TAMAISM

旅の記録、宿泊先や行程とか

ほりえや旅館 飯坂温泉の木造3階建て旅館に泊まってきた

歴史ある温泉街

今回の宿泊地は福島市街から少し北へ向かったところにある飯坂温泉というところで、その温泉街の中心に位置するほりえや旅館に泊まってきました。

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飯坂温泉駅前の風景

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駅前の十綱橋沿いには、高層な建物が立ち並んでいる

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飯坂温泉の歴史は古く、言い伝えによれば縄文時代にはすでに存在していたとされています。

そこから時代が下っていくにつれて徐々に温泉街としての形をなしていき、あの松尾芭蕉も「おくのほそ道」の中で飯坂を訪れています。比較的近年では正岡子規、与謝野晶子も訪れており、飯坂を詠んだ句碑が建てられています。

温泉の特徴としては、これは後で述べますが温度がめちゃくちゃ熱いこと。今回投宿したほりえや旅館のすぐそばにある共同浴場の「鯖湖湯」では、湯船の平均的な温度はなんと47℃と激熱です。しかも、飯坂温泉の共同浴場の中ではこれがぬるめに相当するというから驚くのも無理はない。

今回の訪問は初夏ですが、たとえ冬場であっても相当に熱いレベルであるには変わりはないです。なので、これからの季節だとちょっときついかもしれません。

飯坂温泉 ほりえや – 創業 1882年

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ほりえや旅館 全景。右奥に見えるのが共同浴場の鯖湖湯。

飯坂温泉駅前の通りを左へ進み、古い建物や足湯がある一角にほりえや旅館はあります。

まず目に入るのは、その特徴的な木造3階建ての風貌。

近年ではめっきり数が少なくなっている木造3階建ての旅館がここには残っていて、しかも温泉街の中心地を望めるところに佇んでいる。私は旅館の立地について考える機会は少ないですが、それでもほりえや旅館の立地は非常に印象的に思えました。

なぜかというと、この通りは人通りが多いこともあって人々がほりえや旅館を目にする機会がとても多いからです。この辺りには宿が多いので必然的に宿泊者が集中するし、飯坂温泉に宿泊しない場合であっても、すぐそこに有名な鯖湖湯があるので観光客も多く通行する。

いわば、飯坂温泉におけるランドマーク的な存在感がある旅館。それがほりえや旅館なんじゃないかなと感じました。

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ほりえや旅館のすぐ前には鯖湖神社がある

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鯖湖湯も木造で雰囲気がいいです

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鯖湖神社を正面から

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というか、ほりえや旅館がある場所が飯坂温泉の発祥の地のようです。

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ほりえや旅館は交差点の隅に建っているのですが、遠目からでもわかりやすい

投宿する前に、すでに飯坂温泉の雰囲気が好きになってしまった。

温泉"街"といえばやはり移動は歩きになるわけで、町としての歩きやすさ、散策のしやすさは結構重要だったりします。歩きがメインなのに交通量がめっちゃ多いと次第に歩きたくなくなってくるし、なんかこう、歩いていて楽しいと思えるような要素があると嬉しい。

ほりえや旅館の周辺は、この点に関してはとても良くて、足湯もあれば神社もあるし、ちょっと一休みするようなベンチもあります。しかも町並み自体がこじんまりとしているので、自分からすると「歩くのが楽しくなってくる」町だ。

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玄関

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看板猫の風ちゃん

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玄関から中に入っていく際に、玄関先で寝ている猫ちゃんを発見。

この子はほりえや旅館の看板猫の風ちゃんといって、屋根裏に住んでいた野良猫のうちの一匹とのことです。他の子と違って風ちゃんは里親が見つからなかったため、飼うことになったそう。

元野良猫ということもあってなかなか撫でさせてもらえなかったり、思いっきり不審者を見るような目つきで見られたりと結構塩対応でした。

館内散策

1階

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玄関土間と1階部分。右奥の部屋がご家族の生活スペースになっている

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帳場には黒電話(現役)と、その横にもっと古い電話があって驚きました

玄関から中に入った様子がこちら。

玄関土間には猫ちゃんグッズが置かれているほか、1階部分が右手方向に続いています。しかし、部屋としては右奥にあるところしかなく、客室はすべて2階より上に位置しているようでした。

あと玄関正面には一応帳場もありますが、ここに人が常駐しているわけではなかったです。玄関をくぐると右奥の部屋からご主人が出てこられたので、そこで宿泊の際の手続きをしました。

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壁を埋め尽くすほどの「温泉むすめ」の展示物

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何も知らずにここを訪れた場合はびっくりすると思う

飯坂温泉を語る上で外すことができないのが温泉むすめの存在で、この飯坂温泉のキャラクターは飯坂真尋ちゃんという名前です。説明を読むと姉御肌で、運動神経が良くて頭もいい万能キャラっぽい。

温泉むすめは個人的には素敵な取り組みだと思っていて、こういうのが好きな方はグッズや展示を目当てに旅行をし、宿泊やグッズ購入で地方にお金を落としてくれるという流れです。いわば温泉地と旅行者でWin-WInな関係が得られて両方ハッピーになれる、という素晴らしい仕組み。

onsen-musume.jp

ただでさえ今では国内旅行をする人が少なくなっており、特に若い人はそれが顕著。コロナ渦で地方の経済は甚大な打撃を受けているということもあるので、いかにして旅行をしてもらうかが重要になってくるのは明白。それを「温泉のキャラクター化」という点に目をつけて、しかも何回も足を運んでくれるように工夫がされている。

金を持っている層に来てもらうのはやはり効果的だし、単純にキャラが可愛いのは良いと感じました。

飯坂真尋 | 温泉むすめ公式サイト

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帳場横にはなぜかガルパンの展示が…

ご主人に話を伺ったところ、こうした町おこし関連で全国で同じような取り組みをされている自治体とのつながりは深いとのことでした。それは単純な経営サイドだけの話というわけでもなくて、そういうファンの方からもグッズをいただくことが多いらしいです。

上に示した玄関横の展示スペースのグッズもそうだし、帳場横には茨城県大洗町のガルパンの展示もあったりして、いずれもほりえや旅館に宿泊したファンからの寄贈によるもの。これを交流という面でみると、同じ目的かつ同じ趣向な人同士が簡単に繋がれている。

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ほりえや旅館の目の前にある土産物屋の展示

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鯖湖神社の絵馬

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そんな飯坂温泉の町並みには至るところに飯坂真尋ちゃんが溢れていて、おそらくどこに泊まっても、どこを訪れてもこんな感じだと思います。

ほりえや旅館のご主人がまず熱心な方だし、観光地の売り方としては今後はこういう方向が主流になっていくのかもしれません。

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創業当時のほりえや旅館

ほりえや旅館の創業は、なんと明治15年。

明治15年というと1882年なので、今からおよそ140年前からすでにあったということになります。2階へ続く階段の横にはその当時の写真が飾ってあって、昔からずっと3階建てだったことがわかりました。見たところ2階と3階は回り廊下になっていて、その廊下の内側に客室がある構造になっていたようです。

現在では3階部分は当時と同じように回り廊下になっているものの、2階の回り廊下は2階の客室を拡充する際に消滅しています。でも、その名残ともいえる部分が今でも残っていてそれもまた面白いものでした。

2階~3階

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2階への階段

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2階部分

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3階廊下。通りに面している

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今回泊まった3階の「壱番」の客室

1階から2階、そして2階から3階へと階段を上り、今回泊まることになる客室へ。

泊まったのは3階へ続く階段を上がってすぐのところにある「壱番」の客室で、ほりえや旅館の最上階に位置する眺めがよいところでした。

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客室の様子

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ここにも真尋ちゃんおる

客室の様子はこんな感じで、広さはなんと12畳もあって快適そのもの。むしろ一人で使って良いんですか感が先行してしまう。

ほりえや旅館はその外観から推察したよりも意外にも客室数が少なく、後から散策した結果では2階に3部屋、3階に2部屋しかありませんでした。その分一部屋あたりの広さはかなりのもので、泊まる側としては心地よく過ごせる感じ。

廊下との仕切りは障子戸のみで鍵はないシンプルな造りです。

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3階廊下からの眺め。障子戸を開ければすぐにこれが味わえる。

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なんといっても素晴らしいのが3階からの眺め。

さっき参拝した鯖湖神社も含め、大通りの様子がよく見えます。特に夕方以降になるとお隣の鯖湖湯に入りに来る人が多く、ここからその景色を見ながらお茶を飲むのが快感でした。

木造3階建て旅館の3階に泊まり、そこからの景色を楽しむ。3階建ての旅館がまず絶対数的に少ないわけだし、そこに泊まる機会があったのならぜひとも2階ではなく3階に泊まりたいと考える。今回は意図せずして3階をあてがっていただき本当に感謝しかないです。


このまま早速温泉に行ってもいいのですが、せっかくなので他の部屋も見学したい。ご主人に相談してみたところ、まだ他の宿泊客が到着していないのでささっと見る分ならいいよーとのこと。普通なら断られて当たり前なのですが、これにはもう感謝しかないです。

お言葉に甘えて見学させていただくことにしました。

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2階への階段を上がってすぐ左に位置する客室。回り廊下の跡が伺える。

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見学させていただいた部屋は2箇所で、いずれも2階に位置する客室です。

まず最初は階段上がってすぐ左にある部屋で、この部屋の特徴は部屋の中に柱が通っていること。この部屋の真上は確か自分が泊まっている部屋に当たるはずですが、3階にはこのような柱はありませんでした。

この柱の正体は、今はもうない2階の回り廊下と客室との間にあったもの。

建築当時のほりえや旅館は、2階、3階ともに外周部分は回り廊下になっており、客室はその回り廊下の内側にありました。3階部分の構造については当時から変わっていない一方で、2階部分は客室を拡張するために回り廊下を潰したというのが背景です。

なので廊下自体はもう存在していませんが、その脇にあった柱はそのまま残っているという形です。かつて廊下だった部分は広縁のようになっており、ここにはまさに広縁に置かれているような椅子と机がありました。

温泉むすめ部屋

次の部屋はかなり度肝を抜かれました。

私がほりえや旅館に実際に泊まるまでここは「伝統ある木造旅館」という認識しかなく、まさかこういう趣向の部屋もあるなんて…という意味で驚いた部屋がこちらです。

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温泉むすめ部屋

まさかの飯坂真尋ちゃん一色。

壁はもちろんのこと、ベッドや机に至るまで飯坂真尋ちゃんグッズで占められている。いやよく見ると他の温泉むすめのタペストリーなどもあるので、正確に言うと温泉むすめ部屋ということになります。

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上から下まで個性的すぎる。

ただよく考えてみると、この部屋のコンセプトは温泉むすめの目的に非常によく合致していることがわかります。そもそも温泉むすめとは温泉を擬人化した女の子を主体にし、そのグッズなどを売りにして温泉を訪問してもらったり宿泊してもらったりすることが目的。

その考えでいくと、宿泊施設自体にこういう客室があるというのは売りとして非常に強い。

この部屋に泊まりたいからほりえや旅館に泊まると考える人も出てくるでしょうし、実際にそういう人はめちゃくちゃ多いそうです。今日ここに泊まる人も、予めこの部屋を指定してきたんだとか。

投宿するときに玄関の展示をみて飯坂温泉はこういう面もあるのか…なんて思っていたんですけど、温泉むすめを全面に押し出しているのはこれからの温泉旅館の在り方の一つなのかもしれません。

ほりえや旅館は元々が伝統ある旅館な上に、現代に適合した観光の方法を採っている。昔ながらの客商売だけをしていたのではなかなかうまくいかない部分もあるところを、柔軟に対応されているのが素直にすごいと思いました。

館内全体

これで他の客室の見学は終了。

これから自室へ戻って温泉に入りに行く前に、改めて1階から館内を散策することにしました。さっきは一直線に自室まで向かっただけなので、ゆっくり歩き回ってみたい。

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階段。幅広で高低差があまりない

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階段を上がって左を見る。左手前と右奥に客室があり、正面の階段は3階へと続いている。

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別角度から

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2階廊下にあるパネル

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3階への階段を上がった先。右手前に進めば自分が泊まった部屋がある。

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自分が泊まった部屋の前から階段方向を見る

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3階にある別の客室(の前の廊下)

改めて玄関を出発して3階に向かってみると、3階にはちょっとした小階段が多いことに気が付く。

2階についてはすべての客室が同一フロア上に配置されているものの、3階については階段を上がった先が二股に分かれていて、そこに更に階段があって客室へ続くという形になっています。簡単に言えば、3階自体が建物の手前(玄関側)と奥側では微妙に高低差があるという感じ。

なかなか複雑ですが、一度歩いてみれば迷うことはないです。

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自室へと帰還

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飯坂温泉のパンフレット。共同浴場の案内が載っています。

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帳場横にあった昔の写真集をお借りし、部屋で眺めてました。ちなみに、この写真は昔の鯖湖湯です。

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昔の十綱橋

そこからは自分が泊まっている部屋へ戻って飯坂温泉のパンフレットを読んだり、昔の写真集を眺めたりしてました。

古い旅館に泊まった際には、昔の情景を想像しつつのんびりお茶を飲むという時間が少なからずあります。もちろん根本的には自分の空想に過ぎないものなんですけど、こういう写真が残っていると妄想がより捗るというか。当時は建物といえば木造しかないわけで、その際の宿泊のことをあれこれ考えるのは結構面白い。

温泉

一通り館内を散策していたら、夕食の時間まであと1時間ほどとなりました。

夕食までに温泉に入っておくのはもちろんとして、実は、今回の宿泊では飯坂温泉の共同浴場をあまり訪れていません。なんでかというと、温度が熱いのではしごしづらいからです。

翌朝に隣りにある鯖湖湯に入りに行ったくらいで、メインとしてはやはりほりえや旅館の内湯でした。

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2階への階段を上がり、そこから右手の階段を下った先が内湯になっています。

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ほりえや旅館の内湯。右が小さめの湯船、左が大きめの湯船となっている。

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特徴的な扇風機

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内湯はいずれも家族風呂形式で、各自が入っているときには鍵をかける形

ほりえや旅館の内湯は二箇所にあって、それぞれ隣り合っています。ちなみに源泉はすぐ横にある鯖湖湯のものと同じで、言うまでもなくその質は確かなもの。

いずれも共同浴場的な感じではなく、他の人を気にする必要がない家族風呂形式です。入るときには入り口の扉を締めた上で鍵をかける形になっており、湯から上がった際にはまた開けっ放しにするという流れ。

これのおかげで他の人が今入っているかどうかが分かりやすく、しかも各内湯が隣り合っていることもあり、単純に空いている方に入りに行けばいいです。

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小さい方の湯船

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小さい方の湯船はこんな感じで、浴室内に湯船が一つあるというシンプルな造り。

源泉が鯖湖湯と同じ=激熱(47℃以上)なので入るタイミングによっては温度調節が必要になるものの、広さ的に一人で入るのがちょうどいいくらいでした。

温度調節については、湯船の外に引いてあるホースで直接水を投入する形です。あまりぬるくしすぎると後から入る人に影響が出てしまうので、まあ適度なくらいで留めておくのがいいかと。

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大きい方の湯船。かけ湯や身体を洗う用の部分があって、湯に浸かる前にはここを利用することになる。

大きい方の湯船はこのようになっています。

小さい方の湯船と異なっている点は、右方向にかけ湯や身体を洗うときなどに利用するお湯場があること。さっきの小さい方の湯船みたいに、湯船から直接かけ湯をする形にはなっていません。

明確に洗い場が設けてあるのがこっちだけなので、最初に入りに行くとしたらまずこちらかなと思います。

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温度については、お湯場の方は相変わらず激熱すぎて流石に水を入れたものの、湯船の方については意外にもそれほどという感じでした。

ただ、これも入るタイミングとかによっては変わるのかもしれません。当然ながら源泉の温度が関係しているので、日によっても多少は熱いぬるいの差があるだろうし。

ところでさっきから温泉の温度が熱いとしか言ってませんが、さっと身体を温めたいという場合にはこれがかなり役立ってくれます。それでいて湯から上がったあともその熱さが長い間持続してくれるし、じっくりと入るというよりは短時間で温まるのがメインの使い方のような気がする。

大きい方の湯船の温度が自分にとっては適していたので、こっちの方を優先的に利用してました。

夕食

温泉旅館で一泊する上で楽しみなのは、やはり温泉と食事。

温泉はその泉質や浴室・湯船の造りなども含めて、旅館によって一つとして同じものはない。それは食事についても同じことが言えて、確かに似たようなものは他の場所でも食べられるのかもしれないけど、その季節や時間帯によって味わい方はまた異なってくる。

宿泊料金などを安く済ませたいという場合には素泊まりという選択肢も一応あるものの、やっぱり自分は温泉旅館では二食付きが良いと思ってます。温泉を満喫した上で食事も楽しむのが基本。

季節が違えば旅の行程も移動手段も宿での過ごし方も、すべてが違うものになる。

自分としてはその"変化"をどう楽しむかを考えるのが面白いといつも思っているのですが、旅を構成する要素としてそこに「食事」は確かに必要になってきます。なので、今この場所、この状況下でいただく食事そのものを楽しんでいきたい。

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ほりえや旅館での食事は朝夕ともに部屋出しとなっており、待っていればわざわざ1階から3階まで料理を運んできてくれます。階段ばっかりでなんか逆に申し訳なく、相当に親切な対応でした。

夕食の献立はこの通り。地元の肉を使ったしゃぶしゃぶをはじめ、家庭的で素朴な品が並んでいます。

ちょっと驚いたのが、運んでこられた料理の品をすべて机の上に置くわけではないということ。ほとんどの品は上の写真の通り御膳に乗っていて、これを自分から見て左に置く形になりました。ここから適宜、皿を机の上に移動させて料理をいただくという流れになっています。

他の旅館では今までにこういうスタイルを味わったことがなく、新鮮に感じました。

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とても美味しかったしゃぶしゃぶ

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日本酒を頼むと、なんと二合徳利でした

何から何まで美味しいとはまさにこのことで、一品一品の味付けもさることながら食べやすさが光っている。

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酒と一緒に料理の食事スピードも自然と上がってきて、結局あっという間に完食。その後のご飯やお吸い物も含めて、胃への収まりがよすぎて自分でも謎すぎる。熱い温泉である程度は体力を消耗したこともあって、特に白米の摂取がマッハでした。

料理そのものに満足できる食事がいただけるのならこれに越したことはない。ほりえや旅館での食事はこれを見事に満足してくれて、終わってみたら幸せな満足感だけが残っている。ごちそうさまでした。

夜の散策

夕食を終えた時点で、あとはもう寝るだけ。

寝るだけなんですが、流石にもう就寝を決めるには時間がまだ早い。季節が春から夏へと移り変わっていく中で、日が長くなっているので夜の散策も比較的やりやすくなっています。冬だったらもう布団に直行しているところ、せっかくなのでもうちょっとだけ寝るのを後回しにすることに。

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玄関先には常に風ちゃんがいる

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鯖湖湯は夜になっても賑わっていた

そんな理由で、食後は温泉に行った後に旅館の前をぶらぶらしてました。

ほりえや旅館の前は飯坂温泉の中心部であるほか、鯖湖湯自体が地元の人で常に賑わっている共同浴場です。特に、夜になれば老若男女を問わずに共同浴場へやってくる人も多く、部活帰りと思われるグループもやってきたりしてました。なので、ほりえや旅館の前は、時間の割に人通りが少なくなかったです。

あとほりえや旅館は家族経営をされていて、お子さん達が結構な確率で1階周辺で遊んでました。

猫の風ちゃんも常に玄関周辺で横になってたりしてるし、そんな中に自分もいると自然と力が抜けていくよう。もともと旅館というのは堅苦しいようなところではないけど、ほりえや旅館に滞在しているとよりリラックスできるような気がしてくる。

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相変わらず風ちゃんは撫でさせてくれない

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部屋に戻ってくると布団が敷かれていた

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そんな調子で鯖湖神社前のベンチに座って通りを眺めたりした後、部屋へ戻って就寝。

自分が泊まっている旅館の部屋の明かりがこれだけ明るいのは初めてかもしれない。自分が泊まるようなところって自分以外に宿泊者がいないような宿ばっかりなので、夜は結構暗かったりします。

翌朝は鯖湖湯へ

翌朝は少々高い気温で目が覚めた。思い返してみれば昨夜の気温も普段自分が住んでいるところと比較するとなんか暑かったし、どうやら福島の気温は高めのようです。

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朝特有の眠気を霧散させるのに有効なのは、やはり朝風呂。

昨日も入ったほりえや旅館の内湯に入りに行くのもいいですが、せっかくなので鯖湖湯に入りに行きました。なんだかんだで昨日は入っていないし、なんといってもすぐそこにあるのでアクセスは良好。飯坂温泉を発つ前に入っておくしかない。

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鯖湖湯へ

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ほりえや旅館から鯖湖湯までは、玄関を出てわずか10秒ほど。

共同浴場に行くというよりはもうほりえや旅館併設の温泉に入りに行くみたいな感覚なので、もしほりえや旅館に泊まる場合は鯖湖湯も一緒に入ってしまうのがおすすめです。

~鯖湖湯到着~

中に入る前に看板を読んでみる。

浴槽温度は47℃前後と書かれていて、昨日すでに見た内容なんだけど緊張してしまう。というか源泉温度が51℃で、それがかけ流されているって冷静に考えるとヤバいですね。本当に大丈夫なのか?

意を決して入り口で券を購入し中へ入る。中は脱衣所と浴室が直接繋がっているような構造になっていて、温泉に入る分にはスムーズそのものでした。

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肝心の湯加減については47℃どころじゃなかったです。49℃ありました。軽く火傷しそうでした。

入った瞬間に思考停止しそうなほど熱く、かけ湯を念入りに行っても湯に浸かるのは下半身のみが限界でした。しかも浸かったところがしばらく赤くなっていたし、こんな体験は生まれてはじめてだ。

ちなみに49℃という数値は確かで、これは受付の方に聞いたので間違いありません。温泉というよりはなんか修行に近いような気がするし、チャレンジャーな人は鯖湖湯へ行ってみることをおすすめします。

地元の方にとってはこれが普通みたいに書きましたけど、肉体的には必ずしもそうではないようです。この後に旅館に戻って朝食をとっていたところ、なんと鯖湖湯へ救急車がきてました。ご主人に話を伺ってみると、やっぱり温度が温度なので高齢者にとっては負担が大きいらしく、たまに高齢者が運ばれていくそうです。

朝食

その後は熱冷ましの意味で屋外で風を感じつつ旅館へ戻り、朝食をいただきました。

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玄関口に猫ちゃんがいることによって、自分が屋外に向かうことへのハードルが下がっているように思える。

特に用事がなくても1階へ降りていきたくなるしなるし、気分的にそのまま履き物を履いて外へ出かける流れにもっていきやすい。自分が特に散策が好きという理由もあるのですが、猫はその存在だけで人間を動かす力があります。

これからもほりえや旅館の看板猫として、元気に過ごしていってほしいです。

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朝食の温泉卵

朝食の内容には、温泉地らしく温泉卵がありました。

茹で加減は比較的固めで、自分は固めが好きだったので好印象。他の品も無理せず身体に吸収されていくのが実感できるほど優しい味をしていて、夕食に引き続いて一瞬で食べ終わってしまった。

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最後は、風ちゃんに見送られながらの出発となりました(だるそう)

朝食が終われば、後はもう旅館を去るだけになってしまう。

本当であれば食後に昼寝をしたりして昼過ぎまでダラダラとし、冷たい飲み物なんかを飲みながら畳と同化したい。けど電車の時間がすぐそこに迫ってきていることもあって、後ろ髪を引かれながら出発の準備をしました。

おわりに

最終的には風ちゃんにも見送ってもらい、投宿したときから今までを通して満足のまま終わったというのが率直な感想です。

飯坂温泉自体が熱めの湯が好きな人にとっては有名過ぎるところだし、もちろん宿泊するところは数多くあるものの、ほりえや旅館を今回選んでよかった。季節を変えてまた訪れたいです。

おしまい。

飯坂温泉 ほりえや – 創業 1882年