【黒百合ヒュッテ〜双子池ヒュッテ】夏の八ヶ岳連峰縦走 Part 3/4

縦走3日目。昨日に比べれば比較的眠れました。

早速テントを撤収して出発といきたいところですが、フライシートに夜露でかなり濡れており、袋に入れると一緒にテント本体も濡れてしまいます。高い山での登山ではよくあることです。

もくじ

白駒池を目指す

日が出ているうちに今日のテン場まで到着し、テントを張ってしまえばあとは自然に乾くので問題ありません。

まずはニュウを経由して白駒池に向かいます。

本当は中山を経由するルートで向かう予定でしたが、昨日登山中に出会った方に「ニュウを経由するルートのほうが景色がいいよ」とお勧めされたのでそれに従うことにしました。

出発した直後はガスガスでしたが、次第に晴れてきて青空が見えるように。

木々の合間から、昨日歩いてきた硫黄岳や天狗岳を見ることができます。

1時間ほど下り基調の道を歩いてニュウ(2,352m)に到着。

山名にしてはかなり変わった部類に入ると思います。今回使用した山と高原地図を見ても、◯◯山とか△△岳とか書かれた山がほとんどの中、明らかに異質な存在。後で調べた結果、刈り取り後の稲を円柱形や円錐形に積み上げる稲わらの「にう」が語源とされているようです。

ニュウからは小梅町・松原湖方面に加え、これから下る白駒池方面が見渡せました。

ここから下ってから湿原を経由して白駒池に向かう道中、湿原までの道は木の根が多く、気をつけないて歩かないと滑ります。

その後、湿原へ到着。

白駒池周辺のいわゆる麦草峠は国道に面しているため、ハイキング目的の方も多く訪れていました。

湿原一帯にはよくある木の板が置かれていますが、反対側から人が来るとすれ違うだけの幅がありません。

白駒池まで下ってきました。

方角的にこの白駒池を4分の3周ほどすることになる中で、朝も早い時間でそこまで人が多くなく、静かな湖畔の雰囲気を楽しめました。

青苔荘でアイス(¥400)を購入。外界に比べると量も少ないし値段も高いです…しかしアイスの誘惑に勝てませんでした。

あと青苔荘のトイレを使わせてもらいましたが、旅館並みに綺麗です。

北八ヶ岳を歩く

チェックポイントの白駒池に到着しひと休憩したところで、次に目指すのは北横岳。しかしその前に茶臼山と縞枯山に登ることになります。

なお、麦草峠からさらに西へ向かうと茶臼山・冷山歩道に出ることになり、北八ヶ岳ロープウェイの山頂駅に短時間で行くことができます。道としてはほぼ平坦な上、木道なので歩きやすいのだとか。

青苔荘から30分ほど平坦な道を歩くと、茶臼山・縞枯山への登山口に到着します。ここも比較的アクセスしやすいためか人が多かったですね。

麦草峠から1時間ほど歩いて茶臼山(2,384m)に登頂。

茶臼山は登山道こそひたすら樹林帯のなかを進むことになって途中の展望はありませんが、展望台からの眺めは素晴らしいものがあります。

地元の方と思わしき登山者も結構見かけました。

茶臼山の次に登ることになる縞枯山(2,403m)は、残念ながら頂上からの展望はありません。

縞枯山山頂の標識はありますが、まわりには鬱蒼と木が生い茂っています。まあ展望が良い山ばかりでもないししょうがない気はします。

縞枯山に登った後は、雨池峠、縞枯山荘を経由して北横岳に向かいます。このあたりの縞枯山荘や北横岳ヒュッテは休憩するために屋内に入るだけでもお金を取られるようでしたので、面倒ですが屋外で休憩しました。

雨池峠から北横岳に登る際に経由するのがこの坪庭と呼ばれる場所です。

坪庭は八ヶ岳の噴火による溶岩でできた場所で国定公園第一種特別保護地域に指定されています。園内には写真のように写溶岩がゴロゴロしているほか、季節ごとの高山植物を楽しむことができます。

雨池峠から北横岳に最短で向かおうとすると、坪庭の散策コースを逆走することになるので十分注意してください。向こう側からやけに観光客がやってくるので不思議に思っていましたが、途中の看板で気づきました。

坪庭から北横岳への登りは特筆すべき点はありません。登山道にはよくある木の根と岩が組み合わさったような道です。

どうも坪庭から北横岳をピストンする人は結構いるみたいで、登っている最中に下山している人と遭遇することが多々ありました。

北横岳に到着。

北横岳は南峰と北峰に分かれており、蓼科高原を見渡せるのが南峰(2,472m)、蓼科山方面を見渡せるのが北峰(2,480m)となります。

ここで自分と同じNikon D750を使用されている方と出会い、お互いにカメラを交換しあって写真を取り合うという何やら奇妙な感じになりました。レンズの話でもかなり盛り上がりました。

やはり重量がネックになるのか、登山に一眼を持っていく人はあまりいないようです。今回の縦走では数回しか一眼を持った人とは出会いませんでした。

北横岳に登ったことで、あとは今回の幕営地である双子池ヒュッテに下山すれば今日の行程は終了となります。

北横岳から双子池ヒュッテに向かうには、亀甲池を経由するルートと大岳を経由するルートの二択となります。ほとんどの方が前者を選択するようですが、今回はせっかくなので後者を歩くことにしました。

しかしこれがキツかった。

一言で言うと、巨石の間を縫うように道らしきものが一応あるという感じ。数メートルごとに岩を乗越えないといけないのでスピードが全然出せず、かなり苦労しました。「この道本当に人が歩いてんの??」ってくらい人の痕跡がない…。

岩と岩の間を進むことになるので、なにか落とそうものなら二度と拾うことができないと思います。

なんとか大岳の分岐に到着しました。ザックをデポして大岳へ向かいます。

大岳の頂上付近も岩だらけで、おまけに頂上には木の板が一つあるだけ。かつては文字が書かれていたようですが消えていました。

ただ、誰もいない山頂を独占できているということで気分は良かったです。北横岳からここまでくる道中も誰にも合いませんでしたし、その分貴重な体験ができました。

ここからは双子池まで下りが続きますが、この道を下りで使うと余計に辛いです。。

隙間が脚一本分しかない岩と岩の間を抜けると足を付く場所が見当たらず、後ろ向きで降りることになるような岩場がしょっちゅう現れます。

登りより下りのほうが苦労するタイプの道で、個人的には二度と使いたくないルート。

1時間ほど岩と格闘して双子池ヒュッテに到着。早速受付で幕営の手続きをします。

ヒュッテの前にあるのが雌池、少し離れた場所にあるのが雄池ですが、テントは雄池周辺にしか張ることができません。

双子池ヒュッテといえば、池のすぐほとりにテントを張ることができるテン場として有名です。しかし、数日前の大雨の影響で水かさが増しているため、ご覧のように一等地に張ることができないという事態に。

仕方がないので、すこし高台にある樹林帯の広場に張ることにしました。

今日も比較的早目の時間にテン場に到着できたため、かなり広い場所に張ることができました。

他の場所はテント1張り分しかスペースがない群生した笹の間に張らないければならず、かなり不便です。でも虫はそこまでいなかったので夜になれば問題ないかもしれません。

私はペグを打つのが面倒でなるべくやりたくないので、このようにいつも石を使ってテントを固定しています。北アルプスのテン場とかだと石が豊富にあるので全然困ることはないのですが、このテン場は石が少なく、他の場所から探して持ってくることになりました。

このテントのペグは断面がL字タイプになっているので、抜くと土が挟まります。それを掃除するのがちょっと時間かかるので、入り口の1本以外は石で済ませています。

自分が張ったあとに何人か幕営していて、双子池ヒュッテには明日登る蓼科山方面から来る人が多いようでした。

水はヒュッテで無料で頂くことができます。しかし、その際に「池の水をそのまま汲んでいます。飲む分には問題ありませんが、大雨の影響で増水しているので煮沸してから飲んでください」と言われました。

自分は割とお腹が強い方なのでそのまま飲みました。特に問題なかったので大丈夫だと思います。

その後、夕食を済ませて就寝。

続きます▶【双子池ヒュッテ〜蓼科山登山口】夏の八ヶ岳連峰縦走 Part 4/4 - TAMAISM


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