- Part 1:尾鷲〜石神神社〜磯崎
- Part 2:遊木集落〜九鬼集落〜尾鷲
以前やった高知ライド。平日の海沿いを走ったこれが楽しくて、あんな行程をまたやりたくなってきました。
毎回思ってますが、平日というだけで休日とは一味違った町並みの様子が楽しめるし、なんせ人が少ないのが実に良い。
海のそばを走りたくなったので
散策が好きな自分としては、できる限りその土地の日常風景を味わっていきたいもの。社会人だとなかなか難しい面があるものの、やはり平日にあちこち出かけるのが極論としては自分の理想にかなっているのかなと。
というわけで、春前の陽気に満ちた平日の快晴日を狙ってロードバイクで出かけることにしました。
その海沿いはどこなのかと言うと、三重県です。
三重県はとにかく海沿いの町並みがきれいで、用事の有無に関わらず何度も訪問したくなるところ。地形的にはアップダウンが多くて、人が居なくて走りやすいという意味では個人的に好きな場所だったりします。
海沿いを走りますとか言っておきながら山方向に舵を切っていく。
実はちょっと気になっていた神社があって、まずはそこを回ってから太平洋を拝みに行くことにしました。今回もいつもと同じように行程はあって無いようなものなので特に問題なし。
気になったのなら積極的に寄り道していけばいい。簡単なことだ。
尾鷲から国道42号を西へ抜けて、そのまま内陸部の国道309号に合流。
とにかく高速道路が皆無な和歌山~三重の海沿いですが、一応高速道路っぽいものはあります。で、この区間を走る車はみんなそっちの方を走るためか国道42号は貸切状態。ロードバイクで走る分にはむしろ快適でした。
その国道309号をさらに脇道に進み、町というよりは集落の様相を呈する山沿いを走っていくこと数分。ずっと訪れたかった神社がそこに在りました。
それがこの石神神社。
三重県で”石神神社”というと鳥羽市の方の神社がまず検索に引っかかるので、こっちの石神神社を知っている人がいたとしたらかなりのマニアックじゃないかと思います。向こうには「女性の願いを1つだけ叶えてくれる」という明確なご利益がある一方で、こっちについては特になにもないのでそれも仕方なし。
でも、どっちの神社が性癖ですか?と問われた場合は間違いなくこっちを推しますね。
集落の最深部一歩手前に位置する神社なだけあって、その土地との一体感はかなりのものでした。
自分が神社な好きな理由はすでに記事にした通りですが、こういう感じで人々の生活に根付いている様子が強く伺えるのが堪らない。観光地っぽさは言うまでもなく皆無だし、ふと立ち止まってみても聞こえてくるのはこの川の音だけ。
性癖というものはうまく他人に説明できるものではなくて、言葉で言い表すとすれば実際にその土地に行ってみてほしい以外に言いようがない。
なので写真で少しでも様子が伝われば良いんですが、つまりこんな神社が好きなんです。
ただ山の中にある神社もそれはそれでいいものだけど、そこに水の流れが加わることによってさらに神秘さが増す気がする。なんというか、川の流れによって視界の中の風景に動きが生まれるというか。
静かな雰囲気と、わずかな動き。この組み合わせは自分は非常に好きで、意図せずとも特に神社はそのような構造になっていることが多い。
これからも自分が旅先で神社を訪問することはやめないだろうし、気分を落ち着かせるという意味ではこれ以上のスポットはないとまで思っている。この石神神社みたいな神社は随時リストアップしているので、ちょくちょく紹介していきたいです。
過去のある時点で山が切り開かれ、そして発展していった土地というのは全国にあって、今現在で人が集中している都会がまさにそれです。
しかし、「切り開かれた」時点で成長がストップした、あるいは栄枯盛衰で昔は発展していたが、今は寂れている場所の方が個人的には魅力度が高い。山間部というだけで人が住むには困難がつきまとうものだし、そこに今でも集落が残っているという事実がなによりも面白いと思う。
写真を撮るだけなら、正直に言うとネットを徘徊してるだけで十分。
わざわざ現地に出向く必要は微塵もなくて、自宅に居るだけで事足りてしまう。自分がしたいのはそうではなくて、自分がその場所を訪れた意味みたいなものがほしい。
自分はそのときどんな心境だったのか、そこを訪れてどう思ったのか。その風景は自分のどんなところに影響を与えたのか。そういうことを考えながら各地を旅していくのが自分の方針。
自分が単に綺麗な風景の場所よりも、心境的に落ち着く・精神的にまったりできる場所ばかりを訪問しているのはこれが理由だったりします。
三重の漁村を訪ねて
石神神社への参拝を終え、国道309号を引き返して国道42号に合流。そのまま直進していくと、以前も訪れたことがある鬼ヶ城周辺に到着します。
そしてここからが今回のメインテーマの始まり。各地に点在する漁村を巡っていく。
実は今回走るルート自体は上に示した記事ですでに走っているのですが、当時は漁村の一つ一つを重点的に回るということはしていませんでした。あの時はどっちかというと温泉や熊野本宮大社への参拝がメインだったし、デジャヴ感を感じる一方でこれから訪れる場所への好奇心の方が遥かに勝っている。
これから回っていく集落はすべて国道311号沿いにあります。ただし国道沿いにあるとは言っても結構離れてたりするので、普通に国道を走っているだけでは見つけることができません。
こういう面ではロードバイクでの散策は優れていると思っていて、ちょっと通り過ぎたのでUターンします、とかの行動がしやすい。このときは単にその程度の認識だったものの、これから訪れる漁村ではそれを如実に感じることになりました。
なぜかというと、今回訪問した漁村はどこも道が非常に狭いです。
特に民家と民家の間の道は1メートル程度しかなく、とてもじゃないけど車は入っていくことができません。車で入れるのは港付近の一部だけで、あとは基本的に徒歩か自転車。だったら最初からロードバイクで訪問しておけば全く問題ない。
そんなことを思いつつ、最初の磯崎の集落を回ってみました。
この狭さが最高すぎる。
集落の中は非常に入り組んでいて、もう公道なのか私道なのかの判断がつきません。普通に公道だと思って歩いていったら民家の庭に繋がってたりするし、いきなり洗濯物が干してあったりもするので戸惑う。
この集落には海に面した民宿もあるっぽいので、今度はここで一泊してみるのもいいかもしれません。
先は長いので適度なタイミングで散策を切り上げ、次の場所へ向かいます。
時間帯は早朝を通り越して昼間に差し掛かっており、早速の気温の高さに辟易しつつもジレを脱ぎました。今日は最高気温が18℃まで上がるとのことで、もう完全に春。
話が逸れますが、完全に夏になってしまうと暑すぎてとてもじゃないけど走れたものじゃないので、春のうちに色々行っておきたいところです。
その後は次の集落に向かう前に、途中にあった波田須駅に行ってみました。
波田須の土地は中国の古人である徐福の伝説があったり、熊野古道が通っていたりと歴史にも富んでいます。というか三重県や和歌山県、それに奈良県南部を訪れる以上は熊野古道の存在が常に傍にあって、特に意識しなくても自然に歴史に触れることになるのがいい。また機会があれば熊野古道を全部歩いてみようかな?
というわけで、今回はこれで終了。Part 2に続きます。
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