【南伊勢~横山展望台~御座白浜】ロードバイクで快晴の志摩半島を走ってきた

今週末はなんか1日だけ天気がいいということで、近所にある伊勢志摩をロードバイクで走ってきました。

もともと伊勢志摩を走るという明確な目的はあまりなくて、単純にちょっと気温が暖かめなようなので海を見ながら走りたいと思ったのが主な理由。日中の気温が10℃近くなる日もちょくちょく出始めてきており、もうすぐで春なんだなという気になってきます。

近場で海というと三重県か静岡県、もしくは逆方向に飛んで富山県が近いのですが、今回は気分で三重県にしました。背景が背景なので走るルートについても全く決めておらず、まあ100kmくらいゆるゆる走ろうかといったところ。結局、南伊勢周辺を含めて志摩半島を回った形になりました。

もくじ

伊勢志摩の海沿い

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今回走ったルートはほとんどが交通の主流から逸れた脇道のような道ばかりで、場所によっては車すらほとんど走ってなかったです。

それでいて景色はすごくよくて、海沿いの集落や誰も居ない砂浜などが次々に目に入ってくる。別に人が少ない方向にロードバイクを走らせたわけではないにしろ、ただ単に海沿いへと向かっていれば自動的に自分な好きな風景ばかりが目に飛び込んでくるのだからたまらない。

最初は国道260号を走って南伊勢から宿田曽漁港方面へ向かい、南へ突き当たったら賢島方面へ舵を切りました。

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伊勢志摩周辺の地形的な特徴を一つ挙げるとするなら、海岸線が入り込んでいるために視界内に占める陸の割合が多いということ。

一般的な海岸沿いってそんなにぐねぐねしていないので目の前の風景が海一色で、逆に内陸側を見れば陸だけしか見えないというパターンが多いもの。一方で伊勢志摩はというと、有名な英虞湾(あごわん)に代表されるように日本有数のリアス式海岸がずっと続いていて、海のすぐ向こう側に別の陸地があったりする。海の広さを感じるというよりは、どこかよく見る坂道や平地の傍らに海が寄り添っている、という印象を受けます。

要は「向こう側」の風景がすぐ近くに感じるおかげで景色的なスケールが圧縮されて感じられ、もう少し先まで走ってみようという気になりやすい。海が入り組んでいる=さらに奥にある風景が気になるという思考の流れも含め、このコンパクト感が気持ちよく感じられました。

英虞湾を一望できる場所

そんな感じでのんびりと走り、次に向かったのは横山展望台という場所。

ここは英虞湾を一望できる有名スポットで、伊勢志摩の観光場所を紹介する雑誌等では必ず載っているところです。標高203mの横山に設置されており、国道からも近いことからアクセスは容易。駅からも一応近いので歩いて向かえなくもないです。

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展望台までは自転車不可なので注意

注意点は展望台直下の駐車場の台数が少ない(28台)ことと、そもそも山の上まで二輪車で向かえないこと。

ほとんどの方が車で来ると思いますが、天気がいい日とかだと展望台まで歩いて1分くらいのところにある駐車場はたぶん停めることができないくらいに混んでると思います。代わりに横山ビジターセンター近くにある駐車場に停めるように誘導されます。

また、ロードバイク含む二輪車については山を上ることができません。いっそ車を通行禁止にして二輪車のみOKにすれば混まなくて済むのに…と毎回思ってます(白目)。

横山ビジターセンターから展望台までは歩いて15分ほどで、道の脇に遊歩道が整備されているのでそこを歩く形になります。

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展望台まで上がった様子がこちら。

展望台には簡単な売店が併設されていて、天気がいい&気温がそこそこ高いおかげでかなり繁盛しているようでした。

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横山展望台からの眺め

そしてこのワイドビュー。

視界の上半分には雲ひとつ無い快晴、下半分には青い海と大小様々な島々が広がっている光景。下から歩いてくるのは疲れるかもしれないけど、この絶景を見たら疲れは気にならなくなる。

遠くまで遮るものが一切ない広々とした空間の広がりも素敵だし、さっきまで走っていた海沿いとは全く異なる景色が見えるのがいいですね。同じ場所でも見る立ち位置によって変わるというのがよく実感できて、視点を変化させるのがこれほど効いてくるんだと驚いてしまう。

島については海面からの高低差が一様に低く、従ってそれらが集まった英虞湾も上下方向ではなく平面方向の広さのほうが強調されている。

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遠くに見える島々も無人というわけではなくて、よく目を凝らしてみると建物だったり船着き場だったりが確認できます。

視界の隅々まで人の生活の端部を感じられて、ただ海がある・ただ空が広く見えるという自然の大きさよりもそっちの方が好きだったりします。やっぱり自分としては旅を通じて各地の人の生活に触れたいという目的があるので、こういう形でそれが目に見えるのが良かった。

灯台を目指す

正直、今日は昼前に出発したということもあってそれほど長く走るつもりはありませんでした。でもせっかくの晴れの日、どうせなら日没まで満喫しないともったいない。

まだ時間には余裕があるしで、志摩半島の先端にある御座白浜まで行って折り返すことに決定。ただこのまま大きい道路を走って直行するのも単純すぎるので、寄り道として志摩半島の南東に位置する大王崎を目指しました。

「目指しました」って書いてますが、本当のところは交差点で看板を見つけて気になったので行ってみたくなったというのが事実です。目的地と走るルートばっかり凝視しているだけでは、その他のことがついおろそかになってしまいがち。シンプルに案内表示板や看板だけ見ながら進むルートを決めるというのも旅の選択肢の一つだと思ってます。

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大王崎
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志摩半島はその名の通り半島で、要は海に面している長さが他の地形よりも多い。

そのためか個人的には漁港や灯台の数も比較的多いような気がしているのですが、この大王崎もそのうちの一箇所でした。ここは漁港に隣接している岬に分類される場所で、太平洋の熊野灘と遠州灘を分けているところです。

観光地の一つとして数えられているらしいけどそこまで観光地っぽい感じではなく、静かな海沿いの集落という感じ。

お店もいくつかあって、ちょっと覗いてみると買い物客が何人か見える。気温はすでに10℃くらいで過ごしやすくて、波打ち際の音が耳に心地いい。何も考えずに頭空っぽにして海を眺めている時間がしばらく続いた。やっぱり休日の昼下がりは、こういう場所で過ごすのが一番好きかも知れない。

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猫が歩いていた。
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大王崎灯台

灯台というのは白色をしていて、それが透き通ったような青空によく似合う。灯台までの道のりも路地裏のような狭い道で、そこを抜けていった先に灯台がバンと出てくるのが印象的でした。

自分が今いるのは志摩半島の端っこの端っこで、観光っぽいことをしているかと問われればNO。でもあまり馴染みがない場所に出かけてきて、そこで出会う風景を堪能しているだけで嬉しい気持ちになる。

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なぜかうつむいている猫ちゃん
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大王崎周辺には猫が多くて、中には写真を撮らせてくれる子もいました。

「猫に出会える確率が高い」というのが海沿いの散策の良さの一つとして確かに存在しているような気がする。他の場所だったらまず猫に遭遇することなんてなかなかないですが、海沿いならもしかしたら…と思って歩いていると案外出会えます。

モフらせてくれなんて贅沢は言わないですけど、猫が自分のそばで座ったり歩いたりしているところを眺めるだけで心が穏やかになってくるのが分かる。

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遅めの昼食

このあたりでお腹が空いたので、ちょっと走ってから遅めの昼食。伊勢志摩名物の伊勢うどんにしました。

半島の先端へ

ここからはもう単純で、大王崎から国道260号を走って半島の先端にある御座白浜をピストンして今日のライドは終了。

ただピストンするのは同じ道を走ることになるので、帰りは太平洋側にある「ゆうやけパール街道」を走っています。

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昼食の伊勢うどんを食べながらそんな感じの適当な行程を考えていて、まあ行きの国道はささっと抜けるかみたいに考えてました。しかし実際に走ってみると国道沿いの風景は実に良くて、なんというか海と陸のバランスがちょうどいい。

例えば上の写真、これは志摩丸山橋から志摩パールブリッジの間の短い間の風景を撮ったものです。この近辺には桟橋に停泊した漁船や漁業のための小屋、それに家屋などが点在していて、さっきも書いたけどこのコンパクト感が良い。

リアス式海岸のために海岸線が複雑に形成され、その中に人の生活空間が後から形成されている。それが結果的にちょうどいい感じの範囲内に収まっているのがグッと来るというか。ただ海岸線を走るよりも異なった展望が得られるという点がまず良くて、あとはさっき横山展望台から眺めた遠方の場所を実際に走っているという充実感がそれにプラスされている。

近場と遠方、それらを一度に目にすることで全体の風景を把握してからのライド。これが実に良かったと思います。

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普通に走っているだけでは通常は目の前の風景しか味わえないところ、行程全体を見渡せるスポットがあることで遠くから俯瞰的な視点で道中の様子を見ることができる。そしてその行程は一日で回れる程よい距離感がある。

伊勢志摩がロードバイク乗りに人気がある理由が納得できました。

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御座白浜
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そんなこんなで終点の御座白浜に到着。

御座白浜は日本各地の海水浴場から選出された「快水浴場百選」にも選ばれている志摩市を代表するビーチで、夏場はここを目当てにたくさんの海水浴客で賑わうそうです。

冬の季節はもちろん海水浴客なんていないし、訪れる人といえばバイク乗りくらい。風は台風並みに強くて難儀しましたが、今回の行程の最終地点がここであることを踏まえると気にならない。

あるのは白い砂浜と透明な海で、他には何もなし。そのシンプルさがまさに終点ぽい感じで好きになりました。

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その後は日没間際で暗くなりつつある中、出発地点まで走って終了。


今回は1日のみの快晴を活かし、日帰りで良い時間が過ごせました。

日帰りの行程でも遠くまで行くことはできるけど、近場でもこんな風に満足できる場所はたくさんある。今住んでいる場所から離れたところに行くだけでなく、灯台下暗しで近場のスポットを走ってみるのも面白いです。


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