。

急に人工物が現れて驚きましたがここが行仙岳山頂です。

mineo(docomo)はここで電波が入りました。どうやらdocomo系しか電波が入らないようで、行仙宿山小屋では入らなかったので天気の確認や家族への連絡などはここで済ませておいたほうがいいでしょう。

山頂から30分程度下ってようやく行仙宿山小屋に到着!今日は歩行時間が短めでした。

行仙宿山小屋は山小屋としては非常に快適な部類に入ります。水場が遠いことを除けばトイレもあるし、毛布も囲炉裏も完備されています。

全く事前情報を仕入れずに来たものの、GWは新宮山彦ぐるーぷの方々が山の整備に入られているようで、お酒やごちそうにあやかることができるのだとか…!

到着した際にはグループの方々が8名ほどいらっしゃいました。

ここにもポリタンクが常備されていて、空きのポリタンクに水場から水を汲んでくることになりました。

メンバーは自分を含めて同時刻に到着した若手二人+グループの方一名、といってももう一人は50代だそうです。

この山小屋は誰かしら人がいることが多いようなので水を分けてもらうことは比較的楽だと思います。しかし人がいない場合は水場へ下る必要があります。ここから玉置神社まで水場はないので、ここで宿泊するしないに関わらず必ず補給をしてください。

が…水場がめちゃくちゃ遠いです

具体的に言うとほぼ垂直に100m下って水を汲み、また100m登るという感じです。「山と高原地図」には下り10分と書いていて上りはお察し。

階段のオンパレードなので、もう完全に今日の行程は終了したと思ってる身体にはかなりこたえました。

水場はこんな感じです。十分な水量があります。

その後7L=7kgのポリタンクを背負ってひーひー言いながら小屋まで戻ってきました。

水の大切さを知る修行と考えれば納得。

水を汲んできた人が優先的に水を使えるとのことなのでしっかり補給。

水を汲んできた人の名前を小屋内のホワイトボードに記入し、ポリタンクの水を使用する場合は汲んできた人に感謝するみたいです。なんか良い気分。

熊怖い…。遭遇しないことを祈るばかりです。

小屋内には利用者ノートもあります。早速、私も記入しました。

無料で缶ビールをいただけたので一緒に水を汲みに行った方と乾杯!

この方も私と同様、熊野本宮を目指しているとのことです。

この時間になると深仙小屋でテント泊をしていた6人組なども小屋に到着し、最終的に宿泊者は小屋内に12人、外でテント泊が4人となりました。

先程「ごちそうにあやかれるかも」と書きましたが、期待通りごちそうが待っていました!

串揚げや山菜の天ぷら、新鮮な野菜や刺し身に酒など、今までの縦走では考えられないような食事を頂くことができました。他の登山者との会話も盛り上がり非常に楽しい時間を過ごすことができました。本当に感謝しています…!

何もかもがとても美味しく、ここまで頑張ってきてよかった、明日も頑張ろうと思えました。

グループの方のお話によると、「このルートはただでさえ歩く人が少なく、歩く人が途絶えてしまうと道が荒れ果ててしまう。それを防ぐために登山者をもてなしてリピーターになってもらうのが目的」だそうです。

これだけ丁重におもてなしをされたらまた来たくなりますね。私も必ずまた訪れるつもりです!

日の入り(18時)に合わせて小屋から5分の高台に皆で夕日を見に来ました。

晴れてよかった。

山々の向こうに沈む夕日が本当に美しい。

就寝。床につくまでは囲炉裏で沸かしたお湯でお茶飲んでました。

囲炉裏のほかにもカセットコンロなどがあったので湯を沸かすには全然苦労しませんでした。設備が充実しすぎている。

寝るときには毛布が豊富にあるのでシュラフが必要ないくらいでした。何から何まで最高の1日だったな…。

明日は玉置神社で野宿する予定だったものの、結果から言うと熊野本宮まで下山することができました。この日の私は寝る前に「玉置神社に到着した時間次第でどうするか決めようか、でも明後日から雨が降る予報だし、できれば明日中に下山までいきたいな」くらいに考えてました。

無事に下山できてよかったです。

縦走3日目終了:深仙小屋~行仙宿山小屋 / 9時間6分

4日目(最終日)に続きます▶【行仙宿山小屋~熊野本宮】春の大峯奥駈道縦走 吉野から熊野本宮への修行道を歩いてきた Part 4/4 - TAMAISM


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