【京都市街~大原~京北~嵐山】ロードバイクで京都北部の峠を巡ってきた

今回はフォロワーさん達と一緒に京都北部を日帰りで走る機会があり、まだ自分がよく知らなかった京都の良さを見つけることができました。

京都といえば特に説明不要なくらいに観光で有名な土地であって、特に近年では外国人観光客でオーバーツーリズム気味な面が話題になっています。一方でロードバイク乗りにとっても魅力的な箇所が多く、市街地から少し北へ向かった京北地域に点在する「峠」がまさにその中の一つ。幾重にも折り重なるようにして形成された林の中を駆け抜けていき、ヒルクライム率80%くらいの行程を通じて京都の峠を体感するのが目的です。

今回は103さん、すーさんさんささん、そして私の「ロードバイク×写真趣味」3名で密度濃いめのライドをしてきました。

寒いので甘酒

今日の行程は京都駅を出発してから府道40号を北上して三千院に至り、そこからは国道477号~府道363号~嵐山を経て京都駅に帰還する時計回りのルート。基本的にずっと上ってるか下ってるかの二択で、平地はあまりありません。でも京都府って南の一部を除けばほとんどが山間部だし、振り返ってみると実に京都らしいルートを走ることができました。

巡った主な峠は前ヶ畑峠・百井峠・花脊峠・栗尾峠・神明峠・六町峠の6箇所で、これは個人的にはとても多い数。今まで「道」に着目したライドをそれほどやってこなかったこともあって、複数の峠を巡るというのは非常に新鮮な体験でした。酷道や険道を走った経験は多いものの、峠については完全に盲点。

まずは三千院で最初の小休止タイムに入り、甘酒を飲んだ後は観光スポットである三千院に向かいました。

大勢の観光客に加えて修学旅行生の一団も訪れていた三千院を撮影しながらの散策。

私以外の2名は単焦点レンズをメインに使われているようで、焦点距離が固定されるため撮影するためには自分があちこち移動する必要があります。そのぶん「どういう写真を撮るか」が人によって大きく異なり、写真を趣味にする方にとっては単焦点のほうが面白いという意見も…。

自分はというと、写真=作品というよりは記録としての側面が強いのでズームレンズしか持ってません。ただ今回のこともあって久しぶりに単焦点レンズを使いたくなりつつあるので、ちょっと検討中です。

前ヶ畑峠近く
前ヶ畑峠を超えて百井峠へ向かう前の看板

三千院を早めに離脱した後は、いよいよ今回のメインイベントである峠巡りを始めていく。

しかし三千院から先、花脊峠までの間にある前ヶ畑峠の区間が特にキツくて出鼻をくじかれました。斜度がもう色々とアレすぎて撮影のために停車するとリスタートがほぼ不可能なレベルで、京都を走るのであれば最小ギア比1以下は必須であると痛感する始末。今までフロント34/リア30で特に不自由はしていなかったけど、京都だとこの構成はちょっと辛い。

ただ同じ坂道を走ったとしても、走りながら感想を言い合えるグループライドでは疲れ方がソロライドと全然違うのが良いところです。このフレームを選んだ理由とか使っている機材とか、もちろんいま目の前にある激坂のヤバさとか。そういう会話そのものが楽しいので疲れはあまり気になりません。

あとはなんといっても、他の方が走っている様子を撮影するのが楽しくて仕方ない。これは景色ばかりが撮影対象になるソロライドでは全くない要素だし、現に今回撮った写真を見返してみたら2人ばっかり撮ってました。

103さんのAll-Cityバイク

今回初めてご一緒し、京都をアテンドしていただいた京都在住の103さん。

普段から京都を中心に、主にグラベル系の道を開拓されている方です。(フレームを見ると分かると思うけど)ギア関連をすごく凝っていて、フレームのみならず機械式ディスクのコンポーネントやバッグ類のチョイスも目的に応じたものばかりでグッと来ました。

さらに写真の方についても色彩に定評のある富士フィルムのボディ+単焦点という組み合わせを運用されており、後述しますがライド中に撮っていただいた写真も実に自分好み。その人のこだわり要素の一端に触れるのは面白いです。

百井峠まで京都らしい風景が続く
百井峠
たまたま見つけた山の中のカフェで昼食
103さんのFUJIFILM X-Pro2

直立した杉の木が一面にそびえる林の中(北山杉)を抜けていき、前ヶ畑峠・百井峠から花脊峠を超えて前半の峠区間は終了。特に理由もないですが、杉林ってなんか京都っぽい風景だと思えてならない。

その後は、国道477号に合流したところで昼食にしました。こういうところは自分が普段やっているようなライドと似通った部分があって、要はどこで休憩するのか・どこで食事をとるのかを現地で決めるという点。ライドに集中しすぎていて食事の方をおろそかにすることが多い中で、今回はグループライドにも関わらずそんな感じだったのでなんか親近感が湧きました。

言い換えればこれは時間を気にせずに走るということに他ならず、一分一秒が重要になるレースのためのトレーニングとかとは対極にある思考。趣味でのんびり走るのが好きな自分にとってはこういうスタイルが向いています。

栗尾峠へ
栗尾峠

昼食の後は国道477号を西に走って道の駅に至り、小休止を経て自転車と歩行者のみが通行可能という栗尾峠へ向かいました。すぐ側に新しめの国道ができたことで交通量が激減する旧道は全国各地にある一方で、栗尾峠の素敵ポイントは車が入ってこれないことが明確に定められているというところ。

個人的に、ロードバイクで走っているときの一番のストレス源が交通量の多さって人は意外と多いと思います。でもここでは車の存在を全く気にせずに走ることができるのでその心配がなく、開放感のある晴れやかな気持ちで標高を上げていくことができました。地元の人しか知らないような秘密の場所を訪れることができるのは本当に最高すぎる。

再び林の中へ
暗い林の中では日光が目立つ

栗尾峠を超えたら府道363号から府道50号へと入り、今回のライドもいつの間にか後半戦に入っている。日が傾き始めたのを横目に見ながら進路を南へ取り、嵐山を目指していきます。

今回走ったルートでは周りの環境が目まぐるしく変化していき、最初は峠を巡るということでずっと山の中にいることを想像していました。しかし蓋を開けてみれば決してそんなことはなく、観光地の目の前を通ったり杉林を通り過ぎたり、集落や田園風景を通ったかと思えば開けた平野を走っていたこともある。

つまり約100kmという距離に対して体感的に飽きることがなく、ずっと新鮮なままの気持ちが持続していました。これが京都を走るということなのか。

四所神社は銀杏が見事だった
四所神社
明暗の差がグッド

終盤に走った神明峠までの道中(府道50号)は霊験あらたかな愛宕神社の参拝道にもなっており、その存在を身近に感じながらのヒルクライムとなりました。山と人里との距離感や交通量の少なさ、そして信仰との繋がりが絶妙に組み合わさっていて、ああやっぱり自分はこういうのが好きなんだと思ったり。

特に、途中で見かけた四所神社という神社。ここは無人の社務所やちょうど最盛期を迎えている銀杏の木が美しくて思わず立ち止まってしまったところ、他の2人も当たり前のように撮影タイムに入っていたのが面白かった。あ、ここいいなという感性が同じ人達と行動を共にするのは、なんか一種の一体感がありますね。

神明峠

そのまま走って神明峠に到着。少し開けたところからどこまでも続いていそうな山々を見ていると、本当に京都って山ばかりだと思います。

ヒルクライムは頂上からの眺めで疲れが吹き飛ぶというけど、京都の峠に関しては頂上に着いても林に囲まれていて何も見えない…ということが少なくありません。しかしさっき上った栗尾峠やこの神明峠(の少し先)のように視界が開けた箇所自体は必ずあり、疲労回復と同時に気分転換にもなります。

京都の峠の場合は他の山々との距離感が近く、それでいて自分がいるところと同程度の山が多いのが特徴かな。ここだけ突出して高いわけではないようです。

保津峡
六丁峠

神明峠をパスして、残る通過ポイントは嵐山のみ。

嵐山までの区間で最後の山場といえるのが六丁峠という峠で、ここは川下りで有名な保津峡から短距離で一気に標高を上げる形になっているので割と辛かったです。確かこの道は以前観光か京都トレイルかなんかで歩いたことがあったけど、車輪だとこんなに疲れるとは…。

六丁峠は時間の流れを明確に感じることができた場所でもあって、保津峡に到達した辺りで太陽が山の向こう側に隠れてしまい、最初は日陰になっていたのが峠まで上っていくにつれて徐々に明るくなっていったのが印象的でした。六丁峠の頂上から眺める夕陽はこれ以上なく美しかったです。

さて、今回の峠巡りはこれで無事に終了。

時間帯的にはもう夕方から夜へと移り変わり、日光が当たらなくなった途端に京都市街には夜がやってくる。帰り道では「京都といえばラーメンでしょ」という話になり、嵐山から京都駅までの道中で夕食にしました。

寒い時期に食べるラーメンってなんでこんなに美味しいんだ?って思えるくらいに、寒さに震える身体に醤油ラーメンの旨さが染み渡ってくる。思えば今日は朝からずっと気温が一桁の中を走ってきていたし、やっぱりこういうときには温かい食べ物がマスト。

103さん、お世話になりました

そんなこんなで、早朝に京都駅を出発したライドは無事に京都駅でフィニッシュを迎えました。

この時間帯の京都市街は異常なほど渋滞していた中で、京都駅まで最短距離で先導されていた103さんは流石というほかない。

Photo by 103さん
Photo by 103さん
Photo by 103さん
Photo by 103さん

京都といえば岐阜から行きやすいにも関わらず訪問回数がそれほど多くなく、ロードバイクで走る上でどういう魅力があるのかの全容がまだ把握できていない場所でした。今回のライドによって京都の良さをまた一つ知ることができたほか、何よりも趣味の合う方々と一緒に走れたのが一番の思い出です。

103さんに京都の濃いスポットをご案内していただいて本当に楽しく走れたし、3人で走ることによって疲労は1/3に、面白さは3倍になったのは紛れもない事実。またこういうライドをしてきたいと思います。

おしまい。


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