- Part 1:新穂高温泉~三俣山荘~雲ノ平~高天原温泉
- Part 2:高天原温泉~鷲羽岳~三俣山荘
- Part 3:三俣山荘~三俣蓮華岳~双六岳~新穂高温泉
むくり。
高天原温泉訪問から一夜明け、今回の縦走の最終日がやってきました。今日はもう下山するだけなので、昨日の大冒険のことを考えると否応なしに名残惜しくなってしまう。
とはいえ、このまま新穂高温泉に直接下山するのはもったいないので少し寄り道をしていくことに。
ご来光
眠たい目をこすりつつやってきたのは、三俣山荘からほど近い三俣蓮華岳(標高2,841m)。
双六小屋から三俣山荘の間にはルートが3つあって、アップダウンが比較的少ない巻道ルートや、双六岳と三俣蓮華岳を経由する稜線ルートなどがあります。一昨日の往路では巻道を通ったのに対し、帰りでは稜線ルートを選択して展望を得ながら帰路に着こうという魂胆です。
この美しい朝日は山で迎える朝の一番のご褒美。最終日まで晴れてくれて何よりです。
この日の早朝は太陽が出現する山々のほんの一部だけが晴れており、それより上は完全にガスってるというなんとも不思議な天気でした。予報が「晴れのち曇り」だったとしても、早朝の天気が必ずしも晴れてくれるとは限らないのが山の気候の難しさでもあります。ただ、なんだかんだで忘れられない朝になったのでこれはこれで良し。
テント撤収作業に手間取ったので日の出の時間に間に合うか心配でしたが、ガスってた影響で若干遅く出てくれたので間に合いました。
ガスを透過して降り注ぐ陽光が辺りを染め上げていて、言葉ではうまく言い表せられないほど幻想的な風景。
ガスがかかるときは太陽の形すら確認できないほど厚い雲になってしまうことが多いような気がして、こんな風に薄く、しかもちょうどいい感じにかかってくれるなんて運がいい。
ふと足元を見てみれば霜柱が降りてました。
今朝の気温も昨日に引き続いてめちゃくちゃ寒かったので、山はもう冬になりかけのようです。かすかに紅葉になりかけてる木々もそうだし、昼を過ぎても晴れている気候などもその影響。
もう少しすればすぐ秋に入り、それを過ぎれば雪が舞う冬。実際にもう降雪している山々もある中で、夏山登山の終わりを静かに感じました。
新穂高温泉への下り
三俣蓮華岳の山頂で無事に朝日を拝めたことだし、このまま南方の丸山を超えて双六岳方面へ向かいます。
双六岳に向かう途中の分岐では、ここから直接双六小屋に行けることが示されていました。さっき書き忘れた三俣山荘~双六小屋間の最後のルートがこの中道ルートで、双六岳を経由しないので多少は楽なのかもしれません。
とはいっても、三俣蓮華岳も双六岳もなだらかな登りなので気持ちのいいハイクが楽しめます。
そして、快晴の双六岳(標高2,860m)に登頂成功!さっきまでのガスの強風でどこかに行ってくれたようで、上空には青空が広がっていました。
双六岳の山頂では三俣山荘のテン場で隣だった方と再会したりして、今日の快晴ぶりを嬉しく言い合ったりもできました。
双六岳からは鷲羽岳や黒部五郎岳、そして笠ヶ岳方面まで遠くまで見渡すことができて、改めて北アルプスのスケールの大きさに驚かされるばかり。
稜線沿いに延々と山が続いていくこの感じ。いいね。どこまでも行ってみたくなる。
昨日の鷲羽岳山頂では見れなかった槍ヶ岳方面もバッチリ目視できました。
往路だと暗闇の中を登ってきただけに、展望どころかそもそも何も見えない状態だったものの、復路でこれだけ見えてくれれば満足といったところです。しかし、最終日は正直展望はどうでもいいかな、下山するだけだしと思っておきながら天候に一喜一憂しているあたり、やっぱり自分は晴れが好きなようです。
双六岳を抜けて双六小屋まで下るともう稜線ゾーンは終了し、あとは新穂高温泉までひたすらに標高を下げていくだけ。
最後に、見納めとして昨日登った鷲羽岳をしっかり眺めてから下っていきます。
双六小屋から鏡平山荘を通過し、わさび平小屋まで下ってしまえばアップダウンはなくなり、気ままな林道歩きが楽しめます。
双六小屋から新穂高温泉までの行程はあまり展望が得られませんが、岩や木の根の上を歩いていくことになるので個人的にはなかなか楽しい。徒歩でグングン標高を下げていくのが結構面白い。
そして11:30に無事に新穂高温泉に下山しました。
今回も無事故で全ての行程を終えることができてまずは一安心できた一方で、2泊3日の高天原温泉縦走があっという間に終わってしまったことが悲しい。
楽しい時間ほど過ぎるのが早いとはよく言ったもので、体感的には24時間くらいしか経過してないんじゃなかろうか。
最後はいつものように、中崎山荘 奥飛騨の湯で汗をしっかり流してから帰路に着きました。おつかれ山!
おわりに
ずっと訪れてみたかった高天原温泉。その湯加減は非常に心地よく、そこに至るまでの道の困難さもかえって良い思い出になりました。
思い返してみれば確かにかなりの奥地に存在するものの、訪れる価値は十二分にあります。北アルプスの最深部で温泉で入れるありがたさ。名峰に囲まれながらゆったりと縦走の疲れを癒やす…思い出すだけでその気持ちよさが蘇ってくる。
この素敵な体験をぜひとも味わってほしいと思います。
楽しかった!
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