【飛騨高山~平湯】「氷菓」ロードバイクで第2回重ね捺しスタンプラリーを巡ってきた

今回は、ロードバイクで残雪が残る岐阜県高山市を日帰りで走ってきました。

〈古典部〉シリーズが「氷菓」として2012年にTVアニメ化されてからもう12年経ちますが、その人気は衰えることなく2024年現在になっても多くのファンが高山市を訪れています。さらになんと同じ作者の〈小市民〉シリーズも2024年7月からTVアニメ化されるというニュースもあって、同じ岐阜県民として嬉しく思います。

で、本題。

高山市では現在「氷菓×飛騨高山」のコラボレーションとして、市内にある5箇所のスポットを順番に巡ることで絵柄を完成させるスタンプラリーが実施されています(3/20まで)。スタンプが置かれている場所については以下の通りで、氷菓ファンならお馴染みのところばかりです。

  1. 飛騨高山観光案内所
  2. 飛騨一宮水無神社
  3. アルプス街道平湯
  4. 平湯温泉宿泊案内所
  5. 高山市図書館 煥章館

このコラボに合わせて濃飛バスの割引キャンペーンが実施されてたので利用する手もあったけど、高山市街から平湯までは大して距離がないため、せっかくなので…という気持ちでロードバイクで巡りました。

ちなみにスタンプは全て押さないと絵が完成しないので、平湯に行かないという選択肢は最初からありません。あと上で挙げた場所で「順番に」押す必要があり、行程が一本化されているのもポイントです。

もくじ

高山市街地

おはよう高山。

高山市街地付近にある2箇所をサクッと回って早めに平湯方面へ向かいたいので、飛騨高山観光案内所の営業開始時間(8:30)になると同時にスタートとなります。

高山駅前
今までここに入ったことが無い
スタンプ1箇所目

こちらでスタンプ台紙を受取り、そのまま1箇所目のスタンプを押しました。

ここに限らず高山市の至るところでスタンプラリーの案内を見かけたけど、原作まんまというかアニメ「氷菓」の絵柄のイラストがこう目立つように示されていると、今が2024年だとはとても思えない。地元系アニメって一般的には放送が終了すると町の中からアニメ関連のイラストが姿を消してしまいますが、氷菓って息が長いコンテンツだと改めて思います。

あと訪問時に駅前近くのホテルから団体客が古い町並み方面へ歩いていくのがちょうど見えて、高山は岐阜県の中でもインバウンド客が多い一帯だということを否応なしに認識する。この日も駅前の時点で日本人より外国人のほうが割合的に多いです。

肝心の絵柄については、おそらく誰もが心に残るであろう最終話の印象的なシーンを選んだっぽいです。スタンプラリーのチラシでは千反田さんが「わたし、どんな絵柄ができるのか気になります!」って言ってましたが、そういえばもうすぐで季節は春。現実世界を考慮すればこれ以上の場面はないだろう。

一宮の水無神社
スタンプ2箇所目

続いては国道41号を南下して飛騨一宮水無神社へ向かい、2箇所目のスタンプをゲット。こちらのスタンプは社務所の中ではなく屋外に置いてあります。最初は気が付かなくて社務所に入っちゃったわ。

久しぶりに訪れる水無神社の周辺はとてつもなく静かで、冬だけではなくどの季節で訪問しても人がほとんどいません。高山市街地の賑やかさとは正反対の雰囲気が広がっているので個人的に好きな場所です。

冬の平湯へ

スタンプ5箇所のうち早くも2箇所をゲットしたところで、次は国道158号を東へ向かって平湯を目指すことに。ここからサイクリングではなくライドが始まりました。

ライドを終えた身で振り返ってみると、今回のスタンプラリーをロードバイクで巡るのはまさにこの日しかありえませんでした。平湯周辺の山間部は結構な積雪地帯なのでこの季節はロードバイクで走るという選択肢がまず無く、雪が降らない日が何日も続いて道路上の雪がなくなってくれないとどうしようもありません。

その点、今日は「雪の影響を無視できるくらいの残雪量」×「日中の気温が高い」×「快晴」という3つのシチュエーションが見事に重なってくれた。実際に高山に来てみるまではこれほど運が良いとは思ってなかっただけに、感動してヒルクライムが大して疲れなかったのを覚えています。

高山駅前に一度戻り、松之木町から丹生川町を抜けて平湯方面へ。

平湯までの道中まではこんな感じで、道の脇には雪があるものの道路上にはほとんどありません。また想定していたよりも気温が高く、インナー+ジャージ+ジレという軽装備で走ることが可能でした。

というか、高山で残雪の中を走ったのはこれが初めてだと思う。高山で残雪といえば春先に乗鞍スカイラインを走ったときに見かけたくらいしかなく、その乗鞍スカイラインも今現在は道が崩壊しているので機会がない。個人的に今までにない環境で走れていると思うとなおさら楽しくなってくる。

平湯峠までの道は雪で覆われている

のんびり獲得1,000m程度のヒルクライムをして平湯トンネル前に到着。トンネルを抜ければ平湯はすぐそこですが、この平湯トンネルは長さが2.4kmもあるのでロードバイクだと走るのがなかなか怖いです。

国道158号は観光バスや大型トラック等もバンバン通るため、個人的には乗鞍に用事がない限り通りたくないルート。夏の時期だったら県道5号の平湯峠ルートを通ることでトンネルを回避できるのに対し、そっちは冬季閉鎖中なのでトンネルを通るしか選択肢がない。

今回は往路も復路も無事に通れて心からホッとしました。冬の時期は夏に比べると交通量が少ないこともうまく働いてくれたようです。

トンネルの向こう側

長いトンネルを抜けると雪国であった。

平湯トンネルの向こう側はまるで別世界のようで、市街地とは全く異なる白銀の山々が広がっていました。息をする度に肺の中が澄み切った新鮮な空気で満たされていく。

完全な冬景色の中でスキーを楽しんでいる人も遠くに見えるし、この状況下でロードバイクに乗れているという事実にまずは感謝したい。1年の中でこんな恵まれた日はほとんどないだろう。

アルプス街道平湯
スタンプ3箇所目

スキー客で満員御礼状態になっているあんき屋やひらゆの森を通り過ぎ、土産物売り場や足湯・飲食施設が集まった「アルプス街道平湯」で3箇所目のスタンプを入手。

平湯の気温は日向に出ていると問題なく、日陰に入ると寒さを感じる程度で思っていたよりも暖かかったです。

スタンプ4箇所目

アルプス街道平湯の横にある平湯温泉宿泊案内所で4箇所目のスタンプを入手。スタンプを捺す際に係の方に伺ってみたところ、今回のスタンプラリーをロードバイクで巡っている人は他にいないそうです(知ってた)。まあ仮に思いついても普通は実行に移すまではいかないと思う。

主目的であるスタンプは現時点で最後の1箇所を残すのみとなったものの、絵柄の千反田さんの顔がなんかホラー風味になってる。一昔前のアスキーアートみたい。

平湯の町並み

このままとんぼ返りするのもアレなので、高山市街地へ戻る前に平湯の町をちょっと散策してみました。

フレームへの収まりが良い

今回から新しいフレームバッグ:APIDURA RACING FRAME PACK 4Lを導入しています。

これは4Lという使い勝手の良い容量、そしてトップチューブとダウンチューブのみに固定するシンプルな取り付け方法を採用しているAPIDURAの最新モデル。ベルトの数が少ないので、例えば他のバイクで使い回す際にもジオメトリに左右されず取り付けることができます。

今回はスタンプ台紙やチラシに加えてモバイルバッテリー、充電ケーブル、鍵類、チェーンロックなど旅のときに持ち運んでいるものをまとめて入れての試運転も兼ねていました。結果としてはペダリング中の脚への接触もまあ許容範囲内だったので、これからはこれがメイン装備になります。買ってよかったね。

千反田さんと奉太郎が入った温泉

まだ宿泊施設へのチェックイン時間には早いので温泉街に人通りは少なく、静かな時間が流れていく。

でも平湯の湯の近くには氷菓ファンと思われる方がいたりもして、スタンプラリーと一緒に舞台訪問をするパターンも案外多いみたいでした。あとせっかく平湯まで来たのなら宿泊と合わせて楽しむのがベストで、温泉に入るんだったらこの時期は最高だと思います。

自分としても暖かくなったらまた乗鞍に上ったり平湯に一泊したりしてみたいと思っているので、そのときはまた違った景色が見れるだろう。

帰り道

平湯を軽めに散策してから高山に帰ります。

市街地への帰路についてはこのまま下って国道471号~国道41号を通るルート…は選択肢から外し、シンプルに来た道を戻ることにしました。今回はあくまで日帰りの予定なので寄り道を多めにすると日が暮れてしまう。

平湯から高山方面に抜ける場合は平湯トンネルが上り(斜度が+)になりますが、行きと同様に交通量は少なめ。

一箇所だけそこそこ積もってました。
喫茶店パロット
トマトチキンカレー

平湯に到着した時点でお腹が結構空いていたため、そういえば…と思い出して帰路の途中でランチタイム。立ち寄ったのは国道158号のカーブにあるパロットという喫茶店です。

国道158号沿いは車で通ることがほとんどだし、休憩は平湯でとればいいやといつも思っているので「道中の店に寄る」という思考が頭から抜け落ちていました。速度が比較的遅いロードバイクだと周りに目を向ける余裕も多少はあり、前から気になっていたところに寄ることにした形です。

今回は看板メニューであるトマトチキンカレーを注文し、暖房が効いた室内で昼下がりの一時をゆっくりと楽しむ。時間的に店全体が日陰に位置しているためにロードバイクを降りてから停車するまでが非常に寒く、このままずっと屋内に籠もっていたいと思えるほど快適でした。

再び高山市街地へ

お腹が満たされたところで、最後のスタンプを押してフィニッシュすることに。

今更ですが松之木町らへんまでは全く観光客を見ないのに、東山遊歩道くらいまで来ると一気に交通量も人も増えるのが高山らしい風景と言えます。狭い範囲に人が密集していてライドどころではなく、やはりロードバイクで走るには郊外に出るのが手っ取り早い。

意味があるのか分からない歩道橋
高山市図書館 煥章館
スタンプ5箇所目

完成…!えるたそスタンプ完成…!!

というわけで、最後の場所である煥章館でスタンプの絵柄を無事完成させることができました。

最初計画したときは本当に実行できるのかと不安だったけど、ロードバイクで5箇所を巡ったという証がこうして目の前にあると感動も大きいです。ただ単純に公共交通機関で巡ったのとは違って、自分の脚で走った人にしか味わえない充実感。

しかし、氷菓最終話の情景をここまではっきりと描写されると次は桜の季節に再訪したくなってくる。次回の訪問を予感させるという点で今回のスタンプラリーは実に上手い取り組みだと思います。

スタンプラリーを終えて完成したスタンプ台紙をSNSに投稿し、その画面を中橋近くのコンベンション協会(中橋観光案内所)に見せるとさるぼぼストラップか飛騨紅茶をもらえます。今回は紅茶を選び、まさに現在進行系で飲みながら記事を書いています。

高山は岐阜から近いようで遠い土地。まだまだ知らないことがたくさんあるけど(紅茶があるというのも今回初めて知った)、今後も高山を訪問していくことで少しは理解を深められるかな。

平湯トンネル対策でテールライトを追加している

バイクについては、雪解けの中を時速40~60kmくらいでダウンヒルしたのでかなり汚れました。

ただライド単体で見ると、こんなに楽しかったライドは最近では一番だと思う。景色が目的ではなく、あの雪の中を走ることができた体験は良い思い出になる。

昼を過ぎて閑散とした宮川朝市
何度見ても愛車が美しすぎる件について

最後は冠雪した北アルプスと高山市街地を一望し、帰路につきました。

高山は氷菓という作品を抜きにしても本当に魅力的な町。色んな文化があるし古い要素がそこかしこにあるし、カフェも多いし食事も美味しいしで岐阜県を代表する観光スポットの一つです。反面としてロードバイクという要素はちょっと薄いけど、今回みたいな郊外ライドを上手に組み合わせて走れたので満足でした。

おしまい。


本ブログ、tamaism.com にお越しいただきありがとうございます。主にロードバイク旅の行程や鄙びた旅館への宿泊記録を書いています。「役に立った」と思われましたら、ブックマーク・シェアをしていただければ嬉しいです。

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